納骨堂の選び方と注意点!失敗しない納骨堂選び

納骨堂の選び方と注意点!失敗しない納骨堂選び

新しいお墓の形として納骨堂を選択する方が増えています。
納骨堂のニーズが高まるにつれ、納骨堂の種類や形態が複雑化し、何を基準に選んだらいいかわからないという声をよく耳にします。
納骨堂を選ぶには、まず多様化した納骨堂の種類やその特徴を知ることが大切です。
種類ごとの特徴を踏まえたうえで、納骨堂を選ぶポイントや注意点について解説します。

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納骨堂とは

納骨堂とは、遺骨を収蔵する場所として都道府県知事の許可を受けた施設です。

屋内に遺骨を納めるため、天候の影響を受けずにお参りができます。
納骨堂の利用にあたって、宗教・宗派の指定が少なく、比較的誰でも利用できることも納骨堂のメリットです。

また、納骨堂の大きな特徴は、ほとんどの場合で「永代供養」がついていることです。
永代供養とは、お寺が遺族に代わって、遺骨の供養を続けてくれることです。
お寺が永続的に供養をしてくれるため、一般的なお墓のように承継ができなくなっても問題ありません。
そのため、お墓の承継者がいない方や子供にお墓の負担をかけたくない方にもおすすめです。

ただし、承継者がいなくなっても永続的に納骨堂に納め続けるという納骨堂は少なく、多くの場合で納骨堂の使用に期限が設けられていたり、承継が続くまで納骨堂を使用できるなどの条件がある場合がほとんどです。
期限が切れた後や承継が途絶えたあとは、合祀されます。

合祀とは、複数の人が同じ納骨室に納骨する埋葬方法です。
ほとんどの場合で、骨壺から遺骨を取り出した状態で埋葬するため、他の人と遺骨が混ざります。
そのため、一度合祀にすると取り出すことができなくなります。

合祀になったあとは、お盆やお彼岸の時期に合同法要を行い、読経をすることで永続的に供養をするところが多くあります。
合祀になる条件は納骨堂によって異なるため、契約前に確認しましょう。

納骨堂の種類ごとの特徴

納骨堂は大きく分けて「自動搬送式」「ロッカー式」「仏壇式」「位牌式」の4つの種類があります。
種類ごとに形態や費用相場が異なるため、それぞれの特徴を押さえることが大切です。

自動搬送式納骨堂の特徴

自動搬送式納骨堂イラスト
自動搬送式とは、バックヤードに遺骨を安置しておき、お参りの時だけ参拝スペースに骨壺を機械で運ぶタイプです。
参拝者は、ICカードを割り当てられており、参拝スペースで操作をすると、自動的に遺骨が収蔵する厨子が運ばれてきます。
機械を使った現代的な納骨堂です。

自動搬送式納骨堂は、都内を中心に数が増えてきています。
新しく建てられたものが多いため、最寄り駅から徒歩数分圏内でアクセスしやすい立地のものが多くあります。
地方ではまだ数が少なく、都市部までかなり大きく検討の範囲を広げないと見つからない場合もあります。

埋蔵人数は多く、1~8名で使用できます。
あらかじめ納骨堂の使用に期限が設けられているものもありますが、年間管理費を支払い続ける限りは永続的に納骨堂を使用できるものが多くあります。
そのため、家のお墓として代々引き継いで使用することも可能です。

費用相場は、80~100万円です。
また、年間管理費の相場は、1万2千~2万円と納骨堂の中では高めになっています。
自動搬送式納骨堂では、遺骨を運ぶ機械の定期的なメンテナンスが必要になるため、管理費が高くなる傾向があります。

新しく造られたものが多いため、施設がきれいでセキュリティがしっかりしているというメリットがあります。
その一方、機械のメンテナンスのため、お参りができない日があったり、ICカードを使うお参りのシステムに慣れる必要があるなど、現代的な納骨堂ならではのデメリットもあります。

都市部に住んでいて、納骨堂を家族などの大人数で使用する方に向いているタイプといえます。

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ロッカー式納骨堂の特徴

ロッカー式納骨堂イラスト
ロッカー式とは、ロッカーのように前面に扉が設けられた棚に、骨壺に入った遺骨を収蔵するタイプです。
ロッカーと聞くと、コインロッカーのような簡素なものを想像してしまいますが、実際は扉に装飾が施されたものや、きれいな絵が描かれたものなど豪華なものも多くあります。

