墓石はリサイクルや再利用できる!処理の流れについても解説

墓石はリサイクルや再利用できる!処理の流れについても解説

墓じまいをした後の墓石がどのように処理されるのかご存知でしょうか。
多くの場合は、産業廃棄物として処理されて、新たな資材としてリサイクルされます。

しかし、先祖代々引き継いできた墓石を、別の形で再利用したい方もいるでしょう。
この記事では、「墓石のリサイクルの流れ」「墓石を再利用する方法」について解説します。

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リサイクル・再利用した墓石の使い道

墓じまい後に不要になった墓石は、主に専門業者によってリサイクルされます。
ただし、必ずしも墓石をリサイクルしないといけないという決まりはありません。
墓石の一部を手元に残しておきたい場合は、別のものに再加工して利用できます。

ここでは、墓石のリサイクル・再加工について解説します。

土木資材としてリサイクルされる

回収された墓石は、産業廃棄物として処理されます。
処理後の墓石は、砂利路盤材などの土木資材としてリサイクルされます。

路盤材とは、アスファルトの下にある、道路の土台部分に使われる資材です。
路盤材が使われる部分には大きな負担がかかるため、丈夫な砕石が必要です。
墓石は良質な石が使われているため、路盤材として適しているといえるでしょう。

また、墓石の処分を業者に依頼する場合は、1トンあたり1万円程度の費用が必要です。

ただし、ほとんどの場合は墓じまいをした石材店が業者の手配まで行います。
墓石の処分費用は、墓じまいの見積金額に含まれていることが多いでしょう。

墓石がリサイクルされるまでの流れ

墓所にあるお墓をリサイクルする際は、石材店に墓石の解体を依頼します。

解体後の墓石は、石材店が回収した後に「産業廃棄物処分業許可証」を持っている業者によって処理されます。
産業廃棄物処分業許可証とは、各都道府県知事から産業廃棄物処分の許可を得た業者に交付される認定書です。
多くの石材店は産業廃棄物処分業許可証を持っていないため、一般的に墓石の処理は専門の業者が行います。

処理を行った墓石は、土木資材としてさまざまな用途で使われます。

お墓以外に再加工して利用する

お墓以外に再加工する事によって、墓石の一部を手元に残しておくことができます。
加工の例として、数珠地蔵小さな置物などが挙げられます。

お墓というのは先祖代々引き継いできたものであるため、手放すことに抵抗がある方もいるでしょう。
墓石をただ処分するのではなく、自分たちの手元に一部だけでも残しておきたいという方におすすめです。

墓石を再加工して利用する流れ

まずは、墓石を再加工できる業者を探します。
墓石の再加工をできる業者を見つけたら、完成時のイメージを決めて、墓石の再加工を依頼しましょう。

石材店が加工業者と提携している場合や、自社で墓石の加工をしている場合は、そのまま墓じまいも依頼できます。
石材店が提携や加工をしていない場合は、墓じまいを依頼する石材店に墓石の一部を残すようにお願いをしましょう。

費用を安く抑えたいと考えている方は、墓石を再利用せずに新しく建てたほうがよいでしょう。

墓じまいした墓石を新しい墓地で再利用する方法

一部の霊園では、以前まで使用していた墓石を持ち込んで再度利用できます。

改葬先の墓地では、主に石塔のみ持ち込みができます。
墓石を囲っている外柵や、遺骨を納める納骨室は、区画のサイズに合わせて造られています。
傷つけずに解体するのは困難である上に、区画の面積が改葬先と異なる場合が多いため、再利用するのは難しいでしょう。

また、墓石を再利用する場合は、墓石を傷つけないように解体や運搬をするための費用がかかります。
解体や運搬、据付などの費用を合わせると、ほとんどの場合は新たにお墓を建てる場合と同等、またはそれ以上の金額が必要です。

