お墓参りにお布施はいる?必要な場合とその金額

お墓参りにお布施はいる?必要な場合とその金額

一周忌や三回忌などの回忌法要の時に菩提寺の僧侶を呼んで読経をしてもらうとお布施が必要なのは常識の範囲です。

また初盆などの特別なお盆やお彼岸の時に、お墓の前で僧侶に読経をしてもらったら、やはりお布施が必要なこともよくわかっているでしょう。
では単純にお墓参りをした場合には挨拶代わりに、多少でもお布施を包む必要はあるのでしょうか。
仮にあるとしたら、金額的にはどの程度を考えておけばよいのでしょうか。

今回の記事では、お墓参りの時のお布施について解説します。

お墓参りの時にお寺への挨拶は必要?

お布施を包むかどうかという以前に、そもそもお墓参りをする都度、本堂や庫裏に顔を出して、住職などに挨拶をすることは必要なのでしょうか。

基本は挨拶不要

結論からに言って、単にお墓参りをしただけの時には、お寺に挨拶をすることは不要です。
ただし、本堂の本尊に対して、お墓を守り、先祖を供養してくれていることへのお礼としての拝礼はしましょう。
しかし、本堂の本尊がいつも開帳しているとは限りませんし、本堂に入るためにお寺に声をかけなければならない場合も多いので、拝礼はお寺の本堂の外で、本尊のある方向に対して一礼するだけOKです。

せっかくお寺に行っているのに住職へ挨拶しないことは失礼ではないかと気にかける人もいるかもしれませんが、そのようなことは全くありません。特に一般的にお墓参りをするのは、お盆やお彼岸など、お寺全体が忙しいタイミングであることが多いので、挨拶をすることは住職の時間を奪ってしまうので、逆に好ましくないとさえ言えます。

ですから挨拶するのは、何らかの法要などの相談や打ち合わせがある場合だけで十分です。

多くの墓地にはお墓参り用の桶や柄杓が貸し出し用に用意されているので、自由にそれを使ってお墓参りをしてよいのです。ただし、桶や柄杓を借りたら、使用後には元あった場所にきちんと並べておくようにしましょう。

打ち合わせなどの時は気持ちとしての手土産を

法要や改葬などのためにお寺と打ち合わせを行わなければならない場合には、普段からお墓を供養してもらっていることに対する感謝の気持ちを表現として、手土産を持参するのはおすすめです。

ただし、お寺には多くの人が同じように訪れて、供物や手土産として、果物や干菓子などは持参しているため、同じようなものを渡すことは避けたほうが無難です。代わりに、住職にも家族がいて、庫裏と言われる家族の居住区画に住んでいますから、その家族が夕食などの時に食べられるようなちょっとした副食物などを渡すと大変喜ばれます。

お墓参りの時にお布施は必要?

では手土産ではなく、お布施として現金を包むことは必要なのでしょうか。
また必要な場合はどのような時なのでしょうか。

読経してもらわないならお布施は不要

まずお寺に対して手土産レベルでいいのか、お布施を渡したほうがいいのか、という判断の基準は、読経をしてもらうかどうか、ということにおけばよいでしょう。
単純に、お墓参りをして、何かの打ち合わせのために住職と面談したという場合は手土産でOKですし、初盆なのでお墓の前で読経してもらったという場合はお布施を包むということになります。

ただし、地域によっては読経をしてもらわなくても、お彼岸などでお墓参りをした場合には、本堂を訪問して住職にお布施を渡すことが通例になっている場合もあります。
わからない場合は、近所の知り合いにお布施は渡すものかどうかを確認しましょう。

読経ありの場合はお布施が必要

逆に、どのようなタイミングであっても先祖に対して供養の読経をしてもらった場合は、お布施を包む必要があります。

菩提寺が遠方にあって、自宅で読経をしてもらう場合には、お布施のほかに交通費の意味で御車代を、さらにお墓参りの後に会食を設定していて僧侶がそれに参加しない場合は食事代とそて御膳料も包みましょう。

その金額の目安としては、地域や宗派、お寺の格によっても異なりますが、読経に対するお布施としては5000円から3万円程度、御車代としては5000円程度、御食事代としてやはり5000円程度を考えておけばよいでしょう。

ただし、一周忌や三回忌などの法要以外に、初盆など独別なお墓参りの際に読経をしてもらった場合は、通常の金額よりは少し高めの、3万円から5万円を包むのが通例です。ちなみに初盆とは、故人が亡くなって四十九日法要が終わった次のお盆のことを指します。

お寺での合同の法要に参加する場合

お寺によってはお盆やお彼岸の時に、個々のお墓で読経をする代わりに、本堂で合同の法要を営む場合もあります。
この法要に参加する場合もお布施を包むことが必要です。
金額の目安は個々のお墓への読経よりも少し安く、3000円から1万円程度を考えておきましょう。

