お墓の年間維持費の相場を解説!払えないとどうなるの?

  • 投稿日:2018/10/12
  • 更新日:2020/10/06
お墓の年間維持費の相場を解説!払えないとどうなるの?

お墓にはいろいろとお金がかかります。

墓地を使用する費用、墓石代、お墓を建てる工事費、開眼供養費などがありますが、どれも1度支払うと次回から請求されることはありません。

しかし、お墓の年間維持費だけは違います。
お墓が墓地にある限り永久に支払い続ける必要があります。

ここでいう年間維持費は管理費の他、お布施などの諸経費を含む費用のことです。
なお、管理費は墓地の使用を続けるために、墓地の管理者に支払うものです。

「お墓を引き継いだけれど、永久に支払い続けないといけないお金があるの?」

引き継ぐまでは親がすべてをしていたので、そういったお金が必要であることすら知らないという人は少なくありません。

これまでは親任せで済んでいたのでしょうが、お墓を継承したからには「うっかりしていた・・・」、「支払うことすら知らなかった」では済まされません。

年間維持費を支払わないとお墓が無くなってしまうことにもなるので、年間維持費や管理費、檀家費用などお墓にかかる費用についての情報を知り、引き継いだお墓を守るようにしてください。

今回は、お墓を引き継いだけれど、お墓にかかる費用がよくわからない、年間維持費は誰が払うのか、年間維持費を払えなくて滞納してしまうとお墓はどうなってしまうのかなど、お墓にかかる費用についてお伝えしていきます。

お墓を相続したけど年間維持費の相場はいくら?

年間維持費の画像2
お墓にかかる年間維持費は、墓地や霊園内で使われる水や墓地・霊園から出たゴミの処分、植栽の伐採、草むしりなど墓地、霊園を運営・管理していくのに必要な管理費と寺院などに対するお布施などがあります。

この年間維持費は運営されている組織により金額はさまざまで、一般的には公営墓地が安く、次に民営霊園、そして寺院墓地と費用は高くなっていきます。

お墓を引き継いだばかりでよくわからないとはいえ、毎年支払う必要がある維持費については、気になるのではないでしょうか。

ここからは運営組織別に年間維持費の相場についてみていきます。

民営霊園の相場

民営霊園は宗教法人が母体となり、石材店などが運営・管理している霊園です。
民営霊園の年間維持費相場は、5,000~15,000円の管理費だけです。

民営霊園では宗旨・宗派を問わない霊園が多く、墓石の大きさ、形やデザインなども自由に選ぶことができます。

公営墓地の永続性に比べるとやや劣るかもしれませんが、経済的基盤はしっかりしていて、中長期に渡って運営・管理していけると認められているので、すぐに運営母体が潰れるようなことはありません。

民営霊園のメリットは、公営墓地に比べて、最寄りの駅から送迎バスが出ている、霊園内に休憩施設がある、バリアフリーになっているなど、サービス面が充実していることです。
デメリットは公営墓地に比べてかかる費用が高く割高になるということです。

公営墓地の相場

公営墓地は地方自治体によって運営・管理されている墓地で、宗教不問です。
公営墓地の年間維持費の相場は、5,000~10,000円の管理費だけです。

運営母体が地方自治体ということで、その都道府県、市区町村に住んでいる住民が納めた税金を元手に運営されているので、民営霊園、寺院墓地に比べて年間維持費も安く設定されています。

公営墓地のメリットは地方自治体が運営・管理しているので、永続性という面では安心できます。

デメリットは公営墓地は募集条件が厳しく、募集数も少ないので、抽選になることもあります。

また、墓地内には水道はありますが、手桶やバケツなどを置いていない墓地もあるので、各自で用意し持参する必要がある場合もあります。

寺院墓地の相場

寺院墓地は寺院などの敷地内にある墓地で、寺院が運営・管理している墓地になります。

寺院墓地でお墓を持っている場合や、管理費に当たる「護持会費」を毎年納めます。
護持会費の相場は年間で10,000~20,000円が相場です。

この他、お寺の場合は檀家にならないとお墓を持てないことが多く、都度のお布施の費用がプラスされます。
年に1.2回開かれる恒例行事の参加に伴う行事参加費が年間10,000~60,000円とです。

護持会費と合わせると寺院墓地のお墓の年間維持費は2つの費用を合算した20,000~70,000円になります。
また、お布施は法要以外でも、寺院や庫裡の改修などでも支払いをお願いされることがあります。

寺院墓地は寺院が運営・管理しているので、長期に渡り安心できます。

寺院墓地のメリットは、寺院に法要に関するすべてのことを相談でき、法事の際にも来てくれるなど、故人を手厚く供養することができます。

デメリットは檀家になる必要があることです。
檀家になると、寺院施設が老朽化したときに行う修繕や新築を行う際に寄付を求められたり、寺院の定期的な清掃への参加を求められたり、法要、自宅の仏壇へのお参りにお布施を求められたりします。

お墓の年間維持費は誰が払うの?

