墓地・お墓の選び方とポイント!失敗しないお墓さがし
お墓は一生に一度の大きな買い物です。
お墓を買ってから後悔することがないように、お墓の購入に対する疑問点や悩みは事前に解消しておきましょう。
今回の記事では、お墓を決めるまでの流れやポイントなどを解説します。
目次
お墓を決めるまでの流れ
お墓を建てる際は、どのような流れで進めれば良いのかを確認しておきましょう。
ここでは、お墓を建てるまでの流れを解説します。
1.お墓に求める条件を決める
まずは、お墓に求める条件を決めます。
お墓といえば、家族で代々承継していく墓石のお墓を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、近年では樹木葬や納骨堂といった承継不要のお墓も存在します。
費用相場や埋葬方法などは、お墓の種類によって異なります。
お墓は代々承継していきたいのか、予算はいくらまで出せるのかなど、お墓に求める条件は人によってさまざまです。
お墓を探す前に、自分がお墓に求める条件を明確にしておくことが大切です。
2.希望に合う霊園を探す
お墓に求める条件が決まったら、資料請求をして希望に合う霊園を探します。
資料請求をすることによって霊園の詳細を確認できます。
複数の霊園を比較検討して、希望に合う霊園を見つけましょう。
3.霊園の見学をする
希望に合う霊園が見つかったら、実際に現地を見学しましょう。
お墓を見学するときは、事前に日程の調整をする必要があります。
予約をしていない場合、突然の来訪に現地の案内人が対応できないこともあるので注意が必要です。
4.墓地を申し込む
利用する霊園が決まったら、墓地の申し込み手続きをしましょう。
申し込みをした後は、墓地を使用する権利の取得にかかる永代使用料や、年間管理費などを支払います。
支払い後、永代使用許可証が発行されると墓地を使用できます。
お墓の種類には何がある?
お墓といえば墓石を建てて代々引き継いでいくものがイメージされますが、最近ではそれ以外のお墓も増えています。
どのような形で埋葬されたいかを考えて、比較検討してみましょう。
一般墓
- お墓を代々承継したい方
- 個別にお墓を持ちたい方
- 定期的にお墓参りに行き、お墓の管理ができる方
- 伝統的なお墓を持ちたいと考える方
一般墓とは、墓石を建てて納骨する従来のお墓です。
一般墓は家族が代々引き継いで利用していくので、一度買ってしまえば跡継ぎの人はお墓を用意しなくて済みます。
一般墓は代々引き継ぐ必要があるため、承継者がいない方は永代供養墓の利用も検討しましょう。
また、一部の霊園では一般墓に永代供養をつけることもできます。
一般墓の費用相場は、永代使用料と墓石工事費を合わせておおよそ100~250万円程度です。
- 家族で代々使用できる
- 建立するときに親族の同意を得やすい
- 承継者がいなければならない
- 他の種類のお墓と比較すると費用が高い
永代供養墓
- 定期的にお墓参りに行けない方
- 個人や夫婦単位でお墓を買いたい方
- 家族にお墓の世話をさせたくない方
- 承継者がいない方
永代供養とは、遺族に代わって墓地管理者が遺骨の供養・管理をしてくれることです。
永代供養が付いたお墓のことを、永代供養墓といいます。
ほとんどの場合、樹木葬や納骨堂にも永代供養が付いています。
跡継ぎがいない人や、自分や夫婦だけのお墓を持ちたい方にもおすすめです。
また、ほとんどの永代供養墓は遺骨の「個別安置期間」が設けられており、期限を過ぎたあとは合祀墓にて供養されます。
合祀墓に納骨されると遺骨が他の人と混ざってしまうため、個別に取り出すことができません。
合祀墓に抵抗がある方は、永代個別の永代供養墓を選びましょう。
- お墓の承継者や管理がいらない
- 家族単位以外でも使用できる
- お参りスペースが共同なことがある
- 従来のお墓と異なるため、親族の合意を得られないことがある
樹木葬
- 自然や花が好きな方
- 費用を抑えて個別のお墓を持ちたい方
