田舎のお墓は放置するとその後どうなる?無縁墓になる前に
お墓参りに訪れた際、手入れがされずに荒れ果てたお墓を見かけたことはあるでしょうか。
近年では、墓じまいをせずに放置されているお墓が問題になっています。
放置されたお墓は、その後どうなってしまうのでしょうか。
この記事では、放置されたお墓の行く末や、墓じまいの方法などを解説します。
目次
なぜ、お墓が放置されるのか
なぜ、墓じまいされずに放置されるお墓が増えているのでしょうか。
お墓が放置されている理由は、主に以下の4つが考えられます。
お墓が放置されている理由
- 遠方に住んでいてお墓参りができない
- 高齢のためお墓参りにいけない
- お墓を管理する人が亡くなった
- 管理料が払えない
一般的な墓石のお墓は、承継者が管理する必要があります。
今はまだ関係ないと思っている方や、思い当たる節があるという方も、お墓が荒れてしまってからでは遅いのです。
荒れ果てたお墓にしないためには、今のうちから何をしておけば良いのか考えておきましょう。
放置されたお墓はその後どうなる
放置されたお墓は、その後どうなるのかご存知でしょうか。
墓地管理者がお墓を強制撤去する
放置されたお墓は、墓地の管理者によって強制的に撤去される可能性があります。
お墓の撤去に関する規則は、「墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条」にて定められています。
管理者がお墓を撤去するには、立て札か官報にて「所有者は1年以内に申し出るように」と呼びかける必要があります。
所有者が1年間名乗り出ない場合は、お墓の撤去が行えるようになります。
お墓を撤去するための費用は、墓地を管理している自治体やお寺が負担します。
自治体やお寺の財政を圧迫しないように、お墓は放置しないほうがよいでしょう。
また、管理費が未納だった場合は、未納分をまとめて請求されることもあります。
強制撤去された場合、遺骨はどうなるか
お墓が撤去された後の遺骨は、墓地内の供養塔や無縁塚などに納骨されます。
供養塔や無縁塚に納骨する際は、スペースを抑えるために遺骨を粉砕することがあります。
遺骨の一部を埋葬して、残りは産業廃棄物として処理するケースも存在します。
また、遺骨はお墓が撤去されるまで誰にも供養されません。
故人を供養するためにも、お墓は放置しないほうがよいでしょう。
荒れ墓にしないための墓じまい
お墓を荒れ墓にしないように、管理できなくなったお墓は墓じまいしましょう。
ここでは、墓じまいの方法や費用などを解説します。
墓じまいとは
墓じまいとは、お墓を解体して更地に戻し、区画を墓地管理者に返還することです。
墓じまいをした後は、遺骨を別の場所へ移動させる必要があります。
遺骨を別のお墓に移動させることを改葬といいます。
墓じまいをする際は、遺骨の改葬先も決めておきましょう。
墓じまいの方法
墓じまいは、以下の流れで進めていきます。
ここでは、墓じまいの方法について個別に解説します。
1.親族に相談する
墓じまいをする際は、親族や家族に相談しておきましょう。
親族の中には、墓じまいをすることを望んでいない方がいるかもしれません。
後から墓じまいをしたことが発覚すると、親族との関係性が悪化する可能性があります。
墓じまいは、親族と話し合いをして了承を得てから進めましょう。
2.墓地の管理者に相談する
親族へ相談をした後は、墓地管理者にも墓じまいをすることを伝えます。
また、寺院墓地にお墓がある場合は、伝え方に注意が必要です。
ほとんどの場合、寺院墓地で墓じまいをする際は檀家を辞めることになります。
お寺との関係が悪化させないように、まずは相談という形で話を進めましょう。
3.遺骨の改葬先を決める
墓地の管理者に話をしたら、遺骨の改葬先を決めます。
遠方に住んでいてお墓の管理ができない場合は、お参りしやすい場所にある霊園に遺骨を移しましょう。
承継者がいない場合は、承継不要なお墓に納骨するという方法もあります。
4.石材店に解体工事を依頼する
遺骨の改葬先が決まったら、石材店に墓石の解体を依頼しましょう。
民営霊園や寺院墓地にお墓がある場合は、石材店が指定されている場合があります。