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ここまで、お墓の年間維持費についてお伝えしてきましたが、実際には誰がお墓の年間維持費を払うことになるのでしょうか?
ひと昔前までは「お墓を相続する人=その家の長男」となっていましたが、生活スタイルが多様化してきた現代では、必ずしもお墓を相続する人は長男とは限らなくなっています。

ここからはお墓の年間維持費を払わないといけないお墓を相続する人とは誰なのか、お墓の年間維持費の支払い方法、年間維持費の使い道などについてお伝えしていきます。

基本はお墓の相続人が払う

お墓の年間維持費を払うのはお墓の相続人です。
一般的にはそのお墓に次に埋葬される人、お葬式の喪主を務める人がお墓の相続人になるケースが多いようです。

お墓の相続人の決め方についてはこれ!といった方法はなく、事前に口頭、手紙などの方法でお墓の相続人を指定することもできます。
ただ、亡くなった後に何らかの揉め事が起こりそうなのであれば、弁護士や公証人の力を借りて正式な遺言書として残す方法もあります。

しかし、事前の口頭、手紙や遺言書などがない場合はどうすればいいのでしょうか?
このような場合は、残された子供たちの中で相談して決めるのが基本になります。

例えば、長男が家を出ていて実家に帰る気持ちがまったくない場合などは、長女、もしくは次男がお墓の相続人になることもあります。

お墓の相続人はお墓の年間維持費を払うことになるのですが、やはりお金が絡んでくることなので、お墓の相続人選びが原因で揉め事に発展してしまうこともあります。

そうなってしまった場合は、家庭裁判所などに仲裁に入ってもらい、お墓の相続人を決めてもらうことになります。

お墓の相続人が決まった場合は、役所、公営墓地、民営霊園、寺院の管理者に、墓地使用者の名義変更の手続きも忘れないようにしてください。

年間維持費の支払い方法

管理費を含むお墓の年間維持費は、お墓が墓地、霊園にある限り払い続けなければなりません。

では、年間維持費はいつ、どのように支払うのでしょうか?
公営墓地、民営霊園、寺院墓地それぞれについてみていきます。

公営墓地や民営霊園の年間維持費は、管理料だけです。
支払い方は現金払いではなく、一年に一度指定された銀行口座からの引き落としになります。
民営霊園などでは一度に複数年払いもできるように、3年、5年払いも選ぶことができるところもあります。

寺院墓地の年間維持費は、護持会費とお布施があります。
支払い方は、銀行口座引き落としではなく、一年に数回の現金払いになります。

お墓の管理費にあたる護持会費はお盆やお彼岸の時期に寺院に持っていく、もしくは檀家の代表、寺院の住職が檀家を一件、一件廻り集金することもあります。

寺院に払う護持会費は、現金を封筒に入れて直接渡す方法で、現金が入った封筒には「護持会費」と表書きを忘れないようにしてください。

また、寺院の年間維持費は護持会費以外にも年に1.2回開かれる恒例行事の参加に伴う行事参加費の支払いもあります。
行事参加費の支払い方は護持会費と同様になります。

年間維持費は何に使われるの?

支払った年間維持費は何に使われるのでしょうか。

基本的には、墓所内の整備に使用されます。
例えば、お墓参りのときに使う水道使用料や手桶、ひしゃくなどの備品、墓地、霊園全体の清掃などに使われます。

民営霊園ではこれらに加えて、サービス内容に応じた目的にも年間維持費は使われています。

例えば民営霊園では、最寄りの駅から送迎バスが出ている、休憩施設が完備されている、霊園内がバリアフリー化されているなど、このようなサービス面にも年間維持費は使われています。

民営霊園の年間維持費は公営墓地に比べると割高に感じるかもしれませんが、提供されるサービスはやはりいい所が多いので、墓地、霊園を選ぶときの参考にしてください。

なお、年間維持費は墓地、霊園全体の清掃などに使われるので、自分のお墓は自分で清掃する必要があります。

お墓参りをしたときには、墓石の水洗い、草むしり、植栽の伐採などを行い、自分のお墓もキレイにしてあげましょう。

お墓の年間維持費が払えないとどうなる?

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これまでお墓の年間維持費はお墓が墓地、霊園にある限り、支払い続けなければならないとお伝えしてきました。

では、年間維持費を支払うお墓の相続人が亡くなっていたり、経済的な理由で年間維持費が払えなくなり滞納した場合、お墓はどうなってしまうのでしょうか。

ここからは、お墓の管理費やお布施を滞納してしまうとどうなるのかを解説します。

護持会費や管理費が払えない

お墓の管理費が払えないという状況はいろいろと考えられます。
お墓を相続した人が亡くなった、経済的に困窮している、引越しをしたなどの理由でお墓の管理費を払えなくなっています。

お墓の管理費や護持会費が払えないと、お墓は無縁墓として墓地の管理者に撤去、処分されてしまいます。
納骨していた遺骨は、墓所内に永代供養の合祀塔などがあればそこに、なければ公営の無縁塚に埋葬されます。
合祀塔や無縁塚に遺骨が埋葬されると、その後は二度と遺骨を取り出すことができなくなります。

