正しいお墓の建て方を徹底解説!墓地・墓石・石材店まで

正しいお墓の建て方を徹底解説!墓地・墓石・石材店まで

納得して満足できる良いお墓を建てるためには、お墓の建て方について最低限の知識、情報を持つ必要があります。

この記事では、お墓の基礎知識からお墓の建て方までを解説します。

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お墓を建てるまでの流れ

お墓を建てる流れは、大まかに以下のようになります。

お墓を建てるまでの流れ

  • 1.墓地やお墓の情報を集める
  • 2.お墓を建てる予算や条件を考える
  • 3.墓地・霊園を選ぶ
  • 4.石材店を選ぶ
  • 5.墓石やデザインを決める
  • 6.お墓の工事
  • 7.お墓の確認

1.墓地やお墓の情報を集める

まずは、墓地やお墓の情報を集めましょう。
墓地と言っても、現代ではその形も様々です。
お寺の中にある和型墓石のお墓や地域に昔からある共同墓地などに限らず、公園風の霊園やガーデニング風の霊園も増えてきました。

加えて、お墓も必ずしも墓石を建てるものではなくなってきました。
継承不要の樹木葬や合葬墓など、種類は多様化しています。

お墓の種類などについては、こちらで詳しく解説しています。。
参考:お墓の種類と費用を解説!墓地や墓所の形式とメリット・デメリット

あらかじめ様々な選択肢を知っておくことで、より希望に近いお墓を持つことができるでしょう。

2.お墓を建てる予算や条件を考える

お墓についての情報が分かってきたら、理想のお墓の条件を考えてみましょう。
条件は、以下のようなことを考えておくのがおすすめです。

考えておくべきお墓の条件

  • 予算はどれくらいか
  • お墓を継承する人はいるか
  • アクセス・交通手段
  • 将来的にお墓の面倒を見る人は誰か
  • 希望する墓地や霊園の雰囲気

なお、お墓を建てる費用相場は、100~300万円程度です。
そこから墓石代、石材加工費、工事費、土地の代使用料、管理費を含む年間維持費を考慮しながら、お墓にかけられる予算を考えるようにしてください。

3.墓地・霊園を探す

どんな墓地や霊園があるかは、広告、新聞、雑誌、インターネットから集められます。また、公営墓地の募集などは自治体の広報誌やホームページをチェックします。
ここで、石材店もこだわりを持って選びたい方は、まだ直接霊園に行かないようにします。
詳細は、次で述べます。

お墓さがしでも全国のお墓を探すことができるので、ぜひお近くのお墓を探してみてください。

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4.石材店を選ぶ

墓地や霊園に検討を付けたら、石材店を選びます。

民営霊園や寺院墓地の場合

民営霊園や寺院墓地には、多くの場合で「指定石材店」があります。
指定石材店とは、その墓地で工事ができる石材店のことです。
指定石材店が複数社あって、そこから石材店を選びたい場合は、霊園に直接連絡する前に、希望する石材店を通して霊園や墓地を見学しましょう。
特に民営霊園では、「指定石材店制度」というルールがあります。
これは、一度ある石材店の案内で墓地見学をした場合、その墓地では他の石材店で契約することができなくなるというものです。
見当を付けた霊園に入っている石材店を調べて、まずはそこに相談しましょう。

なお、指定石材店が1社の場合は、そこでお墓を建てるしかないので、墓地が決まると同時に石材店も決まります。

お墓さがしでも、優良な石材店をご紹介しておりますので、ぜひ一度ご相談ください。
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公営霊園や共同墓地の場合

市町村などの自治体が管理運営している公営墓地は、石材店は自由に選ぶことはできます。地域で管理している共同墓地も、ほとんどの場合で自由です。
したがって、先に墓所だけ契約してしまっても、その後に石材店を選ぶことができます。
石材店を自由に選べる墓地では、数社で見積もりを取っても良いでしょう。

お墓さがしでは、無料で複数の石材店からお見積もりをお届けするサービスをしています。
すでに墓所をお持ちで、石材店を探しているかたはぜひ一度ご利用ください。

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5.墓石やデザインを決める

石材店と相談して石材の種類や墓石の形を決めていきます。
墓石は国産、外国産を含め100種類以上の石があります。
その中からあなた好み色を選び、墓石の形や刻む文字を決めていき、必要であれば付属品なども一緒に注文しましょう。

