墓じまいとは?費用と流れを詳しく解説!トラブル対策も紹介

  • 投稿日:2019/11/13
  • 更新日:2022/02/28
墓じまいとは?費用と流れを詳しく解説!トラブル対策も紹介

この記事では、墓じまいを考え始めた方へ、費用や手順などの基本的な知識を解説します。

※記事の概要は、こちらの動画でもご覧になれます。

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墓じまいとは

墓じまいとは?費用相場・手続きの流れ・時期・トラブル対策を解説

墓じまいとは、お墓を解体・撤去し、墓地を更地にして管理者に返還するまでの一連の流れを指します。
また、遺骨を現在のお墓から移動することを「改葬(かいそう)」と言います。
墓じまいと改葬は同時に行われることが多いので、しばしば同じような文脈で使われます。

墓じまいをするには、墓地の使用者、墓地の管理者、親戚など方々の関係者との調整が必要になります。

墓じまいの費用・料金

墓じまいの費用について解説します。

墓じまいの費用のポイント

  • 費用総額は20万~30万円程度に落ち着くことが多い
  • 別途、遺骨を供養する費用が必要
  • お墓の立地や広さ、数によっては相場よりも高くなる

墓じまいの費用総額

墓じまいの費用総額は、20万~30万円程度が相場です。
ただし、お墓の広さや立地、お寺の事情によっては、費用が倍以上かかることもあります。

なお、この費用には遺骨の改葬先(取り出した遺骨の移動先)の費用は含みません。遺骨の改葬先にかかる費用は、以下の項目をご覧ください。

参考:遺骨の引っ越し先(改葬先)と費用

墓じまい費用の内訳

墓じまいの費用は、内訳で見ると以下が相場になります。

墓石解体工事費 8~10万円/㎡程度
魂抜きのお布施 1~5万円程度
離檀料
(お寺の場合)
1~20万円程度

実際には、お墓の立地や墓地の種類、お付き合いのあるお寺などによって費用は変動します。

墓石解体工事費

墓じまいの解体工事
墓石解体工事の様子
墓石解体工事費の費用相場は8~10万円/1㎡です。参考までに、たたみ一畳分で1.44~1.82㎡です(地域による)。
これは、墓石を撤去してから墓地を更地に戻し、さらに墓石をしかるべき形で処分するまでの費用です。

ただし、以下のような場合は、相場を大きく上回る場合があります。

解体工事費が高くなるケース

  • お墓が山の上などの工事が難しい場所にある
  • 道幅が狭くてお墓に機材を横付けできない
  • 石塔や灯篭などが多い
  • 雪国などで、基礎が強固になっている
  • その他、石材の処分費や、解体のための人数・時間がかかる事情がある
山の上のお墓の墓じまい
山の上のお墓
石塔がたくさんあるお墓の墓じまい
一つの区画に石碑がたくさん並んでいる墓所
墓じまいの見積もり例

見積もり例1

墓じまい見積もり例1-1
実際の見積もり
山口県で行われた墓じまいの例です。こちらのお墓の解体費用は、20万円でした。
墓じまい見積もり例1-2
墓じまいが行われたお墓

見積もり例2

墓じまい見積もり例1
実際の見積もり
兵庫県で行われた墓じまいの例です。こちらのお墓の解体費用は、28万円でした。
墓じまい見積もり例1の画像
墓じまいが行われたお墓

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魂抜きのお布施

墓じまいの閉眼法要
墓じまい前の魂抜きの法要の様子
「魂抜き(たましいぬき)」は、仏式のお墓から遺骨を取り出す前に行う墓前法要です。魂抜きのお布施の相場は、1~5万円程度です。魂抜きをしないと解体できないという石材店が多いため、原則魂抜きは必須です。