墓地の処分については、「墓地・埋葬等に関する法律(墓埋法)」で取り決めがあります。
平成11年3月に改正され、お墓の管理費が払えないお墓を無縁墓として撤去、処分できる手続きが簡略化されました。
少子化や核家族化、都心部への人口集中などによるさまざまな理由で、お墓が継承されずに放置され、無縁墓が増えてしまったことが背景にあります。

この改正によると、まずはお墓の管理費が払われなくなってから3年が経過すると、そのお墓の相続人もしくは管理者に管理費の支払いを求める内容が書かれた手紙が郵送されます。
さらに、手紙の郵送に並行して、お墓には管理費の支払いを求める立て看板が設置されます。
手紙や立て看板による催促にも関わらず、管理費が支払われずにさらに1年が経過するとお墓は撤去、処分されることになります。

ただ、お墓の管理費を滞納したからといってすぐにお墓は撤去、処分されることはないので、まずは安心してください。

お墓の管理費が払えない理由は人それぞれありますが、管理費が払えなくなったらまずは墓地、霊園管理者に相談することをおすすめします。

ちなみにお墓の管理費については民法の債権規定が適用されるので、管理費の不払いは10年以内は請求され続けるということは覚えておいてください。

お寺にお布施が払えない

お布施は基本的にはお気持ちなので、支払い義務はありません。
したがって、護持会費さえ払っていれば、お布施が払えないからと言ってお墓を撤去されるということはありません。

江戸時代から始まった檀家制度は、菩提寺を支える檀家と菩提寺から手厚く供養してもらっている檀家という関係性で、相互扶助という精神が基本になります。
お布施は菩提寺から法事、法要で手厚く供養してもらったお礼に対して支払うお金で、どちらかといえば心づけという意味合いがあります。

ですから、檀家さんの生活を圧迫してまでお布施を要求することは一般的にはありません。
お布施はあくまで気持ちで渡すものです。

お墓を維持できないとなったら

管理費が払えずお墓が維持できなくなってしまい、無縁墓として撤去、処分される前にできることはあります。

まずは、維持できないお墓の墓じまいから始めましょう。
墓じまいとはお墓を片付けて更地に戻し、墓地管理者や霊園管理者に敷地を返して、遺骨を取り出し他のどこかに引越しさせることです。

ただ、墓じまいをめぐり親戚間で費用負担のトラブルやお寺と離檀料をめぐるトラブル、石材店とお墓の土地の使用権利をめぐるトラブルなどが起こる可能性もあるので注意が必要です。

墓じまいの次にすることは取り出した遺骨の供養です。
ここでは年間維持費、管理費を払う必要がない供養法をお伝えしていきます。

永代供養墓に納骨する

永代供養は最初に費用はかかりますが、その後の年間維持費や管理費がかからない供養方法です。
永代供養とは、跡継ぎがいなくなっても、お寺などの墓地管理者が供養を続けてくれるシステムのことです。

永代供養のお墓には、遺骨を一ヶ所にまとめて埋葬する永代供養塔や、樹木葬、納骨堂などがあります。
いずれも、他の遺骨と混ざらないように個別で管理する期間では管理料が発生することがあります。
管理料が払っていけないという場合は、最初から他の遺骨と一緒くたになる合祀墓に納骨しましょう。

近くの永代供養墓を探してみる >>

散骨する

散骨は墓なしの供養方法で遺骨を粉骨して海や山、空などにまいて供養する方法で、自然葬とも呼ばれています。

散骨は海、空などまく場所によって費用は変わりますが、費用が必要なのは最初だけで、散骨後に年間維持費、管理費などの費用はかかりません。

樹木葬にする

樹木葬は、石の代わりに樹木を墓標に置き換えて遺骨を埋葬する方法です。
最近では「樹木葬」というと樹木の下の納骨室に遺骨を納め、土に返さないタイプもありますが、もともとは土に変える骨袋やそのまま骨を埋葬して自然に還すという埋葬方法です。
樹木葬も最初に費用はかかりますが、土に返す樹木葬であればその後の年間維持費や管理費がかかりません。

近くの樹木葬を探してみる >>

手元供養で保管する

手元供養は遺骨を手元(自宅)に置いて保管することで、自宅供養とも呼ばれています。

手元供養は遺骨を全て保管するもしくは一部を保管する2つの方法があり、
遺骨を身近に置いておけるので安心感が得られるというメリットがあります。

手元供養は費用がほとんどかかることがなく最も安く供養できる方法ですが、供養している人もいつかは亡くなります。
最終的にはどこかで遺骨を供養しなければならなくなるので、問題を先延ばしにしているだけということは念頭に置きましょう。

まとめ

ここまで、お墓を引き継いだけれど、お墓にかかる費用がよくわからない、年間維持費は誰が払うのか、年間維持費を払えなくて滞納してしまうとお墓はどうなってしまうのかなど、お墓にかかる費用についてお伝えしてきました。

お墓がある限り年間維持費は払い続けないといけないので、維持が厳しいようであれば、年間維持費や管理費がかからない永代供養、散骨、樹木葬、お墓を建てない手元供養という選択肢も含めて、お墓のことを考えてみてはいかがでしょうか。