ロッカー式納骨堂は、お寺や霊園の中に併設されていることが多く、比較的立地が良い傾向があります。

埋蔵人数は、1~4名と少なく、単身者やご夫婦、ご家族などの単位での使用に向いています。
あらかじめ納骨堂の区画の使用に期限が設けられていることが多く、期限後は合祀されます。
納骨堂の区画を使用できる期間は、多くの場合13回忌までや33回忌までとされています。
納骨堂によっては、期間を延長できたり、永続的に区画に遺骨を埋蔵してもらえるところもあります。

費用相場は、地域によっても異なりますが、基本的には1区画50万円~です。
納骨堂の中では、費用が安めのタイプです。
年間管理費は、1万円前後のところが多くあります。

戸棚の中に入るなら、骨壺と一緒に写真などを入れることができるところがあります。
ロッカー式ならではのメリットがある一方で、お墓として物足りなく感じる方もいるというデメリットがあります。
ロッカー式納骨堂は、遺骨が納められている区画の前に行き、合掌するなどしてお参りをするため、抵抗を感じる方もいます。

お墓の承継者がいない方で、合祀に抵抗がない方におすすめのタイプです。

仏壇式納骨堂の特徴

仏壇式納骨堂イラスト
仏壇式とは、上段が仏壇、下段が遺骨の収蔵スペースの二段構造になっているタイプです。
一般的に納骨堂は、お寺が運営しているものでも宗教を問わず利用できるものが多くありますが、仏壇式に関しては宗派を問われることがあります。
仏壇式の納骨堂を検討する際は、宗派の指定がないか事前に確認しましょう。

埋蔵人数は、8~10名と納骨堂の中で最も多く、家のお墓としての使用に向いています。
合祀になる条件は、納骨堂の承継が続く限りとするところが多くあります。

費用相場は、100~200万円です。
仏壇式納骨堂に使われる仏壇は、立派で豪華なものが多いこともあり、費用は高めになります。
年間管理費の相場は、1~2万円です。

大人数での使用に向いており、それぞれ個別の仏壇にお参りすることができるというメリットがあります。
一方で、個別で立派な仏壇を持つため他のタイプよりも費用が高かったり、個人や夫婦での使用には向かないというデメリットもあります。

家のお墓として納骨堂を使用したい方のおすすめのタイプです。

位牌式納骨堂の特徴

位牌式納骨堂 イラスト
位牌式は、屋内に位牌を並べるタイプです。
位牌式には、大きく分けて、位牌の中に収骨スペースがあり、そこにパウダー状に粉砕した遺骨を納めるタイプと、位牌が並んでいるひな壇の下が遺骨の安置スペースになっており、そこに骨壺に入った遺骨を収蔵するタイプがあります。

収蔵人数は、1人ごとに1つの位牌を並べる形になるため、制限はありません。
家族や友人同士で隣り合わせで位牌を並べることができます。
承継者がいなくなった後は、合祀されることが多いようです。

費用相場は、7.5~14万円/1人です。
位牌の中に納骨するタイプでは、指定された位牌型納骨器の費用がかかります。
また、位牌の中に納骨しないタイプでも、納骨堂の美観を損ねないために、位牌は統一された区画のものを購入します。
年間管理費は、なし~5000円です。

他のタイプの納骨堂に比べて費用が安く、年間管理費もない、または安いというメリットがあります。
しかし、位牌がすべて同じ規格のものになるため、個性を感じられず、ずらっと並んだ位牌に手を合わせることに抵抗を感じる方もいます。

納骨堂の費用を抑えたい方におすすめのタイプです。

納骨堂の運営主体ごとの特徴

納骨堂の運営主体には、お寺、民間、自治体があります。
運営主体によって、納骨堂の特徴が異なるため、押さえておきましょう。

お寺の納骨堂

納骨堂はお寺が運営しているところが多くあります。
納骨堂の場合は、多くの場合お寺が運営していても宗教の縛りや檀家になる義務がなく利用できます。
納骨堂を運営しているお寺に法要や供養を任せることができるため安心感があります。

あらかじめ決められた期間が過ぎたり、承継が途絶えて合祀になった後の供養は、納骨堂を運営しているお寺の宗派の教義に則ったものになります。
自分と同じ宗派で供養をしてほしい方は、運営主体のお寺が自分と同じ宗派か調べましょう。

民営の納骨堂

宗教法人や公益社団、財団法人などの公益性をもつ法人が運営をしている納骨堂もあります。
民営の納骨堂は、管理や販売を民間業者が行っていることが多くあります。

民間の業者が関わっていることもあり、施設やサービスが充実している傾向があります。

公営の納骨堂

自治体が運営する納骨堂もあります。

公営の納骨堂で注意するべき点は、納骨堂の使用者が抽選で決まることが多いということです。
その上、応募には、「納骨堂を運営している自治体に住んでいる方」などの条件があります。