- 自然に還りたい方
樹木葬とは、草花や樹木などの植栽をシンボルとしたお墓です。
樹木葬といえば「土に還す」というイメージがありますが、樹下に石室を設けて骨壺で埋葬するタイプもあり、必ずしも自然に還るわけではありません。
自然に還ることができる樹木葬を希望している方は、遺骨を骨壷から取り出して埋葬する形式のものを選びましょう。
また、樹木葬の費用相場は、おおよそ3~150万円程度です。
納骨人数や納骨方法によって、費用は大きく異なります。
- 自然に還ることができる
- 墓地の雰囲気が明るい
- 石のお墓に比べて安い
- 改葬できないことがある
納骨堂
- 承継可能な永代供養墓をお探しの方
- 公共交通機関で訪れやすい霊園をお探しの方
- 天候に左右されずお墓参りをしたい方
納骨堂とは、屋内に納骨スペースが設けられた施設です。
納骨堂は屋内でお参りができるため、天候に左右されずいつでも訪れることができます。
ほとんどの場合、納骨堂には永代供養が付いているので、承継者がいない方でも安心です。
また、納骨堂は主に以下の3タイプがあります。
- ロッカー式:ロッカーのような棚に骨壷を納めるタイプの納骨堂
- 仏壇式:仏壇の下に納骨スペースが設けられている納骨堂
- 機械式(マンション型):参拝用のスペースに遺骨が自動で運ばれてくる納骨堂
収容できる人数は、仏壇式、機械式、ロッカー式の順に多く、家のお墓として使用できるものもあります。
なお、納骨堂の費用相場は、おおよそ10~200万円程度です。
納骨堂のタイプによって費用相場には差があります。
- 公共交通機関でアクセスしやすい場所にあることが多い
- 天候の影響を受けない
- バリアフリーなものが多い
- 種類によっては費用が高い
- 最終的に合祀墓に改葬されることが多い
合祀墓
- お墓にかかる費用を安く抑えたい方
- 遠い親戚や先祖の遺骨の改葬先に困っている方
- 承継不要なお墓を探している方
合祀墓とは、遺骨を骨壷から取り出して、共同の納骨室に埋葬する形式のお墓です。
合祀墓は、永代供養墓の中では最も費用を抑えて利用できます。
ただし、合祀墓に納骨すると、遺骨は他の人と混ざってしまいます。
遺骨を個別に取り出せなくなるため、遺骨を他の場所に移す可能性がある方は注意しましょう。
合祀墓の費用相場はおおよそ3~30万円程度です。
- 永代供養墓の中では最も費用が安い
- 管理費がかからないことが多い
- 一度埋葬すると取り出せない
- 他人の遺骨と一緒に埋葬される
墓地の種類には何がある?
墓地の種類は、主に「寺院墓地」「公営霊園」「民営霊園」に分けられます。
それぞれに異なる特徴がありますので、自分の希望に近いものを選びましょう。
寺院墓地
寺院墓地は、住職が墓地の管理を行っているため葬儀や法要を直接依頼することができます。
また、一般的に寺院墓地は利用するにあたって「檀家」になる必要があります。
檀家とは、お寺に葬式・法要・お墓など仏事全般の面倒を見てもらう代わりに、お寺を経済的に支える家のことです。
仏事関連のことで困ったらすぐにお寺に相談できる点は便利ですが、お勤めしていただいたときや本堂の修繕などで都度お布施を払う必要があります。
公営霊園
民営霊園や寺院墓地と比較すると、1㎡あたりの墓地代(永代使用料)や年間管理費は安く設定されています。
公営霊園は安心で安いというイメージから人気があり、年に数回の抽選で使用者を募集することもあります。
随時申し込むことができないため、建墓を急いでいる方は民営霊園や寺院墓地がおすすめです。
また、申し込み条件に「該当の自治体に居住している」「遺骨をすでにお持ちの方」などの要件がつくことが多いため、申し込む前に役所に確認しましょう。
民営霊園
民営霊園はサービスや設備が充実しており、宗教色が薄いという特徴があります。
水道設備や駐車場はもちろんのこと、バリアフリーや美しい植栽を取り入れているところも多く、快適に利用できるでしょう。