離檀料

お寺の墓地
お寺の墓地
基本的にはお墓を撤去すると、檀家もやめることになります。「離檀料」とは、檀家をやめるにあたり、お世話になった感謝として包むお布施です。相場は1~20万円(法要一回分)程度で、お墓がお寺にある場合のみ必要です。事前に親戚や檀家総代、近所の石材店などにどのくらい包むかを相談しても良いでしょう。

【注意!】まずは相談から

離檀料の話は、必ずお寺から墓じまいの承諾をもらってから出してください。突然離檀料を包んで行くことは、失礼である上に、気分を悪くしたお寺とのトラブルに繋がります。離檀や墓じまいの話は、まずは決定事項ではなく「相談」という形でお話をします。改葬先を決めるよりも先にお寺に相談しましょう。

離檀料で法外な金額を要求されるなどのトラブルもごくたまにありますが、その場合は、離檀料とは気持ちであることを念頭に、根気強く話し合いましょう。
どうしても折り合いがつかなければ自治体や弁護士に相談します。

墓じまいの費用負担は誰がする?

墓じまいは、現在のお墓の持ち主が決定し、費用も負担することが一般的です。
お墓の処分の決定権は現在のお墓の所有者にあり、逆に言えば所有者の許可なく墓じまいをすることができないためです。

ただし、墓じまいの費用負担を誰がするかの明確な決まりはありません。兄弟や親せきで負担することもあり得ます。
結局は決まりがない以上、関係者の話し合いで決めるしかありません。

墓じまいの費用を安く抑えるには

墓じまいの費用を節約するコツを紹介します。

墓じまいの費用を安く抑えるポイント

  • 墓石解体工事は相見積もりを取る
  • 遺骨の葬送の費用を抑える
  • 費用を抑えられる葬法には、合葬墓や散骨、送骨などがある
  • 墓じまいの費用が払えないときは、親戚や墓地管理者に相談する

相見積もりを取る

墓じまいをする際には、必ず着工してもらう前に業者に見積もりを取ってもらいます。
見積もりが少し高いと感じたら、他の業者にも見てもらいましょう。

ただし、墓地の指定業者がいる場合は相見積もりができません。
相見積もりができるかどうかは、墓地の運営形態によって以下のような傾向があります。

種類 傾向
寺院墓地 指定業者がいることといないことがあるので、お寺に相談する
公営霊園 指定業者がいないので、相見積もりができる
共同墓地 ほぼ指定業者がいないので、おそらく相見積もりができる
民営霊園 ほぼ確実に指定業者がいるので、相見積もりは厳しい

遺骨の供養の費用を抑える

遺骨の供養先を変えることで墓じまいの費用を抑えることができます。
最も費用を抑えられる供養の方法としては、合葬送骨散骨が考えられます。

合葬墓・合祀墓のイラスト
合葬
血縁など関係なくひとつの納骨室に不特定多数の遺骨を埋葬します。合祀墓(ごうしぼ)または合葬墓と呼ばれるお墓に納骨します。
最安値で3万円/1人程度です。合葬墓・合祀墓一覧 >>
送骨のイラスト
送骨
お寺に遺骨をゆうパックで送って合祀墓に入れてもらう方法です。全国に送骨を受け付けている寺院がいくつかあり、最安値で1万円/1人程度です。詳しく >>
散骨のイラスト
散骨
山や海に遺骨をまいて自然に還す方法です。遺骨を粉砕するところからまくところまで全て業者に委託するプランだと、最安値で3万円/1人程度です。

墓じまいの費用を払えない場合は

墓じまいの費用を用意できない場合は、どのように費用を工面すればいいでしょうか。

家族や親戚に相談する

家族や親族に協力してもらえないか相談してみましょう。
お墓は家や親族に関わる物です。墓じまいの必要性を伝えれば、協力してくれる人が現れるかもしれません。

例えば、お墓は手入れをしないで放っておくと傷んでいきます。朽ちた植え込みや墓石が周辺の区画に倒れ、最悪の場合では他人にけがをさせることも考えられます。
また、お墓を放置しておくと、最終的には墓地の管理者がお墓を撤去し、遺骨は墓地の合祀墓か自治体の無縁塚に入れられます。
故人の縁者であれば、忍びないと思う人もいるでしょう。

