樹木葬と納骨堂…永代供養墓を選ぶならどっち?費用と特徴

お墓を維持していくということは非常に大変です。
物理的にお墓の清掃などをしなければならないだけではなく、故人の三回忌や七回忌などの年忌法要などもしなければなりません。
何より毎年の管理を霊園管理者に支払う必要があります。
このような負担を遺族にかけることを避けるために、最近では永代供養墓を考える人が増えてきました。
その代表的な埋葬方法が樹木葬と納骨堂です。
そこでここでは、樹木葬と納骨堂とはどのような埋葬方法なのか、そして永代供養を選ぶ場合、どちらが良い良い方法なのか、という点について解説して行きます。
永代供養墓とは
そもそも永代供養墓とはどのようなものを指すのでしょうか。
永代供養とは
永代供養墓とは「永代供養」のサービスがついているお墓のことです。
では永代供養とは何なのでしょうか。
全てのお墓には祭祀承継者がいます。
祭祀継承者は親から主に長男や長女に引き継がれ、祭祀継承者は年忌供養を行ったり、管理費を支払ったりします。
しかし祭祀継承者いないお墓の場合は、年忌法要が行われないだけではなく、墓地管理者に管理費を支払われなくなっています。
一定期間管理費の支払いのないお墓は、墓地管理者の手によって、まず遺骨は無縁仏として処分され、そしてお墓は更地に戻されてしまいます。
自分の次の祭祀承継者がいない場合は、自分の家のお墓がそのような状況になる危険性を持っているということです。
それを防ぐために、お墓の維持管理や供養を墓地管理者に委託してしまう方法があります。
これが「永代供養」です。
永代供養にすれば、管理費は契約時に永代少量と一緒に一括で支払いますから、遺骨が無縁仏として処分されることも、お墓が更地になることも防げます。
永代供養墓の種類は?埋葬方法も場所も違う
永代供養を付けたお墓を永代供養墓と言いますが、これにはいくつか種類があり、埋葬方法も異なります。
具体的には以下の通りです。
樹木葬
代表的な永代供養墓が樹木葬墓地です。
樹木葬とは「墓地、埋葬等に関する法律」(墓埋法)によって市区町村の認可を得ている墓地や霊園内に設けられる墓地です。
その墓地には1本のシンボルツリーを植え、その下に遺骨を埋葬します。これが樹木葬です。
ただし樹木葬とは埋葬方法の1種類なので、全ての樹木葬墓地が永代供養墓というわけではありません。
樹木葬墓地でも、従来のお墓のように供養や維持は遺族が行うことになっているものもあります。
ただ樹木葬墓地の場合、永代供養がついていることが多いだけです。
ですから樹木葬墓地を選ぶ場合は、永代供養のサービスが付属されているかどうかを確認しましょう。
納骨堂
納骨堂とは、寺院墓地や霊園などの一画に設けらたり、墓地とは別に独立して設けられる、遺骨を納める建築物や施設のことです。
納骨堂もやはり樹木葬同様に、納骨堂のすべてに永代供養のサービスがついているわけではありません。
しかしやはりこれも樹木葬同様に、納骨堂を選ぶ人に供養を委託したいというニーズが多いため、納骨堂には永代供養のサービスがついている場合がほとんどなのです。
ですから納骨堂を選ぶ場合でも、その納骨堂に永代供養がついているかどうかを確認しましょう。
合祀墓
遺骨は一般的には個人として埋葬されますが、ほかの人と一緒に埋葬される方法もあります。
このようなお墓を合祀墓あるいは共同墓といいます。
合祀墓の形式は、遺骨を合祀した上に永代供養塔などを建てるものです。
合祀墓の場合は、個人として供養できませんから、そもそも遺族による法要は想定されていません。
したがって、埋葬される人すべてに永代供養が必須でついています。
永代供養付き一般墓
以上のような今まであまり見たことがないお墓の形式ではなく、見慣れた、墓地の中に墓石が建っているお墓でも永代供養墓があります。
この場合は、通常通り墓石の下に故人を埋葬したうえで、そのお墓の維持、管理、そして供養を墓地管理者に委託するというものです。
樹木葬とはどういうもの?
