納骨にかかる費用は?相場・内訳・納骨の流れも解説!

納骨にかかる費用は?相場・内訳・納骨の流れも解説!

納骨をするには、数万円から20万円程度の費用が必要になります。
新しくお墓を建てる場合は、別途で130万円前後の費用がかかります。

納骨をするにあたって、

「納骨をするには何の費用がかかるの?」
「費用の相場はどれくらい?」

など、多くの疑問が生じるかもしれません。

この記事では、納骨にかかる費用の内訳や、僧侶に払う費用を解説します。
また、費用を抑える方法、納骨の費用は誰が払うのか、納骨に必要な持ち物も解説します。

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納骨とは

納骨とは、遺骨をお墓などに納めることをいいます。

遺骨を収める方法は、お墓の種類ごとに異なります。
カロートという墓石の下にあるスペースに骨壷のまま収めたり、さらし木綿などの布に包んで土中に納めるなど、決まった形式はありません。

また、一般的に納骨をする際は納骨式を行います。
納骨式とは、お墓に遺骨を納める際に行う儀式のことです。

納骨にかかる費用

納骨にかかる費用は、大きく分けると「石屋に払う費用」「僧侶に払う費用」「その他の費用」に分類されます。
ここでは、納骨にかかる費用を解説します。

石屋に払う費用

納骨をする際は、僧侶だけではなく石材店にも費用を払うケースがあります。
石材店に支払う費用は、主に以下の2つです。

1.納骨の作業料

1つ目は、納骨の作業料です。

お墓の下には、カロートという納骨スペースがあります。
納骨をする際は、カロートを開閉する必要があります。

カロートのふたはとても重く、倒れてたら怪我をする可能性があります。
加えて、ふたが倒れた影響でお墓を傷つけてしまうかもしれません。

納骨は、お墓の専門業者である石材店に依頼をしましょう。

納骨にかかる作業料は、おおよそ2万円程度です。

2.彫刻料

2つ目は、戒名などの彫刻料です。

墓石や墓誌に戒名などを彫刻をする場合は、石材店に彫刻を依頼します。
彫刻にかかる費用は、おおよそ4万円程度です。

僧侶へ払う費用

納骨式を行う際は、お布施など様々な費用を僧侶にお渡しします。
僧侶に払う費用は、主に以下の4つです。

1.お布施

1つ目は、納骨式の際に渡すお布施です。

納骨式の際は、謝礼としておおよそ3~5万程度のお布施を渡します。
ただし、納骨式をするときは、合わせて開眼供養を行うケースもあります。
開眼供養とは、お墓に故人の魂を宿す儀式です。
開眼供養もする際は、納骨式と合わせて5~10万円程度のお布施を渡します。

2.お車代

2つ目は、僧侶に出向いてもらった際に渡すお車代です。

お車代の相場は、5,000~10,000円程度です。
また、お車代はお布施とは別で包むので注意しましょう。

3.御膳料

3つ目は、僧侶が会食に参加しなかった際に渡す御膳料です。

御膳料の相場は5,000~20,000円程度です。
お車代と同じく、お布施とは別で包みます。

4.卒塔婆供養料

4つ目は、卒塔婆を建てる際に必要な卒塔婆供養料です。

卒塔婆とは、故人の供養のために使われる薄く長い木の板です。
浄土真宗を除く仏教の方は、お墓の周りに卒塔婆を建てることがあります。
卒塔婆供養料は地域やお寺によって異なりますが、おおよそ2,000~10,000円程度です。

その他の費用

僧侶や石材店に渡す費用以外には、主に以下の2つが必要です。

会食代

1つ目は、納骨式後、会食を行う際に必要な会食代です。

会食の費用は一人あたり3,000~10,000円程度です。
また、会場まで長距離移動する場合は、マイクロバスなどの手配をしておきましょう。

お供え物などの費用

2つ目は、お供え物などの費用です。

納骨式をする際は、お墓にお供え物をします。
納骨式時のお供え物は、普段のお墓参りより豪華なものを用意するのが一般的です。
お供え物や線香用ライターなどの費用も合わせて、5,000~10,000円程度用意しておくと良いでしょう。

納骨の流れ

納骨をするには、埋葬許可証の用意や出席者への連絡など、様々な準備が必要です。
納骨は、以下の流れで進めます。

納骨の流れ
1.納骨先を決める
2.納骨式の日程を決める
3.僧侶に納骨式の日程を伝える
4.石材店に戒名彫刻をお願いする
5.埋葬許可証を準備する
6.会食の準備をする
7.引き出物を準備する
8.出席者に連絡をする
9.納骨式を行う