公営の納骨堂は人気が高く、抽選の倍率は高くなります。
そのため、利用したくてもすぐに購入できないことが多いでしょう。

また、期限後に遺骨が遺族に返還されるなどの特殊な条件がある場合もあります。

しかし、お寺や民営と違って自治体が運営しているので、倒産の心配がないという大きなメリットがあります。

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納骨堂の選び方

納骨堂を選ぶうえで、重視するべきポイントをご紹介します。

1.アクセスしやすい場所にある納骨堂を選ぶ

納骨堂の立地はとても大切です。
納骨堂が行きづらい場所にあれば、年齢を重ねてお参りに行くのがつらくなってしまうことも考えられます。
例えば、納骨堂まで長い坂道がある場合などがあります。

そのため、現地を見学する際は、お参りに行くときと同じ交通手段で行くことをおすすめします。

2.施設や設備が充実している納骨堂を選ぶ

納骨堂の施設や設備の充実度も大切です。
建物自体がバリアフリーに配慮した設計になっているのか、休憩できる場所が用意されているのかをチェックしましょう。

近年では、納骨堂の中に法要施設や会食施設を併設したものがあります。
法要からお参りまで一か所でできるためおすすめです。

3.使用人数に合った納骨堂を選ぶ

納骨堂やプランによって納骨できる人数は違います。
一般的なお墓とは違い、納骨堂は納骨する人数が多ければ費用も高くなります。
将来的に何体収蔵するのかを契約前に決めておき、人数に合ったプランを選択しましょう。

納骨堂を家のお墓として使用する場合は、自動搬送式か仏壇式がおすすめです。

4.宗旨宗派を問わない、もしくは自分の宗派に合ったお寺の納骨堂を選ぶ

納骨堂は基本的に宗派を問わないところが多いですが、中には条件が設けられたところもあります。
宗旨宗派を問わない、もしくは自分の宗派と同じところを選びましょう。

5.予算に合った納骨堂を選ぶ

納骨堂の相場をみて、相場と同じくらいの予算で納骨堂を選びましょう。
相場からかけ離れて安い納骨堂は、管理面に問題がある可能性があります。

納骨堂を選ぶ上での注意点!

納骨堂を選ぶ際は、以下3点に気を付けましょう。

1.区画に使用期限が設けられていることがある

納骨堂の使用には、期限や条件が設けられていることがほとんどです。
詳細は納骨堂やプランによって異なりますが、「年間管理費を納め続ける限り」や「33回忌まで使用できる」などの期限が設けられているところ多くあります。
期限後や承継が途絶えたあとは、合祀され、遺骨が他の方のものと混ざった状態で埋葬されます。
納骨堂を探す際は、合祀になる条件を必ず確認しましょう。

2.必ず現地へ見学に行く

ネットで納骨堂の紹介ページを見たり、資料請求をして納骨堂について調べることも大切です。
しかし、現地に行かなければわからないこともたくさんあります。
納骨堂までの道のりであったり、スタッフの人柄などは行かなければわかりません。
必ず見学し、自分の目で確かめましょう。

3.公営の納骨堂では抽選で使用者を決めることがある

公営の納骨堂は多くの場合抽選で使用者が決まります。
抽選は年に1回または数年に1度行われます。
詳細は自治体のホームページにて掲載されるため、定期的に確認する必要があります。

納骨堂と一般的なお墓は何が違う?

納骨堂と一般的な墓石のお墓のどちらにするかで悩まれている方も多くいます。
そこで、それぞれのお墓に向いている人の特徴をご紹介します。

納骨堂が向いている人の特徴

納骨堂が向いている人の特徴は以下の5つです。

  • お墓の承継に不安がある
  • 夫婦や家族のみで使用する
  • 最終的に合祀になることに抵抗がない
  • お墓の掃除や管理がつらい
  • 一年を通してお参りがしたい

お墓の承継に不安がある

お墓の承継に不安がある場合は、いずれ永代供養してもらえる納骨堂のほうが向いています。
一般的なお墓で承継者がいなくなってしまうと、だれにも供養や管理をしてもらえない無縁墓になってしまいます。
無縁墓は、お寺や霊園のお金で解体することになるため、墓地の管理者に負担をかけてしまいます。
お墓の承継が不安ならば、納骨堂か、その他の永代供養のお墓を検討することをおすすめします。

