【インタビュー】自宅墓:お墓を自宅に置ける「棲家」

【インタビュー】自宅墓:お墓を自宅に置ける「棲家」

大切な人とお別れすることは、誰にとっても寂しいものです。故人と離れがたく、なかなか納骨をする決心もつかないのではないでしょうか。

そんな時は、無理に納骨する必要はありません。
気持ちの整理がつくまで手元に置いておくという方もいますし、いっそのこと自宅の安置場所を仮住まいとしてではなく、お墓にしてしまうという方法もあります。

墓石の販売で100年以上の歴史を持つ株式会社松戸家の商品、「棲家(すみか)」は、室内に置ける自宅墓です。

分骨せずにすべてのご遺骨を収納できる他、後々の永代供養先までワンストップで用意してもらえる画期的な自宅墓です。

今回は、「棲家」を販売する株式会社松戸家の戸塚森比古さんにお話を伺いました。

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マンションで全骨供養できる先々安心の自宅墓

【インタビュー】自宅墓:お墓を自宅に置ける「棲家」の画像2
株式会社松戸家 営業部 渉外・広報担当 戸塚 森比古さん

――「棲家」はどんな製品なのでしょうか?

戸塚さん:

「棲家」は、自宅のマンションで全身のご遺骨を供養できる自宅供養品です。
粉骨せずに、全身のご遺骨が2名様分ご納骨できます。形は家具の上に置ける上置き仏壇型で、マンション住まいの方が多い現代の住環境に合わせたサイズ感になっています。

加えて、合祀先(ご遺骨の最終的な埋葬先になる、複数の遺骨を一緒くたに埋葬するお墓)も決まっているので、先々のことを気にせず、気が済むまで自宅でご供養できるという点も大きな特徴です。

「棲家」は、いつでもお家でお参りできる「お仏壇」と、ご遺骨のお家である「お墓」の二つの役割を同時に果たせる商品です。いわば、「お仏壇とお墓のオールインワン商品」ですね。

「いつかは納骨しなきゃ」の不安や後ろめたさを払拭

―― 「棲家」はこれまでの自宅供養とは何が違いますか?

戸塚さん:

圧倒的に違うのは、上置き仏壇に全骨を納められること、もう一つは、合祀先が付いていることです。

これまで、上置き仏壇に、粉骨なしで全骨が入れられるものはありませんでした。例えば、東京都の場合、住環境はほぼマンションになっています。マンションの広さは有限ですから、大きなお仏壇を持つのはハードルが高い。圧迫感もあります。対して、「棲家」はマンションの家具のなどに置けるようなサイズで設計されています。

合祀先が付いているというのも、私たち松戸家が石材店ならではできることです。お客様の安心を保証するために、松戸家では「棲家」をお買い上げいただいた方にはお墓と同じように「利用承諾書」を発行します。それを、仏壇の中にいれておいてくださいって必ずお伝えします。

そうすると、仮に供養していた方が天涯孤独の方でも、ご家族に伝えていなかった時でも、後から見つけた行政の職員なりご家族なりが使用承諾書を確認して、「あ、これお墓決まってるぞ、それじゃあとりあえず松戸家に連絡しようか」という風に誘導できるシステムを作っています。

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マンションの一室で棲家にお参りする様子

―― 「棲家」を持つことで、どんな生活ができるでしょうか?

戸塚さん:

一つは、いきなりのお別れで、気持ちの整理がついていないという方、手元で一緒に供養したい方に、安心してご供養していただけます。

やっぱり、自宅でご遺骨を供養される方って、少し後ろめたい気持ちがあるのかなと思います。四十九日祭壇をそのままにしたり、ご遺骨をむき出しで置いておくのは申し訳ない気がしてしまう。
これは、ご遺骨のお家を用意するという、ここ何十年のお墓の原理が関係していますが、この形からなかなか離れられない。
周りからも、「早くお墓にいれてあげて」とか、「いつまで置いておくの?」と言われる。

ですが、棲家であれば、「故人様のお家」というお墓の形も取っていますし、合祀先も決まっているので、この先ご遺骨はどうしたらいいんだろうという不安もありません。気が済むまで、安心してお手元でご供養できます。

他には、「棲家」なら介護施設に持って行けます。
今では納骨堂とかも流行っています。自分がお参りに行きやすいからということで(納骨堂を)買われるんですけど、自分が介護施設に入って寝たきりになってしまったら、たとえ新宿駅徒歩5分とかでもお参りに行けない。
それなら自分の手元で供養して、亡くなられたときに家族に託されてはどうですかと、ご提案しています。

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最終的な合祀先も決まっており、安心して利用できる

一般のお墓には入れなくていい?納得のいくご供養を

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ご遺骨は棲家に最大2体収納でき、一枚板で隔てられる

―― やはり、自宅にご遺骨をずっと置いておくことに後ろめたさを感じる方もいると思います。ご遺骨は墓石のお墓に入れなくてもいいのでしょうか?