メモリアルローンを使う

お墓や葬祭のための「メモリアルローン」を取り扱っている金融機関に相談してみます。
通常はお墓を建てる時に使われるローンですが、条件によっては審査が通るかもしれません。
また、一般のローンとは違い、おおむね年金のみの収入でも利用できます。

この他、石材店が独自のローンを持っていることがあります。
墓石の解体工事をお願いする業者を選ぶ際に、ローンを組めるところを探すのも一つです。

遺骨の引っ越し先(改葬先)と費用

遺骨の引っ越し先(改葬先)のポイント

  • 跡継ぎがいなければ、合葬墓や樹木葬、納骨堂などの永代供養墓に納骨する
  • お墓を近くに持ってきたい場合は、近くに新しく建てる
  • 散骨や送骨サービスでも遺骨を供養できる
  • 費用を抑えるなら、合葬墓、散骨、送骨がおすすめ

墓じまいをしたら、中に入っている遺骨をどこかで供養しなければなりません。
遺骨の供養先には、以下のようなものがあります。

遺骨の供養先と費用
種類 合葬墓 永代供養墓 樹木葬 納骨堂 墓石のお墓 散骨 送骨
画像 合葬墓・合祀墓のイラスト 集合個別式永代供養墓のイラスト 里山型樹木葬のイラスト 納骨堂のイラスト 墓石のお墓のイラスト 散骨のイラスト 送骨のイラスト
費用相場 3~30万円/1人 3~200万円 10~150万円 30~200万円 80~250万円 3~30万円/1人 1~10万円/1人

合葬墓(合祀墓)

サニープレイス松戸 樹木葬・永代供養墓の画像13
費用相場:3万~30万円/1人
血縁に関係なく複数の遺骨を同じ納骨室に埋葬します継承不要で、最も費用を抑えられるお墓です。納骨後は遺骨を取り出せません。古い遺骨を合葬墓に移し、顔が分かる方は個別のお墓に移すという方もいます。合葬墓の一覧 >>

永代供養墓

費用相場:3万~200万円
永代供養墓は、親族に代わり、お寺などの墓地管理者が将来にわたって故人を供養してくれるお墓です。お墓の継承に不安がある方や、ご自分やご夫婦だけのお墓を持ちたい方におすすめです。永代供養墓の一覧 >>

樹木葬

桜葬-森の精1
費用相場:10万~150万円
樹木葬は、樹木や草花を墓標とするお墓です。継承は不要です。個別でご遺骨を埋蔵できる永代供養墓としては、費用を抑えやすい傾向にあります。樹木葬の一覧 >>

樹木葬の種類や費用については、詳しくはこちらをご覧ください。
参考:樹木葬とは?費用と購入の流れを解説!メリット・デメリット4選

納骨堂

妙力寺 仏壇付納骨壇の画像1
費用相場:30万~200万円
納骨堂は、屋内に遺骨安置するお墓です。ほとんどの場合で永代供養が付いています。永代供養墓の中では、費用が高い傾向にあります。納骨堂の一覧 >>

納骨堂の種類や費用については、詳しくはこちらをご覧ください。
参考:納骨堂の費用を徹底解説!納骨料や管理料はどれくらい?

