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無縁墓にしないためにーお墓の撤去と遺骨の納骨先を解説

コラム無縁墓の画像1

年々増加する「無縁墓(むえんばか・むえんぼ)」
地方でから都市部への人口流出や、少子化による跡継ぎの問題などで、今後も増えていくといわれています。

誰にもお世話されなくなったお墓は、石も汚れ雑草も茂り、大変悲しい姿になってしまいます。
また、墓所の管理者の負担を増やしたり、隣の区画のお墓に迷惑になることもあります。

自分の家墓を無縁墓にしないためにはどうすればいいでしょうか。
今回の記事では、無縁墓になる前にできる対策を解説します

目次
1.そもそも無縁墓とは?

2.なぜ無縁墓となるの?
2-1.お墓の縁者が遠方に住んでいる
2-2.お墓の継承者がいなくなった
2-3.お墓を維持する経済力がない

3.無縁墓はどうなるの?
3-1.最終的には撤去、遺骨は無縁供養塔へ

4.無縁墓が増加することによって起こる問題
4-1.行政の負担が増える
4-2.寺院の経営を圧迫してしまう

5.無縁墓の撤去・処理
5-1.墓じまいの手順
5-2.墓じまいにかかる費用

6.墓じまいした後の遺骨はどうする?
6-1.永代供養墓に入れる
6-2.火葬場にお願いする
6-3.散骨する
6-4.お寺に遺骨を送る(送骨)

7.まとめ

1.そもそも無縁墓とは?

コラム無縁墓の画像2
無縁墓とは具体的にはどのような状態のお墓を指すのでしょうか。

一般的には以下のようなお墓が無縁墓と呼ばれます。

・手入れなど全般の管理をする人がいないお墓
・誰にも継承されなくなったお墓
・誰が管理しているのか分からないお墓

なお、無縁墓になってしまったお墓で祀られている霊は無縁仏となります。
無縁仏とは、この世に弔ってくれる人がいない仏様です。
無縁墓の仏様だけではなく、身寄りがいないまま亡くなった、または身寄りがいるが遺骨が引き取られない仏様も、無縁仏と言われます。

近年、身元がわかっていても無縁仏となってしまうケースが増えています。
亡くなった方の親戚や身内が誰かわからないため、火葬をして遺骨を引き取ってもらう人どころか亡くなったことを伝えることすらできないということが増えています。
また、亡くなった方の縁者がわかっても遺骨の受け取りを拒否されてしまうケースが増えており、たとえ親子や兄弟であっても亡くなった方との関係性がほとんど保たれていないということが多いのです。

2.なぜ無縁墓となるの?

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なぜ無縁墓になってしまうのでしょうか。その理由を詳しく見ていきます。

2-1.お墓の縁者が遠方に住んでいる

地方から都市部への人口流出が続いている現在。
お墓を継いでいても、家墓が遠くの田舎にあるということも珍しくありません。
お参りに行くのが大変なのみならず、お寺との付き合いも希薄になります。
しだいにお墓から足が遠のき、お墓に誰も訪れなくなってしまいます。
お墓は誰にもお世話されなくなり、無縁墓になります。

2-2.お墓の継承者がいなくなった

先祖代々の墓は、親から子へ引き継がれます。
ですが、現在では少子化や晩婚化が進み、子供がいないという家庭も珍しくありません。
あるいは、娘しかいない場合も、他家に嫁げば実家の跡を継ぐのは難しくなります。
跡継ぎがいなければ、いずれお墓は無縁墓になります。

ただし、娘が嫁いでからもお墓の面倒を見てくれたり、あるいは嫁ぎ先と両家墓を新たに建てることも考えられます。
また、子供がいなくても、親戚の中にお墓を継いでくれる人が現れることもあります。

跡継ぎがいない場合は、早めに対策することによってお墓を維持できることもあります。

2-3.お墓を維持する経済力がない

お墓を管理するにはお金がかかります。

霊園や墓地には年間管理料が定められていることが大半です。
一般のお墓だと管理料は数千円~1,2万円程度が相場です。
かなりステータスの高いお寺だと10万円ということもあるようです。

また、お墓がお寺にある場合はその他にお布施の支払いをしなければならないこともあります。
加えて、かなり広くて立派なお墓ですと、区画内の植栽を業者に手入れしてもらうことなどもあり、年間管理料以外にも費用がかかる場合があります

3.無縁墓はどうなるの?