費用を安く抑えたいと考えている方は、墓石を再利用せずに新しく建てたほうがよいでしょう。

事前に墓石を持ち込める霊園を調べておこう

墓石の再利用を検討している方は、事前に墓石を持ち込める霊園を調べておきましょう。

ほとんどの場合は、霊園の規定により墓石の持ち込みが禁止されています。
墓石の移動手続きを進める前に、墓石の持ち込みができる霊園を探しておきましょう

また、墓石の持ち込みが可能な霊園でも、墓石のサイズや形に制限がある霊園もあります。
規定次第では、墓石の持ち込み時に再加工が必要です。
墓石の持ち込みを検討している方は、あらかじめ改葬先の霊園に相談をしましょう。

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墓石を移転するときの流れ

墓石の移転を検討している方は、以下の流れを確認しておきましょう。

1.親族に相談をする

墓石を移動する際は、あらかじめ親族に相談をしておきましょう。
親族の一部には、お墓の移動を望んでいない方がいるかもしれません。

相談をせずに移動したことにより、親族との中が悪化してしまわないように注意しましょう。

2.墓地管理者に相談をする

親族に相談したあとは、墓地管理者にお墓の移転について承諾を得ます。
寺院墓地の場合は、檀家を辞める必要があるため、伝え方に注意が必要です。
良好な関係で話を進められるように、まずは相談という形で話をしましょう。

また、お墓の場所を変える際には、「埋葬証明書」が必要になります。
墓石の移転について許可をもらえたら、墓地管理者に埋葬証明書の発行を依頼します。

3.墓石の改葬先で受入証明書を発行する

墓地管理者からお墓の移転について許可をもらえたら、改葬先の霊園で「受入証明書」を発行します。

自治体によっては、改葬時に受入証明書が必要になります。
書類が発行できたら、必要事項を記入しましょう。

4.自治体で改葬許可申請をする

必要な書類が準備できたら、お墓がある自治体で改葬許可の申請をしましょう。
改葬の申請をする際は、改葬許可申請書に必要事項を記入します。
記入後は、「埋葬証明書」「受入証明書」と合わせて、役所に提出をします。

提出後、申請が通った場合は「改葬許可証」が発行されます。

5.石材店に墓石の解体や据付工事を依頼する

改葬許可証を発行したあとは、石材店に墓石の解体据付工事を依頼しましょう。
注意点として、民営霊園や寺院墓地は、指定の石材店以外の工事を禁止している場合があります。

石材店の指定がある場合は、墓石の解体と据付工事を別々の業者に依頼する必要があります。

6.工事が完成したら遺骨を納める

墓石の移転が完了したら、移転先のお墓に遺骨を納めます。
納骨をする際は、改葬許可証を忘れずに持参しましょう。

お墓をリフォームしてお墓を使い続ける方法

古くなったお墓の建て直しを検討している方には、墓石をリフォームして使い続けるという方法があります。
墓石をリフォームすることによって、代々引き継いできたお墓を使い続けられます。

また、リフォームをするタイミングの目安は、建墓から10年程度といわれています。
お墓を建ててから10年以上経過している場合は、石材店に相談するとよいでしょう。

リフォームをできる石材店を探す

お墓のリフォームは、基本的にお墓を建てた石材店に依頼します。
お墓を建てた石材店がわからない場合は、霊園の管理者に確認をしましょう。
指定の石材店がある場合は、管理者に紹介してもらった石材店に依頼します。

石材店の指定がない場合は、自分で石材店を選定します。
費用は石材店によって異なりますので、可能であれば相見積もりを取りましょう。

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お墓をリフォームする流れ

お墓のリフォームは、主に以下の流れで行います。

石材店にリフォームを依頼する。
石材店に見積もりを出してもらい、納得できたら契約する。
遺骨を取り出す場合は、僧侶に閉眼供養を依頼する。
お墓のリフォームを行う。
閉眼供養をしていた場合は、開眼供養を依頼する。

