お彼岸のお墓参りはいつ行く?お供えやお参りの意味も解説
一般的にお墓参りに行くタイミングは、お盆、お彼岸、正月、命日の年4回だとされています。
しかしそれぞれの日にちがどういう意味で、なぜその時にお墓参りをするのかという点については知らない人が多いのではないでしょうか。
そこでここではこの4回のうちのお彼岸に注目して、その日にちの意味やタイミング、あるいはお彼岸独特のお供えには何があるのか、という点について解説します。
目次
お彼岸とは何か
お彼岸は、春分の日・秋分の日とその前後3日間の期間を言います。
春分の日と秋分の日は、太陽が真東から上り真西に沈む日です。
「彼岸」という言葉自体は、仏教用語で浄土のことです。
私たちがいる「此岸(しがん)」から煩悩を脱して悟りの境地に至ることにより、仏様のいる「彼岸」に行くことができます。
お彼岸は、真西に沈む太陽を拝むことで西方浄土に思いを馳せ、仏門の修行に励む期間とされていました。
ですが、お彼岸は日本古来の祖先信仰の影響で、祖先供養の行事としても認識されるようになりました。
現在では、お彼岸にはお墓参りをして、祖先の供養をするのが慣習となっています。
お彼岸はいつ?
お彼岸は年に2回、春と秋にやってきます。
春のお彼岸は、3月の春分の日とその前後3日間の計7日間です。
秋のお彼岸は、9月の秋分のとその前後の3日間の計7日間です。
春分の日と秋分の日は、前年の2月1日、国立天文台が官報にて正式発表します。
参考:「国民の祝日」について/「春分の日」及び「秋分の日」について
2023年のお彼岸はいつ?
2023年(令和5年)の春彼岸は、3月18日(土)~3月24日(金)です(春分の日は3月21日(火))。
2023年(令和5年)の秋彼岸は、9月20日(水)~9月26日(火)です(秋分の日は9月23日(土))。
お彼岸のお墓参りに行くタイミング
お参りは、お彼岸の時期であれば、中日でなくても構いません。
ただし、寺院の合同法要は中日に催される場合が多いので、法要に参加する場合はお参りも中日になるでしょう。
お彼岸のお参りに行く時間帯
お参りに行く時間帯について決まりはありませんが、一般的には午前中が良いとされています。
理由の一つには、ご先祖様の用事を後回しにしてはいけないという考えに基づくものがあります。
ただし、午前中に行けなかったから行くのを諦めるよりは行った方が供養にもなるでしょう。
また、後の用事のためにお参りを焦ってするよりは、用事を終えてからゆっくりとお参りをする方がいいでしょう。
もう一つには、暗くなると足元が危なくなるということがあります。
特に山麓や山地の墓地では段差が多く、足元が暗いと転んでけがをする可能性もあります。
段差の他、側溝などがある墓所もあるので、特に照明設備が整っていないところでは明るいうちにお参りを済ませておきましょう。
彼岸明けにお墓参りしてもいい?
お参りはお彼岸明けに行っても構いません。
現代日本では、お墓参りは故人や祖先を偲ぶために行く方が多いのではないでしょうか。
故人や祖先を偲ぶのに、形式にとらわれる必要はありません。一番大事なのは気持ちです。
お彼岸はあくまでもお墓参りに行く機会程度に考えて、行きたいとき、無理のない範囲でお参りに行けばいいでしょう。
お彼岸のお墓参りに行かないのはダメ?
お彼岸だからと言って必ずしもお墓参りをする必要はありません。
根本的にお彼岸は仏門の修行に励む期間であり、その意味合いであればお墓ではなくお仏壇にお参りしてもいいでしょう。
また、お彼岸を祖先供養として考えた場合も、必ずしもお墓参りは必須ではありません。
供養に大事なのは形式ではなく気持ちです。
都合がつかなかったり気が乗らなければ、お墓まで行かずとも家で故人や祖先に思いを馳せるだけでもいいでしょう。
春と秋のお彼岸の違いは?
