納骨は自分でしてもいい?お墓の納骨室についても解説

  • 投稿日:2018/10/25
  • 更新日:2020/10/06
納骨は自分でしてもいい?お墓の納骨室についても解説

お葬式が済むと四十九日の時に納骨というのが一般的な流れです。
その時、石材店などに頼まずに自分で納骨したいという人もいるでしょう。

しかしお墓の納骨室がどのような構造になっているか知らないと、自分で納骨はできません。
また納骨時の法要について知識がないとどうしてよいかもわかりません。

そこでここではお墓の納骨室とはどういうものか、自分で納骨できるのか、そして自分で納骨する場合の手順について解説して行きます。

お墓の納骨室の種類と構造

まず最初にお墓の納骨室とはいったいどのような構造になっているのか、そもそも納骨室にはどのような種類があるのかを解説します。

納骨室(カロート)とは

納骨室とは、遺骨の入った骨壺を納めるお墓の中の構造のことです。別名「カロート」と言います。

日本で土葬が一般的だったときはこのような構造はお墓にありませんでした。
しかし条例などで土葬が原則禁止になって以降は、お墓の下にコンクリートで納骨室を作るのが一般的になりました。
お墓が1人しか埋葬しない個人墓であれば納骨室がなくても、骨壺をそのまま土に埋めればよいのですが、しかし「先祖代々之墓」という家族墓の場合は、何人もの骨壺をその下に埋葬することになるため、土の中に埋める方式にしてしまうと、以前埋葬した骨壺とバッティングしたり、いちいち土を掘り返すのが大変だったりして、何かと不便だからです。

納骨室の種類と構造

納骨室には以下のような種類があり、納骨の際の開き方の違ってきます。

地下型

地下型とは納骨室が地下にあるものです。
さらにそれは細分化すると、下記の3つに分かれます。

・1段カロート
1段カロートは最も一般的な納骨室の構造です。
納骨室は1段の広い部屋のようになっているので、スマートで場所を取らず建設費も安く済みます。
ただしスペースが限定されるため、多くの遺骨を骨壺のまま納められないというデメリットがあります。
目安的としては、一般的な大きさのお墓で骨壺を4つ納骨するのが上限でしょう。
逆に、夫婦墓などの多くの遺骨をたくさん納めないことがわかっている場合は、1段カロートがおすすめです。

・2段カロート
2段カロートは地下に納骨室を作り、その中を石材などで棚のように2段にしたものです。
一般的な大きさのお墓で、納骨できる骨壺の上限は8つです。
家族墓であれば2段カロートがよいでしょう。
ただし、縦に深い穴を掘るため、墓域が広くないとできません。

・3段カロート
3段カロートは2段カロートにもう1段加えて3段にしたものです。
一般的な大きさのお墓で、納骨できる骨壺の上限は12個から24個です。
親族を含めた一族を納骨するのであれば3段カロートがよいでしょう。
ただし建設に費用もかかり、墓域もさらに広くなければ作れません。

地上型

地上型はその名の通り、地上にある納骨室で、「丘カロート」と呼ばれます。

最大のメリットは地下型の場合は雨水などが浸み込んで中に水が溜まる可能性があるのに対し地上型であればその心配がないことです。
また建設する上で墓域が狭くても可能な点もメリットです。

ただしカロートの分高さが出るので、特に和型のお墓ですと細長い印象のお墓になります。

半地下型

半地下型は、地下型と地上型の中間のような納骨室です。

納骨の方法、墓石の動かし方

ではこれらの納骨室に骨壺を納める方法はどのようなものなのでしょうか。

エリアによって納骨室の構造と納骨方法が異なる

実は納骨室の構造とそこに骨壺を納める納骨方法は、関東エリアとと関西エリアでは大きく異なります。
これを知らないと納骨をする上でトラブルが起きますので注意しましょう。

関東エリアの納骨室と納骨方法

関東エリアではほとんどの場合、すべての遺骨を骨壷に納めます。
全骨の場合は骨壺が大きくなるので、それに対応できるように納骨室も大きめに作ります。

地下カロートの場合は、お墓の前側、香炉などの下に「拝石」という石材があります。
拝石をどかすと地下に納骨スペースが広がっていますが、深く掘り下げられているため、一度自分も納骨室に入らないと納骨できません。

ただし、都心部で見られる小型の丘カロートタイプのお墓はこの限りではありません。
丘カロートの場合は石碑の下が箱状になっており、前面の石を一度外して納骨します。
なお、丘カロートの前面の墓石は墓誌として使われる場合が多いです。

