死産した赤ちゃんの遺骨は埋葬する?お葬式とお墓について

  • 投稿日:2019/02/18
  • 更新日:2021/11/26
死産した赤ちゃんの遺骨は埋葬する?お葬式とお墓について

せっかく妊娠した赤ちゃんを残念ながら死産させてしまうこともあります。
その場合には赤ちゃんの遺骨はお墓に埋葬するべきなのでしょうか。あるいはお葬式なども行うべきなのでしょうか。
ここでは死産した赤ちゃんを埋葬するべきなのか、お葬式などをするべきなのか、そして埋葬やお葬式を行う場合のの方法や流れ、手続きを解説します。

死産とは

死産してしまった場合は、赤ちゃんの遺体を火葬することになります。その流れをご紹介します。

死産とは妊娠後のいつからを指す?

法的には、死産とは妊娠してから12週以降に胎児が亡くなった状態で生まれることを言います。

これに対して「流産」とは、「胎児の妊娠が中断して生存不可能な時期に分娩すること」を指します。
「生存不可能な時期」とは医学的に言って、妊娠22週未満のことです。これは法的な定義ではありません。

したがって、法的には妊娠12週以降の残念な分娩を「死産」と言い、医学的には妊娠22週以降を「流産」と言い、両方の定義には「ずれ」があります。
この記事では、法的な意味での「死産」の場合、どのように火葬し、お葬式を行い、埋葬するのか、ということについて解説して行きます。

死産でも火葬するの?

法律上の死産の場合、胎児は「遺体」になります。
したがって、墓地埋葬法に従い火葬する必要があります。
火葬するためには、市区町村の役所に死産届を提出して、火葬許可証をもらう必要があります。

死産した場合の手続き

死産してしまった場合、火葬までにはどのような流れがあるのでしょうか。

胎児が妊娠12週~22週までの死産の場合

妊娠12週以降の赤ちゃんの死産は先ほど書いたように、「死亡」になるので、役所への届け出が必要です。
ただし出生届は提出しませんから、戸籍には何も記載されません。
12週以前の場合は死産届の必要はありません。

死産届は分娩した日から7日以内に、死産届を記入する人の住民票がある市区町村役所の窓口か、死産をした病院などがある市区町村役所の窓口のどちらかに提出する必要があります。

死産届に必要な書類は以下の通りです。

  • 医師等が発行する死産証書
  • 届出人の朱肉を使う印鑑
  • 身分証明書
  • 死胎火葬許可申請書

妊娠週数が12週+1日(85日)以上の場合は、出産育児一時金の給付対象になるので、加入している健康保険の事務所に確認してみましょう。

胎児が妊娠22週以降の死産の場合

妊娠22週以降の赤ちゃんの死産の場合も、流れは基本的に一緒です。
しかし赤ちゃんが誕生した時には生命が維持されていて、そのあとに亡くなった場合は、出生後の死亡になります。
その時には出生届を提出し、戸籍に記載されることになります。
赤ちゃんがいつ亡くなったかは、医師に判断してもらいましょう。

さらに妊娠24週を超えている場合は、赤ちゃんを24時間の安置後しか火葬できません。

安置場所は自宅の場合が多いですが、その際にはドライアイスが必要です。
葬儀社に依頼すると用意してくれますが、依頼しない場合は5,000~数万円程度の費用で自分で用意する必要があります。

死産の赤ちゃんに葬儀は必要?喪服は着るの?

死産した赤ちゃんの葬儀はするのでしょうか。

葬儀はしないことが一般的

死産した赤ちゃんのお葬式は家族の気持ち次第です。
もしも死産の悲しみは自分や自分たち家族の中でだけで済ませたい場合は行う必要がなく、一般的にはこのケースの方が多いです。
しかし亡くなった赤ちゃんの魂を出生した人間と同じように供養したいという場合は、小規模でもお葬式を行ってもよいでしょう。

棺や骨壺の用意は

棺や骨壺は葬儀社または病院で購入することが一般的です。
特に骨壺を納骨する場合は、納骨場所の広さに合わせた骨壺のサイズを選択することが必要になります。

戒名は必要?

死産した赤ちゃんには通常、戒名は付けません。しかし家族の気持ちとして戒名をつけたい場合には菩提寺に相談してみましょう。

位牌は作る?

戒名と同様に位牌も作る必要はありません。
もちろん、家族の思いとして作りたい場合は、作っても問題ありません。

水子供養をする必要はある?

水子とは、死産だけではなく、この世に誕生できなかった赤ちゃんのことをいいます。
水子供養とは、そのような赤ちゃんの魂を供養することです。
ただし、あくまで宗教上や自分の思いの中で、魂を供養したいと考えたときに行うものなので、一般慣習上や法的に必要なことではありません。

中には悪質なお寺や宗教法人が、水子は供養しないと祟りがある、というようなことをもっともらしく伝えたりしますが、全く根拠はありませんので、気にしないようにしましょう。
あくまで大切なのは、死産した赤ちゃんに魂があり、その魂を供養したいと自分が考えるかどうかです。
さらに言えば、自分の悲しい気持ちを、水子供養を行うことによって少しでも癒すことができるかどうかです。この基準に沿っている場合は、水子供養を行いましょう。

水子供養をしたい場合は、自分の家のお墓がある菩提寺や水子供養を行っている寺院に依頼します。

死産された方に香典はするもの?