6.お墓の工事

お墓の工事は、基礎工事、外柵工事、石碑工事の順に進んでいきます。
工事する区画の大きさにもよりますが、工事完成までおおよそ2~3ヶ月かかります。

7.お墓の確認

完成したお墓が打合せ通りに出来ているのかなどを、石材店の人と一緒に現地で確認します。
確認が終わると石材店に工事費の支払いをします。

支払い方法は、完成後に全額一括払い、または工事前に一部の代金を支払い、完成後に残金を全額支払う2回払いが基本になります。

また、ローンなども組むことができるので、契約時に石材店に相談してみるのもいいです。

「お墓を建てる墓地・霊園の情報を集める」~「お墓の確認」までの期間の目安は、おおよそですが、6ヶ月〜1年以上になります。

お墓を建てるのに必要なお金

お墓の建て方の画像5
お墓を建てるのに必要なお金は、お墓を建てる場所、お墓の大きさ、使う墓石などによって変わりますが、100万円~300万円が相場です。

その費用の内訳は墓石代、石材加工費、工事費、土地の永代使用料、管理費を含む年間維持費などです。

墓石代、石材加工費、工事費は石材店に支払いますが、支払い方法は契約時に一部を支払い、お墓を建て終わった時に残りの残金を支払います。
また、残金についてはローンを組むことも可能なので、石材店に相談してみるのもいいです。

土地の永代使用料、管理費を含む年間維持費は墓地・霊園管理者に支払いますが、支払い方法は契約時に一括での支払いが基本です。

ここからはそれぞれの項目ごとに費用に関する注意点をまじえながらお伝えしていきます。

墓石代

墓石代はお墓の材料となる石のことで、お墓を建てる費用の大きな要素になります。
お墓を建てるのに使われる石材は国産、外国産があり、その種類は100種類以上あります。

国産の石では、庵治石(香川県)、大島石(愛媛県)、真壁石(茨城県)、本小松石(神奈川県)が有名です。
国産の石は品質が高く安定しているので、人気はあるのですが、石材の費用は高い傾向にあります。

一方の外国産は中国の石が中心で、K-12と呼ばれる少し濃い目の青御影石は人気はあります。
ただ、中国産の石は品質にムラがあり、不安定なのですが、国産に比べて石材の費用は安くなります。

お墓を建てる費用をできるだけ安くしたいと考えているのなら、中国産の石材を使ってみるのもいいのではないでしょうか。

石材加工費

石材加工費は墓石のデザインと使われる石材の量により変わります。
複雑なデザインや刻む文字数が増えるほど加工費用が高くなり、使われる石材の量が多くなるほど加工費用も高くなります。

工事費

お墓工事は大きく3つに分かれます。
それぞれ、地盤を固める基礎工事、次にお墓の境界に沿って延べ石を据える外柵工事、最後に墓石・石碑を据え付ける石碑工事になります。
期間は契約から工事完成までおおよそ1~2ヶ月かかります。

土地の永代使用料

お墓を建てるには土地が必要になり、墓地・霊園管理者から土地の使用権を購入する必要があります。
土地の永代使用料は墓地・霊園がある地域の地価に影響されるので、便利な都市部ほど高く、地方に行くほど安くなります。

また、土地の大きさによっても永代使用料は変わり、お墓を建てるのに必要な石材の量や工事費用にも関係してくるので併せて検討するようにしてください。

管理費を含む年間維持費

管理費を含む年間維持費は墓地・霊園によりその費用は変わります。
墓地の種類ごとの相場は、おおむね以下の通りです。

  • 公営墓地:3,000~10,000円
  • 民営霊園:5,000~15,000円
  • 寺院墓地:5,000~20,000円

お墓を建てる墓地・霊園により管理費を含む年間維持費がそれぞれ異なるので、お墓を建てるときはこれらの費用も考えて含めて検討しましょう。

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お墓を建てる時期はいつ?

お墓の建て方の画像4
お墓はいつ、亡くなってから何日後までに建てなければならいという決まりはありません。
ここでは、お墓を建てる一般的なタイミングやおすすめのタイミングを紹介します。

故人のお墓を建てるタイミング

ご家族が亡くなってからお墓を建てる場合について解説します。

一般的には回忌法要などに合わせる

ご家族が亡くなってからお墓を建てる場合は、一周忌や三回忌、初盆などの法要に併せて建てることが一般的であり、かつ、おすすめのタイミングでもあります。

新しくお墓を建てると、お墓を礼拝の対象とするための「開眼供養(魂入れ)」が、加えて、ご遺骨をお墓に納骨する時には「納骨法要」をすることが一般的です。
いずれも僧侶に墓前で読経してもらう儀式です。

