お墓の納骨室(カロート)が遺骨でいっぱいになったときは?

お墓の下の遺骨を納めるスペースをカロートといいます(納骨室、納骨棺とも)。墓石や墓碑に比べて目立ちませんが、お墓の役割を考えるともっとも重要な部分ともいえます。
カロートへの納骨方法はさまざまで、地方によっては遺骨を骨壺から出してカロートに撒いたり、布や袋に包んで納めたりするところもあります。
昔のお墓はカロートがなく、遺骨は骨壺から出して納めるのが一般的だったようです。戦後、代々墓が普及する中で、骨壺のまま納骨する習慣が広がったようです。
骨壺のまま納骨する場合、お墓を使用しているうちにカロートが骨壺でいっぱいになってしまうことになります。最近は区画面積の小さい墓地が増えているため、気になる方も多いでしょう。
カロートが遺骨でいっぱいになった場合、どう対処すればよいのでしょうか。お墓を建てなおさなければならないのでしょうか。
目次
カロートに収容可能な骨壺の数
骨壺の大きさや墓地区画のタイプによっても違いますが、0.4㎡の一般区画なら1体から2体、1㎡なら3体から4体納骨することができます。
これよりスペースが広い場合や、上下2段式のカロートになると、さらに多くの骨壺を収容することができます。
芝生墓地などでは、一般墓地よりカロートがやや狭い場合があり、収容可能な骨壺の数が上記より少ない可能性があります。
カロートが遺骨でいっぱいになったときは?
方法はいくつかありますが、いずれもメリット・デメリットがあります。
別のお墓を建てる
新しいお墓を建てるには高額の費用がかかります。さらに、将来的に複数のお墓を管理するというのも大変です。
方法としては問題ありませんが、現実的ではないでしょう。
古い遺骨を土に還す
通常、カロートの底は半分または一部が土になっています。これは、カロートが遺骨でいっぱいになったとき、古い遺骨から土に還していくためです。
古い遺骨を骨壺から出して土に撒く、あるいは布の袋に移し、長期的に土に還すなどの方法があります。
素焼きの骨壺に入れた状態で土に埋めるという方法もありますが、一般的な陶器の骨壺では土に還らずそのままになりますから注意しましょう。
デメリットとしては、遺骨を土に還すと、改葬などのとき取り出すことができなくなります。
古い遺骨を一つの骨壺にまとめる
カロートの底がすべてコンクリートという場合、遺骨を土に還すことができません。この場合は、古い遺骨をまとめることによってスペースを確保する方法があります。
古い遺骨は細くなったり自然に崩れたりして嵩が減っていきます。これらの古い遺骨を一つの骨壺にまとめます。また、粉骨(遺骨を砕いてパウダー状にすること)することによって嵩を減らすという方法もあります。
遺骨を砕くことには抵抗があるかもしれませんが、手元供養や散骨では粉骨にするのが基本で、宗教的にも法律的にもまったく問題ありません。火葬場での骨上げでも、骨壺に入れやすくするために遺骨を砕くことが普通に行われています。
古い遺骨を土に還す時期は?
「弔い上げ」といわれる三十三回忌や五十回忌の後がよいでしょう。弔い上げは最後の年忌法要で、それ以降は仏事を行わないという区切りです。一般には仏壇にある戒名を刻んだ個人の位牌から先祖代々の位牌に合祀します。
不要になった骨壺は単なる「容器」ですので、自治体の規定に従って処分して大丈夫です。ただし、骨壺であることがわからないよう、ハンマーなどで割ってからは廃棄したほうがよいでしょう。特に名前が刻まれている場合、故人を特定できないようにしておきましょう。
骨壺を割ることに心理的な抵抗がある場合、業者に依頼することができます。一部の葬儀社や石材店が処分を請け負っているので、問い合わせてみましょう。また、寺院によっては供養をしての処分を行っているところもあるので、菩提寺に相談してみてください。
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