死産した赤ちゃんのお葬式は一般的には行いませんから、香典も不要です。しかし赤ちゃんの家族の気持ちに寄り添った何かをしたいという場合は、香典ではなく「お見舞い」とし5,000円程度を包みましょう。

お見舞いに行くときには喪服が常識?

また赤ちゃんを死産した知人のお見舞いに行くときには、喪服は着ないほうが良いでしょう。
なぜなら、一般的には赤ちゃんの死産という悲しい体験をした人は、大げさな悲しみの表現をされるとかえって悲しみが増してしまうからです。お見舞いの時の服装は、華美にならない地味なものを選びましょう。

ただし、きちんと赤ちゃんのお葬式を行うという場合は、家族の意思として、一人前の人間が亡くなったことと同じ扱いをしたい、ということなので、参列する側もその気持ちに沿って、正式な喪服を着ていくことが望ましいです。

死産の葬儀はどれくらい費用がかかるの?

妊娠12週以降の死産の場合は火葬が必要です。この場合の費用は葬儀社を使わなければ数万円です。
家族の気持ちとしてお葬式を行う場合は10万円程度の費用が必要です。

葬儀社を使って、火葬からお葬式まで行う場合は15万円程度を考えておきましょう。
またあまり多い例ではありませんが、一般的なお葬式を行った場合は、参列者の数にもよりますが、お葬式の費用としては数十万~100万円程度かかります。

火葬した時に胎児の遺骨は残る?

赤ちゃんを火葬した場合、骨が非常に華奢なので、赤ちゃんの大きさや火葬場の設備によっては、遺骨が残らないことも多いです。
遺骨を必ず残したいという場合は、胎児専用の火葬炉がある火葬場を探しましょう。

また赤ちゃんへの思いを伝えるために、棺にベビー服やおもちゃを入れたいという場合もあるでしょう。
しかしそのような品は火葬の妨げとなることもあるので、その品の原料によっては火葬場で断られる可能性もなくはありません。
もしも棺に何かを納めたい場合は、事前に火葬場に確認しましょう。

遺骨は埋葬するべき?

死産した赤ちゃんを自分の家のお墓に埋葬することは一般的なのでしょうか。

基本は自由

死産した赤ちゃんをお墓に埋葬しなければならないという法律はありません。
ただし、妊娠12週以降で亡くなった赤ちゃんは「遺体」になるので、遺骨を自由にどこへでも埋葬してよい、ということにもなりません。
基本は手元で供養するか、または墓地埋葬法で許可された墓地への埋葬か、どちらかが法的に許可された遺骨の安置方法になります。これらは、出生した人間の埋葬の考え方と同じです。

死産した赤ちゃんの遺骨を埋葬する場合には、市区町村の役所に出生届と死亡届を提出し、火葬許可証を受け、火葬場でその火葬許可証に印鑑を押してもらって、改葬許可証を作成し、そのうえで墓地管理者に提出する必要があります。

妊娠12週以前に赤ちゃんが亡くなった場合は、遺骨をどのように安置するかは家族の気持ち次第です。
墓地や寺院に納骨する場合も、一部またはすべての遺骨を手元で供養する場合もあるでしょう。
あるいはお墓へ埋葬をせず、自分の家の庭にお墓を作って埋葬すること可能です。
全く埋葬も供養もせず、遺骨を処分してしまっても、気持ちの問題は別にして法的には問題ありません。

ペンダントなどにして手元供養する人が多い

遺骨の一部をペンダントにして自分の身につけ、供養する人も多いです。
あるいは、遺骨の一部を小さな骨壺に納めたりオブジェにしたりして、いつもお参りできるリビングや自分の部屋の家具の上などの手元に安置するケースもあります。
インターネットで「手元供養」を検索すると、ペンダントやオブジェにする会社が見つかるでしょう。

遺骨をお墓に埋葬する場合は?

遺骨を納骨するのは自分の菩提寺である場合が多いです。
菩提寺が遠い、持っていない、お墓を管理している責任者である祭祀継承者への説明がしにくいという場合は、胎児の納骨を受け入れている墓地を探しましょう。
まれに胎児の納骨を拒否するお寺もあるので、その場合にも受け入れてくれる墓地を探す必要があります。

まとめ

赤ちゃんを死産してしまうことは非常に悲しく、残念なことです。

そのような死産の赤ちゃんの遺骨を埋葬するかどうかは、基本的に家族の気持ちにどう寄り添うか、ということです。
自分の先祖と一緒に埋葬し、お盆やお彼岸の時にお参りしたいということであればお墓への埋葬が良いでしょうし、毎日手元で供養したいのであれば、ペンダントなどにして身に着けたり自宅の部屋に安置してもよいでしょう。

赤ちゃんの死産という悲しい体験をしてしまった場合、以上の解説を参考に、自分や家族の気持ちに沿った供養の方法を考えましょう。