お墓参り・仏壇の作法としきたりの差!供花にバラはNG?

お墓参り・仏壇の作法としきたりの差!供花にバラはNG?

ほとんどの方はお墓参りや仏壇に手を合わせたことあるのではないでしょうか。

実は、何気なくやっていたお墓参りや仏壇参りには知らない作法やしきたりがたくさんあります。
お参りに大事なのは心と言えど、やっぱり仏様やご先祖様には無礼のないようにしたいものです。

今回は、日本人なら知っていて損はない、お墓参りや仏壇に関する作法・しきたりを紹介していきます。

お墓と仏壇って何が違うの?

そもそも、同じお参りをするならお墓とお仏壇どっちかだけでいいのでは?と思う方もいます。

お墓とお仏壇。この差って何なんでしょうか?

実はお墓と仏壇では持っている役割が違うのです。
お墓とお仏壇の前での作法を見ていく前に、それぞれの違いを見ていきましょう。

まず、お墓は先祖代々の遺骨を納め、祀るものです。
故人の遺骨を納骨するとき、お墓では魂入れという法要をします。
これは、ただの石に仏様やご先祖様の魂を招き入れるための儀式です。
お墓は故人や先祖代々にお参りする場所となります。

では、仏壇はどういったものなのでしょうか。

仏壇は、ご本尊とご先祖を祀るものです。
ご本尊とは、宗教の信仰対象を模したや仏像や絵のことを指します。
各家庭に設置されている縮小版のお寺のようなものなが仏壇です。
なので、仏壇は「故人がご本尊のもとに赴いたので、どうぞよろしくお願いします」とご本尊に伝える場所となります。
また、浄土真宗以外の宗派では、仏壇に位牌も祀ります。
位牌には、故人の霊がこの世に降りてくるための窓口のような役割があります。
お仏壇の前で手を合わせると、故人の霊が位牌を依り代にこの世に降りてくるという仕組みです。

つまり、お墓では故人や先祖にお参りし、仏壇では本尊と先祖の双方にお参りすることになります。

お墓・仏壇で共通する作法

供えてはいけないお花

仏壇やお墓にお花を供えるのは、仏教の考え方が花の姿に重なるということにあるといわれます。
花が自然の厳しさを耐え忍び咲き誇るように、厳しい修行を耐えて精進することを誓うために、仏花を備えます。

絶対に供えてはいけないという花は決められていませんが、
以下の特性を持つものは避けられる傾向にあります。

・毒のある花:水仙、彼岸花など
・棘のある花:バラ、アザミなど
・匂いが強い花:ユリなど

これらのお花は仏花として避けたほうが無難です。
また、「ツバキ」も首がぽとりと落ちるように花を落とすので、避けられる傾向にあります。
なお、仏花には菊や好まれる傾向にあります。
菊には邪気を払う効果があるとされていることや、切り花にしても長持ちすることなどが理由のようです。
カーネーションやチューリップ、ストックなどでもいいでしょう。

お供え物は何がいい?

では、お花の他にお供えするものは何がいいでしょうか。

やはり基本的には故人が生前に好んでいたものを備えるのがいいとされていますが、
肉や魚などの「殺生」を連想させるものは好まれません。

仏教では香・花・灯燭・浄水・飲食(おんじき)を合わせた「五供」が基本のお供え物になります。

・香:一般的には線香を用います。香りによって場の空気を清めます。

・花:前述のとおり、仏花をお供えします。

・灯燭:ロウソクです。慈悲を象徴します。

・浄水:水やお茶などを供え、心を清浄にする意味があります。水道水でかまいません。

・飲食:ご飯を供えます。私たちが普段食べているものと同じものを供えることで、ご先祖様や仏様と繋がることができます。

食べ物や飲み物をお供えしたものは、お下がりとしていただきます。
お供えしたものを私たちもいただくことで、仏様やご先祖様との繋がりを感じることができます。

お線香の上げ方

お墓参りや仏壇の前ではほとんどの方が必ず線香をあげると思います。
仏様の失礼に当たらないよう、線香に関する作法を確認しましょう。

1.ロウソクの火をもらって点火します。
2.火必ず手で仰いで火を消します。口で息を吹いて消すのはタブーです。
3.火を消したら香炉に立てていきますが、宗派によって次のように方法が違います。

・浄土宗:1~3本を香炉の真ん中に立てる

・浄土真宗:1本の線香を2つ3つに折り、寝かせる

・天台宗/真言宗:3本を逆三角形型に立てる

・日蓮宗/禅宗:1本を香炉の真ん中に立てる

故人の宗派に注意して、正しくお線香をあげましょう。

念仏などを唱えるときの注意点

お参りの時に口にする言葉と言えば、おそらく「南無阿弥陀仏」が一番定着しているのではないでしょうか。
しかし、実は宗派によって唱える言葉は変わってくるのです。

・浄土宗/浄土真宗/天台宗:「南無阿弥陀仏」(なむあみだぶつ)

・禅宗:「南無釈迦牟尼仏」(なむしゃかむにぶつ)

・真言宗:「南無大師遍照金剛」(なむだいしへんじょうこんごう)

・日蓮宗:「南無妙法蓮華教」(なむみょうほうれんげきょう)