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無縁墓になったお墓は、その後はどうなるのでしょうか。

3-1.最終的には撤去、遺骨は無縁供養塔へ

先述の通り、墓所には大半の場合で年間管理料があります。
お墓の縁者がいないということは年間管理料が滞納されるということになりますが、滞納されてからといってただちに撤去されるわけではありませんので、しばらくの間は誰にもお世話されず放っておかれることになります。

長期にわたってお世話されていないお墓は、石が傾いたり汚れたりしている上、雑草も伸び放題になっていることが多く、とても気の毒な姿になってしまいます。

墓所で定められた期間、管理料が滞納されたりお墓の縁者が見つからなければ、墓所の管理者によってお墓は撤去されます。
遺骨は墓所の合祀塔など、無縁供養塔や無縁塚に合祀されます。

4.無縁墓が増加することによって起こる問題

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無縁仏が増加することによって、さまざまな問題が起こっています。

4-1.行政の負担が増える

公営墓所の場合、無縁墓の撤去は管理する自治体が行います。
お墓の撤去には、解体工事や墓石の処理などの費用が必要になります。

大阪市が管理する霊園では、継承者がいなくなった4000基の無縁墓を撤去するために15年で5億円もの費用がかかりました

大阪市が管理する霊園では、お盆やお彼岸でも誰もお参りに訪れない墓が増えています。
~中略~
しかたなく撤去した無縁墓の数は、15年間で4,000基余り。
5億円近い費用がかかりました。

クローズアップ現代(http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3562/1.html)。

どこの自治体も決して財政状況が安定しているわけではないため、この費用は自治体に重くのしかかってしまいます。

4-2.寺院の経営を圧迫してしまう

宗教の価値観が変わってきた現在、檀家離れが進む寺院では経営が苦しくなっています。
継承者がいなくなってしまった墓は、管理費がまかなえなくなってしまうため墓地を管理している寺院が費用を支払ってお墓を撤去しています。

また、霊園や寺院が廃業してしまった場合には、行政が管理している無縁墓地へと埋葬されます。
また、近年はあまりにも無縁仏が増えていることから、遺骨をおさめる場所の確保が難しくなってきており、遺骨を粉々にしてボリュームを減らしてから納骨することも増えています。
寺院や霊園が倒産してしまうことは費用面を含め行政の負担を苦しくすることにつながってしまいます。

5.無縁墓の撤去・処理

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こうした問題を解消するためには、行動に移せなくなってしまう前にお墓を撤去しておくということもひとつの選択肢です。
お墓を撤去することを「墓じまい」と言います。

5-1.墓じまいの手順

墓じまいの方法として、以下のような手続きや作業を行う必要があります

1. お寺や霊園などに墓じまいをしたい旨を伝える
2. 役所からに届け出をし、「改葬許可証」を交付してもらう
3. お墓から遺骨を取り出す「閉眼法要」という儀式を行う
4. お墓の解体して、墓地を更地にして管理者に返還する
5. 埋葬されていた遺骨を新たな墓所で納骨する

詳しくは、下記もご参照ください。
墓じまいをする手順は?必要な手続きや書類をチェック

5-2. 墓じまいにかかる費用

墓じまいの相場は1㎡あたり10万円前後と言われています。
区画内に石塔がいくつもあったり、場所が山など機材が入らない所だとさらに費用が掛かります。

この他、現状の墓地がお寺にある場合は離檀料を支払います。
離檀料は地域やお世話になった年数によってかなり開きがありますが、10万円~20万円程度が目安になります。
納骨の際の閉眼法要でもお布施が必要です。こちらもかなり開きがありますが、3~5万円が目安です。

立地条件が良く、寺院墓地でもない小さなお墓であれば15万円程度~でできますが、
広いお墓で、さらに石塔がいくつもたっている、山の上にある、寺院墓地にあるなどの条件が重なると、費用が100万円程度かかってしまうこともあります。

6.墓じまいした後の遺骨はどうする?

