お墓の承継問題と解決法!お墓は誰が継ぐ?放棄はできる?

  • 投稿日:2019/07/04
  • 更新日:2021/11/26
お墓の承継問題と解決法!お墓は誰が継ぐ?放棄はできる?

お墓は、遺骨を収蔵するだけではなく、先祖を祀り、感謝の想いを伝える場所でもあり、故人とつながる唯一の場所でもあります。

先祖代々受け継いできたお墓、自分が亡くなった後は、このお墓はどうなってしまうのだろう・・・と、 お墓を承継する人がいないとき、

「お墓を承継する人は誰になるの?」
「お墓を承継する人がいないときはどうなるの?」

など、このような疑問が出てくるのではないでしょうか。

この記事では、お墓の承継、お墓の承継の流れ、誰がお墓を承継するのか、お墓を承継する人がいないときはどうすればいいのかなど、お墓の承継について解説しています。

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お墓の承継とは

お墓の承継とは、墓地や墓石、仏壇や位牌、家系図など、先祖を祀るために代々受け継がれてきた祭祀財産(さいしざいさん)を受け継ぐことです。
祭祀財産を承継する人を祭祀承継者と呼び、基本的には特定の一人が受け継ぐことになります。

お墓を含む祭祀財産を受け継いだ人は、法事や法要などの供養を段取りしたり、定期的にお墓まいりをして、お墓の維持や管理を行なったり、墓地や墓苑の管理料を負担しなければなりません。

一般的に土地や株、現金などの財産を相続した場合は、相続税という税金がかかりますが、祭祀財産を相続した場合は、税金の対象にならないので、税金がかかることはありません。

お墓の承継の流れ

お墓を承継して、はじめにすることは、お墓の名義を変更することです。
お墓の名義変更は、墓地や霊園の管理者に問合せをして必要書類を確認して、それらの書類を用意してから手続きを行なうことになります。

名義変更に必要な書類は、これまでの名義人と承継した人の関係を確認できるよう戸籍謄本、承継した人の住民票などになり、手続き時には、実印もしくは拇印などの捺印が必要な場合があります。
名義変更にかかる費用は、おおよそ1,500円から5,000円くらいが相場になりますが、永代使用許可証などを再発行する場合は、10,000円くらいかかることがあります。

受け継いだお墓が寺院墓地の場合は、名義変更以外に檀家の引き継ぎも必要になります。
檀家を引き継ぐ手続きは、寺院墓地を管理している菩提寺に問合せをして、必要書類の有無などを確認して、手続きを進めるようにしてください。
また、檀家の引き継ぎにかかる費用は、お墓の名義変更にかかる費用に加えてお布施を求められることがあり、お布施は寺院によって異なるので、事前に寺院に相談するようにしてください。

お墓の承継は法律で決まっている?

お墓の承継は、昔から家族や地域の慣習などによって決められるのが一般的ですが、実は民法という法律でも定められています。

民法 第897条

1.系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。
ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2.前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

このように民法でも定められているお墓の承継は、慣習や遺言などで指定された人が承継することになっていて、慣習などで承継する人が決まらない場合は家庭裁判所が定めることになっています。

お墓は誰が継ぐ

お墓の承継は民法でも定められているのですが、実際は誰が受け継ぐの?と思われるかもしれませんが、お墓は誰でも受け継ぐことができます。
昔からの慣例では、長男がお墓を受け継ぐというのが一般的でしたが、近年では次男が受け継いだり、女性が受け継ぐこともあります。

また、墓地、霊園によっては、お墓を承継する人は血縁者と規定されていることもあるので、注意が必要です。
お墓を承継する人は、遺言等で指定された人、慣習・親族間で話し合い、家庭裁判所の調停か審判という優先順位がついているので、その内容に従って承継する人を決めていくことになります。
ただ、お墓は誰でも受け継げるとはいえ、家族や親族以外の人がお墓を承継する場合は、承継する人の家族など周囲にいる人に断りを入れて、事前に了承を得るようにしてください。
それでは、ここからはそれぞれ具体的に誰がお墓を受け継いでいくのかみていきます。

遺言等で指定された人

お墓を承継する人の優先順位で1番に優先されるのが、遺言等で指定された人になります。
正式な書式、形式に沿って作成された遺言書は法的な効力を持っていて、遺言書に記載された人がお墓の承継者になります。
また、遺言以外に生前にお墓を承継する人を口頭で指定することも可能です。
このように、生前に口頭で指名したり、遺言書などで承継者を指定することは、自分の意思を明確に伝えられると共に、自分が亡くなった後に、お墓の承継で家族がもめないようにすることにもつながります。

慣習・親族間で話し合い

お墓を承継する人の優先順位で2番に優先されるのが、慣習・親族間の話し合いで決められた人になります。
古くからの家族や地域の慣習では、長男がお墓を承継するのが一般的でしたが、近年では、少子化などにより、長男以外の子どもや甥、姪などが承継者になることもあります。

また、子どもが一人娘だったり、子ども全員が女性ということもあるのですが、そのような場合は、長女の人が承継することが多く、嫁いで苗字が変わっていてもお墓を承継することはできます。

家庭裁判所の調停か審判

お墓を承継する人の優先順位で最後に優先されるのが、家庭裁判所の調停か審判になります。
遺言等で特に指定がなかった場合は、慣習や親族間の話し合いで決められるのですが、それでも決まらなかった場合は、家庭裁判所の調停か審判によってお墓の承継者が決められることになります。

家庭裁判所では、家族や親族の間に入って話し合いにあたる調停を行うのですが、話し合いで決まらないときは、家庭裁判所の裁判官がお墓の承継者を決める審判に進むことになります。

また、お墓を承継する予定の人が若くして亡くなったときは、その子供がお墓の承継者にあたるのですが、その子どもが未成年の場合は、お墓を承継することが難しいことがあります。

そのような場合は、家庭裁判所が特別代理人選任申立の手続きを行い、家庭裁判所が承継者の代理人を選任して、お墓の承継者が成人するまで代理人がお墓を守っていくことになります。

お墓の相続は放棄できる?

