曹洞宗で永代供養をする費用はどれくらい?お墓の種類も紹介


家が曹洞宗だと、お経で聞き馴染みのない「南無阿弥陀仏」などが出てくると、違和感があるかもしれません。
永代供養墓は宗教を問わず募集されていることが多いのですが、せっかくなら、馴染みのある曹洞宗のお寺にお願いしたいとお考えでしょうか?
今回の記事では、曹洞宗で永代供養をする場合の費用について解説します。
なお、永代供養全般については、『永代供養とは?』をご覧ください。
また、『永代供養の費用はどれくらい?』では、永代供養全般の費用について詳細に解説しています。
目次
永代供養とは
永代供養とは、将来にわたって長い期間供養するということです。
最近では、家族や親族に代わってお寺などの墓地管理者が故人を供養するという意味で定着しています。
また、契約することで永代供養をしてもらえるお墓のことを、永代供養墓と言います。
曹洞宗で永代供養をするときの費用
曹洞宗で永代供養をするときの費用は、5~150万円程度です。
なお、「お墓さがし」で現在ご紹介している曹洞宗の方向けの永代供養墓の平均価格は、約48.9万円でした(2023年8月現在。受付中の墓地にある各区画の最低価格から算出)。
永代供養墓の種類
曹洞宗で永代供養ができるお墓には、以下のような種類があります。
なお、以下に示す費用相場は、「お墓さがし」で現在ご紹介している曹洞宗の方向けの墓地を参考にしています。
合葬(合祀)墓:5万~30万円


曹洞宗の方向けの合祀墓の費用は、5万~30万円程度です。永代供養墓の中ではもっとも費用を抑えられるお墓で、通常年間管理費もかかりません。
ただし、納骨後に遺骨を取り出すことはできないので、家族や親族なども含めて慎重に検討しましょう。
樹木葬


合祀でない永代供養としては比較的お求めやすく、曹洞宗の方のための樹木葬の相場は、45~150万円程度です。年間管理費は、かかるものとかからないものがあります。
どちらかといえば、少人数用の区画を探しやすいお墓です。
納骨堂