戸塚さん:

一番大事なのは、ご供養される方が一番落ち着く方法でご供養できることだと思います。今までの常識やしがらみにとらわれる必要はないのではないでしょうか。
今、核家族世帯が6割を超えてきていると言われています。
そうすると、日本の総世帯数が5000万世帯なので、3000万以上の世帯が核家族になります。核家族は、お墓を継げない方の予備軍とも言えます。

それが、子供がいなかったり、娘さんしかいないということで、今緊急事態で継げないという方もいますし、男の子がいるんだけど結婚してないから、お墓を守っていけるか分からないという世帯もあります。
核家族化に加えて、少子化、結婚率が下がっていること、この3つが全部影響してきて、結局お墓を守れなくてどうしようと思っている方がかなりいらっしゃいます。

そういった方たちに、何百万も払って一般のお墓を買えと言うことの方が、私たちはおかしいと思います。
継げないのにお墓を買ってしまったら、結局またお金を払って墓じまいをしなければいけない。毎年の管理料もかかる。地震や水害があればお墓を直さなきゃいけない。
そうすると、そのお金はどこから捻出するのかという話になります。

他にも、今は転勤する方も多くいらっしゃいます。東京から名古屋にでも大阪にでも転勤してしまったら、もしかしたら(お墓のある実家に)一年に一回も帰れないかもしれません。(お墓参りに)行くにもお金がかかるし、宿泊費も考えるとどんどんお金がかかってきてしまいます。

なので、私たちは、守れるのであれば一般的なお墓を買ってくださいと言っています。それは皆さんのお気持ちです。ただ、守れないのであれば、無理してローン組んでまでお墓を買うことはないですよという形で、ご提案しています。

―― 法律上、ご遺骨を自宅に置いておくことは問題ないのでしょうか?

戸塚さん:

遺骨を自宅供養することは法律違反にはなりません。
実は、自宅供養の見解については、政府機関から出されています。
墓地埋葬法(「墓地、埋葬などに関する法律」の略称)では、焼骨は許可を受けた墓地じゃないと埋葬できないと書いてありますが、自宅供養に関しては、一時的措置としてとられます。

これは政府機関が見解を出しているのですが、自宅にご遺骨を置いておくことは一時的措置なので、法律違反ではありません。また、期間の制限もありません。

ただし、あくまでも一時的措置なので、最終的な納骨先・合祀先は決めておいてくださいという風な見解を出しています。
私たちの「棲家」は、これを遵守する形で自宅供養をご提案しています。

購入後の安心も徹底的に追求した自宅供養

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―― 「棲家」の開発にあたって特にこだわった所を教えてください。

戸塚さん:

製品本体にも工夫した点はあるのですが、どちらかと言えばシステムの方にこだわっています。お客様がいかに安心できるかどうかというところですね。
お客様の安心を考えた時に、やっぱり合祀先を決めよう。使用承諾書も発行しようと。

加えて、連絡の窓口私たち松戸家で一本化したという点もあります。
合祀先が私たち自社の霊園であれば、私たちに連絡するのは当たり前です。ですが、他のお寺さんとか霊園さんで提携しているところもあるんですよ。そういう場合も、全部私たちに連絡をくださいという風にしています。
そうすることで(棲家と合祀先の)窓口が1つになっていますから、「松戸家のあの人に連絡すればいい」って、安心できるじゃないですか。

例えば、私たちの自社のお墓だとお客様のお住まいから遠いということで、合祀先は他の所にするとします。ですが、その合祀先は私たちと経営主体が全然別ですから、私たちでは運営もしていないわけです。ただの提携関係なんですね。
じゃあ、「合祀は合祀でそっちでやってください。あとは連絡してください」となると、お客様は不安に思ってしまいます。
そう思わせたくなかったので、連絡先は全部私たちに一本化しました。これをすることで、お客様は私たちから買って、売った後の責任もすべて私たちが持てるようにしました。

他に、製品本体については、一つはお骨を見えなくしたということがあります。お骨が見えていると、どうしても客さんが来たときに怖いとか、近寄りがたいという風に思われてしまいます。そして、それは供養する人も多少感じてしまう所です。ひとつ壁があるだけで、(故人様の)お部屋にできますので。そういう所に気を遣っています。

あとは、特に都心での住環境はマンションが中心になっていますから、高さ・間口・奥行きは緻密に計算しています。これは大手家具メーカーで売っている台に乗せられるサイズにしていました。

大切な方をいつまでもそばで供養したい方のために開発しました

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マンションにあるような家具の上に置いて使える棲家

―― 「棲家」はどんな方が利用していますか?