民法でも定められているお墓の承継ですが、お墓の相続を放棄したいと思っている人が少なからずいらっしゃいます。
結論から言いますと、お墓の承継者は相続を放棄することはできません。

一般の相続財産とは異なり、お墓や仏壇、位牌などの祭祀財産の承継には、行政手続きがありません。
承継の手続きがないため、当然承継を放棄する手続きもありません。したがって、承継を放棄することはできません。

ただし、民法でお墓の承継について定められているとはいえ、お墓の管理や法事・法要を行わなくても法律で罰せられることはなく、家族や親族に相談した上で、祭祀承継者としてお墓や仏壇を処分することもできます。

祭祀財産の分割相続

祭祀財産を承継する祭祀承継者は、基本的には特定の一人が受け継ぐことになります。
これは、複数人で同じ家の祭祀財産をシェアすると後々に管理しきれなくなるためです。

例えば、長男がお墓を、次男が仏壇を承継するとどうなるでしょうか。
それぞれがまた下の代に祭祀財産を承継すると、今度は長男の子供がお墓を、次男の息子が仏壇を承継することになり、いとこ同士で一つの家の祭祀財産を管理することになります。
さらに代が下ると、ますます遠縁の親戚同士での管理になります。

このように、一つの家の祭祀に遠縁の親戚までが権限を持つようになってくると、処分や承継の際に面倒が生じます。
したがって、祭祀財産は一人で承継します。

ただし、実際のお墓のお世話や管理費など、実際の負担については分担しても良いでしょう。

お墓を相続する人がいないとき

近年では少子化により、自分が亡くなるとお墓を相続する人がいなくなってしまう場合があります。
自分が亡くなるとお墓を相続する人がいなくなってしまう時は、親族に相談をしてお墓の承継者を決めるようにすることをお勧めします。
近くに住む兄弟や姉妹、甥や姪などに、生前からお墓の維持管理を依頼してみてはいかがでしょうか。
もし、依頼を快諾してもらえた場合は、その人にいろいろな面で負担をかけることになるので、それ相当のお礼は必ずするようにしてください。

また、親族に相談したにもかかわらず、どうしても折り合いがつかないこともあります。
そのようなときは、墓じまいをして、永代供養付のお墓や納骨堂で供養するという選択肢を検討する必要があります。
ここからは、お墓を相続する人がいないときの供養方法についてみていきます。

永代供養付のお墓や納骨堂

お墓を相続する人がいないときの供養方法の一つに永代供養付のお墓や納骨堂という選択肢があります。
永代供養とは、遺骨の管理や供養の一切を墓地や霊園の管理者に引き受けてもらうという供養になり、近年ではお墓を相続する人がいないという人が増えていて、さまざまな形態の永代供養付のお墓や納骨堂があります。
永代供養付のお墓や納骨堂を利用するには、自分が亡くなる前に今あるお墓を墓じまいして、遺骨を永代供養付のお墓や納骨堂に移す必要があります。
永代供養付のお墓は合祀墓と言って、他の人の遺骨と一緒に納骨されたり、その遺骨だけを納める個人墓などのタイプがあり、かかる費用も大きく違ってきます。
納骨堂は、都市部で増えていて、交通などの利便性もよくて、利用する人がかなり増えています。
ただ、永代供養付のお墓や納骨堂は30年から50年という利用期限があるので注意してください。

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散骨する

お墓を相続する人がいないときの供養方法の一つに散骨という選択肢があります。
散骨は、海や山、空など自然の中に遺骨をまくという供養方法になり、まかれる遺骨は刑法の死体遺棄罪の対象にならないように粉状にすることが義務付けされています。
散骨は、最後は自然の中で眠りたいという人々に広く利用されていて、粉状の遺骨をまいた後は、遺骨を管理する必要がないのも人気の理由になります。

樹木葬

お墓を相続する人がいないときの供養方法の一つに樹木葬という選択肢があります。
樹木葬は、公園型の墓地や霊園に多くみられ、樹木葬専用の場所にシンボルツリーを植樹して、樹木の根元に遺骨を納骨して供養する方法になります。
樹木葬も散骨と同様に、最後は自然の中で眠りたいという人々に受け入れられていて、人気がある供養方法の一つになっています。

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手元供養

手元供養とは、遺骨を供養の対象にしていて、自宅供養とも呼ばれています。
手元供養は、遺骨をミニ骨壺に入れて自宅に置いて供養したり、遺骨をペンダントなどのアクセサリーに加工して身につけたりするなどさまざまなタイプがあります。
近年は、核家族化、高齢化、住環境の変化により、お墓を持たないという人が増えていて、それに伴い手元供養の需要は高まっています。

まとめ

ここまで、お墓の承継、お墓の承継の流れ、誰がお墓を承継するのか、お墓を承継する人がいないときはどうすればいいのかなど、お墓の承継について解説してきました。
近年は、少子高齢化、核家族化により、お墓を承継することが困難な場合が増えています。
お墓を承継する人がいないなどの理由でお墓の処遇について悩んでいる人は、お墓の承継について解説していますこの記事を参考にして頂き、安心して最後の時を迎えられるように、今から準備をしてみてはいかがでしょうか。

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