個別に遺骨を安置できる永代供養墓としては費用は高めですが、お一人用などの簡単な造りであれば、お求めやすいものもあります。曹洞宗の方の納骨堂の費用相場は、30~110万円程度です。
大人数で使用できるものであれば、承継できることもあります。
本山納骨
本山納骨とは、本山(各宗派内で末寺を取りまとめるお寺)に、一部または全部の遺骨を納骨することです。
本山納骨は、昨今の「永代供養墓」が広まる前からずっと行われていた慣習です。
曹洞宗では、神奈川県の總持寺、福井県の永平寺の2つの大本山があります。
いずれも遺骨の永代供養をしてくれるので、どちらでも本山納骨ができます。
永代供養のメリット
永代供養のメリットには、以下のようなことが挙げられます。
永代供養のメリット
- 承継者がいなくてもお墓を持てる
- 子どもにお墓の負担を残さない
- 普通のお墓に比べて費用を抑えられる
承継者がいなくてもお墓を持てる
永代供養にすればお寺が故人の供養をしてくれるので、承継者がいなくても安心して納骨できます。
従来では、墓石を建てて、代々承継して墓守をしていく必要がありました。
承継が途絶えると墓石が朽ちたり、供養する人がいない無縁墓になるなどの問題がありましたが、永代供養ではその心配はありません。
子どもにお墓の負担を残さない
永代供養墓は承継を前提としないお墓なので、故人の子どもが必ずしもお墓を管理する必要はありません。
実家のお墓が遠方にある、忙しくて時間が取れないなどの事情でなかなかお墓参りに行けなくても、気に病まずに済みます。
また、年間管理費がかからない、あるいは一括前納できるお墓を選べば、後々の費用負担も残りません。
普通のお墓に比べて費用を抑えられる
従来のような墓石のお墓を建てると、100万~250万円の程度の費用がかかり、さらに年間管理費が3千~2万円程度かかります。
これに比べると、永代供養付きのお墓は費用を抑えて持つことができます。
最も費用を抑えられる合祀墓では5万~30万円程度、個別に納骨できるお墓でも数十万円程度で納骨できます。
永代供養のデメリット
永代供養をすることのデメリットには、以下のよなものがあります。
永代供養のデメリット
- 基本的にはいずれ合祀になる
- 遺骨を移動できなくなることがある
- 個別にお供えやお参りできないことがある
基本的にはいずれ合祀になる
最初は個別に納骨する永代供養墓でも、原則、最終的に遺骨は合祀されます。
個別区画に納骨する場合、多くの場合で区画には個別安置期間が設けられています。
個別安置期間は、契約から50年間、最後の納骨から13年間など、墓地によって異なります。
個別安置期間を過ぎると、遺骨はお寺が管理する合祀墓に移動されます。
他の方と遺骨が混ざりたくない方は「永代管理墓」「永代個別墓」などと呼ばれる、遺骨をずっと個別安置するお墓を探す必要がありますが、まだ数は多くありません。
遺骨を移動できなくなることがある
他の人と遺骨を一緒に納骨する合祀墓や、樹木葬の中でも土に遺骨を直接埋葬するタイプのものでは、納骨後に遺骨を取り出すことはできません。
家族が引っ越したり、あるいは親戚がお墓を建てたのでそこに入れたい、という状況になっても、お墓の場所を変えることはできなくなります。
また、特に合祀墓では、遺骨を埋葬した後に親族などから反発を買うこともあるので、事前に相談しておいたほうが無難です。
個別にお供えやお参りできないことがある
永代供養墓の形態によっては、共用の供物台をお参りスペースとすることがあります。
この場合は、区画ごとに個別のお供えやお参りはできないので、従来のお参りのイメージから比べると、少し物足りないと感じるかもしれません。
永代供養墓を選ぶときのポイント
永代供養墓を選ぶときは、次のようなポイントに気をつけましょう。
永代供養墓を選ぶときのポイント
- お墓の種類を考える
- 誰を納骨するのかを考える
- 誰がお参りに行くのかを考える
- 費用・維持費を確認する
- 区画の使用期間や納骨の方法を確認する
- 宗教の条件を確認する
1.お墓の種類を考える
永代供養がついているお墓には、さまざまな種類があります。
まずはどんなお墓がいいかを、大まかに考えてみましょう。
例えば、合祀墓、樹木葬、納骨堂などは、次のような人におすすめです。
- 合祀墓:供養の費用を抑えたい
- 樹木葬:緑豊かな環境で眠りたい
- 納骨堂:季節や天候を問わずにお参りしたい
2.誰を納骨するのかを考える
誰を納骨するかによって人数が変わるので、検討する墓地も変わります。
特に樹木葬などで見られますが、個別区画の永代供養墓では、契約時に納骨予定者をすべて登録しなければならないことがあります。
あらかじめ、お墓に誰が入るのかをイメージしながら検討しましょう。
3.誰がお参りに行くのかを考える
お墓にお参りしたい、あるいはお参りに来てほしい場合は、アクセスが重要です。
お参りしたい家族がばらばらに住んでいるならそれぞれから行きやすいエリアが望ましいですし、車に乗らない人がいれば公共交通機関で行けるところがいいでしょう。
墓地のエリアは、誰がお参りするのかも加味しながら検討しましょう。
4.費用・維持費を確認する
費用によって、どういうお墓を持てるかが変わります。
費用を数万円に抑えたいならほぼ合祀墓で決まりますし、数十万円の予算なら、樹木葬や納骨堂なども候補に入れられます。
また、永代供養墓でも、ものによっては年間管理費がかかります。
今後の生活も考えながら、維持費も込みで予算を考えましょう。
5.区画の使用期間や納骨の方法を確認する
個別区画に納骨する永代供養墓では、多くの場合で区画に使用期限があります。
使用期限は、契約時から50年、最後の納骨から13年など、墓地によって異なります。
特に契約時から年数を数え始める場合は、納骨予定の人がその間に全員入れるかは一度考えてみましょう。
また、納骨の方法についても、土に直接埋葬する、粉骨してから納骨する、などお墓によって異なるので、これも確認しておきます。
6.宗教の条件を確認する
墓地の使用にあたって、宗教に関係する制限などがないかを確認します。
例えば、以下のような条件が考えられます。
墓地の宗教に関する条件の例
- 檀家になる必要がある
- 檀家になる必要はないが、法要と葬儀は必ず管理するお寺が営む
- 管理するお寺から戒名をもらっていないと納骨できない
- お寺と同じ宗派でないと使用できない
- 在来仏教の人のみ使用できる(神道・キリスト教徒・新宗教は使用できない)
- 宗教不問だが、墓地内によその宗教者を同伴できない
- 宗教不問だが、納骨法要のみ管理するお寺が必ず営む
墓地で定められた条件を守れないと、お墓の使用権を取り上げられる(お墓を追い出される)可能性があります。
条件を守れる範囲でお墓を探しましょう。
永代供養はどんな人におすすめ?
永代供養は、次のような人におすすめです。
- 承継者がいない
- 子どもに負担を残したくない
- 旧来の家族観に捕らわれたくない
- 少人数だけのお墓を持ちたい
- お墓の費用を抑えたい
まとめ
曹洞宗で永代供養をするときの費用は、5~150万円程度です。
永代供養墓の種類は、合祀墓、樹木葬、納骨堂など多様で、それぞれでかかる費用も違います。
永代供養墓を決めるときは、誰がお墓に入るか、誰がお参りに行くか、どんなお墓がいいか、予算はどれくらいか、などをイメージしながら、お墓に希望する条件を固めていきましょう。
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お墓さがしでは、全国のお墓をご紹介しています。
曹洞宗の方専用のお墓や、宗教不問の永代供養墓も数多く掲載中です。
ぜひ一度、ご希望のエリアにどんなお墓があるか、探してみてください。
曹洞宗の永代供養に関するよくある質問
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曹洞宗で永代供養をしてもらう費用はどれくらいですか?
5~150万円程度です。どんなお墓で永代供養をしてもらうかで費用が変わります。
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曹洞宗の永代供養墓にはどのようなものがありますか?
合祀墓、樹木葬、納骨堂などがあります。他宗派の永代供養墓とお墓の種類に差はありません。
経歴
2018年より、お墓マガジンのコラムを執筆しています。適切な情報をお届けできるよう努めて参ります。