お墓への納骨は自分でしてもいい?納骨する方法・お墓の開け方

お墓への納骨は自分でしてもいい?納骨する方法・お墓の開け方

納骨を石材店に依頼すると、数万円は費用が掛かります。できるなら、自分で納骨したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、自分で納骨できるケースと、その場合の納骨の仕方について紹介します。

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お墓への納骨は自分でしてもいい?

お墓への納骨は、自分でしても構いません。
事前に、墓地の管理事務所などで手続きを済ませてから納骨してください。

ただし、墓地に指定業者がいる場合は、原則、その業者に納骨を依頼しなければなりません。
指定業者は、ほとんどの民営霊園と、多くの寺院墓地で決められています。

加えて、お墓の形状によっては重たい石材を動かす必要があり、自分で納骨することは危険な場合もあります。

お墓に納骨する方法・手順

ここでは、一般的なお墓の納骨の方法を紹介しますが、納骨する方法は、お墓によって異なります。
全てのお墓に該当する方法ではないことを、あらかじめご了承ください。

関西に多いお墓に納骨する方法

関西に多い、いわゆる「関西型」のお墓は、香炉や供物台の裏に納骨室の入口があります。
石材は目地止めされていないことが多く、比較的簡単に納骨できます。

1.タオルを敷きます

納骨の方法(関西型1)-1のイラスト
これから香炉を移動するので、香炉が欠けないよう、移動先にタオルを敷いておきます。

2.香炉を下ろします

納骨の方法(関西型1)-2のイラスト
タオルを敷いたところに、香炉を下ろします。
香炉を下ろすと、納骨室の入口が現れます。入口にはホコリなどの汚れが貯まっていることが多いので、濡らしたタオルなどでふき取ります。
もし香炉に取り外しできる金具がついている場合は、先に取り外します。
また、香炉を持ち上げるための手をかける場所が無ければ、先に左右の花立てを外側に少しずらしたり、下におろしておきます。

3.骨袋にお骨を移し、納骨します

納骨の方法(関西型1)-3のイラスト
骨壺から遺骨をサラシの袋に移し、納骨室に納めて納骨完了です。
サラシの袋は、石材店などで購入できます。
香炉を戻す際は、他の石材にぶつけないよう、慎重に移動しましょう。

補足1:骨壺のまま納骨する場合

納骨の方法(関西型)骨壺のイラスト
地域によっては、遺骨を骨壺のまま納めることがあります。
関西型のお墓の場合は、納骨室の入口に手を入れて下側に遺骨を置く必要がありますが、そのまま骨壺を納めようとすると少し大変です。
骨壺で納める場合は、フタを取って持ちやすい状態で安置し、その後フタをかぶせると良いでしょう。

補足2:重たい・持ちづらい供物台の裏に納骨室がある場合

納骨の方法(関西型2)-1のイラスト
お墓によっては、香炉ではなく、供物台の裏に納骨室があることがあります。
供物台は空洞が無い分香炉より重く、また、手もかけづらいことがあります。
この場合は、無理に供物台を持ち上げず、手前に傾けて納骨するという方法があります。
納骨の方法(関西型2)-2のイラスト
供物台を傾けるにあたって、手前に香炉があれば移動します。
また、左右の花立てと供物台の隙間が無い場合は、花立てを少しづつ左右にずらしたり、下におろしたりします。
納骨の方法(関西型2)-3の
供物台の手前に木材などで段差を作り、タオルをかけ、そこに供物台をゆっくりと倒します。
納骨室の入口が見えるので、そこから納骨します。
なお、2人以上で納骨する場合は台を使わずに、一人が供物台を傾けて持っている間に、もう一人が納骨する、ということもできます。

丘カロートのお墓に納骨する方法

納骨の方法(丘カロート)-1のイラスト
丘カロートとは、地上に納骨棺を設けているお墓です。
多くの丘カロートのお墓は、カロートのフタになる石材も分かりやすく、開閉も楽です。
納骨の方法(丘カロート)-2のイラスト
図は一例です。カロートのフタにあたる石材を移動して、納骨します。

関東に多いお墓の納骨は石材店に依頼しよう

納骨の方法(関東型)-1のイラスト
いわゆる関東に多い「関東型」のお墓は、足元にある「拝石」の下に納骨室があります。
このタイプのお墓の納骨は、石材店に依頼することを強く推奨します。

目地止めのカットと再修復が必要になる

納骨の方法(関東型)-2のイラスト
お墓によりますが、拝石は、隣接する墓石との間をセメントや、コーキング剤と呼ばれるもので目地止めされています。地下にある納骨室、雨水などが浸水しないようにするために行います。
拝石を動かす際は、一度目地止めをカッターやヘラなどでカットします。
カットはそれほど難しくありませんが、納骨後にはまた目地止めが必要です。目地止めが甘くなると雨水などが入りやすくなるため、やはりプロに頼んだ方が安心です。

拝石の移動はリスクが高い

納骨の方法(関東型)-3のイラスト
関東型のお墓の納骨を業者に頼んだ方が良い最大の理由は、拝石の移動に危険が伴うためです。
拝石は数十キログラムと非常に重たいため、素人が動かすと、ケガや墓石の破損などのリスクが高くなります。
入口が狭いものは拝石立てるだけでなく、持ち上げて下におろす必要があります。
加えて、納骨室が広いお墓は体ごと内部に入っていく必要があり、転倒などの危険もあります。
やむを得ない事情で自分で納骨しなければならない場合は、必ず2人以上で行ってください。

