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墓地管理者とは?不明な時の埋葬・改葬手続きはどうする?

墓地管理者は誰?のイメージ1

墓地に納骨や改葬をするためには、墓地管理者への届け出が必要になります。

では、墓地管理者とは誰のことなのでしょうか。
昔から地域にあるような墓地にも管理者はいるのでしょうか。

今回の記事では、墓地管理者とは誰のことか、墓地管理者が不明な時の手続きはどうするかについて解説していきます。

目次

1.墓地管理者とは何か
1-1.墓地管理者とは誰のこと?
1-2.墓地管理者の法的な役割
1-2-1.埋葬許可証、改葬許可証などの届出の処理
1-2-2.墓地に関する図面や帳簿の管理
1-2-3.自治体への報告

2.墓地管理者がいないということはあり得る?

3.墓地管理者が不明で手続きができないときはどうする?
3-1.管理者が不明だと困る点は
3-2.墓地管理者を探す方法
3-2-1.まずは役所に相談
3-2-2.地元の村落の親族、知人に問い合わせる
3-2-3.地区の寺院に相談する
3-2-4.石材店に問い合わせる
3-2-5.葬儀社に問い合わせる
3-2-6.土地の登記簿謄本を取得する

4.墓地管理者がいない場合は

5.まとめ

1.墓地管理者とは何か

まず最初にそもそも墓地管理者とは誰を指すのか、何をしてくれるのかという点について解説します。

1-1.墓地管理者とは誰のこと?

墓地管理者とは、墓地経営者に任命されて、墓地の清掃などの日常業務から、墓地運営上の管理に関する事務的な業務などを行う人のことです。

寺院などでは、墓地経営者は僧侶で墓地管理者も僧侶のような気もしますが、厳密に言うと墓地経営者は宗教法人としての寺院で、墓地管理者がその寺の住職ということになります。

霊園の場合は地方自治体などの公共団体や、霊園経営の許可を取った法人が墓地経営者で、墓地管理者はその従業員ということになります。

1-2.墓地管理者の法的な役割

墓地管理者がどのような役割を持ち、どのような仕事をするのかということは、1948年に制定された「墓地、埋葬等に関する法律」通称「墓埋法」の中で定められています。それによれば墓地管理者の役割は以下のようになります。

1-2-1.埋葬許可証、改葬許可証などの届出の処理

届け出については、墓埋法で以下のように記述されています。

第14条
墓地の管理者は、第八条の規定による埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない。

家族や自分が葬儀を行う必要がある人が亡くなった時には市役所や区役所へ亡くなったことを届け出ます。
その際に役所は発行してれる書類が、火葬を行うための火葬許可証です。

そしてその火葬許可証を火葬場で提出して火葬を行うと、今度はその火葬許可証に火葬場が押印することで、火葬許可証が埋葬許可証になります。
この埋葬許可証がなければ、納骨はできません。

この埋葬許可証を提出する先が、納骨する墓地の墓地管理者です。
ですから墓地管理者が見つからない場合は、基本的にその墓地に埋葬することができません。

また亡くなった時の埋葬だけではなく、ほかの墓地に埋葬されていた遺骨を違う墓地に埋葬し直す、つまり改葬する場合は、元の墓地が発行した改葬許可証を、新たに埋葬する墓地の墓地管理者に提出する必要があります。
したがって墓地管理者が見つからない場合は、改葬も行えません。

1-2-2.墓地に関する図面や帳簿の管理

墓地に関する図面や帳簿など管理することも墓地管理者の役割です。
墓埋法では以下のように記述されています。

第15条
墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、省令の定めるところにより、図面、帳簿又は書類等を備えなければならない。

2 前項の管理者は、墓地使用者、焼骨収蔵委託者、火葬を求めた者その他死者に関係ある者の請求があつたときは、前項に規定する図面、帳簿又は書類等の閲覧を拒んではならない。

墓地の図面とは、墓地の所在地、面積、墓地の状況を記録したものです。

帳簿とは、墓地の祭祀継承者の住所と氏名、埋葬されている人の具体的な情報や埋葬年月日などが記録されたものです。
墓地経営者が作成する墓地の経営に関する書類が、墓埋法の言う「書類等」にあたります。

墓地の使用者は以上の図面、帳簿、書類をいつでも開示するように、また閲覧させるように墓地管理者の要求できます。
墓地管理者はその要求を拒否できず、拒否した場合は罰則を与えれらます。

1-2-3.自治体への報告

墓地管理者は自治体に対する報告業務も担っています。
墓埋法では以下のように記述されています。

このことは墓埋法に以下のように記載されています。

第17条
墓地又は火葬場の管理者は、毎月5日までに、その前月中の埋葬又は火葬の状況を、墓地又は火葬場所在地の市町村長に報告しなければならない。

参考:墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)

2.墓地管理者がいないということはあり得る?

ただし、このような墓地管理者が明確にいない墓地もあります。

それは、墓地管理者に関する規定を定めた墓地埋葬法の施行は1948年なので、その時に管理者がすでに不明になっているような墓地です。
寺院や霊園ではそのようなことは基本的に発生しませんが、しかし昔からあるような共同墓地などは誰も管理していなくても、誰かが亡くなった際に、自然にその墓地へ埋葬している可能性もあります。

そのような墓地では墓地管理者が不明な場合も多いのです。

本来は、法的には先ほど挙げたように埋葬許可証を墓地管理者に提出しないと埋葬できないことになっていますから、そのような昔からの墓地管理者のいない墓地には今後一切埋蔵できないという困った事態になります。

厚生労働省では、墓地管理者がいない墓地に関しては、墓地の使用者が共同して墓地管理組合を結成し、その墓地管理組合を墓地経営者にし、その墓地管理組合として墓地管理者を任命するよう、自治体が指導するのが相応としています。

参考:平成28年度厚労科研費研究に伴う「墓地の経営・管理に関するFAQ」

なので、本来であれば日本国中のどの墓地にも墓地管理者がいなければなりません。

3.墓地管理者が不明で手続きができないときはどうする?