このように、お墓を建てたり納骨したりするには僧侶を呼ぶので、一周忌や三回忌などの法要とあわせて営めば、僧侶を何度も手配する必要が無く、親戚に何度も集まってもらう必要もなくなります。
そのため、お墓を建てるのは、他の法要をするときに納骨も一緒にできるタイミングに合わせることがおすすめです。

基本的に四十九日には間に合わない

一般的に、新しく墓石を建てるには、契約から引き渡しまでに2~3か月の期間がかかります。
つまり、納骨の一般的なタイミングは四十九日と言われますが、新しくお墓を建てる場合はこれに間に合いません。
そのため、新しくお墓を建てる場合は、納骨は一周忌や三回忌に合わせることが多いようです。

時機が整うまで建てなくてもいい

もちろん、お墓を建てる期限に決まりはないので、いつまでも手元に置いておいても構いません。
気持ちの整理が付いてら、お墓を建てるための費用が貯まったら、など、お墓を建てようと思ったタイミング建てることが一番わだかまりを残さないでしょう。
手元での管理が不安な人は、お寺や預骨堂などに預かってもらうこともできます。

お墓ができるまで遺骨はどうする?

お墓ができるまでの遺骨の保管方法は、以下のようなものが考えられます。

  • 自宅で保管する
  • お世話になっている菩提寺に預かってもらう
  • 成約した霊園で預かってもらう
  • 預骨堂がある墓地や霊園に預かってもらう

遺骨は、そのまま自宅で管理しても構いません。後飾り祭壇を四十九日で解体せず、そのまま使う方もいます。
また、もしお世話になっている菩提寺があれば、預かってもらえるかもしれません。菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖の供養をしてくれるお寺の事です。
この他、もしお墓を契約している場合は、霊園で遺骨を預かってくれることもあります。契約時に確認してみましょう。
いずれも難しい場合は、遺骨の預かりのみに応じてくれる墓地や霊園もあります。納骨先とは別に、探してみるのも一つの手です。

生前でお墓を建てるタイミング

生前のうちにお墓を建てておく場合について解説します。

人生の節目で考え始める人が多い

最近は、「残された家族に負担をかけたくない」、「自分らしいお墓で供養してほしい」などと、生前にお墓を建てる方が増えてきています。
生前にお墓を建てる時期は、還暦、定年退職後など人生の節目にあたる時期に建てる方が多いようです。

生前にお墓を建てるメリットは、以下のようなものが考えられます。

  • お墓の色や形など自分の好みで建てられる
  • 残された家族の負担を減らせる
  • お墓は相続税の対象外なので、節税できる

逆に生前にお墓を建てるデメリットには以下のようなものがあります。

  • 納骨していなくても墓地の管理料を払い続けなければい
  • 公営墓地を利用したい場合、応募条件に「遺骨が手元にあること」など応募ができないことがある。

50-60代でお墓を考え始める人が増える

いくつかの自治体の調査を確認すると、50代から60代くらいから、お墓を考え始める人が増える傾向が見えました。
参考にした3つの自治体では、お墓を数年以内に取得したいと考える人の割合は50代あたりから年齢が上がるにつれて増えていき、70代以上ではいずれも4人に1人以上がお墓を数年以内にお墓を取得したいと考えています。

埼玉県さいたま市の例
平成26年の調査では、「現在お墓を探している」と回答した人は、30代で7.3%、40代で8.0%、50代で10.3%です。60~64歳では8.8%と50代より低くなりますが、65~69歳では22.4%と顕著に割合が高くなり、70歳以上では25.6%でした。
参考:平成27年3月 さいたま市 保健福祉局 さいたま市墓地に関する市民意識調査 報告書 p9
奈良県大和市の例
平成28年の調査では、40代までは墓地を1年または5年以内に取得したいと考えている人は2%未満ですが、50代では10.6%でした。
60代では12.5%、70代では27.9%、80代以上では50.0%となり、年齢が上がるにつれて、5年以内に墓地を1年または5年以内に取得したいと考えている人の割合は顕著に増えています。
参考:平成28年10月 大和市 大和市墓地等に関する市民意識調査 報告書 p48
北海道石狩市の例
平成27年の調査では、お墓を2年または5年以内に取得したいと考える人は、40代で0%ですが、50代では8.7%、60代で24.6%、70代以上で35.5%という結果になりました。50代から、数年以内にお墓を買おうと考え始める人が増え、年齢が上がるにつれてその割合は増えていきます。
参考:平成28年3月「墓地に関する市民アンケート調査」 結果報告書 p14

 

墓地・霊園選びの6つポイント

お墓をこれから建てようと考えている方は、お墓を建てるための土地、すなわち墓地・霊園を探すことからはじめると思います。
墓地や霊園を選ぶためのポイントを解説します。