墓石のお墓

費用相場:80万~250万円
近くに改めてお墓を建てます。遠くのお墓をお参りしやすいように近くに移したい方におすすめです。費用相場は新しくお墓を購入する時同じ程度かかります。加えて、年間管理費が5千~2万円程度かかります。一般墓の一覧 >>

散骨

散骨のイラスト
費用相場:3万~10万円/1人
散骨とは、遺骨を粉状に砕いて自然環境にまく葬法です。一度散骨すると遺骨を回収することはできません。手を合わせるお墓がなくなる点も注意が必要です。

散骨について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
参考:墓じまいから散骨するまでを解説!費用・流れ・注意点

送骨

送骨のイラスト
費用相場:1万~10万円/1人
送骨サービスは、遺骨をお寺や霊園に郵送し、合葬墓に入れてもらうサービスです。対応できる場所は限られるため、必ずしも近くで供養できません。また、納骨される場所は立ち入れないことが多いので注意しましょう。

送骨サービスについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
参考:遺骨の郵送は違法じゃない?送り方や送骨サービスを紹介

墓じまいの流れと必要な手続き

墓じまいでは、具体的に何をすることになるのでしょうか。
墓じまいで必要になる作業と流れを解説します。

墓じまいの流れ
1.親族に相談する
2.墓地管理者に相談する
3.遺骨の引っ越し先を決める
4.解体工事の業者を決める
5.役所で改葬手続きをする
6.工事と法要の日程調整
7.墓石解体工事・更地返還

墓じまいの流れと必要な手続きのポイント

  • まずは親族とお寺に相談
  • 遺骨の移動には墓地のある自治体役所で手続きが必要
  • 遺骨の引越し先は、相談より後、手続きより前に決めるとベター
  • 墓石を解体する石材店を決めるときは必ず見積もりを取る

1.親族に相談する

まず、お墓の撤去に関して家族や親族に相談しましょう。
特に本家の墓の場合は一族全体に関わる問題なので、注意しましょう。
親戚に相談することで、お墓を引き継いでくれる人が現れることもあります。
断りなくお墓を撤去してしまうと、親族が何も知らずにお参りに来た時などにトラブルになる可能性があります。

2.墓地管理者に相談する

墓じまいする旨を墓地管理者に伝えます。
問い合わせ先は、それぞれ以下のようになります。

種類 墓地管理者
寺院墓地 寺院
公営霊園 管理事務所(なければ墓地のある自治体役所)
共同墓地 墓地管理委員会(現地の立札などで確認。分からなければ墓地のある自治体役所)
民営霊園 管理事務所(なければ経営主体の寺院または公益法人)

公営霊園、民営霊園、共同墓地の場合は、そのまま「墓じまいをします」と伝えて大丈夫です。

寺院墓地の場合は、墓じまいを決定事項としてではなく、相談という形でお話しします。
墓じまいをすると通常は檀家も辞めることになるので、話し方によってはお寺との関係が悪化して、トラブルになることがあります。
どうしても墓じまいしなければならない理由や、今までお世話になったお礼などを伝えましょう。

参考:離檀について>>
参考:離檀料について>>

3.遺骨の引っ越し先を決める

親族とお寺に相談したら、取り出した遺骨をどうするかを決めます。
単にお墓が遠くてお墓参りに行けなっかったという場合は、近くの霊園や墓地を探します。
跡継ぎがいないという理由で墓じまいする場合は、永代供養や散骨・送骨を検討しましょう。

詳しくは、遺骨の引っ越し先(改葬先)と費用の項目をご覧ください。

4.解体工事の業者を決める

墓石の解体工事は、墓地の指定業者か、自分で石材店を探して見積もりを依頼します。見積もりは契約前に必ず取ってください。

指定業者の有無
種類 指定業者の有無
寺院墓地 いることといないことがある
公営霊園 いない
共同墓地 ほとんどいない
民営霊園 ほとんどいる

お墓が公営墓地以外にある場合は、管理者に指定業者がいるかを確認します。
指定業者がいなければ、相見積もりも取れます。
指定業者がいる場合でも、あまりに相場から外れている場合は内訳を見せてもらって一度相談しましょう。

