墓石ごとお墓を移転することはできる?改葬の注意点

  • 投稿日:2019/02/18
  • 更新日:2021/11/29
墓石ごとお墓を移転することはできる?改葬の注意点

現在住んでいるところから遠隔地に自分の家のお墓がある場合、お墓参りもなかなかできないことが多いでしょう。
そういう場合に考えるのがお墓の改葬です。
一般的な改葬とは遺骨だけを取り出して新たなお墓に埋葬し直すことですが、その際に墓石も移転することは可能なのでしょうか。

そこでここでは終活の常識として、墓石まるごとのお墓の移転は可能かどうかということを解説します。

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田舎などからお墓を移動すると不幸になる?

お墓を自分の現在住んでいるエリアに近い墓地へ改葬することは、お墓参りの頻度が増えて、ご先祖のためにも良いことのような気がします。
しかし世の中には、「お墓を移動すると不幸を招く」という言い伝えもあるのです。それは本当なのでしょうか。

この言い伝えは結論から言って、全く根拠のないことです。
ですから、お墓参りがしやすいことを考えてお墓を移転させることを考えたときには、気にせず実行しましょう。

なぜこのような言い伝えが発生したのか理由は定かではありませんが、一説にはお墓を移転することを推奨してしまうと、元お墓のあったお寺の檀家が減って、お寺にとっての貴重な収入源の1つが失われるので、それを防ぐためにお寺が言い始めたことだ、という話もあります。

墓石は引っ越したら新しく作ることがほとんど

しかしお墓を改葬する場合、墓石まで移転させるということはほとんどありません。
引っ越したとしても、ご先祖様の名前が彫刻されている墓誌くらいです。

多くの場合は改葬先のお墓での墓石は新たに調達します。
墓石ごと引っ越すことがほとんどないのは、以下のような理由があります。

費用があまり変わらないか高くなる

墓石は今あるものを使った方が安くなるように感じますが、実際はそうではありません。

まず一つに、墓石を傷つけずに解体しなければならないということがあります。
通常お墓を解体するときは接着面などは砕いてしまいますが、墓石を再利用するとなると傷つけずに墓石を分離しなければなりません。
安易に機械で壊してしまうわけにはいかないので、その分コストがかかります。

次に、運搬費用があります。
やはり遠方まで墓石を傷つけずに運ばなければならないので、その分コストがかかります。

最後に、墓石ごと引っ越すといっても、外柵は新たに買う必要があることがあります。
外柵は構造上きれいにはがすことはかなり難しく、取り壊していくしかありません。
石塔の部分を持っていっても、結局外柵は新たに購入することになるため、その分の費用が掛かります。

墓石が壊れるリスクがある

墓石ごと引っ越すということは、当然ですが元の墓地から新しい墓地まで墓石を運ぶ必要があります。
この際、墓石が傷ついてしまうおそれがあります。
さらに言えば、墓石が古いもので内部にひび割れがあると、運搬の最中に割れてしまうことも考えられます。
運搬費用には数十万円単位でお金がかかりますが、それが無駄になってしまう可能性があります。

墓石の持ち込みを受け入れている墓地が少ない

基本的に墓石の持ち込みができるのは公営墓地だけです。
民営霊園や寺院墓地のにはほとんどの場合で指定業者がついており、そこで墓石を建てなけらばなりません。

人気の公営墓地は、年に1回などのペースで抽選が行われます。
抽選に外れると、また1年待たなければなりません。

墓石ごと引っ越したいときは、まず近くの墓地で墓石を受け入れてくれるところがあるかを確認しましょう。

墓石ごと引っ越すときの費用

墓石ごと引っ越すことがほとんどない理由として費用を上げました、実際にはどれくらいかかるのでしょうか。
ここでは、墓石を新しく買った場合もあわせて紹介します。

墓石を移転させてもさせなくても共通でかかる費用

まず、墓石を移転させてもさせなくても共通でかかる費用です。
この場合は、古いお墓を墓じまいして、更地にしてしまうことになりますので、その費用が以下の通りかかります、