1.墓地・霊園の種類

墓地・霊園の種類は大きく分けて「公営墓地」「民営霊園」「寺院墓地」「共同墓地」の4種類に分かれます。

公営霊園
メモリアルガーデン三鷹見学レポートの画像3
民営霊園
大本山 總持寺(総持寺)の画像2
寺院墓地
段上墓地(貝之介墓地)の画像1
共同墓地

公営墓地

公営墓地は市町村などの自治体が管理運営していて、管理費などの年間維持費が安く、石材店や宗旨・宗派の指定もないことから人気があります。
また、空きが出た場合は抽選になることが多いので、希望する公営墓地を取得するには何年も待つことがあるようです。

民営霊園

民営霊園は石材店や宗教法人、財団法人が管理運営していて、宗旨・宗派は問われることはありませんが、石材店が指定されていることがあります。
民間霊園は最寄りの駅からバスが出ている、休憩施設がある、バリアフリーになっているなどサービス面が充実しています。

寺院墓地

寺院墓地は寺院が管理運営していて、寺院墓地にお墓を建てようとした場合、寺院の檀家になる必要があります。
寺院墓地にお墓を建てると寺院に法要などの相談できるメリットはあります。
ただ、最近では檀家になる必要がない寺院墓地もあります。

共同墓地

共同墓地は、昔から地域で管理されてきているお墓です。
地域の墓地管理委員会が墓地の運営を行います。
墓所代や管理費は安い傾向にありますが、豪華な設備やサービスはありません。
ほとんどの場合で、石材店は自由に選ぶことができます。

2.場所・立地条件

これは、残された遺族の人がお墓参りが行きやすいかということです。

「駅、バス停、高速のインターチェンジから近い」「敷地内に駐車場がある」「周りが静かである」など、お墓参りに行きやすい交通アクセスと周辺環境が整っているかを確認しましょう。
逆に、残された遺族の人が行きにくいのは、「坂道が多い」「お墓が山の上にある」「周辺が騒がしい」などの立地にあるものです。

他には、自然災害が起きにくい、自然災害の対策がされているかということも大切です。
近年の日本は異常気象などによる長雨、局所的な集中豪雨などが発生していて、お墓を建てようとしている墓地・霊園にもいつ自然災害が起こるかはわかりません。
墓地・霊園の地盤はどうなっているのか、自然災害への対策はとられているのかということも選ぶ条件に入れて、検討するようにしてください。

3.宗教・宗旨・宗派

墓地・霊園には宗派や宗旨の規定しているところがあります。
宗旨とは仏教、キリスト教などの大きな信仰区分のことで、宗派とは仏教だと浄土真宗、浄土宗といったより詳しい信仰対象を指します。

お墓を建てる墓地・霊園の規則を知っておくことは、後々のトラブルを避ける意味でもとても大切です。
もし墓地の使用規則で定められた宗旨・宗派以外の信仰があると発覚した場合、契約後やお墓を建てた後に永代使用権を取り消されることもあります。

4.墓地区画の大きさ

墓地の区画は「㎡」という単位が使われます。

「1区画20万円 1㎡」や「1区画40万円 4㎡」といった形で表記されています。
これを㎡単価で考えると、前者が1㎡当り20万円になり、後者は1㎡当り10万円になり、後者の区画の方が安くなります。

それぞれの墓地・霊園のメリット、デメリットをふまえながら墓地・霊園を選んでください。

5.年間管理費

管理費を含む年間維持費は墓地・霊園によりその費用は変わり、公営墓地だと5,000~10,000円、民営霊園だと5,000~15,000円、寺院墓地だと20,000~70,000円になります。
お墓を建てる墓地・霊園により管理費を含む年間維持費がそれぞれ異なるので、お墓を購入するときはこれらの費用も考えて検討するようにしてください。

6.設備

これは、墓地・霊園内にどのような設備が整えられているのかということです。

墓地で考えられる設備としては、管理棟、駐車場、水場、トイレ、売店、休憩施設、法要施設、会食場などがあります。
特に民営霊園は設備やサービスが充実していることが多く、苑内も明るい公園のような雰囲気で整えられていることが多いです。

上記の全てがそろっている必要はありませんが、車でお参りに行くのであれば駐車場は必須ですし、法要もまとめて墓地でしたいのであれば法要施設が整っている方が便利です。
自分がお墓参りの時に何が必要かを、将来的な視野も入れて設備にも注意してください。