関西エリアの納骨室と納骨方法

関西エリアでは一部の遺骨しか骨壺を納めません。
したがって、骨壺も小さく、関東エリアに比べて半分くらいの大きさです。

関西エリアのお墓では、お墓の正面にある水鉢を外すと、納骨室の入口があり、ここから納めます。

骨壺をお墓に納骨する方法

では納骨の方法はどのようなものなのでしょうか。
これは納骨室の種類によって異なります。

地下型に納骨するには

地下型の納骨室を開けて納骨するには、花を供える花立と、線香を供える香焚をずらして、下の蓋を開ける必要があります。
場合によっては花立と香焚をずらせば、後ろに納骨への穴が開いていることもあります。

仮に蓋を開ける必要がある場合は、まずセメントなどで隙間を埋めていることが多いので(これをコーキングと言います)、これをノミなどで壊し、そのうえで蓋の持ち手に手をかけて開けます。
ただし蓋は50㎏以上ある場合がほとんどなので、1人で持ち上げることはほぼ不可能です。数人で力を合わて行いましょう。

地上型に納骨する方法

地上型に遺骨を納骨するする方法は、納骨室に観音開きの扉かまたは前面に取り外しができる墓石がついていますから、これを開けるだけです。
場合によっては扉の代わりに当て蓋という石の蓋になっていますが、これも当て蓋を外せば納骨室への入り口が開きます。

ただし観音開きは壊れやすいため、慎重に行う必要があります。

散骨の場合

また最近多くなってきている散骨の場合についても触れておきましょう。

散骨とは

散骨とは、遺骨をパウダー状に細かく砕き、お墓ではない自然の中、たとえば海の中や、樹木の下に埋葬する方法です。
この方法であれば、そもそも納骨すること自体が必要ありません。

散骨ができる遺族の条件

法律上、散骨が実施できるのは祭祀継承者、つまり現存しているお墓の管理責任者だけです。
ですから、たとえばお墓の管理責任者が親族の叔父だった場合、遺族である子供が叔父の許可なく勝手に散骨することはできません。

しようと思えば散骨は誰でもできる

散骨する上では、たとえば遺骨をパウダー状に粉骨する必要があるとか、海への散骨の場合海岸から1.5km以上離れていて漁業などに支障がない場所にする必要があるなどの決まりがあります。
これらさえ守れば、遺族が自分で散骨することが可能です。
粉骨も、可能なら自分でハンマーなどで砕いてもよいですし、それが無理ならそれだけをしてくれる専門業者がありますので頼めば大丈夫です。

現実的には散骨は業者に頼む

しかし、たとえば海へ散骨する場合は現実的には海岸から1.5㎞以上離れて漁業に支障がない沖までボートでいく必要があります。
これを一般人がボートの手配から、散骨場所の検討まで行うことは現実的に不可能ですから、その場合、専門業者に海上の適切な場所まで連れて行ってもらう必要があります。
そのような散骨の段取りをしてくれる専門業者もありますから、散骨したい場合には頼むとよいでしょう。

木の下に埋める樹木葬であればすべて自分でできますが、しかし意外に埋葬してよい場所を探すことは大変ですから、この場合も専門業者に相談したほうが無難です。

また、散骨すること自体を専門業者にすべて委託してしまう方法もあります。
この方法であれば、自分が仮に船が苦手だったり、日程がなかなか取れなくても、散骨業者が適切な日に、適切な場所で散骨してくれます。
ただし、船さえ持っていれば散骨代行のビジネスはできてしまうので、最近は質の悪い業者も増えています。
委託する場合は事前にその業者のホームページを確認するなどして気をつけましょう。

納骨は自分してもいい?

自分で墓石を開けて納骨してはいけないという決まりは特にありません。
なので、業者に頼まず自分で納骨してしまっても大丈夫です。

ただし、骨壺を納めるだけと言っても、納骨の作業は大変です。
墓石は思いのほか重く、また、少し角をぶつけただけでもすぐに欠けてしまいます。
石材同士がコーキングで接着されている場合は、一度ノミなどでコーキングを壊さなければなりません。

自分での納骨検討する際は、お墓が関西型なのか、関東型なのか、納骨室は地上にあるのか、地下にあるのかを調べ、労力やコストを考えて実行しましょう。

自分で納骨する人も増えている

ただし、民営霊園の場合、僧侶も呼ばずに自分たちだけで納骨のすべてを済ませてしまう家族も増えています。
特に都心部の場合は小ぶりなお墓が多く、石の取り外しや納骨も比較的楽に行えます。
納骨法要は法的な義務ではありませんから、故人に敬意を持って埋葬できるのであればそれでもよいでしょう。

