お墓参りに行けない時の対処法!お墓が遠方にある場合は?

仕事や家事で忙しい、お墓が遠い、病気の療養中などの理由で、お墓参りに行けないということはよくあります。
あるいはそもそもお墓参りをそれほど重視していないということもあるかもしれません。
お墓参りは、故人を供養する上でとても大切なことです。
逆にお墓参りをすることで、お墓参りをした当人の気持ちがさっぱりしたり、救われたりすることもあります。
しかしどうしてもお墓参りに行けないという場合は仕方ありません。
そのような場合にどうしたらよいのでしょうか。今回の記事では、お墓参りに行けないときの対処法をご紹介します。
目次
お墓参りに行かないと祟られる?
お墓参りに行けない時に、故人を供養できていないという心苦しさのほかに、重くのしかかるのが、お墓参りをしないことによって先祖の祟りがあるのではないか、という懸念でしょう。
果たしてお墓参りに行けない時に先祖は祟るのでしょうか。
先祖を供養しないと病気に?
自分の身や家族に良くないことが続いたり、自分の思った通りに物事が進まなかったり、原因不明の病気になったりした時に、お墓参りをしてないから先祖に祟られているのだ、ということを言われるケースもよくあります。
しかしらは全て迷信に過ぎません。
仮にお墓参りに行けないことが重なっても、先祖が祟るということは絶対にありません。
先祖は子孫のことを、どのような場合があっても見守ってくれていますから、忙しければ病気にならないように、病気に罹っても軽く済むように、というように配慮してくれています。
ですから祟りを心配する必要は全くありません。
しかしだからと言って、お墓参りをないがしろにしても良い、ということでもありません。
むしろそのように、自分がどのような状態の時であっても温かく見守ってくれる先祖の存在をしっかりと認識して、日々感謝の気持ちを持って暮らすことが大切です。
それが何より、実際にお墓に行ってお参りする以上に、先祖に対する供養になるのです。
お墓参りをしないほうがいい時はあるの?
では、時間が空いた時にいつでもお墓参りをしてよいかというと、少し微妙な問題があります。
吉凶を気にする方であれば、その日の運勢などによってはお墓参りを避けたいこともあります。
あるいはそもそも、外出をしないで家にいたほうが良いという日もあります。
具体的には、それはどのような時なのでしょうか。
夕方や雨の日は避けたほうが無難
正式な仏教の教義などで、時間帯や天気によるお墓参りを避けたほうが良いという条件はありません。
しかし仏教と並行して古くから日本で信じられ、生活の基盤に入り込んでいる陰陽道では、お墓参りを避けた方が良いタイミングがあります。
陰陽道を気にされる方は、下記を参考にしてください。
まず、暗い、湿っている、という環境は陰陽の「陰」になるので、あまり良い条件ではありません。
夕方以降や雨の日にお墓に行くと幽霊が出やすいという迷信もこの陰陽道が基本になっています。
幽霊が出るかどうかは別にしても、確かに陰陽道で「陰」だとされている時間帯は、あまり良い気が満ちていませんから、本来であれば外出自体避けたほうが無難です。
ましてや、冥界のつながりのあるお墓は場所や環境によっては悪い気が満ちていて、それが自分に悪影響を与える可能性があるので、夕方以降や雨の日はお墓参りを避けたほうが無難でしょう。
お盆は家に居たほうがいい?
お墓参りをするべきタイミングとして思い浮かぶのにお盆があります。
しかしお盆のうちの13日は、本来家族の住んでいるの家に祖先の霊が帰ってくる日です。
ですから13日には家で先祖の霊を迎い入れ、14、15日は、帰ってきた故人や先祖と家でともに過ごす、というのが望ましいことです。
したがって、本来はお盆の期間はお墓参りを含めて、外出を控え、その代わりに自宅で仏壇に手を合わせましょう。
六曜は関係ない
日本には中国から伝来して日本流にアレンジされた、大安や友引といった六曜という暦の考え方があります。
よく仏滅や友引の日は葬式を控えるべきとか、結婚式などのおめでたい行事は大安に行うべき、などと言いますが、これは実際には根拠は希薄です。
なぜなら、六曜暦を見ると大安の日が続いたりして意味がありそうな気がしますが、これは単に太陰暦で作られた六曜が太陽暦になることによって、順番がずれたからに過ぎません。
もともとの太陰暦では、大安や友引が規則正しく順番に訪れることになっていため、太陰暦で暮らしていた江戸時代には、誰も六曜を信じていませんでした。
それがもっともらしくランダムな順番になったために、そこに意味があるような印象を与えることになっただけです。
ですからお墓参りには六曜は関係ありません。天気が良くて自分の都合の良い日が仏滅であっても、気にせずにお墓参りをして大丈夫です。
本当はお墓参りはいつ行くもの?