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石材店選びの6つのポイント

墓地・霊園が決まったら次は石材店選びになります。

石材店との付き合いは、お墓を建ててもらったらそれで終わりではありません。
石材店には後々までお墓の守などをしていただかないといけないので、きちんとアフターサービスもしてくれるかどうかを見極める必要があります。

1.店舗や工事現場に行きましょう

店舗や工事現場を見せてくれるということは少なからず仕事に対して自信を持って取り組んでいるということになります。
石材店の中にはブローカーのような業者がいて、そのような業者は何かと理由をつけて店舗や工事現場を見せたがらない傾向にあります。
また、店舗に行ったときには、店舗の雰囲気や従業員の態度なども併せて確認しておくと安心して依頼できるのではないでしょうか。

2.話を聞いてくれる

これは基本的なことですがとても大切です。
あなたが持っている「建てる墓のイメージ」や「亡くなった方への想い」などあなたの話をキチンと聞いてくれることで、納得がいく良いお墓を建てることができます。

3.石に詳しい

これも石材店であれば基本的なことです。
どんな石が長持ちするのか、石にはどんな特徴があるのかなど、あなたの希望を叶えるためには石の特徴や性質に詳しくなければなりません。

4.宗旨・宗派や仏事に詳しい

お墓を建てる場合、宗旨・宗派や仏事に詳しくなければいけません。
宗旨・宗派が違うとオリジナルデザイン墓が建てられないこと、洋型の墓石を建てることを拒否されたり、戒名のことなど、宗旨・宗派によって決まりごとがあります。
こういったトラブルを避けるためにも宗旨・宗派や仏事について詳しくなければなりません。

5.契約書や保証書を取り交わす

良い石材店は契約書や保証書をキチンと発行してくれます。
逆に、いい加減な石材店は契約書や保証書を取り交わそうとしません。

契約書には、金額、石の種類、仕様、納期、支払い条件などが記載されているか、保証書には石の産地証明書、工事の保証書なども必要になります。

契約書を交わさずに口約束などで工事を依頼してしまうと、後々トラブルになる可能性があります。
契約書や保証書をキチンと発行してくれる石材店に依頼しましょう。

6.アフターフォローがしっかりしている

お墓は建てて終わりではありません。

親から子供へ子供から孫へと代々受け継がれていくものです。
その間に墓石に傷みが出てしまったり、新たに戒名を刻んでもらうなどということもあります。

どんなに小さいことでも相談できる石材店を選びたいものです。
石材店を選ぶときは参考にしてみてください。

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墓石を選ぶ5つのポイント

墓石の最終的な形は、石材の種類、デザイン、彫刻などによって変わります。
また、お墓は長く使うものなので、墓石の耐久性などにも気を付けましょう

1.墓石の種類

墓石に使う石の種類は100種類以上ありますが、墓石に使われる石は、花崗岩(かこうがん)、斑レイ岩(はんれいがん)、閃緑岩(せんりょくがん)、安山岩(あんざんがん)が多数を占めています。

この4種類の石はすべて硬度が高く風化や劣化に強く、磨くと光沢が出るのが共通の性質で、お墓に適した石になります。
また、墓石に最も使われている石は花崗岩(かこうがん)で、8割以上が海外からの輸入石材です。

お墓に使う石を選ぶときは墓地・霊園に出かけることをおすすめします。
墓地・霊園には建ててから何年も経っている墓石があり、長年の雨風、太陽光によってゆっくりと劣化しているので、実際の劣化具合をあなたの目で確認することができます。
墓石の展示場や墓石のサンプルだけではわからないことも見えてくるので、是非、墓地・霊園に見に行くようにしてください。

2.墓石の色

墓石に使う石の色は、ひと昔前まで墓石といえばグレーというイメージがありました。
しかし、最近ではピンク、赤、青、緑など色彩豊かな石も人気が出てきています。

仏教では赤色、白色、黒色、黄色、青色または緑色は、極楽浄土をつくるのに必要な色とされているので、どの色の石を墓石に使っても問題はありません。
墓石に使う石の色は亡くなったひとが生前愛した色や亡くなったひとをイメージできるような色などもいいでしょう。
また、最近では光の角度などで色味が変わる石や、キラキラ光る結晶のようなものが入った石なども使われるようになっています。

色の好みはひと人それぞれなので、あなたが気に入った色の石を選ぶのがベストです。

3.墓石の大きさ

墓石の大きさについては特に決まりはありません。

一般的に墓石の大きさはお墓を建てる敷地の面積に応じて決められます。
この他、霊園によっては墓石の高さに制限を付けているところもあります。

ひと昔前の和形の墓石だと、敷地の面積が2㎡程度なら8寸角(24cm)、敷地の面積が3㎡程度なら8~9寸角(24~27cm)、敷地の面積が4㎡程度なら9~10寸角(27~30cm)と敷地の面積に応じて決められていました。