ここでは、納骨をするまでの流れを解説します。

1.納骨先を決める

まずは、納骨先を決める必要があります。
家族のお墓がない方や、家族のお墓以外への納骨を検討している方は、新しく納骨先を探しましょう。

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2.納骨式の日程を決める

納骨先が決まった後は、納骨式を行う日程を決めます。
納骨する時期に決まりはありませんが、一般的には四十九日に行われます。

ただし、「四十九日までにお墓の準備が間に合わない方」「心の準備ができておらずタイミングを逃してしまった方」でも、焦る必要はありません。

もし四十九日を過ぎた場合は、百箇日一周忌三回忌など法要の際に行うケースもあります。

まずは、焦らず慎重に日程を決めることをおすすめします。

3.僧侶に納骨式の日程を伝える

納骨式の日程が決まったら、早めに僧侶を手配しましょう。
納骨式の際は、読経のために僧侶を呼ぶ必要があります。

もし連絡が遅れると、僧侶のスケジュールを押さえられない可能性があります。
僧侶のスケジュールを確実に押さえられるように、早めに連絡をすることをおすすめします。

4.石材店に戒名彫刻をお願いする

四十九日までに戒名彫刻を済ませたい方は、あらかじめ石材店にお願いしましょう。

戒名彫刻は時間がかかるため、納骨式の一ヶ月前までには連絡することをおすすめします。

また、墓石のお墓に納骨する場合は、納骨式当日にカロートを開ける必要があります。
彫刻をお願いする際は、カロートの開閉も合わせて石材店に依頼しておきましょう。

5.埋葬許可証を準備する

納骨をするためには、埋葬許可証が必要になります。

埋葬許可証とは、火葬証明書に火葬済みの印が押された書類のことです。

火葬後は、埋葬許可証を紛失しないように注意が必要です。
もし紛失してしまった際は、火葬場や役所で再発行の手続きをしましょう。

6.会食の準備をする

納骨式の後に食事をする場合は、会食施設の予約をしておきましょう。

確実に予約できるように、2週間以上前から会食施設を押さえておくことをおすすめします。

また、法要時の会食には、祝い事を連想させる料理は避けたほうが良いといわれています。
会食施設を予約する際は、法要で利用することを伝えましょう。

7.引き出物を準備する

法要と納骨式を一緒に行う際は、引き出物の準備をします。
引き出物とは、出席者にお礼として渡すお返しです。

引き出物を決めるときは、出席者が持ち運びやすい品を選びましょう。

8.出席者に連絡をする

納骨式の準備ができたら、出席者に日程場所を報告します。
参加人数が多いときは、参加者を正確に把握できるよう案内状を出しましょう。

9.納骨式を行う

納骨式当日は、以下の流れで納骨式を進めます。

9-1.施主による挨拶

参列者が揃ったら、施主は参列者に対してお礼を述べます。

9-2.僧侶が読経を行い納骨する

納骨をする前に、僧侶による読経を行います。
読経が終わったら、お墓の前に移動をして納骨をします。

9-3.再度読経をあげて焼香を行う

納骨後は僧侶によって再度読経が行われます。
2度目の読経が終わったら、焼香を行います。
また、焼香は僧侶が合図したタイミングで行います。

9-4.会食施設に移動し会食を行う

会食をする場合は、焼香後に会食施設へ移動します。
会食施設が遠い場合は、事前にバスを予約しておきましょう。

9-5.参列者に引き出物を渡して解散する

会食後は、事前に準備しておいた引き出物を参列者に渡しましょう。

以上で納骨式は終了です。

費用を安く抑えるには

納骨をするには、お墓を建てたり納骨式を開いたりなど様々な費用が必要になります。
ここでは、費用の種類を「お墓」「葬式・法事」「相続税」に分けて、出費を抑える方法を紹介します。

お墓の費用を抑える方法

お墓の費用を抑えるには、「永代供養墓に納骨する」「遺骨を散骨する」という方法があります。

永代供養墓に納骨する

合葬墓・合祀墓のイラスト
永代供養墓とは、遺族に代わって霊園やお寺が管理・供養をするお墓です。
多くの場合は新たに墓石を造らないので、一般的なお墓と比較すると費用が抑えめな傾向があります。
加えて、年間管理費が不要な永代供養墓もあるので、長期に渡る経済的負担を抑える事ができます。

また、永代供養墓の中には、共同の納骨室に遺骨を埋葬する「合祀墓」があります。
合祀墓は費用が安いという特徴があり、相場は5~30万円程度です。

ただし、合祀墓は一度納骨すると遺骨を個別に取り出せないというデメリットがあります。
遺骨を別の場所に移す予定がある方は注意しましょう。

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遺骨を散骨する

散骨のイラスト
散骨とは、山や海などに遺骨をまいて、自然に還す供養方法です。
散骨は費用が安く、粉骨もあわせて一人あたり3万円程度で行えます。また、散骨をする際は、自宅の庭などに散骨しないよう注意しましょう。
自治体によっては散骨を禁止していることもあります。

散骨をする際は、トラブルにならないよう専門業者に依頼することをおすすめします。

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葬式・法事の費用を抑える方法

葬式や法事の費用を抑えるには、「自宅やお寺で法要を行う」「葬式と納骨を同日に行う」という方法があります。

自宅やお寺で法要を行う

法要は、主にホテルやお寺などで行います。

法要を行う際は、会場を使用する費用が必要になるケースがあります。
充分なスペースがある方は、自宅で法要を行うことによって会場費を抑えることができます。
また、お寺で法要を行うならば、お坊さんに支払うお車代を抑える事ができます。