夫婦や家族のみで使用する

一般的なお墓は、夫婦や1家族のみでの使用には向きません。
納骨堂であれば、夫婦用や家族用のプランが用意されていることが多くあります。
夫婦や家族のみであれば、ロッカー式の納骨堂がおすすめです。

最終的に合祀になることに抵抗がない

納骨堂に限らず永代供養のお墓は、多くの場合で最終的に合祀になります。
そのため、いつか合祀になることに抵抗がない方に向いています。

お墓の掃除や管理がつらい

墓石のお墓は、一年中屋外にあるため、掃除をする必要があります。
また、雑草の除去などの管理も大変です。
お墓の掃除や管理を手間だと感じる方は、お掃除の必要がない納骨堂がおすすめです。

一年を通してお参りがしたい

地域にもよりますが、一般的なお墓はシーズンによってお参りに行けないことがあります。
そのうえ、天気の影響も大きく受けてしまいます。
納骨堂であれば、屋内なのでシーズンや天気の影響がなく、いつでもお参りに行くことができます。

一般的なお墓が向いている人の特徴

一般的なお墓が向いている人の特徴は以下の5つです。

  • お墓を代々受け継いでいきたい
  • 改葬する可能性がある
  • 個別に献花やお供え物をあげたい
  • 合祀に抵抗がある
  • 個性的なお墓を作りたい

お墓を代々受け継いでいきたい

お墓を代々受け継いでいきたい方には一般的なお墓が向いています。
承継して使用するだけならば、自動搬送式や仏壇式の納骨堂でもできます。
しかし、伝統を重んじ、それを後世へ残していきたい方には一般的なお墓がおすすめです。
納骨堂は、お参りの仕方が独特であることも多く、それに抵抗を感じる方も一般的なお墓のほうが合っているといえます。

改葬する可能性がある

納骨堂だと、合祀になったあとは遺骨を取り出すことができません。
そのため、引っ越しなどに伴いお墓を移す可能性がある方は、一般的なお墓のほうがよいでしょう。

個別に献花やお供え物をあげたい

納骨堂では、個別に献花やお供え物ができないところがあります。
また、屋内なので火気厳禁でお線香があげられないところもあります。
個別に献花やお供え物をしたい場合は、一般的なお墓の方がよいでしょう。

合祀に抵抗がある

合祀に抵抗を感じる方は一般的なお墓のほうが向いています。
納骨堂では、一定期間後または承継が途絶えたあとは合祀になります。
一般的なお墓でも納骨室に入りきらなくなった遺骨は合祀されることがありますが、合祀にしないでほしいと伝えておけばこの限りではないでしょう。

個性的なお墓を作りたい

個性的なお墓を持ちたい方は一般的なお墓が向いています。
最近では墓石に赤や青などいろんな色合いの石材が使われています。
その上、墓石のデザインも多様化し、個性的なお墓を作ることができます。
納骨堂では、どのタイプでも個性を出すことは難しくなります。

納骨堂を選んで後悔してしまうケース

納骨堂を選んで後悔してしまうケースにはどのようなものがあるのでしょうか。

納骨堂の使用期限や条件を理解していなかった

納骨堂の使用期限や条件について理解しないまま購入してしまうと、後悔してしまいます。

先ほど書いたように、合祀に抵抗がある方には、一般的なお墓が向いています。
永代供養のお墓の中には、永続的に区画に遺骨を納めることができ、合祀にならないものもあります。
ただし、数が少なく、期限があるものに比べて費用も高くなります。

必ず契約前に、納骨堂の使用期限や条件を確認しましょう。

お参りの参拝スペースが共同で混んでいる

納骨堂は、仏壇式を除いて、お参りするところが共同であることがほとんどです。
お盆やお彼岸などの混雑する時期には、順番待ちをしなければならなくなることも想定しておきましょう。

納骨堂を生前契約したことが親族に伝わっていなかった

納骨堂は、跡継ぎがいない人が利用することが多いこともあり、生前予約を受け付けているところがほとんどです。
しかし、せっかく生前に納骨堂を契約しても、遺族にそれが伝わっていなければ、納骨してもらえません。

生前契約をした場合は、エンディングノートに記載するか口頭で説明して、家族や親族にどこの納骨堂なのかが伝わるようにしましょう。

まとめ

納骨堂は、「立地の良さ」「お参りのしやすさ」「使用する人数に合ったプランなのか」をポイントにして選びましょう。
また、宗教・宗派の条件の有無や合祀になる条件を契約前に確認しましょう。
実際に現地へ行かないとわからないことも多いため、複数の納骨堂へ見学に行くことをおすすめします。

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