ではお墓参りは本来いつ行くべきなのでしょうか。
お彼岸
お彼岸は春秋2回あります。春のお彼岸はその中日が「春分の日」として、秋のお彼岸は同じく中日が「秋分の日」として休日になっています。
春分は「自然に感謝し、あらゆる生物をいつくしむ日」であり、秋分は、「祖先をと尊び、故人を偲ぶ日」です。
ですからこの春秋の2回のお彼岸には、お墓参りをして、先祖に感謝の念を伝えることが大切です。
命日
「命日」とは故人が亡くなった月日のことで、別名「祥月命日(しょうつきめいにち)」と言います。
一方で毎月やってくる、故人が亡くなった日を「月命日」と言います。
したがって命日は年に1回ですが、月命日は命日のある月を除いた11回訪れます。
この時には、故人を偲ぶ気持ちを伝えるために、お墓参りをするとよいでしょう。
行きたくなったら行くのが大切
以上のようにお墓参りには適した日がありますが、しかしこの日にこだわる必要はありません。
自分が先祖に感謝したいとき、故人と向き合いと思ったときこそが、お墓参りをするにふさわしい日です。
ですから行きたくなったお墓参りをするというのがベストなタイミングです。
お墓参りになかなか行けないときの対処法
逆にお墓参りをするべきタイミングでも、その時間がなかなかとれない、という時にはどうしたらよいのでしょうか。
近くの親戚に頼む
その際には、お墓参りに行ける親せきに自分の分もお参りしてくれるように頼むことも1つの方法です。
何を先祖に伝えたいのかを親せきに伝言し、自分の代わりに先祖に語りかけてもらいましょう。
墓参り代行を依頼する
そのような親せきがいない場合は、墓参り代行サービスに依頼する方法もあります。
墓参り代行とは?
墓参り代行サービスとはまさに、依頼人の代わりにお墓参りを代行してくれるサービスです。
依頼できる内容は、墓石の洗浄、お墓の周囲の清掃、仏花、水、線香のお供えなどです。
赤の他人にお墓参りを、それもお金を払って代行してもらうこと自体、不謹慎だと思う人もいるかもしれません。
もちろんお墓参り代行はベストな方法ではありませんが、お墓が遠方にあるためなかなかお墓参りができなかったり、体調を壊していたり、どうしても優先しなければならない仕事や家事があったり、という事態は誰の身にも起こることです。
そのような時に、お墓参りそのものをあきらめてしまうよりは、赤の他人でも代行してもらったほうが、先祖はこちらの気持ちを理解して喜んでくれるでしょう。
墓参り代行の費用は?
お墓参り代行サービスの費用はどの程度かというと、業者や委託内容によって大きく変わってきます。
たとえばお墓の清掃1つをとっても、清掃をメインに行っている業者の場合は、掃除は丁寧にしてくれますが、機械や薬剤を使うことも多いので、その分価格が高くなる傾向があります。
あるいは専門のスタッフが代行する場合と、アルバイトに任せる場合でも費用は変わってきます。
単発の依頼ではなく、1年を通してお彼岸と命日などの決まった日をセットで注文すると、その分安くするプランを持っている業者もあります。
ですから自分の都合とニーズによって、業者を選択することが重要です。
また代行の内容によって、料金の相場は以下のようになっています。
まずお墓参りだけの場合は料金は1万~2万円です。
お墓参りせずに、お墓の現在の状況を写真撮影するというサービスもあります。
お墓のあるエリアが台風や地震などの自然災害に見舞われた場合、遠方にあるとすぐには状況確認できません。
その場合に依頼するサービスです。この費用は3000円~5000円程度です。
お墓参りだけではなく、お墓の清掃、機械を使った墓石の洗浄、お墓の周囲の除草などの費用は2万~3万円です。
ただしこのサービスは墓参り代行専門の業者でなければ対応できません。
いわゆる便利屋などでは無理な内容です。
若干料金は高くなりますが、専用の機械を使って行うので、見違えるほどきれいになります。
さらに清掃だけではなく、角が欠けている墓石などの破損修理をしてくれるサービスもあります。
しかしこの作業は専門家にしかできませんから、お墓参り代行サービスを行っている石材店などに依頼しましょう。
この相場は2万~5万円です。
改葬する
改葬とは、お墓の引っ越しのことを言います。
お墓が遠方にあるためどうしてもお墓参りができない、あるいは先祖のお墓が複数あって決まった日にすべてのお墓を回ることが大変という場合は、改葬をするというのも1つの方法です。
具体的には遠方にあるお墓を自宅の近隣の墓地に移したり、あるいは複数のお墓に埋葬されている遺骨を1つのお墓に埋葬し直す、ということです。
改葬は費用も手間もかかりますが、問題を根本から解決できる方法として検討に値するでしょう。
まとめ
お墓参りにはできるだけ言ったほうが良い、というのが前提ですが、どうしてもいけない場合もあり得ます。
そのような場合は、以上で挙げた対処法によって、先祖に自分の偲ぶ気持ちを伝えましょう。