費用を抑えたい方は、自宅やお寺での法要を検討しましょう。

葬儀と納骨式を同日に行う

多くの場合、葬儀と納骨式は別の日に行います。
葬儀を行うときは、精進落しという会食を行います。
また、納骨式を行う際も、同じく会食を行います。

通常は別日に行われる葬儀と納骨式ですが、同日に行うことで会食を1回にまとめる事ができます。
会食を1回にまとめることで、会食費用を通常より抑えることができます。

ただし、葬儀と納骨式を同日に行う場合は、火葬場や墓地の都合を考慮する必要があります。
無理のないスケジュールで進められるように、火葬場や墓地には必ず相談しましょう。

相続税を抑える方法

遺産を相続する際は、相続税がかかります。
葬儀に関する費用を相続財産から払うことで、相続税を抑えるという方法があります。

相続税の税額は、控除の対象を差し引いた相続財産から算出されます。
控除の対象には、非課税財産と債務以外に、葬式費用が含まれています。
したがって、相続財産から葬式費用を支払うことで、相続税を抑えることができます。
また、葬式費用には火葬や納骨の費用も含まれています。

ただし、葬式に関する費用がすべて控除の対象に含まれる訳ではありません。
例えば、香典返し墓石の購入にかかる費用は控除の対象外です。
相続財産から葬式費用を支払う際は、控除の対象を確認しましょう。

国税庁のホームページに以下の記載があります。

13-5 次に掲げるような費用は、葬式費用として取り扱わないものとする。(昭和57直資2-177改正)

(1) 香典返戻費用

(2) 墓碑及び墓地の買入費並びに墓地の借入料

(3) 法会に要する費用

(4) 医学上又は裁判上の特別の処置に要した費用

参考:国税庁 第13条《債務控除》関係

納骨の費用は誰が払うのか

納骨費用は、特定の人物が支払うという決まりはありません。
では、納骨費用は誰が払えばいいのでしょうか。

喪主が払う

1つ目は、納骨式を進行する喪主が払うケースです。
一般的には、法要の費用も含めて納骨式を行った喪主が負担することが多くあります。

ただし、必ずしも喪主が全額負担するという決まりはありません。
誰が支払うか迷ったときは、親族で話し合いをして、全員が納得する形で費用を払いましょう。

故人の相続財産から支払う

2つ目は、故人の相続財産から支払うケースです。
相続財産で支払えば、納骨の費用は故人が負担することになります。

繰り返しになりますが、納骨にかかった費用は葬式費用として相続財産から控除することができます。

国税庁のHPには以下のように記されています。

葬式費用となるもの
遺産総額から差し引く葬式費用は、通常次のようなものです。

(1) 葬式や葬送に際し、またはこれらの前において、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用(仮葬式と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用が認められます。)

(2) 遺体や遺骨の回送にかかった費用

(3) 葬式の前後に生じた費用で通常葬式にかかせない費用(例えば、お通夜などにかかった費用がこれにあたります。)

(4) 葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用

(5) 死体の捜索または死体や遺骨の運搬にかかった費用

引用:No.4129 相続財産から控除できる葬式費用|国税庁

ただし、喪主が払うケースと同じく、費用の負担方法に決まりはありません。
親族が反対した場合、全員が納得するまで話し合いましょう。

納骨式に必要な持ち物を準備しよう

納骨式を行う際は、様々な持ち物を準備する必要があります。
必要な持ち物は、主に以下の通りです。

納骨時に必要なもの

  • お布施(お車代・御膳料・卒塔婆供養料含む)
  • 埋葬許可書
  • 墓地利用許可書
  • 遺骨
  • 数珠
  • お供え物
  • 遺影と位牌
  • 印鑑

お布施を準備する流れ

納骨式を行う際は、僧侶にお布施を渡す必要があります。
ここでは、お布施を準備する流れを解説します。

1.奉書紙か封筒にお布施を包む

まずは、奉書紙封筒にお布施を包みます。
お布施を奉書紙に包む際は、水引は必要ありません。
また、お布施を封筒に包む際は、無地の白い封筒を選びましょう。

2.表書きにお布施と書く

お布施を包み終わったら、表書きに「お布施」と書きましょう。
文字を書く際は、濃墨の筆ペンで書きます。

また、お車代を包むときは「お車代」、御膳料を包むときは「御膳料」と書きます。

3.お布施を袱紗に包む

封筒に文字を書いたら、お布施を袱紗(ふくさ)に包みます。
袱紗とは、お布施や香典にシワがつくのを防ぐための布です。

また、僧侶にお布施を渡す際は、袱紗の上に置いて差し出すのがマナーです。

まとめ

納骨をするには、おおよそ数万円から20万円程度の費用が必要になります。
納骨にかかる費用は、主に「石屋に払う費用」「僧侶に払う費用」「その他の費用」に分類されます。
費用を抑えたい方は、「お墓」「葬式・法事」「相続税」の出費を抑えましょう。

また、納骨をする際は、納骨式の流れを把握しておきましょう。
納骨式をする際は、必要な持ち物が多いので必ず確認しましょう。