戸塚さん:

一番は大切な方を早くに亡くされてしまった方、大切な方をいつまでもそばでご供養したい方におすすめしています。

実際に今までご購入いただいた方も、 早くにパートナーを亡くされ方が多いです。いきなりのお別れだったから、気持ちの整理がついていない。それで、手元で一緒に供養したいという方です。
やっぱり、(納骨してしまうと)本当のお別れになっちゃいそうで怖いっていうのはあると思います。これで(お墓に)入れてしまったら、お墓には行けますけど、本当のお別れになっちゃうんじゃないの?と。
あとは、足が悪いお母様のために、いつでも亡くなったお父様のお参りができるようにということで、ご購入いただいたケースもありました。

昔は、故人様への思いを早く断ち切るために早くお墓に入れなさいと言われていましたけど、最近では(散骨や樹木葬など)供養の形態も多種多様になって、四十九日になったらお墓に入れなさいという文化でもなくなりました。

常識や宗教、しがらみとかに囚われず、(ご供養の形は)こうじゃなきゃいけないっていう気持ちは一旦リセットしていただいて、まずは自分がどういう風に供養したいのかを一番大事に考えていただきたいと、私たちは思っています。

―― お客様が「棲家」を購入した決め手は何だったのでしょうか?

戸塚さん:

合祀が付いているということと、価格ですね。
例えば、樹木葬を買おうとしても、2人3人以上になると、100万 円 近くかかってしまうこともある。最近流行っている駅から徒歩5分とかの納骨堂も、100万円単位で費用がかかります。そうすると、「棲家」は半分くらいの値段で買えてしまいます。

「棲家」をご購入していただいた方って、最初は樹木葬や散骨を考えていた方が多いですね。
もともと自宅供養にしようと思っている人って、したいと思っても、してもいいのかなと思っている。だから樹木葬とか納骨堂とかを探していたけど、結果的に松戸家さんから後押しを受けて買いましたというケースは結構あります。

供養の方法に迷ったらまずは相談してください

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棲家と戸塚様。供養のご相談を承ります

――最後に、自宅供養をしたいと考えている方にアドバイスをお願いします。

戸塚さん:

まずは、私たちに相談していただきたいと思います。
(自宅供養したい方は)不安に思うと思うんです。自宅で供養していいのかな、バチはあたらないのかな、法律的には大丈夫なのかな…。その他いろいろ不安に思うことはあると思うんですけど、まずは私たちに相談していただきたい。

必ずしも「棲家」がゴールだとは思ってません。自分の家でご供養したいのであれば、棲家じゃなくてもいいと思います。いろんな形があると思っています。なので、自宅で供養したい、その最善の供養の方法は何かというのを、一緒に考えていきたい。

自宅供養をここまで本気で売ってきている会社ってなかなか少ないんですよ。
私たちには売った責任がありますから、売ったら終わりではなくて、売ってからも私たちとお付き合いしていただくという認識を松戸家は持っています。
私たちがトータルコーディネートの責任を持ちます。ですから、安心してお付き合いいただけるという自信があります。

結局、家族に(自宅供養を)反対されたから駄目ですっていう方もいます。
ただ、最終的に私たちは止めはしません。
とにかく私たちが一番お願いしたいのは、納得のいくご供養をしてほしいということです。
納得のいくご供養っていうのは、自分もそうなんですけど、ご家族やご親族が納得できる供養をしなきゃいけないっていうのもあるんですね。
なので、ご家族にもこういう方法があるということを、私たちも一緒にお話しして、その上で判断していただきたい。

私たちは自宅供養だけを売っている会社ではありませんから、(供養の)トータルコーディネートをしているので、場合によっては樹木葬や納骨堂とか、他の方法も提案いたします。

自宅供養をご検討の方へ

今回、「棲家」を販売する株式会社松戸家の戸塚さんにお話をお伺いしました。
マンションで全骨供養できて、最終的に埋葬先も決まっている自宅供養品はまだまだ非常に珍しいと言えます。
ご興味のある方は、こちらから資料請求やお問合せを承ります。
是非一度ご連絡ください。

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執筆者情報

お墓さがしスタッフ

佐野

経歴

2018年より、お墓マガジンのコラムを執筆しています。適切な情報をお届けできるよう努めて参ります。