また、ほとんどの場合、民営霊園は「指定石材店制度」を採用しています。
指定石材店制度とは、決められた石材店でしか墓石工事ができないという制度のことです。
寺院墓地でも指定石材店制度を採用していることがあるので、石材店を自由に決めたい方は公営霊園の利用も検討しましょう。
お墓の選ぶときの7つのポイント
お墓を選ぶ際は、以下の7つのポイントを抑えておきましょう。
ここでは、お墓を選ぶときのポイントについて個別に解説します。
1.跡継ぎがいない場合は永代供養墓を選ぼう
跡継ぎがいない方は、永代供養墓の利用がおすすめです。
一般墓を利用する際は、承継者がお墓の管理をする必要があります。
お墓が誰にも管理されずに放置されると、お墓は墓地管理者の手によって更地に戻され、遺骨は無縁仏になってしまいます。
故人を無縁仏にしないためにも、承継者がいない方は永代供養墓を選んだほうがよいでしょう。
2.個別安置の期間を確認しよう
永代供養墓を利用する前に、個別安置の期間を確認しましょう。
ほとんどの永代供養墓は、遺骨を個別で安置するのに期限が設けられています。
期限後の遺骨は合祀墓へ改葬されるため、遺骨をずっと同じ場所に安置してもらいたい方は注意が必要です。
遺骨を個別で安置する期間は霊園によって異なり、1年で合祀墓に改葬されるプランから、50年間個別に安置するプランまで幅広く存在します。
まだ数は少ないですが、合祀墓に改葬されない「永代個別」の永代供養墓を扱う霊園も増えています。
3.お墓参りしやすい場所を選ぼう
お墓を選ぶ際は、お墓参りをする時のことを考えて、アクセスの良い霊園を選びましょう。
また、お墓参りに訪れるのは自分だけとは限りません。
だれがお墓参りに来るのか、その人たちにとって交通アクセスの良い場所はどこかということも考える必要があります。
4.埋葬可能な人数を確認しよう
お墓を選ぶ際は、埋葬可能な人数を確認しましょう。
ほとんどの場合、お墓には個別の納骨スペースが設けられています。
当然そこには物理的な制約があるので、納骨できる数にも限界があります。
お墓を購入する際は、将来的に何人を埋葬するかということも考えるのが大切です。
5.宗教・宗派の指定があるか確認しよう
一部の寺院墓地や民営霊園は、利用するにあたって宗教・宗派の指定があります。
宗教・宗派が指定されている場合は、自分の宗派が対応しているか確認しましょう。
また、基本的に公営霊園は宗教・宗派を問わず誰でも利用できます。
6.霊園の設備を確認しよう
霊園を選ぶ際は、霊園の設備を確認しておきましょう。
主な霊園の設備には、駐車場や管理事務所などが挙げられます。
霊園に駐車場があれば、車で訪れる際にコインパーキングを探す必要はありません。
スタッフが常駐している管理事務所があれば、気軽にお墓に関する相談ができます。
また、頻繁にお参りに訪れる方は、園内で花や線香を購入できる霊園がおすすめです。
墓地を購入した後のことを考えて、霊園の設備を確認しておくことも大切です。
7.水はけがよく日当たりのよい区画を選ぼう
区画を選ぶ際は、日当たりや水はけも確認しましょう。
日当たりが悪く、水はけの悪い場所にお墓を建てると、それが納骨室の浸水やカビなどの一因になることがあります。
また、お墓から霊園の入り口や駐車場までの距離を確認することも大切です。
区画を選ぶ際は、区画の広さ以外にも注目して選びましょう。
お墓選びの失敗談
お墓選びで失敗しないために、お墓の失敗談を紹介します。
年間管理費が高かった
1つ目は、年間管理費が高かったというケースです。
ほとんどの場合、お墓を建てた後は管理費を毎年支払う必要があります。
お墓を建てるには墓石工事費や永代使用料を支払うため、年間管理費のことまで気が回らないことも考えられます。
お墓を建てる前には、年間管理費の金額を必ず確認しておきましょう。
また、お墓参りをする際は、必要に応じて線香や花を購入する費用や交通費などがかかります。
お墓の維持にいくらかかるのかを考えて、予算に見合うお墓を選びましょう。