ただし一般的には法要をしたうえでの納骨が多いので、上記の納骨方法をとった場合、後で親族などから非難されることもあり得ます。
ですから自分たちだけで納骨をする場合も、親族の了解は取っておいた方がよいでしょう。
また寺院墓地で法要なしの納骨を行ってしまうと、寺院との関係が悪化しますからおすすめできません。

納骨の手順

親族の了解を得たうえで、自分たちで納骨する場合は以下の方法になります。

寺院に連絡する

寺院墓地の場合、あるいは霊園で法要を行う場合は、まず菩提寺やそれがなければ自分の家の宗旨と合う寺院に連絡をして法要の日時を相談します。
法要をしない場合はこのステップは不要です。

埋葬許可証を霊園管理者に提出する

当日は、埋葬許可証を霊園管理者、あるいは寺院墓地管理者に提出します。
埋葬許可証とは、医師が書いた「死亡診断書」を役所に提出すると「火葬許可証」と対で発行してくれる書類です。

納骨室を開く

自分たちで納骨室を開きます。
関東エリアでは、香炉をどけてその下にある拝石を開けます。
関西エリアの場合は、花立や水鉢をどかでば納骨室の入口が見えます。
地上型の場合は単に観音開きを開くだけです。

墓石は欠けやすいので、タオルなどをうまく活用しましょう。
外した墓石を置くときや、骨壺を入れる際に角を保護すると良いでしょう。

納骨室内部を確認する

蓋石が開いたら以下を確認しましょう。

・納骨室入口部分に骨壷を入れる余裕はあるか
・納骨室内に骨壷を納めるスペースがあるか
・納骨室内部が汚れていないか
・納骨室内に異常はないか

納骨室内部に水が溜まっていた場合

納骨室内部水が溜まっていた場合は、墓地に備えてある手桶などで水をかきだします。

納骨する

問題がなければ、通常は並んでいる骨壺の列の1番手前の右に納骨します。

蓋石を閉める

またもとのように蓋石を戻して、納骨室の中に水が入らないようにセメント、接着剤、シーリング材などで隙間を埋めます。

納骨法要を行う

納骨が済んだら僧侶に法要を行ってもらいます。行わなければ、自分たちで花と線香を供え、よくお参りをしましょう。

お墓への納骨は誰に頼む?

では、自分でお墓を納骨するのが難しそうな場合はどこに頼めばいいのでしょうか。

お墓への納骨は作業は石材店に依頼

納骨は基本的に、専門の石材店に頼みましょう。
寺墓地や民営霊園の場合は原則お墓を建てたところと同じ石材店に依頼します。
どこの石材店でお墓を建てかが分からない場合も、お寺や霊園で出入りできる石材店を決めていることが多いので、まずは墓地の管理者に連絡しましょう。

公営墓地の場合はどの石屋さんでも自由に出入りできますので、どこの石材店に頼んでも構いません。
お墓を建てた石屋さんが信頼できるのであればそこでも構いませんし、墓地周辺の石屋さんを調べても良いでしょう。

法要の連絡を忘れずに

日程を決める際には、合わせて法要を行ってくれる寺院との日程調整を行うことが不可欠です。
多くの場合は、寺院の方が日程が調整しにくいので、まず寺院と日程調整をする方がよいでしょう。

親族へ連絡する

日程が決まったら、納骨法要に参列してもらう親族に連絡します。

会食の準備をする

法要後に会食をする場合は、その飲食店を決めて、メニューの打ち合わせをすることが必要です。
多くの場合は、松花堂弁当などで、予算は1人4,000円程度です。
寺院や霊園に付属している施設に会食用の部屋があり、料理も頼める場合もあります。

納骨の前日までに墓所の掃除をする

納骨の日近くになったら、花、果物や酒などの供物、線香やろうそくなどを準備します。
その際には寺院へのお布施、車代、お食事代も忘れないようにしましょう。
さらに事前に墓所を掃除しておいた方が、納骨時に恥ずかしい思いをしなくて済みます。

まとめ

納骨室の構造と自分で納骨する方法についてご理解いただけたでしょうか。
最近は葬儀から一連の葬送儀礼を簡略化することが故人や遺族の意向として増えています。
自分で納骨をするのもその一環で増加傾向です。

ですが、お墓によっては納骨がかなり大掛かりになることもあります。
納骨の手順と自分のお墓の構造を理解したうえで、自分でするか、業者に頼むかを検討しましょう。

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