納骨式の服装を解説!家族のみの時はどうする?季節に応じた服装は?

日本では、遺骨をお墓に納骨する際に納骨式などの宗教的な儀式をするのが一般的です。
納骨式では葬儀や法事と同様にフォーマルな服装が求められますが、そう何度も立ち会うものではないので、何を着ていけばいいかいまいち想像がつかないのではないでしょうか。
今回の記事では、納骨式の服装について解説します。
目次
納骨式の時の服装
納骨式に参列する際の服装について解説します。
まずは喪主に聞くのが確実
納骨式に参列する際の服装は、まずは主催者である喪主に確認するのが確実です。
納骨の際の服装には、次に述べるような一般的な慣習がありますが、地域やお寺によって違うことがあるためです。
自分が喪主になっている場合は、年配の親族や、読経してもらうお寺に聞いてみましょう。
神道やキリスト教、あるいはその他の形式で納骨する場合は、その時に招く宗教者に聞きます。
最終的なドレスコードは自分で決めて、参列者に共有すると親切です。
四十九日またはそれ以前の場合
四十九日法要またはそれ以前に納骨をする場合は、喪服の着用が一般的です。
なお、四十九日法要は仏教の儀式です。
神道であれば亡くなっ日から50日後の「五十日祭」、キリスト教のカトリックであれば30日後の「追悼ミサ」、プロテスタントであれば1か月目の「召天記念日」が、節目の儀式です。
四十九日以降の場合
四十九日以降に納骨する場合は、平服の着用が一般的です。
ただし、地域によっては、「一周忌までは喪服」「一周忌までは喪主の家族のみ喪服」ということもあります。
喪服・平服とはどんな服装?
喪服、あるいは平服と言われたら、どんな服を着れば良いのでしょうか。
喪服
喪服は、葬儀の時にも着ます。「礼服」あるいは「喪服」として売られているものを着ればほぼ間違いないでしょう。
喪服と言われたときの服装について解説します。
男性の喪服
男性の喪服は、ブラックスーツに黒のネクタイをします。
ビジネス用のスーツでは黒くても光沢や艶があり、これを転用することはできません。礼服用のブラックスーツを用意しましょう。
ワイシャツは白無地のものを着ます。ベルト、靴下、靴は黒で統一します。
靴は黒の革靴で、金具がついていないものを選びます。つま先に装飾の無い「プレーントゥ」または、真横に切り替えのある「ストレートチップ」が適しています。
女性の喪服
女性の喪服は、肌の露出が少ない黒のワンピース、アンサンブル、スーツなどのブラックフォーマルを着用します。パンツスタイルでも問題ありません。
靴は、革・合成皮革または布のパンプスを履きます。つま先が開いているものやとがっているものは、カジュアルなので喪服に適していません。
カバンは、光沢のない布製のものを選びます。
子どもの喪服
子どもの場合は喪服がないので、落ち着いた色合いで装飾が少ない服を着ます。
白いシャツに黒のボトムスなどを着ると無難です。
制服があれば、制服を着ます。
平服
「平服」の意味そのものは「普段着ている服」なのですが、納骨式で「平服」と言われたら、略式礼服を指すことの方が一般的です。
平服と言われたときの服装について解説します。
男性の平服
男性の平服は、黒・グレー・紺などの地味な色合いのスーツを着ます。
シャツは白無地にします。
ネクタイは黒が無難ですが、地味な色であれば黒でなくても着用できます。
女性の平服
女性の平服は、黒・グレー・紺などの地味な色合いのスーツまたは、ワンピースやセットアップを着ます。
その他のカバンや靴などの小物は、喪服の時と同様にします。
子どもの平服
喪服の時と同様に、地味な色合いで装飾の少ない服装にします。
必ずしも黒である必要はなく、グレーや紺などの服でも問題ありません。
制服がある場合は、制服を着ます。
家族のみの納骨式の服装は改まらなくてもいい?