アクセスが悪く、中々お墓参りに行けない
2つ目は、霊園までの距離が遠いため中々お墓参りに行けないというケースです。
霊園までの距離が遠い場合、お墓参りが億劫になり、訪れる回数が減るかもしれません。
年を重ねて足腰が弱ると、お墓参りに訪れるのがさらに大変になります。
お墓参りをするときのことを考えて、なるべくアクセスの良い場所にお墓を建てましょう。
お墓が土砂崩れで流されてしまった
3つ目は、土砂崩れなどの災害でお墓が流されてしまうというケースです。
2018年7月に起こった西日本豪雨では、広島県三原市沼田東町の米山寺にある戦国武将小早川隆景のお墓が土砂崩れの被害を受けました。
墓所の裏山が30メートル以上にわたって崩れ、米山寺内にある20基のお墓うち15基が土砂に埋没してしまったという大規模なケースです。
他にも「地震でお墓が倒れてしまった」「豪雨によってお墓が流されてしまった」など災害でお墓が被害に遭うといったことは十分起こり得ます。
自然災害でお墓を失わないように、墓地を購入する前に自治体のハザードマップで墓地の周辺が土砂災害のおそれのある区域に指定されていないか確認しましょう。
参考:朝日新聞デジタル 広島)三原・米山寺、小早川家墓所も土砂崩れ被害
お墓がいらない場合の遺骨はどうする?
お墓を作らない場合には、どのような方法があるのでしょうか。
自宅供養する
自宅供養をすれば霊園に訪れる必要がないため、いつでもお墓参りができます。
ただし、いずれはどこかに納骨する必要があるので、自宅に遺骨を置いておく期間はあらかじめ決めておきましょう。
散骨する
一部の地域では、自治体の条例によって墓地以外での散骨が禁止されています。
また、遺骨を粉末状にする必要もあるので、散骨をする際は専門の業者に依頼しましょう。
必要であれば墓じまいをしよう
遠方の故郷に先祖代々のお墓があって、それとは別に近場で自分たちのお墓を探すケースも多く見られます。
遠方にあるお墓の管理が難しいのなら、放置せずに墓じまいしましょう。
墓じまいとは、墓石を解体工事して更地にした後、区画を墓地管理者に返還することです。
墓じまいについて詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。
まとめ
お墓の選び方に関して、以下の内容を紹介してきました。
- お墓を選ぶ際は、あらかじめお墓に求める条件を決めておきましょう。
- 一般的な墓石のお墓以外にも、樹木葬や納骨堂といった承継不要なお墓も増えています。
- 墓地の種類は、主に「寺院墓地」「公営霊園」「民営霊園」があります。
- お墓がいらない場合は、散骨や自宅供養といった方法もあります。
お墓は種類によって異なる特徴があります。
自分はどのようなお墓を建てたいのか考えて、価値観や条件にあったお墓の形を見つけましょう。
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ご希望のエリアや条件を絞って検索できるので、ご自分の条件に合うお墓にはどんなものがあるのか、一度チェックしてみましょう。
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お墓を代々承継したい方は、一般的な墓石のお墓がおすすめです。 承継者がいない場合は、承継不要な樹木葬や納骨堂などを選びましょう。
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お墓を建てるときは何を注意すれば良い?
お墓を建てる際は、宗派の指定の有無を確認しましょう。 また、お参りをするときのことを考えて、アクセスしやすい霊園を選びましょう。
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お墓をもたないという選択肢はある?
あります。業者に依頼して散骨をしたり、遺骨を自宅において供養するという方もいます。