春彼岸と秋彼岸に根本的な違いはありません。
そもそも、太陽が真東から真西に沈む日とその前後3日間がお彼岸だと考えれば、季節は重要でないことが分かるでしょう。
違いがあるとすれば、お供え物が変わることはあります。
お彼岸に関係なくお供えの花や食べ物は季節のものを取り入れることがあるので、その時々のものを取り入れましょう。
また、春彼岸には「ぼたもち」、秋彼岸には「おはぎ」をお供えしますが、これらはどちらも同じあんこでくるんだお餅です。
春には牡丹が咲くので「牡丹餅」、秋には萩が咲くので「お萩」と呼びます。
ただし、こしあんを使うか粒あんを使うかなど、呼び名によって実際のおもちも明確に変える地域もあります。
なお、「国民の祝日に関する法律」では、春分の日、秋分の日はそれぞれ以下のように規定されています。
春分の日:自然をたたえ、生物をいつくしむ。
秋分の日:祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ。
お彼岸のお墓参りのマナー
ではお彼岸のお墓参りをする場合、どのようなマナーがあるのでしょうか。
お彼岸のお墓参りの持ち物は?
まずお彼岸のお墓参りに持参するものは以下の通りです。
- 花
- ロウソク
- 線香
- ライター
- 水
- ぼた餅、おはぎなどの食べ物
- 数珠
- やわらかいスポンジまたは雑巾
お墓参りの際は掃除もするので、やわらかいスポンジまたは雑巾があると便利です。
たわしなどの硬いものでこすると墓石を傷つける可能性があるので注意しましょう。
仏教のお供え「五供」
仏教の基本的なお供えは、「五供」と呼ばれています。
五供とは、花、灯燭(とうしょく)、香、浄水、飲食(おんじき)を指します。
- 「花」は「仏花」として花屋やスーパーで売られています。
- 「灯燭」は、灯のことです。ろうそくをお供えします。
- 「香」は線香または焼香をお供えします。
- 「浄水」はお水をお供えします。水道水で構いませんので、水鉢に入れます。
- 「飲食」は食べ物をお供えします。殺生を連想させる肉や魚を避けて、故人の好きだったものを供えましょう。お彼岸ならぼたもちやおはぎも良いでしょう。
お彼岸のお墓参りで供える花は?
仏前に供えるお花は仏花と呼ばれます。
白・黄・紫の3色、または白・黄・紫・ピンク・赤の5色でそろえます。
ただし、四十九日までは白を基調にアレンジメントします。
また、お花の本数も奇数にします。
仏花の定番と言えば菊です。他にはカーネーションなども良く用いられます。
逆に、バラのようなとげのある花、あさがおのようなツルのある花、彼岸花のような毒のある花は避けます。
いずれにしても花屋で「お供え用」と伝えればふさわしいアレンジをしてくれます。
お盆やお彼岸の季節にはスーパーにも仏花が並びますので、それを利用してもいいでしょう。
お彼岸にお布施は必要?
お彼岸は多くの場合、家族だけでお墓参りをするのが一般的です。
しかし故人の最初のお彼岸など、僧侶を読んでお経をあげてもらう場合はお布施を納めることが必要です。
お布施の相場としては3万円程度ですが、これも地方や寺格によって異なるので、読経を依頼する時に確認しましょう。
まとめ
お彼岸は、太陽が真東から真西に一直線に沈む中日と、その前後3日間を合わせた期間です。
もともとは仏門の修行に励む期間でしたが、現在ではお墓参りをして先祖供養をすることが一般的です。
お墓参りはお彼岸中のどのタイミングで行くといった決まりはなく、都合のいい時に行きましょう。
また、お彼岸中に行けなければ、彼岸明けにお参りに行っても構いません。
お墓参りですることは普段と変わりませんが、しいて言えばお供えにぼたもちやおはぎを加えてもいいでしょう。
必ずしもお墓参りをするという決まりはありませんが、お彼岸はお墓参りに行く機会にもなりますので、お参りに足を運んでみましょう。
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