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5.役所で改葬手続きをする

参考:品川区の改葬許可申請書

品川区の改葬許可申請書
東京都品川区の改葬許可申請書 東京都品川区の改葬許可申請書記入例

墓じまいの際は、墓地がある自治体の役所での手続きが必要です。
必要書類を用意して、役所に提出します。

必要書類と発行元
書類 発行元 備考
改葬許可申請書 現在の墓がある自治体役所 HPで入手できる場合もある
埋蔵(埋葬)証明書 現在の墓地管理者 改葬許可申請書への署名・捺印の場合もある
受入証明書 遺骨の引っ越し先の墓地 自治体によっては不要
承諾書 現在のお墓の持ち主(名義人) 申請者とお墓の持ち主が違う場合のみ必要

改葬許可申請書が受理されると、「改葬許可証」が発行されます。
改葬許可証が発行された時点で、遺骨を今の墓所から動かせるようになります。

遠方に住んでいる場合は郵送での手続きに対応してくれることが多いので、一度役所に電話で問い合わせてみましょう。

参考:改葬手続きについて詳しく>>

6.工事と法要の日程調整

改葬許可が出たら、工事と魂抜きの法要の日程を組みましょう
魂抜きの法要は工事当日である必要はなく、一週間前などに済ませてしまっても構いません。

墓地管理者と石材店の都合を聞いて、工事日程を調整します。

7.墓石解体工事・更地返還

日程を決めたら、業者に墓石を解体・撤去してもらいます。
更地にして管理者に墓地が返還できたら墓じまい完了です。

遺骨は、直接引き取りに行くか、改葬先や自宅に郵送してもらいましょう。

墓じまいにまつわるトラブルと対策

墓じまいにまつわるトラブルと対策のポイント

  • まずは親族とお寺に相談することから始める
  • 寺院から高額な離檀料を要求されても、すぐにOKしない
  • 石材店はその墓地での施工実績がある所だと安心

墓じまいが増えるに伴い、墓じまいのトラブルの事例も聞かれるようになりました。
ちまたのニュースでは離檀料について取沙汰されることが多いですが、お寺以外でも注意することがあります。

参考:墓じまいの相談・トラブル事例>>

親戚とのトラブルを避けるには

親戚とのトラブルには、以下のようなものがあります。

  • 親戚に墓じまいを反対された
  • 墓じまいの事実が事後に親戚に伝わり、仲が険悪になった

親族とのトラブル対策

墓じまいの意向は、必ず事前に親族に伝えておきましょう。
お墓は、家族や親族に関わります。事前に伝えて反対されることもありますが、事前に伝えず、事後に発覚した場合の方がより揉めるでしょう。
もし相談をして反対を受けても、真っ向から反発しないようにします。
相手の意見を一度肯定した上で、それでもやむを得ず墓じまいしなければならない事情を丁寧に説明しましょう。

寺院とのトラブルを避けるには

寺院とのトラブルには、以下のようなものが挙げられます。

  • 法外な離檀料を要求された
  • 墓じまいを許可してくれない

寺院とのトラブル対策

お寺で墓じまいをしたい場合、墓じまいは決定事項としてではなく、まずは相談として話に行きましょう
最初から「離檀」というワードを出すのはお寺の態度の硬化を招くおそれがあるのでNGです。
最初の段階でお寺との関係が悪くなると、離檀を引き留めたいお寺が法外な離檀料を要求してくるという例もごくたまにあります。

お寺にとっても、面倒を見る人がいなくなったお墓が放置されるのは困るはずです。
どうしてもお墓の面倒を見れない事情があり、ご迷惑をかけないためにも墓じまいをしたいという意向を伝えます。

もし法外な離檀料を要求されてしまった場合は、すぐに受け入れてはいけません。
離檀料はあくまでも気持ちであることを念頭に、感情的にならず、冷静に根気強く話し合いましょう。
どうしても折り合いがつかない場合は、弁護士などに相談します。離檀料については法的根拠は非常にあいまいであるため、弁護士を呼ぶと言えばおおむねお寺も強く出られないでしょう。