リフォーム時に遺骨を取り出す場合は、僧侶に閉眼・開眼供養を依頼する必要があります。
閉眼・開眼供養を行う際は、僧侶のスケジュールを確認しておきましょう。

また、お墓のリフォーム内容によって、必要な費用は異なります。
費用や流れについて詳しく知りたい場合は、下記もご参照ください。

お墓のリフォームに関する記事はこちら >>

墓石の買取サービスはない

墓石は高価なものであるため、可能であれば売却したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、墓じまい後の墓石を買い取ってくれるサービスはありません。

墓石の売却ができない理由は、主に2つ考えられます。

1つ目は、墓石の運搬や解体にコストがかかるため、採算を取れないからです。
墓石は、一度施工するときれいなまま取り外すのは困難です。
取り外せたとしても、墓石は経年劣化するので価値が下がります。
また、墓石の運搬にもコストがかかるため、買取りにかかるコストは高くなります。
加えて、墓石の持ち込みが可能な霊園は少ないため、中古の墓石を販売して採算を取るのは難しいでしょう。

2つ目は、中古の墓石を使用することに対して、多くの方は抵抗があるためです。
魂が宿る場所である墓石は、さまざまな方の思いが詰まっています。
閉眼供養をした場合でも、中古のお墓を使用することに抵抗がある方は多いでしょう。

「採算が取れない」「中古の墓石に抵抗がある」などの理由から、墓石買取サービスをはじめる業者は少ないでしょう。

墓石の不法投棄の問題

墓石を処分するには、運搬やリサイクルの費用がかかります。
処分の費用を浮かせたいなどの理由から、墓石を不法投棄する石材店が少なからず存在します。

墓じまいをするときは、悪質な業者を選ばないように注意しましょう。

不法投棄の事例

宮城県では、業者が処分費用を浮かせるために、約13トンの墓石を違法に捨てて逮捕される事件がありました。
参考:古い墓石のがれき13トン、不法投棄容疑で2人逮捕 宮城

また、NHKでは不法投棄された墓石に関する特集が放映されました。
不法投棄された1500トンもの墓石の山は、多くの視聴者に衝撃を与えました。

不正をしない墓石解体業者を選ぶには

不法投棄をしない業者を選ぶには何に注意したらよいのでしょうか。
ここでは、不正をしない業者を選ぶための方法を3つ紹介します。

「産業廃棄物収集運搬業」の許可を持っている業者を選ぶ

不正をしない業者を選ぶ際には、産業廃棄物収集運搬業の許可を持っているか確認しましょう。
産業廃棄物収集運搬業とは、産業廃棄物の処理を適切に行っている業者のことです。

許可の申請は、事業をする各都道府県で行います。
各都道府県知事の許可を得ている業者なので、不正を行うことは少ないでしょう。

マニフェストを発行してくれる業者を選ぶ

産業廃棄物を廃棄をしたあとは、マニフェストを発行する必要があります。
マニフェストとは、産業廃棄物を適切に廃棄したことを証明する書類です。

マニフェストには産業廃棄物の処分状態が記載されているので、適切に処理されたことが確認できます。
マニフェストを発行している業者ならば、墓石を不法投棄していることはないと考えて問題ないでしょう。

墓じまいの費用が安すぎる業者は避ける

墓じまいをするには、墓石の運搬や処理の費用が必要になります。
墓じまいの費用が安すぎる業者は、墓石を正しい方法で処理していない可能性が考えられます。

墓じまいの費用相場は、おおよそ20~30万円程度です。
相場を大きく下回っていた場合は、費用の内訳を確認しておくとよいでしょう。

まとめ

墓石のリサイクルに関して、以下の内容を紹介してきました。

  • 墓石をリサイクルしたあとは、主に土木資材として使用されます。
  • 墓石を手元に残しておきたい方は、再加工できる業者を探しましょう。
  • 墓石の利用を続けたい方は、お墓の移転リフォームを検討しましょう。
  • 墓じまいを依頼するときは、不正をしない業者を選びましょう。

リフォームや墓じまいの費用は、石材店ごとに異なります。
見積もりを取る際は、可能であれば複数の石材店に依頼しましょう。

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