参列する家族全員でドレスコードが統一できており、お付き合いのあるお寺も難色を示さなければ、普段着で納骨式に臨んでも構いません。
一方、「家族だけだから普段着でもいいかな」という自己判断で行くのは危険です。
自分の服装だけ周りから浮いてしまう他、「家族と言えども礼儀がない」という話になれば無用な揉め事を招きます。
季節に応じた納骨式の服装
夏の暑い時、または冬の寒い時にできる工夫を紹介します。
夏場の場合
女性は、袖が五分程度あれば上着を着用しなくてもマナー違反にはなりません。
男性は、マナー上は夏場でも上着を着用することになっていますが、下に着るシャツは半袖にしても問題ありません。
とはいえ、納骨式は近しい身内だけで行う場合が多いので、あまりマナーに囚われすぎず、臨機応変に対応しましょう。
体調に不安があれば、事前に喪主の方と相談しておくと当日安心です。
冬場の場合
冬場は、コートを着用しても大丈夫です。
黒や濃紺、ダークグレーなどの落ち着いた色合いの、フォーマルなコートを着ましょう。
派手な装飾や柄があったり、殺生を連想させる毛皮やレザーのコートはNGです。
加えて、外から見えない範囲であれば、下に着こむのは自由です。
ブーツは基本的にはNGとされていますが、天候や体調などによっては、喪主の方と相談して着用させてもらいましょう。
化粧・アクセサリーの注意点
納骨式に参列する際の、メイクやアクセサリーについて解説します。
化粧は控えめに仕上げる
納骨式は弔事なので、派手さのない落ち着いた化粧をします。
化粧はあくまでもオシャレではなく、正装の一部として意識しましょう。
チークや口紅、アイシャドウなどの色味のあるものは控えめに施し、肌の色に近いベージュ系などでまとめます。
ラメ入りのお化粧や、艶の出るグロスは相応しくありません。
アクセサリーは結婚指輪とパールのみOK
アクセサリーは原則しませんが、結婚指輪はしたままで構いません。
その他、洋装であれば一連のパールの首飾りは弔事の場でも認められています。
弔事にパールを身に付けるという慣習は、1965年、イギリスのエリザベス女王がチャーチル元首相の葬儀で着用したことに端を発していると言われ、現在日本でも定着しています。
納骨式の持ち物
納骨式の持ち物は、参列する側か、喪主かによって異なります。
参列者の持ち物
納骨式に参列する方は、以下のようなものを用意します。
- 香典
- ふくさ
- ハンカチ(白または黒)
- 数珠(仏式の場合)
- 弔事用のカバン(女性の場合)
男性は、喪服のポケットに必要なものをしまえることが多いので、基本的に弔事用カバンは不要です。
この他、納骨式の後に会食がある場合は、着替えが必要なこともあります。
会食時のドレスコードは、あらかじめ喪主に確認します。
喪主の持ち物
- 遺骨
- お布施など宗教者へのお礼
- 石材店へのお礼(納骨を依頼する場合)
- ハンカチ(白または黒)
- ふくさ
- 数珠(仏式の場合)
- 弔事用のカバン(女性の場合)
石材店への支払いは、前払いや後払いなどで、当日は不要の場合があります。
なお、遺骨を納骨する前に、お寺や管理事務所などで手続きを済ませておきましょう。
納骨の手続きには、火葬の際に骨箱に入れてもらう「埋葬許可証」や、墓地を契約した際に発行される「墓地使用許可証」が必要です。
まとめ
一般的に納骨式の服装は、四十九日までは喪服、それ以降は平服を着用します。
ただし、地域の慣習によって事情が異なるので、納骨式を主催する喪主にドレスコードを聞いておくのが一番確実です。
自分が喪主の場合は、年配の親族や、読経をお願いするお寺に相談してみましょう。
家族のみで納骨式を営む場合は、参列する家族全員で統一できており、お世話になっているお寺も了承していれば、普段着でも構いません。
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納骨式の服装に関するよくある質問
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納骨式には何を着ていけばいいのでしょうか?
四十九日(または一周忌)までは喪服、それ以降は平服(略式礼服)が一般的です。地域によって違うことがあるので、喪主の方に聞くのが確実です。
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家族のみで納骨式をする場合は、カジュアルな服装でも大丈夫でしょうか?
お世話になっているお寺の了承が取れており、参列する家族全員で統一できるなら、カジュアルな服装でも大丈夫です。
経歴
2018年より、お墓マガジンのコラムを執筆しています。適切な情報をお届けできるよう努めて参ります。