解体業者とのトラブルを避けるには

解体業者とのトラブルには、以下のようなものが挙げられます。

  • 撤去した墓石が不法投棄されていた
  • 基礎を解体せずに埋め立てるなど工事が悪質だった

解体業者とのトラブル対策

ごくたまに、悪質な業者が撤去した墓石を不法投棄してしまうという場合があります。
また、お墓の基礎や納骨室を解体せずに、そのまま埋めてしまうというケースもあります。

基本的には、解体業者ではなく石材店に依頼するのが無難です。
加えて、あまりにも費用が安すぎる場合も注意しましょう。

墓石の廃棄に関しては「マニフェスト」という廃棄物管理に関する書類を出してもらえるところだと安心です。
お墓の地下部分についても、地元で長く実績のある石材店であればほとんどの場合で問題ないでしょう。
お寺など管理者と知り合いであったり、よく墓地に出入りしている石材店だとより安心です。

墓じまいにお布施や香典は必要?

墓じまいをする場合、お寺に渡すお布施は必要なのでしょうか。
また、墓じまいに呼ばれた際には、香典は必要でしょうか。

お布施は必要

墓じまいにあたっては、お布施は必要です。
墓じまいで必要なお布施は、主に以下の2つです。

  • 魂抜き(閉眼法要)のお布施
  • 離檀料(寺院墓地の場合のみ)

魂抜きのお布施

魂抜きとは、遺骨を取り出す前に読経をあげてもらう儀式です。
魂抜きの際のお布施は、3~10万程度が相場です。ただし、地域やお寺によって異なります。
この他、僧侶にお寺の外の墓地に出向いてもらう場合はお車台として5千~1万円程度、さらに、そのあと会食の席を設けていても僧侶が出席しない場合は、さらに御膳料として5千~2万程度別々に包みます。

離檀料

離檀料は、墓じまいをするお墓が寺院墓地にある場合に必要です。
お寺の墓じまいをするということは、そこのお寺の檀家をやめるということに直結します。
檀家をやめるにあたり、今までお世話になったお礼としてお渡しするお布施がいわゆる離檀料です。
離檀料の相場は、3~20万円程度です。しかし、やはり地域やお寺により異なります。

香典は不要

墓じまいに香典は不要です。
墓じまいに関して呼ばれる可能性があるタイミングは、閉眼法要建碑式あるいは開眼法要です。
建碑式や開眼法要はお墓を新しく建てたときに行う法要で、墓じまい後新たにお墓を建てた場合は行います。
いずれにしても、香典をもっていく必要はありません。

ただし、建碑式や開眼法要で納骨を伴わない場合は、「御祝金」を、改葬先で納骨する場合は、「お供え」や「御仏前」を包む必要があります。

墓じまいをしないでお墓を放置するとどうなるの?

面倒を見られないお墓を放置しておくとお墓はどうなるでしょうか。
墓じまいしないでお墓をそのままにしておくと何が起こるかについて解説します。

こちらも併せてご覧ください。
参考:田舎のお墓は放置するとその後どうなる?無縁墓になる前に

お墓の手入れをしないとどうなる

無縁墓
手入れする人がいなくなった無縁のお墓

お参りに行かず、お墓の手入れをしないと、墓石が朽ちたり墓所内に雑草が伸び放題になったりします。
最悪の場合、墓石が倒れて隣のお墓に傷がついたり、他人にけがをさせるなど、近隣に迷惑をかけることになります。

特に、20年以上前に作られたお墓だと、外柵に大谷石が使われているお墓が多くあります。
大谷石は耐火性には優れていますが、軟らかい石のため経年変化に弱く、表面が崩れたり、欠けたり、割れたりします。
墓石のひびや割れを放置すると、墓石が倒壊する可能性もあります。