永代供養の概要がわかったところで樹木葬と納骨堂の比較に移りましょう。
まず樹木葬の詳しい内容についての解説です。
樹木葬の種類は
樹木葬にはどのような種類があるのでしょうか。
樹木葬をする場所による区別
まず樹木葬はどこに埋葬するのかによって2つの種類があります。
1つは「里山型」です。これはすでにある自然の山林の中の木の下に遺骨を埋葬する方法です。
もう1つが「公園型」です。
すでにある自然ではなく、公園型の場合は人工的に自然を再現し、そこに樹木を植えて遺骨を埋葬する方法です。
樹木葬の埋葬方法による区別
樹木葬をどのように行うかによっても2つの種類があります。
1つは遺骨を土の中に直接土葬する方法です。
この方法では遺骨は土の中で分解され、まさに木の栄養になります。
もう1つが木の下に小さな納骨室を作り、遺骨を骨壺に入れたままその納骨室に埋葬する方法です。
樹木葬の費用は
樹木葬にはどの程度の費用がかかるのでしょうか。
樹木葬霊園が都心にあるのか、郊外にあるのかによって費用は異なりますが、相場で言うと20万~80万円です。
樹木葬で注意すべきトラブルは
また樹木葬を選ぶ場合は、以下のようなトラブルが発生することもあり得ます。
樹木の手入れは誰がするのか
樹木葬を行った場合、その樹木の管理が非常に重要です。
樹木は枯らしてはなりませんし、かといって枝が伸びすぎたりしても困ります。
また落ち葉が積もって腐る場合もあり得ます。
したがって樹木葬の場合がその管理をしなければなりません。
都市型の樹木葬墓地ではほとんどの場合霊園の管理者が手入れを行います。
ですが、里山型でさらに一区画一本樹木を植える場合は、家族が管理することになることもあります。
でですから故人を樹木葬で永代供養にする場合は、その樹木の管理を管理者側がしてくれるのかということも確認する必要があります。
線香、ろうそく、花を供えられない
特に里山型の樹木葬霊園の場合は火気厳禁です。
公園型でも同様の場合があります。したがってせっかくお参りをしても、故人に線香やろうそくを手向けられません。
また花台もないため、花を供えることさえできない場合もあります。
交通アクセスが悪い
樹木葬霊園は自然の環境が必要であるため、都心ではなく、郊外に設けられていることがほとんどです。
したがって自宅からの交通アクセスが悪い場合も多々あります。
そうなるとお墓参りに行くのも大変です。
納骨堂とはどういうもの?
一方で納骨堂とは以下の通りです。
納骨堂の特徴は
まず納骨堂の特徴は以下の通りです。
管理が楽
納骨堂はビルの中にあるので、納骨した場所が汚れたり劣化したりすることが少ないのが特徴です。
ですから掃除などはあまりしなくても済みます。
天候関係なくお墓参りできる
納骨堂はビル内なので、どのような天候でもお墓参りが可能です。
特に近年建設された納骨堂は冷暖房完備ですから、酷暑の夏でも極寒の冬でも快適にお墓参りができます。
トイレなどの施設も完備されていますし、バリアフリーであることがほとんどです。
交通アクセスが良い
納骨堂はビル内にあるので、敷地面積当たりの収容遺骨数が多くなります。
したがって多くの建設費用が集められるため、都心の交通アクセスが良い場所に建てることができます。
最寄り駅からも徒歩圏であり、多くの交通機関が利用できる場所であることも多いでしょう。
ですから非常にお墓参りがしやすいということが特徴です。
納骨堂の種類は
納骨堂もその形式によっていくつか種類があります。
棚式
棚式は納骨堂としてはもっとも古い形式です。
具体的には建物の壁や仕切りに棚を設け、骨壺を並べて安置します。
ロッカー式
棚式よりもより個人の独立性を高めた方法がロッカー式です。
具体的には壁面にコインロッカーのような扉のついた個別の納骨場所を設けて遺骨を安置する形式です。
仏壇式
棚式やロッカー式ではお参りをする場合に味気ないという人のために用意されているのが仏壇式です。
これはその名の通り、建物内にずらっと仏壇を並べ、そこに遺骨を納める形式です。
仏壇式であれば線香やお花だけではなく、故人の好きだったものなどを供えることが可能です。
機械式
機械式とは納骨堂としては最新式のものです。
遺骨は通常は倉庫のような場所に安置され、遺族が来てタッチパネルなどで操作すると、奥から機械によって墓参スペースに運ばれてくるものです。
納骨堂の費用は
納骨堂を購入する費用は、その形式によって差があります。
最も安い棚式の場合は5万円程度で契約可能です。最も高額な仏壇式の場合だと200万近くかかることもあります。
最もスタンダードなロッカー式や、最近急増している機械式の場合は、50-100万円程度で購入できます。
納骨堂で後悔しないために、注意したいトラブルは
納骨堂を契約する場合、以下のようなトラブルに注意しましょう。
それは納骨堂は1つの建物の中にあるということです。
建物である以上、開館時間が存在します。
一般のお墓であれば24時間、好きな時にお墓参りができますが、納骨堂の場合はその開館時間内しかお墓参りができません。
樹木葬と納骨堂はそれぞれどんな人に向いているか
では同じ永代供養でも、樹木葬と納骨堂はどのよう基準で選択したらよいのでしょうか。
自然に還りたい人は樹木葬
亡くなった後に、冷たくて暗い納骨室に閉じ込められたくない、自然の中に還って樹木として再生されたいという人の場合は、樹木葬が良いでしょう。特に土葬型の樹木葬を選べば、まさに遺骨は時間を経るにしたがって分解されて木に吸収され、葉を茂らせ、枝を伸ばす養分になることが可能です。
家族にお参りしてほしい人は納骨堂
永代供養はしてもらうものの、家族には時々顔を見せてもらいたい、という場合は納骨堂は良いでしょう。
先ほど書いたように多くの場合、納骨堂は交通アクセスが良い場所にあるので、気軽にお墓参りができます。
まとめ
最近は残された遺族に負担をかけたくないために、永代供養を選択する人が増えています。
しかし永代供養にもいろいろな方法と、それそれの特徴があります。
ですから永代供養を選ぶ場合には以上の解説を参考に、自分の希望に合ったものがどれかを検討しましょう。
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