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お墓を解体しても、納められている遺骨はまたどこかで供養しなければなりません。
勝手に遺骨を捨てたりすると、「遺骨遺棄罪」という刑法の罪に問われます。
それでは、お墓から出した遺骨はどうすればいいのでしょうか。
ここでは、遺骨の供養の方法について紹介します。

6-1.永代供養墓に入れる

寺院や霊園の永代供養墓に納骨します。「永代供養」とは、墓所が存在する限りはずっとその管理者が供養してくれることです。
永代供養墓には、納骨堂、樹木葬、合祀塔などの種類があります。
最も費用を抑えられるのは合祀塔で、場所によっては一体数万円~納骨できます。
合祀塔とは他の遺骨と一緒くたに納骨される施設で、永代供養塔などと呼ばれることもあります。

ただし、先程もご紹介したようにお墓を撤去する場合には、市町村の役場で「改葬許可証」を発行してもらう必要があります。
手続きにあたっては、現在の墓地の署名捺印、新しい納骨先の受入れ証明書などいくつかの手続きも必要です。

【参考】永代供養って何のこと?跡継ぎ不要のお墓を解説!
【参考】樹木葬ってどんなお墓?種類やメリット・デメリットを解説
【参考】マンション型のお墓がこれで分かる!費用やメリット・デメリット

6-2.火葬場にお願いする

原則遺骨は遺族に引き取ってもらうという方法をとっている火葬場が多いですが、供養塔を併設している火葬場では遺骨を引き取ってもらえる場合があります。

また、通常よりも高い温度で長い時間遺骨を焼き、もろくする「焼き切り」をいう方法で焼却してもらえると、遺骨を小さくまとめたあと併設されている供養塔などに埋葬することもできます。

ただし、火葬場によって遺骨を引き取ってもらえるかどうかは異なりますので、事前に確認しましょう。

6-3.散骨する

散骨とは、遺骨を粉状に砕き(粉骨)、海や山にまいて自然に還す供養の方法です。
散骨については法律で十分に規定されていませんが、条例で禁止されている地域もあります。
川や海などの公共の場所に勝手に散骨すると、場合によっては損害賠償請求や慰謝料を請求される場合があるため、散骨を考えている方は専門の業者に頼むことをおすすめします。

散骨には業者に委託するタイプと、遺族が同行して自分の手で遺骨をまくタイプの2つがあります。
業者に委託する場合は、粉骨も含めて1体数万円でできます。
同行の場合は20万程度が相場となります。

6-4.お寺に遺骨を送る(送骨)

お寺に遺骨を送って、現地で供養してもらう「送骨」という方法があります。
遺骨をゆうパックなどで寺院に送り、そのまま合祀などにしてもらいます。
全ての寺院が送骨を受け付けているわけではないので、事前にどこに送るかは調べておきましょう。
安いところですと2.5万円~受付けているところもあるので、費用はかなり抑えられます。

7.まとめ

誰にもお世話されない無縁墓が増え続けると、お寺や行政の負担が増えていきます。
また、雑草などもほっといていると隣の区画の墓地にも迷惑が掛かってしまいます。
お墓から取り出した遺骨は、永代供養や散骨など、自分で管理しなくていい方法でも供養できます。

自分の家墓が無縁墓になりそうな方は、早めに対策を考えましょう。
親戚に相談すれば、誰か引き継いでくれる人が現れるかもしれません。
それでもお墓の維持が難しいなら、墓じまいを検討しましょう。

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