・墓石の処分と墓域の更地化:1平方メートルあたり10万~15万円
・閉眼供養のお布施:1万~5万円
・遺骨の取出し:1柱0~3万円
・新たなお墓を作った場合の開眼供養のお布施:1万~5万円
・新たなお墓の永代使用料:60万~80万円
・新たなお墓の管理料:年間5000~1万円
・入檀料(檀家になるためのお布施):10万~30万円
<合計> 80万~165万円程度

墓石をまるごと移転させる場合の費用

上記に加えて墓石を古いお墓から新しいお墓に移転させるときには以下の費用がかかります。

・墓石の運搬費用 20万~80万円
・墓石の解体費用 1㎡あたり20万~40万円
・新しい外柵費用 30万~50万円
<合計>70万~170万円程度

墓石を新規に調達する場合の費用

これに対して、新たなお墓で墓石を新規に調達する場合の費用です。

・墓石代 120万~175万円
・文字の彫刻費用 3万~7万円
<合計>120万~180万円程度

以上を比較すると、墓石を移転させても新たに調達しても費用は変わらないことが分かります。

骨壺を墓石ごと移転したいときの流れとポイント

それでもどうしも由緒ある墓石を骨壺と一緒に移転させたいという場合は、以下の流れとポイントで行いましょう。

墓石移転の流れ

(1)新しい墓地を決める。
(2)新しい墓地のあるお寺のご住職や霊園の管理事務所から受入証明書を発行してもらう。
(3)古い墓地を墓じまいすることを古い墓地の管理者に相談する。その上で閉眼供養や工事の日程を決める。
(4)古い墓地のある市区町村役場で、改葬許可申請書などの必要書類を手に入れ、作成する。
(5)古い墓地の管理者に改葬許可申請書等への押印してもらう。
(6)古い墓地ののある市区町村役場で改葬許可申請をし、改葬許可書をもらう。
(7)改葬許可書を新しい墓地管理者に提出する。
(8)古い墓地で閉眼供養を行い墓石移転の工事を行う。
(9)新しい墓地で納骨し開眼供養を行う。

墓地の改葬の場合、単に法要や工事をするだけではなく、役所の許可書も必要だということに注意しましょう。

墓石移転時のポイント

先ほど書いたように、古い墓石を移転させる場合には、問題点が以下のようにあります。
移転前にそのポイントを確認しましょう。

・新しい墓地では墓石の持ち込みを許可しているか。
・新しい墓地には古い墓石を設置できる広さがあるか。
・新しい墓地の広さから言って、古い墓石はアンバランスではないか。

墓じまいに関するトラブル

また墓地を移転させるには、お墓を2つ維持することは通常あり得ませんから、古い墓地を墓地管理者に返還し、墓域を整地する「墓じまい」を行う流れになります。
しかし墓じまいをする場合にもいろいろなトラブルが以下の通り発生する可能性があります。

菩提寺から高額な離檀料を要求される

寺院墓地の場合、墓じまいをするということは、そのお寺の檀家からも離れるということです。
一般的には檀家を離れる際には、離檀料を納めることが多いのですが、お寺によっては離檀を阻止したり、嫌がらせをするために、法外な離檀料を請求されることもなくはありません。

過去の事例ではその額は数百万円から1000万円以上の場合ということもあります。
しかしこれは裁判などを行えば、明らかに法外だということがわかるので、ほぼ100%勝訴でき、最終的には数十万円の離檀料に落ち着くことがほとんです。離檀料の相場は、だいたい10万~20万円程度です。

ただし、このような法外な離檀料を請求される背景には、事前に墓じまいを相談をしなかったため、お寺側が気分を害した、ということも多いので、きちんと事前相談すればほとんどの場合防げます。

石材店から高額な工事費を請求される

墓じまいの工事は石材店に依頼します。その際の相場は1平方メートルあたり10万円です。
しかしお墓が交通の不便なところにある、周囲の敷地が狭くて重機が入らず手作業になる、などの場合は追加で費用が発生する場合もあります。
そうなると相場以上の費用がかかり、想定をはるかに超えた工事費が請求させることもあります。

