遺骨を土に還す方法を紹介!タイミングや土に還る年数

遺骨を土に還す方法を紹介!タイミングや土に還る年数

お墓には、カロートと呼ばれる納骨スペースがあります。限りあるスペースに納骨を続けていくと、いつかはいっぱいになってしまいます。
納骨室がいっぱいになった時の対処法の一つとして、遺骨を土に還すという方法があります。
この記事では、今すでに納骨室がいっぱいになって困っている方、また、これからお墓を買おうとしているけど将来的に不安な方のために、遺骨を土に還す方法を紹介します。

お墓がいっぱいになってしまったらどうする?

まずはじめにお墓がいっぱいになってしまった場合の対処法について紹介します。

納骨室に骨壺はどれくらい入る?

関東で一般的な7寸壺であれば、1㎡のお墓に3~5体程度納骨できます。
ただし、お墓の構造や納骨の方法によっては、納骨できる人数が変わります。

お墓内部にある遺骨を納骨する場所を、カロートと言います。
お墓によってカロートのサイズは異なり、中には二段にしてたくさん納骨できるようにしているものもあります。
したがって、いくつの骨壺を納骨できるのかも、お墓によって異なります。
また、地域によっては骨壺のサイズが小さかったり、骨袋で納骨するので、それによっても納骨できる人数は変わります。

納骨室がいっぱいになった時の対処法

納骨室がいっぱいになった時は、以下のような対処法が考えられます。

納骨室がいっぱいになった時の対処法

  • 遺骨を土に還す
  • 古い遺骨をまとめる
  • 古い遺骨を合祀墓に移す
  • 粉骨して体積を減らす
  • 古い遺骨を散骨する

遺骨を土に還す方法

お墓のカロートがいっぱいになったら、古い遺骨をカロート内の土に還すことでスペースを確保できます。

カロート(納骨室)の構造

昔ながらのお墓では、カロートの底面は土になっています。
あるいは、底面がコンクリートや墓石で覆われている場合も、一部は土が露出しています。これは、「息抜き穴」と呼ばれています。
古い遺骨を土に還すときは、カロート内の土に埋葬します。

遺骨を土に還す手順

遺骨を土に還すときは、以下のように行います。
ただし、実際に取り掛かる前に、一度お寺などの墓地の管理者に相談しておきましょう。
また、納骨室の開閉や遺骨の取り出しは、石材店に相談しても良いでしょう。

遺骨を土に還す手順

  1. 納骨室から遺骨を全て取り出す
  2. 土に還す遺骨を確認する
  3. カロートの底面が砂利などで覆われている場合は、よける
  4. 遺骨を骨壺から取り出し、カロート内の土に埋める
  5. 砂利などを戻す
  6. 他の遺骨を納骨し直す
  7. 骨壺は別途処分する

地域によっては骨壺も割って埋めることがありますが、大量の破片が出るので、基本的には別に処分することをおすすめします。
骨壺は、自治体の区分に沿ってゴミに出して構いません。
納骨に合わせて遺骨を土に還す場合は、納骨を依頼する石材店に骨壺の処分も対応してもらえるでしょう。

土に還すタイミングはいつ?

ご遺骨を土に還すタイミングは、いつでも構いません。
実際には、納骨の際にスペースがなくなった時か、弔い上げのタイミングが多いようです。
弔い上げとは、故人のために行う最後の法要です。
宗派によりますが、一般的には三十三回忌や五十回忌が弔い上げになります。
弔い上げを終えると、仏壇の位牌も先祖代々の位牌に合祀されます。

遺骨はどれくらいの年数で土になる?

遺骨が土に還るのには、非常に長い年数がかかります。
土葬した遺体は、数十年から100年程度で土に還ると言われています。
火葬した遺骨の場合はそれ以上で、土に還るまで数百年かかると言われています。
焼骨は、高温の火葬炉で火葬された際に表面がセラミック状に変化するため、非常に土に還りにくくなります。
少しでも早く土に還したい場合は、遺骨を粉状に砕く「粉骨」をすることで、期間を短くできます。

なお、土葬でも火葬でも遺骨がどのくらいの期間で土に還るかは土壌の性質によります。土壌は酸性である方が、早く土に還ります。
日本各地でも旧跡時代のものと言われる遺跡から人骨が発掘されるくらいなので、条件によっては一万年以上、遺骨は土に還らず残り続けるかもしれません。

遺骨を土に還す以外のお墓を空ける方法

お墓によっては、カロートに土が露出していないものもあります。
その場合は遺骨を土に還すことができないので、他の方法を考えます。

古い遺骨をまとめる

古い遺骨を、一つの骨壺にまとめる方法です。
一つの骨壺に入りきらなければ、一部を分骨してお寺で供養してもらったり、粉骨して体積を減らしてからまとめるという方法もあります。

古い遺骨を合祀墓に移す

古い遺骨を、合祀墓に移す方法です。
合祀墓とは、一つの納骨室に不特定多数の人を納骨するお墓です。
お墓を持っている墓地に合祀墓があれば、お寺などの管理者に、使用させてもらえないか相談してみると良いでしょう。

粉骨して体積を減らす

遺骨をパウダー状に砕くことを、粉骨と言います。
焼骨を粉骨すると体積は約4分の1程度になりますので、より小さな入れ物に遺骨を納めれば、カロートのスペースも節約できます。
粉骨は、手元供養や散骨の業者などがサービスとして提供しています。

ただし、以前から納骨されていた遺骨を粉骨するには、一度遺骨を乾燥させる必要があります。
粉骨に対応している業者であれば遺骨の乾燥もセットでやってくることがほとんどですが、1体あたりプラスで2万円程度かかります。

古い遺骨を散骨する

散骨とは、粉骨した遺骨を山や海などの自然環境に撒く方法です。
散骨に当たっては粉骨が必要になること、場所の選定が難しいことなどから、やはり業者に頼んだ方が無難です。
遺骨をまくところまで全て業者に代行してもらうものだと、1体当たり5万円程度でできます。

改葬をするときに遺骨が土に還っていたら

改葬とは、一度お墓に埋葬した遺骨を他のお墓に移動することを言います。
お墓を撤去する「墓じまい」をする際に、セットで行われます。

通常、改葬にあたってはお墓のある役所での手続きが必要です。
この手続きを経ると「改葬許可証」が交付されます。改葬許可証は、次のお墓に納骨する際に提出する書類です。
本来、遺骨が完全に土に還っていればこの手続きは必要ないのですが、掘り起こしてみないと遺骨が残っているかどうか分からないので、手続きは進めておくことをおすすめします。

昔の土葬のお墓などで遺骨が土に還っていた場合は、遺骨の代わりに土を新しいお墓に持っていくことがあります。
土葬のお墓から改葬する場合は、お墓を撤去する際に土を深く掘り起こしてもらいます。
お墓の撤去や掘り起しは、石材店に依頼します。

土葬の墓じまいについて詳しく >

まとめ

お墓の納骨室がいっぱいになったら、納骨室内の土が露出している部分に遺骨を埋めて、還す方法があります。
実際に作業する前には、必ず一度お寺などの墓地管理者に相談しておきましょう。
納骨室の開閉や遺骨の取り出しなどは、石材店でも相談に乗ってくれるでしょう。
納骨室がいっぱいになったからと言って、新たにお墓を持つ必要はありません。
今あるお墓を有意義に使いましょう。

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執筆者情報

お墓さがしスタッフ

佐野

経歴

2018年より、お墓マガジンのコラムを執筆しています。適切な情報をお届けできるよう努めて参ります。