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【必読】自分で納骨するときの注意点4つ

自分で納骨する場合は、石材店に依頼するよりもリスクが高くなります。
墓石を動かすときは、よくよく注意しましょう。

1.事前にお墓の構造を確認する

お墓によっては、自分で納骨することが難しい場合があります。
また、石材が目地止めされている場合は、カッターやバール、修復のためのコーキング剤などを持参する必要があります。

例えば、関東などで多い、拝石を動かして納骨するお墓の場合は、自分での納骨はハイリスクです。
一方、関西などに多い、香炉を動かすだけで納骨できるお墓であれば、簡単に納骨できます。

2.墓石は割れやすいので慎重に扱う

墓石は、少しぶつけただけでも欠けたり割れたりします。
墓石を勢いよく置いたり、墓石の位置を戻すときに強くぶつけたりしないよう、慎重に扱ってください。
移動した墓石を置いておく場所には、タオルなどの厚手の布を敷いておくと安心です。

3.近隣のお墓を傷つけないようにする

上記のように墓石は傷がつきやすいので、墓石や骨壺などを移動する際に、隣のお墓にぶつけないように注意してください。

4.墓石は重たいのでケガに注意

お墓の形式によっては、納骨にあたって重たい石材を移動する必要があります。
足もとに落としたり、手を挟んだりしないように注意してください。

納骨前にしておくこと

納骨にあたっては、墓地管理者の許可が必要です。
また、当日読経などの儀式をしたい場合は、宗教者を手配します。

管理者に事前に連絡する

まずは、納骨したい旨を墓地管理者に連絡します。
日付を確認し、当日必要な書類や手続きに必要な持ち物について確認しましょう。
墓地管理者は、墓地の種類によっておおむね以下のようになっています。

種類 墓地管理者
寺院墓地 寺院
公営霊園 管理事務所(なければ墓地のある自治体役所)
共同墓地 墓地管理委員会(現地の立札などで確認。分からなければ墓地のある自治体役所)
民営霊園 管理事務所(なければ経営主体の寺院または公益法人)

必要なら僧侶を手配する

必ずしも必要ではありませんが、「納骨式」を実施したい場合は、僧侶などの宗教者を手配します。
お世話になっているお寺に「納骨法要」を依頼したい旨を伝えて、日時などを打ち合わせます。

埋葬許可証を管理者に提出する

管理事務所などで、納骨の手続きをします。
その墓地の使用許可証を提示し、埋葬許可証を提出します。
埋葬許可証は、火葬場が火葬許可証にハンコなどを押したものです。通常は、火葬後、骨壺と一緒に骨箱に入れてもらいます。
印鑑や手数料が必要になることがあるので、事前に相談した際に必要なものを確認しておきましょう。

自分で納骨する際の持ち物

自分で納骨する場合は、以下のものを用意しましょう。

自分で納骨する際の持ち物

  • 軍手
  • 汚れてもいい服装(納骨式をする場合は黒っぽいもの)
  • タオル数枚
  • 水(水道が無い場合)
  • バケツ
  • 花や線香などのお供え(納骨式をする場合のみ)

自分で納骨できない・しない方が良いケース

自分で納骨できない、あるいはしない方が良いケースを紹介します。

墓地に指定石材店がいる場合

墓地に指定石材店がいる場合は、原則自分での納骨はできません。
指定石材店とは、その墓地で工事ができる業者です。
指定石材店は、ほとんどの民営霊園と、多くの寺院墓地で決められています。
逆に公営墓地や共同墓地には指定石材店はいません。

拝石などの重たい石材を動かさなければならない場合

重たい石材を動かさなければならない場合は、石材店に依頼することを強くおすすめします。
特に関東で見られる「関東型」のお墓は、「拝石」という、足元にある大きな石材を動かさないと納骨できません。
拝石の重さは数十キログラムにもなり、落としたり身体の一部を挟んだりすると、軽いケガでは済まないこともあります。
加えて墓石は割れやすいので、少しふらついて軽くどこかにぶつけただけでも、欠けたり割れたりすることがあります。

石材が目地止めやコーキングされている場合

目地止めがある場合も、石材店に依頼することをおすすめします。
地下に納骨室があるお墓に多いケースですが、納骨室の入口にある石材が目地止めされていることがあります。
納骨にあたっては一度目地止めをカットし、納骨後に再度目地止めをします。
目地止めが甘くなると雨水などが納骨室に侵入するので、業者に頼んだ方が安心です。

安全に納骨できるか自信がない場合

いずれの場合にもかかわらず、石材の移動に自信がない場合は石材店に依頼しましょう。
拝石に比べて軽いとは言え、香炉や花立てもそれなりの重さがあります。
体力に自信がない、足腰に自信がないなど、不安がある場合は石材店に依頼してください。

まとめ

お墓によっては、納骨は自分ですることができます。
関西などに多い、香炉やお供え台を動かすだけでいいタイプや、丘カロートタイプのお墓なら、自分でも納骨できるでしょう。
一方、関東などに多い、拝石を動かすタイプのお墓は、石材店に依頼することをおすすめします。
また、お墓のタイプに関わらず、納骨前には必ず一度管理者に相談してください。指定石材店がいる場合は、原則自分での納骨はできません。
自分で納骨できる場合も、墓石の破損やケガには十分気を付けてください。

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執筆者情報

お墓さがしスタッフ

佐野

経歴

2018年より、お墓マガジンのコラムを執筆しています。適切な情報をお届けできるよう努めて参ります。