指定の石材店がない場合は、自分で石材店を探しましょう。
5.役所で改葬手続きをする
墓じまいを依頼する石材店が決まったら、役所で改葬手続きをしましょう。
役所で手続きをする際には、以下の書類を提出します。
必要な書類 | 発行元 |
埋葬証明書 | お墓がある墓地・霊園 |
受入証明書 | 改葬先の墓地・霊園(自治体によっては不要) |
承諾書 | お墓の名義人(名義人が申請する場合は不要) |
書類を提出後、申請が受理されたら「改葬許可証」が発行されます。
改葬許可証が発行されると、遺骨を別の場所に移すことができます。
6.閉眼供養をする
遺骨をお墓から取り出す際は、閉眼供養を行う必要があります。
閉眼供養とは、お墓に宿った魂を抜くために行う法要です。
閉眼供養は、墓石の解体工事をする当日や、1~2週間前などに行います。
7.墓石の解体工事をする
閉眼供養が終わったら、石材店に墓石の解体をしてもらいます。
更地なった区画は、墓地の管理者に返還します。
8.遺骨を改葬先に移す
墓石の解体工事が完了したら、遺骨を改葬先に移します。
納骨をする際は、お墓の移転先に改葬許可証を提出しましょう。
墓じまいにかかる費用
墓じまいをする際は、おおよそ20~30万円程度かかります。
墓じまいにかかる費用の内訳は以下の通りです。
内訳 | 墓石解体工事費 | 魂抜きのお布施 | 離檀料 |
画像 | |||
費用相場 | 8~10万円/㎡程度 | 1~5万円程度 | 1~20万円程度 |
また、墓じまいにかかる金額は、お墓の大きさや立地によって異なります。
墓じまいをする際は、石材店に見積もりを出してもらいましょう。
墓じまいすると祟りがある?
結論からいうと、墓じまいをして祟られることはないでしょう。
仏教思想や民間習俗によると、先祖の魂は繰り返し供養することで祖霊に昇華します。
祖霊とは、子孫の暮らしを見守る存在となった先祖の霊魂です。
先祖の魂を祖霊にするためには、繰り返し供養をする必要があります。
供養をするためにお墓を移動させるならば、先祖に祟られることはないでしょう。
また、現代的な考え方をしても、荒れ墓のまま放置されるより然るべきところに供養してもらうほうが良いでしょう。
荒れ墓にしないためにも、お墓の管理ができない場合は墓じまいすることをおすすめします。
墓石のお墓を持たないという選択
お墓は遺族の心の拠り所であり、一族の関係を強くする物でもあります。
しかし、お墓のあり方は時代と共に変化していきます。
自分たちで供養するのが難しい場合は、新たにお墓を建てずに永代供養がついたお墓へ納骨しましょう。
永代供養とは、遺族に代わって墓地の管理者が永続的な遺骨の供養や管理をすることです。
永代供養が付いたお墓のことを、永代供養墓といいます。
お墓は必ずしも持たなくてはいけないものではありません。
一番大切なことはお墓の有無ではなく、ご先祖様への感謝の気持ちを持ち続けることではないでしょうか。
永代供養墓の種類
永代供養墓には、合祀墓や樹木葬などさまざまな種類があります。
ここでは、永代供養墓について種類ごとに解説します。
合祀墓
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田舎のお墓に関するよくある質問
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放置されたお墓はどうなる?
放置されてしまったお墓は、一定期間を過ぎると墓地の管理者によって撤去されます。 管理費が未納だった場合は、未納分をまとめて請求されることもあります。
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墓じまいの費用相場は?
墓じまいの費用相場は、おおよそ20~30万円程度です。 ただし、お墓の大きさや立地によって費用は大きく異なります。
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墓じまい後の遺骨はどうすれば良い?
お墓の管理が難しい場合は、永代供養墓に納骨しましょう。 また、業者に依頼して散骨するという方法もあります。