最近では、コンパクトな墓石、洋型の墓石、デザイン墓石なども増えてきていて、墓石の大きさも多様化してきています。

4.墓石の形(デザイン)

お墓の形は、和形、洋型、デザイン形の3種類になります。

・和型墓石
和形は昔からある形で日本にあるお墓の9割がこの形になります。
構造は3段もしくは4段構造で背が高く、これまでお墓といえばこの形なので、安心感を持たれる方は多いです。

・洋型墓石
洋型のお墓は背が低く、横長の形で地震に強く、お掃除がしやすいというメリットがあり、
芝生墓地や公園墓地に合い、オシャレというという理由から近年、人気が高まっています。

・デザイン墓石
デザイン形のお墓は、墓石の設計をコンピューターで行うようになってから、
より複雑でより精密な墓石のデザインができるようになったことで人気が高まっています。
デザイン形のお墓には決まりはないので、ゴルフボールの形やグローブの形、楽器の形やバイクの形など、亡くなったひとが生前好きだったもの、思い出の品を墓石の形として作っています。

墓地・霊園の規則によっては洋型やデザイン型の墓石を使えないこともあるので、
石材店と墓石について打合せをする前に墓地・霊園管理者に確認をするようにしてください。

5.墓石に刻む文字

墓石に刻む文字や位置に決まりはなく、どの位置にどのような文字を刻んでも自由です。

しかし、いくら自由だといえ、周りのお墓に刻まれた文字と違和感が出てしまい、あなたが建てたお墓が周りのお墓の中から浮いてしまうことにもなります。
実際、墓石に刻まれる文字は、周りのことも考えて、しっくりなじむような文字を刻む方が多数を占めます。

具体的に墓石の形ごとに、一般的に刻まれる文字をご紹介していきます。

和形の墓石に刻まれる一般的な文字は、「〇〇家之墓」または「〇〇家乃墓」で、宗派を問わず使われています。
宗派別で彫刻される文字は、以下のようなものがあります。

・浄土真宗
「南無阿弥陀佛(なむあみだぶつ)」「倶会一処(くえいっしょ)」

・天台宗
「南無阿弥陀佛(なむあみだぶつ)」または梵字(ぼんじ)
※梵字とは、仏教の広がりと共にアジア各地に広がった文字です。「神仏を一字で現す文字」と言われています。

・真言宗
「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」または梵字

・浄土宗
「南無阿弥陀佛」または梵字

・臨済宗
「南無釈迦牟尼佛(なむしゃかむにぶつ)」または〇(円相)
※円相は禅における書画で、丸を一筆で書いたもので、悟り、真理、仏性、宇宙などを円形で表現されたもの

・曹洞宗
「南無釈迦牟尼佛」または〇(円相)

・日蓮宗
「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」または「妙法(みょうほう)」

次に洋型の墓石に刻む文字は、家名や称名の他、1文字や2文字または1つの句になっている言葉などが刻まれることが多いです。
具体的には、以下のようなものがあります。

・1文字
「偲」「心」「悠」「絆」「縁」「祈」「和」「夢」「空」「願」「幸」「無」「憩」「想」

・2文字
「希望」「感謝」「悠久」「永眠」「永遠」「彩想」「天空」「碧空」「無限」「夢想」

・1つの句
「こころ」「やすらぎ」「ありがとう」「いつまでも」「やすらかに」「ほほえみ」「きぼう」「いつもそばに」「いのり」「いつかまた」「また会う日まで」
「いい人生、いい旅立ち」「会いに来てくれてありがとう」

最後にデザイン形の墓石に刻む文字は、オリジナルメッセージ的な文字を刻むことが多いです。
具体的には、楽器の形をした墓石には「Harmony」、ハート形をモチーフにした墓石には「愛」、バイクの形をした墓石には「風」などがあります。

刻む文字が分かると次に気になるのは、刻む文字の書体ではないでしょうか。
こちらも刻む文字が自由なように書体にも決まりはなく自由に選べます。
実際に使われる書体は、誰でも読みやすい「楷書体」「行書体」が多いです。
楷書体、行書体以外にも「草書(そうしょ)体」「隷書(れいしょ)体」という書体も使われています。

また、1文字を刻む場合に注意したい文字は「愛」で、仏教では欲望に執着するという意味になるので、「愛」という文字を刻みたいときは、「心愛」という文字を刻んでみてはいかがでしょうか。

このように、宗教的に向いていない文字もあり、自由に文字を刻むことを禁止している墓地・霊園もあるので、石材店と刻む文字を打合せする前には、墓地・霊園管理者に事前に確認しておく必要があります。

お墓を検討する際の注意点は、『お墓購入の注意点!』でも解説しています。

凶を避けて吉につく吉相墓の建て方

お墓の建て方の画像8
吉相墓(きっそうばか、きっそうぼ)
という言葉を聞いたことはありますか?