しかし悪質な石材店でない限り、相手からすればその費用は妥当であることも多いです。
請求書を見てその高額に驚かないためには、必ず現地確認をしてもらい、見積もりを依頼しましょう。
現地確認も写真や区画の図面確認もしないで見積りを作成する石材店は避けたほうが無難です。
また墓地指定の石材店がない場合は、複数の石材店に相見積もりを依頼したほうが良いでしょう。

親族からクレームが付き争議になる

いくら自分がお墓の祭祀継承者だと言っても、親族に相談せず独断で墓じまいをしてしまうと、そのお墓に先祖が埋葬されている親族からクレームが出ることも当然あります。
場合によっては裁判になるケースもあります。
そうならないためには墓じまいを考えたら、事前に親族に相談しましょう。

また墓じまいには大きな費用がかかります。
祭祀継承者だけで負担しきれない場合は、親族にも応分の負担を頼むことになります。
しかし事前に墓じまいの相談をせず、工事をしてしまった後に、費用負担を頼んだでも、断られることが多いです。
費用負担を頼むためにも、親族には墓じまいの前に相談しましょう。

お墓を移す時期はいつ頃が良い?

墓石をまるごと移転させるにしても、骨壺だけの移転をするにしても、その最適な時期はあるのでしょうか。

時期の決まりはない

改葬や墓じまいには、いつしなければならない、というような宗教上や慣習上の決まりはありません。
ですから閉眼供養や工事日程を自分たちの都合を優先して決めても基本的には大丈夫です。
ただし、お盆やお彼岸などは、お寺の方が忙しく、閉眼供養などのスケジュールが取れないことも多いので、避けたほうが良いでしょう。
また、雪が降る地域では、雪が積もり始める直前の時期は忙しくなるようです。
またお墓の移転には親族の合意形成や、お寺との話し合い、新しい墓地の選定など、かなりやらなければ多いので、思った以上に時間がかかります。一般的にはお墓の移転を考えたから、実行まで数カ月前はかかります。
長い場合には数年以上かかるケースもあります。このスケジュール感も頭に入れておきましょう。

よくある墓じまいのタイミング

墓じまいやお墓の移転を人が考えるのは何かの節目のタイミングということも多いです。例えば以下のようなものです。
・会社を定年退職し、第2の人生を歩むことになった。
・体力の衰えや親しい人が亡くなったことをきっかけに、自分の終活を考え始めた。
・親が亡くなって自分が祭祀継承者になった。

お墓を移転したらお祝いは必要?

お墓を移転させることは、世間的には大きな催しごとになるので、お祝いを考えてしまう場合もあるでしょう。
一般的な慣習としては、お墓移転の際には以下のようなお祝いをすることが多いです。

会食を行う

墓じまいをする場合の閉眼法要、新たなお墓に納骨する際の開眼供養には親族が集まります。
また当然お坊さんも読経に来ます。
それらの人を招いて、法要後に会食を行い、感謝の気持ちを表すことが一般的です。

挨拶状も必要

お墓を移転させたら、関連する人に挨拶状を出しましょう。
タイミングとしては開眼供養の後が良いでしょう。

拶状の内容には以下を盛り込みます。

・季節の挨拶
・お墓の移転の時期
・お墓移転を決断した理由
・新しいお墓の所在地

お墓の移転祝いの金額は?

逆に親族や親しい知り合いがお墓を移転させた場合には、祝い金を渡すことが一般的です。
特に開眼供養などに招かれた場合には、「建碑祝い」として祝い金を包みましょう。
相場は1万~3万円です。
ただし相場は地域の慣習によっても違うので、知り合いの地域の慣習に詳しい人に確認してみたほうが無難です。

まとめ

お墓を墓石ごと移転させることは不可能ではありませんが、費用と見合わなかったり、リスクがある場合も多いです。
もしも何かの理由で墓石を移転したいと考えた場合には、以上を参考によく検討しましょう。

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