永代供養のお墓参りでもお布施は遺族の任意で

普通のお墓ではなく、三十三回忌や五十回忌などの法要まで供養をお寺に委託している永代供養のお墓にお参りした場合は、すでに永代供養代として読経及びお礼のお布施は渡していますので、あえて追加でお布施を渡す必要はありません。
しかし手ぶらで挨拶をするのは気が引けるという場合は、お菓子代として3000円程度のお布施を包めばよいでしょう。

お布施の相場

ここで改めて、お布施というものはだいたいいくらくらいを包めば失礼にならないかということをまとめておきます。

お供えとしてのお布施の相場

読経のお礼ではなく手土産代わりに、あるいは本尊へのお供えとしてお布施を包む場合の相場は、だいたい3000円、高くても5000円と考えておけばよいでしょう。

お坊さんにお経をあげてもらう相場

僧侶に読経してもらう場合の相場は、どのようなシチュエーションで読経してもらうかによって変わってきます。

開眼供養や閉眼供養、納骨法要の場合

お墓を新たに建立しそこへ先祖の霊を入れる開眼供養や、逆に墓じまいや改葬のためにお墓からの魂を抜く閉眼供養、あるいは納骨の時の納骨法要の場合のお布施は1万円から5万円です。

渡すタイミングは法要前の挨拶の時、または読経後のお礼の時でOKです。

お寺での合同の法要に参加する場合

お盆やお彼岸の時のお寺の合同法要に参加する場合は、お盆の時には5000円から2万円、お彼岸の時には3000円から1万円というのが常識的なお布施の金額です。

お寺や自宅などで個別に法要をする場合

故人の年忌法要やお盆、お彼岸などの供養を、お寺ではなく自宅の仏壇の前などで行い、そこに僧侶を招いて読経してもらった場合は、お寺で読経してもらう場合よりも、お布施の金額は高めになります。さらにどのような法要で僧侶に来てもらったかによっても、お布施の金額は異なります。

年1回の故人の祥月命日の法要の場合は5000円から1万円、故人の四十九日法要や一周忌法要の場合は3万円から5万円、三回忌法要以降の年忌法要では1万円から5万円が相場です。

ただし、初盆などの場合は親戚招いて盛大に行うことも多いので、その際にはお布施も3万円から5万円と少し高くなります。

お布施以外に必要な費用

僧侶にお自宅や法要会場などに来てもらって読経を頼む場合は、お布施のほかの費用も必要です。

御車代

1つは会場までの交通費として、御車代を包むことです。金額の相場は5000円から1万円ですが、新幹線や飛行機などを使ってきてもらう場合は、実費相当を上乗せしましょう。

御膳料

御膳料は御斎料(おときりょう)とも言い、法要後に行う会食に僧侶が参加しない場合、その食事の代わりに包む費用です。こちらの相場も御車代と同じレベルで5000円から1万円を考えておきましょう。

お布施の包み方

お布施の渡し方はどのように考えたらよいのでしょうか。やはりのし袋が必要なのでしょうか。

普通の封筒でもOK

正式なお布施の包み方は「包み」という言葉にも表れている通り、奉書紙に包んで渡すことが古くからの慣例です。しかし最近では簡素化し、コンビニや文具店で売ってい普通の白い封筒や、お布施と印刷してある封筒で渡しても全く失礼にはなりません。

ただし中袋があって、袋が二重になっている封筒はNGです。なぜなら、二重というものが「不幸が重なること」を示唆してしまうからです。
のし袋を使う場合は中が一重の、黒白や黄白の水引がついているものにしましょう。
紅白の水引はNGです。

表書きの書き方

お布施を包む封筒は一般的な白封筒で大丈夫ですが、その場合でも封筒には表書きをすることが必要です。

表書きの書き方は、封筒の前面の上半分に「お布施」「御布施」「御経料」「御礼」「御回向料」とします。下半分には、法要の施主の姓名を記入します。

お葬式の際は香典などの表書きは薄墨で書きますが、この場合の表書きは普通の黒い墨を使います。
薄墨は失礼にあたるので注意しましょう。

使用する筆記具は黒いボールペンでもサインペンでも大丈夫です。

渡し方にもマナーが

お布施の渡し方にも注意しましょう。
スマートな渡すタイミングは、個別で法要を行う場合には法要前の僧侶への挨拶の時です。
法要前にタイミングが合わない場合は、読経のお礼の時に渡してもよいでしょう。

渡し方は封筒を裸で渡すのは避けたほうがマナーに合っています。その代わりに封筒をお盆に載せたり、袱紗で包んで渡しましょう。

合同による法要の場合は。入口に受付があるはずなので、その係の人に渡せばよいでしょう。

まとめ

お布施は基本的に読経や供養に対するお礼の意味なので、あまり形式にこだわる必要はありません。
しかし渡すべき時に渡さない、渡した場合も金額が常識に外れている、となると、僧侶や寺院への失礼になります。

失礼にならないように、あるいは常識のある社会人としてふるまうためには、以上で解説したお布施のマナーに沿って行動しましょう。

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