吉相墓とは、ご先祖様を手厚く祀り、子孫繁栄や家計の安泰を願うという観点から作られるお墓で、そのルーツは古く中国の殷(いん)の時代に「風水思想」という墓地の吉凶を鑑定する学問があり、日本では聖徳太子が特に造詣が深かったということが文献にも記されています。

形あるものにはすべてに相があって、その相が持つ吉凶(良いこと、悪いこと)が人に影響を及ぼすと考えられていて、お墓にもその相があって「墓相」と呼ばれています。
もし風水の吉凶を気にされるようであれば、墓相もこだわっても良いでしょう。
風水の考え方では、形あるお墓を建てるときは、悪い相を避けて、良い相のお墓を建てることが道理になるので、家庭繁栄、子孫繁栄、家計が安泰に過ごせるように墓相が良いお墓を建てる必要があります。

このように吉相墓は一般的なお墓に比べると、概念や考え方が違うので、お墓を建てる前に専門家と相談する必要があり、建てる金額も高額になります。

吉相墓を建てる際は、一般的なお墓を建てる手順に以下も加わります。

・お墓を建てる前に、墓相の専門家の先生に相談する必要がある
・お墓を建てる前に、家系図の作成が必要

墓相の専門家の先生に相談する必要があるので、相談にかかる費用なども追加されるので、吉相墓を建てる金額も必然的に高くなってしまいます。
吉相墓を建てるときには、墓地・霊園選びから建てるお墓にもさまざまな取り決めがあります。

吉相の墓地・霊園

墓地や霊園選びでは以下のことに気を付けます。

・陽の気を取り入れる
太陽の日を浴びなければその家が繁栄しないという考えで、午前中だけでも太陽の光があたることが条件です。

・高圧電線が真上を通っていないこと
高圧電線が真上を通っていると、金銭が徐々に無くなってしまうという考えです。

・お墓は東、東南、南方向を低くする
北東、北、西、西南の方向は自殺やケガ、変死、火難、夫婦別居、精神病など方位が悪いので、お墓を設計するときは東、東南、南方向を低くして水がこの方向に流れるようにします。

・通路、土留めが整備された墓地
通路や土留めが整備されていると自然災害の被害を受けにくいという考えからです。

・墓地は切り土であること
切り土とは山斜面を切り取って低くして平坦にした土地を指し、吉相墓を建てる墓地は切り土で作られた墓地であることが条件です。

吉相のお墓の構成

吉相のお墓を建てるときには以下の時に注意します。

・竿石の高さは、座って顔が竿石の中心になるような高さにする
竿石とはお墓の一番上にある墓石のことで、その高さは座ったときの顔が竿石の中心になる高さにします。
竿石の位置が顔より高いと見下げる家庭になるので、竿石の中心に顔がくるようにするとご先祖さまも安らげる相になるという考えです。

・墓地に樹木や草花を植えない
墓地は庭園ではないという考えから来ています。

・ローソク立て、花立て、線香立てなどの前置きは低くする
前置きは供花をしても戒名が隠れないように低くして、墓石から離して設置します・

・枠石、入口石は必ず設置する
お墓の周りを囲むように設置される枠石は、お墓を所有していることを意味し、入口石は社会とのつながりを意味します。

・墓石は土の上に建てる
土の上に建てるということは、大地からの気を受けるためで、全面コンクリート敷きまたは板石敷きも良くないとされています。
昔の吉相墓に使われる土は赤土が多かったのですが、雨が降ると土が流れ周りが赤くなってしまうことから、最近では黄色い土がよく使われています。

・お墓の向きは東、東南、南方向に向ける
東、東南、南の方向は吉相の方向とされているので、お墓の正面はこの方向になるように建てなければなりません。

ここまで、吉相墓についてお伝えしてきましたが、吉相墓にはさまざまな取り決めごとがあります。
著名な人でこの吉相墓を選んでいる方も少なくないようで、墓相にこだわってお墓を建てたい方、墓相に興味関心がある方は、吉相墓を建ててみるのもいいのではないでしょうか。