また、区画内に植え込みがある場合は、手入れしないと伸び放題になります。
また、植え込みが無い場合でも、古いお墓ですと墓石の継ぎ目から雑草が茂っていることもあります。
伸び放題になった草木が周辺の区画にかかり迷惑になるばかりか、草木の根が成長して地盤を動かし、墓石が傾くこともあります。

石でできているといってもお墓も傷みますので、長年放置しておくのは危険です。

管理費を支払わないでいるとどうなる

一般墓を維持するには、ほとんどの場合で墓地に年間管理費を支払い続ける必要があります。
年間管理費を滞納すると、最終的には墓地や霊園の管理者側でお墓が撤去されます。

墓地や霊園側によるお墓の撤去の手続きは、管理費の滞納が3年続いた時点で開始されます。
まず、官報や墓所の立て札で、お墓の使用者や被埋葬者の情報が掲載され、使用者は1年以内に申し出るように呼びかけられます。

改葬の立札
都立青山霊園のある墓所に掲げられていた立札

1年以内に連絡が無かった場合、墓地の管理者は役所に改葬許可の書類を提出します。
墓地に対して改葬許可が出ると、墓石は撤去され、遺骨は墓地内の合祀墓や自治体の無縁塚に移動されます。
参考:電子政府の総合窓口e-Gov 墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第三条

なお、管理費を滞納した場合、支払い義務の発生から10年は時効が消滅しません。
(霊園の管理費が「定期給付債権」にあたると判断されれば5年で消滅しますが、墓地の年間管理費に関する判例は見当たりませんでした。)
墓地が撤去された後も管理費を請求される可能性は十分にあるので、お墓を維持できないと思ったら早めに墓じまいをしましょう。
参考:電子政府の総合窓口e-Gov 民法第166条、167条、169条

お墓を相続したくない場合はどうするの?

一族のお墓を相続しない、あるいは、相続放棄をするということは可能なのでしょうか?

お墓は、一般の相続差財産とは区別され「祭祀財産」というものに当たります。
祭祀財産の相続については、民法897条に定められています。

第897条
1 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

これによると、お墓を含む祭祀財産の承継者は、現在の持ち主が決定できます。
現在の持ち主が承継者を決めなかった場合は慣習に従い、慣習も分からなければ家庭裁判所が決めることとなります。

したがって、お墓を相続しないためには、現在の持ち主に他の承継者を指定してもらうのが確実です。
逆に、自分が指定されてしまった場合は、お墓を相続せざるを得ません。
加えて、祭祀財産の承継には行政手続きが存在しないため、同様に相続放棄の手続きもありません。

詳しくは、こちらをご覧ください。
参考:お墓を相続したくない・・・承継の拒否はできる?

まとめ

墓じまいとは、今あるお墓を撤去し墓地を更地にして返還することです。
墓じまいをすると必然的に遺骨を他の所で供養することになります。

墓じまいにかかる費用は、墓石の解体工事だけで20~30万円程度です。
加えて、遺骨を供養するためにの費用が掛かります。
合祀など安価な方法を選べば1霊1~5万くらいで供養できますが、新たに墓石のお墓を近くに持つ場合は、それだけで100-250万円かかります。
この他、お墓の立地や面積、遺骨の数などによって費用は変わりますので、それぞれにかかる費用の相場を参照してください。

墓じまいをする前に親戚には前もって相談しておきましょう。
お墓がお寺にある場合は、お寺への相談も重要です。

費用や今後のことを考えて、納得できる形でお墓の管理を決めましょう。

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【監修者情報】
株式会社港石材 平野勝也
HP:https://minatosekizai.com/
住所:神奈川県横浜市中区南仲通3-35
加盟団体:全国石製品協同組合
首都圏を中心に、墓石の設計・施工や墓じまいの工事、墓石のクリーニングや戒名彫刻を承ります。

執筆者情報

お墓さがしスタッフ

佐野

経歴

2018年より、お墓マガジンのコラムを執筆しています。適切な情報をお届けできるよう努めて参ります。

墓じまいに関するよくある質問