しかし現実問題としては、自治体の管理が行き届かずに管理者が不明なままになっている墓地もあります。
管理者が不明な時はどのように探し出せばいいのでしょうか。

3-1.管理者が不明だと困る点は

墓地に遺骨を納骨する際は、墓地管理者に届け出をする必要がありますが、管理者が不明な場合は届け出ができないため、埋葬もできないということになっています。

また、その墓地から遺骨を取り出して、他の墓地に移動する(改葬)場合も困ります。

たとえば自分の居住地近くに新たに墓地を契約し、自分の故郷の一族の墓から自分の両親の遺骨などを改葬しようという場合、その一族の墓地を管理している墓地管理者が発行する改葬許可証が必要です。
しかし墓地管理者が不明の場合は、改葬許可証を発行する人がいないため、永久的にその一族の墓から必要な遺骨を改葬できないことになります。

3-2.墓地管理者を探す方法

では墓地管理者が不明な場合は、どのようにして探せばよいのでしょうか。
これはまさに行方不明の人を探すことと同じなので、以下のような方法でしらみつぶしに当たるしかありません。

3-2-1.まずは役所に相談

まずは、墓地のある自治体の役所に相談してみましょう。

墓地管理者は任命されたり、変更があった段階で自治体に届け出ることが義務づけられています。
したがって、自治体には墓地管理者の記録が残されているはずなのです。

ただし、墓地管理者が不明な墓地の場合は、法律で定められた届け出を履行していないことも多々あります。
その時にはまたほかの方法で墓地管理者を探さなければなりません。

3-2-2.地元の村落の親族、知人に問い合わせる

その地区に古くからある墓地の場合は、その墓地に埋葬している人の親族が墓地と同じ地区に居住し続けているケースが多いでしょう。
その人たちが墓地管理者に当たる人を知っている場合があるので、まずはその地区に住んでいる自分の親戚や知人に、墓地管理者について知っているかを問い合わせます。

親戚や知人がいない場合は、その地区の町内会長や自治会の会長などに問い合わせる方法もあります。
町内会長に聞いてもわからない場合でも、町内会長にその地区に長らく住んでいる古老を紹介してもらい、芋づる式に当たっていきましょう。

3-2-3.地区の寺院に相談する

そのような地区にある寺院の住職は、自分が管理していない墓地だとしても、その地区の歴史に関して詳しい場合があります。
特に年配の老僧の場合は、自分の地区の歴史に詳しいでしょう。
ですから、墓地のある地区の寺院に問い合わせてみるのも1つの方法です。

3-2-4.石材店に問い合わせる

墓地の地区に親戚も知人もいない場合でも、その地区の石材店が誰かしらに依頼されて、その墓地での墓地建設や納骨の際の工事をしている可能性があります。
ですから石材店に問い合わせてみれば、その際に埋葬許可証を提出した、あるいは改葬許可証を発行した墓地管理者を知っているかもしれません。

3-2-5.葬儀社に問い合わせる

同じような意味合いで、その地区で営業している葬儀社も墓地管理者を知っている可能性があります。
特に地元で長らく営業している葬儀社はその地区にある家の家族構成まで把握してることが多いでしょう。

3-2-6.土地の登記簿謄本を取得する

全ての土地は、宅地や田畑などの種類別によって分けられ、登記簿謄本に登録されています。
その種類を地目と言います。墓地もその地目の1つです。

ですから、田畑や山林を開いて、墓地を新たに設置した時には、その土地の登記簿の内容を変更することが法的に必要です。

したがって、墓地管理者の行方を知りたい墓地を管轄している法務局で土地登記簿謄本を取得すれば、その墓地の土地の所有者が判明します。
その所有者に問い合わせれば墓地管理者の行方が分かる可能性があります。

4.墓地管理者がいない場合は

以上のような手段を尽くしても墓地管理者の行方が分からない場合は、そもそもその墓地には墓地管理者がいないということを結論づけるしかありません。
その際にはどうしたらよいのでしょうか。

その際には、先ほど書いたような墓地管理組合を結成し、墓地管理組合として墓地管理者を任命するのが方策となります。
一般的には墓地管理組合の墓地管理者には、その地区の町内会長や自治会長などになってもらったり、近隣の寺院の僧侶になってもらうケースが多いです。

墓地管理組合の結成については、自治体が指導することが望ましいです。
ですから墓地管理者の行方がどうしてもわからない場合は、以上のようにあらゆる方法で墓地管理者の行方を探したが見つからない、ということを役所に伝え、善後策を相談するしかありません。

5.まとめ

寺院墓地民営霊園などは墓地管理者が明確なので、墓地管理者の存在を改めて確認しなくても、埋葬も改葬もできてしまいます。
しかし、墓埋法の施工前から存在する村落の墓地や個人墓地の場合は、管理者が分からない場合もあります。
そのような時はまずは役所に相談し、対応してくれない場合は地域の親族や業者に当たってみましょう。

それでも分からない場合は、地域で墓地管理組合を結成してもらうよう、役所に相談するしかありません。
何らかの対応はしてくれるはずです。