信徒数が多い浄土真宗のお墓の建て方


日本で信徒数が最も多い浄土真宗は、お墓に対する考え方、お墓の建て方、納骨の方法など独特の特徴があります。

浄土真宗のお墓の建て方についてお伝えする前に、浄土真宗とはというところからお伝えします。
浄土宗の開祖である法然上人の弟子となった親鸞聖人が後に、「真実の信心を得ればまちがいなく浄土に生まれる」と説き、浄土真宗を深めていきました。
浄土真宗の独特の考え方は、他宗と比べて大きく違い、その違いはお墓に対する考え方、お墓の建て方などにもはっきりと表れています。

浄土真宗において、人は亡くなると阿弥陀如来の力によって、極楽浄土で生まれかわるという考えがあります。
このような考え方から、お墓はご先祖様が眠る場所ではなく、亡くなった人を偲びながら、
阿弥陀如来のご慈悲の力に気づかせてもらう場所だと考えられています。

この考えはお墓の建て方にもはっきり表れています。
浄土真宗のお墓には、卒塔婆(そとうば)と呼ばれる木製の板、「地・水・火・風・空」の五輪を表している五輪塔(ごりんとう)と呼ばれる石塔、水子地蔵、観音様や地蔵様の像などは置いていません。

このように浄土真宗のお墓には余分なものがないので、とてもすっきりしたお墓が特徴です。

また、墓石に刻まれる文字も信仰心を表す文字として、「南無阿弥陀佛(なむあみだぶつ)」、「倶会一処(くえいっしょ)」という文字が使われます。
ちなみに、南無阿弥陀佛(なむあみだぶつ)とは、「阿弥陀仏様、お救いください」という意味で、倶会一処(くえいっしょ)とは、「浄土で会いましょう」という意味になります。
お墓への納骨についても独特の考え方があり、「遺骨を分骨する」という考えかたです。

この分骨については、昔から「分骨すると成仏できない」や「分骨は故人の身体をバラバラに引き裂く」と恐れられることもありますが、浄土真宗においては、「死後は極楽浄土で生まれ変わる」という考え方があるので、分骨に関係する迷信を信じる必要はありません。

分骨の方法は、亡くなった人の喉仏の骨と喉仏以外の骨に分けられ、喉仏の骨は、浄土真宗本願寺派の本山である西本願寺または、真宗大谷派の本山である東本願寺に納骨され、残った遺骨はお墓に埋葬されます。

ここまで、浄土真宗のお墓についてお伝えしてきましたが、浄土真宗は他宗にはない独特の特徴があるので、浄土真宗のお墓を建てようと考えている方は参考にしてみてください。

聞きなれないお墓の用語

普段の生活では聞きなれないお墓に関する用語を、日本のお墓の形で一番多く、付属品の種類も多い、和型の墓石でお伝えしていきます。

お墓の建て方の画像2

上から順番に解説していきます。

・竿石(さおいし)
お墓の一番上に置かれる石で、「南無阿弥陀」、「○○家之墓」などが彫られた石です。
大きさは「寸」という単位が使われ、8寸角(24cm)、9寸角(27cm)がよく使われています。

・上台(じょうだい/うわだい)
竿石の下の石のことで、竿石を支える石になります。

・中台(ちゅうだい/なかだい)
上台の下の石のことで、水鉢、花台と一体化していることもあります。

・芝台(しばだい)
お墓の一番下の石になり、下台(げだい/しただい)ともいいます。

・水鉢(みずばち)
故人の喉の渇きを癒すために、水をお供えするところです。

・花立(はなたて)
お墓に花を供えるところで、花立の中にステンレス製の取り外しができるものがセットされていて、お掃除がしやすく、お花も供えやすくなっています。

・香炉(こうろ)
香炉は線香を供えるところで、浄土真宗では、線香を横にしてお供えをします。
線香を立てるタイプのものは、香立(こうたて)と呼ばれています。

・拝石(はいせき)
拝石は礼拝をするために置かれる石で、この下には、カロートと呼ばれる、遺骨を納められる場所になっています。

お墓を建てるために石材店と打合せをしていると、このような言葉が出てくることもありますので、参考にしてみてください。

まとめ

ここまで、お墓をはじめて建てる方が疑問に思っている、お墓を建てる時期、お墓を建てるのに必要なお金、お墓の形や色、石の種類から、悪いお墓を建てないために注意する点など、お墓の建て方についてお伝えしてきました。
お墓は一生に一度の買い物になるので、そう簡単に買い替えることもできません。
建てられたお墓は子の世代、孫の世代と代々受け継がれていくので、
託された遺族が集まり供養してくれる、そんな良いお墓を建てるようにしてください。

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