事前に知っておかないと難しい部分もありますが、できれば故人の宗派に合わせて唱えましょう。

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お墓参りの作法

お墓参りは、故人やご先祖様を供養する行為です。
同時に、命が連綿と受け継がれてきて今の自分が存在できていることに感謝するものでもあります。

一番大切なのは気持ちですから、厳格に守らなければならない作法はありません。
ですが、作法や意味を知ることで、よりお参りも意義深いものになるかもしれません。

周りに迷惑をかけないように最低限のマナーも押さえておきましょう。

お参りに行く時期・タイミング

昔は集落の隣など身近にお墓があったため、毎日お参りするのが一般的だったようです。
また、ご先祖様のことは他の用事よりも優先されるため、朝や午前中に行われることが多かったようです。

今日では多くの場合、命日・祥月命日や年忌法要、お盆・お彼岸にお参りします。

しかし特定の時期や時間帯にお参りしなければならない、またはしてはいけないという決まりはありませんので、
思い立った時や、重要なライフイベントがあったときに報告しにお参りに行ってもいいでしょう。

お墓の掃除をする

手を清めてから、丁寧に掃き掃除をして、雑草や枯草も刈り取るなどして整理します。
お墓を清めるため、ひしゃくで水をすくって、お墓にかけていきます。
この後、こけや汚れを雑巾やこけを丁寧に取り除いていきます。

お供えする

掃除をしたらお供え物をします。

お供え物は、半紙を半分に折ったものに載せます。
この時、お供え物はそのまま食べられる状態にするのが望ましいとされます。
例えば、お団子がパックに入っている場合は、パックを開けた状態でお供えします。

また、お墓にお酒をかけるのは絶対にやめましょう。
墓石が変色したりカビたりする原因になります。
水以外のものをかけてはいけません。

3-4.お参りの仕方

故人と縁故が深かったものから順番にお参りします。

じつは、立ってお参りをするのは正しくありません。
立ったまま拝むとお墓を見下ろす形になってしまうため、しゃがんだ状態で拝みます。
霊園や墓地の広さの都合でしゃがめない場合は、一歩下がって拝むことで謙虚の気持ちを表します。

合掌の仕方も宗派によって違います。

お供え物などを持って帰る

持参したお供え物は全て持って帰ります。

特に飲食物は放置すると腐ったり動物に荒らされることがあります。
その場で食べるか、すべて持ち帰っていただきましょう。

供花も、花びらが散って風で飛ばされたりすると、周辺のお墓に迷惑をかけてしまいますので、そのままにしないようにします。

仏壇参りの作法

仏壇がご家庭にあるという方でも、細かい作法を確認したことはない方が多いのではないでしょうか?
ここで作法をチェックして、普段のお参りやよそのお仏壇参りの際、活かしてみてはいかがでしょうか。

お参りの順序・タイミング

宗派によって異なる場合もありますが、お参りの順番はおおむね以下のようになっています。
1.仏壇の前に正座し、ご本尊に一礼
2.お供え物をします。
3.ロウソク、線香に火を灯し、合掌して念仏などを唱える
4.一礼して下がる。

お参りは、朝と夜の2回お参りします。
朝はまず扉を開け、掃除をしてからお供えをします。
朝食後にお供えを下げ、ロウソクのひを消します。
この時、息を吹きかけたり手で仰ぐのではなく、仏扇やロウソク消しなどの道具を使うようにしましょう。
扉が二重の場合、内側だけ扉を閉めます。

夜は一日の感謝を込めてお参りをし、扉を閉めます。
家事にならないよう、ロウソクや線香の火は確実に消すようにしましょう。

「チーン」は本当は鳴らさない?

お仏壇やお寺にある、「チーン」と鳴らすカネのことを「お鈴」などと呼びます。

皆さん、お参りするときにお鈴を打っていませんか?

実は、このお鈴はお参りの時は鳴らしません。
お鈴はお経をいただく合図や、お経の区切りの合図に鳴らすものです。
仏様を呼び寄せるようなものではなく、仏前で合掌するだけの時は鳴らしません。

遺影は仏壇にはおかない

仏壇には故人の浄土での姿である「位牌」を設置しています。
生前の姿を偲ぶための写真は、仏壇ではなく仏間の長押などに飾るのが適当です。

テレビのドラマなどでは位牌が飾られている仏壇も見ることもありますが、これは演出の都合と思われます。

また、ご本尊が隠れてしまう位置に遺影を飾るなどということは、尚更してはいけません。

数珠は床に置いてはいけない

数珠は大切に取り扱われるもののため、歩くような場所に直接置いてはいけません。
テーブルの上か、床であれば数珠入れを敷き、その上に置きましょう。

数珠を持ったままトイレに行ったりもしてはいけません。

訪問してお参りする場合の注意点

友人などのお参りをする際、故人の実家にお伺いして仏前に座ることもあるかもしれません。
よそのおうちですから、より一層マナーに気を付けましょう。

・服装
「平服」でとお越しくださいと言われた場合、どんな服装で行きますか?
「平服」略礼服のことで、礼服ほどではないけれどもある程度フォーマルな格好をしなければなりません。
普段着のことではないので、注意しましょう。

・御霊前や御仏前の向き
御霊前や御仏前は、ご本尊から見て正面ではなく、私たちから見て正面に置きます。
これはお供え物は全て仏様からのご慈悲と捉えられるためです。

・宗派と関係ないものは仏壇の中に入れない。
旅行先からお土産で買ってきたミニチュアの仏像やお守りなど。
仏壇はご本尊を祀るものです。
故人を偲ぶために買ってきたとしても、宗教の関係ないモノは仏壇に入れてはいけません。

まとめ

お墓は先祖や故人を祀るところ、仏壇はご本尊を祀るところです。
この差を知ることで、お参りの時の心持も変わってくるのではないでしょうか。

お参りで一番大切なものは、お参りする人の気持ちです。
ですが、作法やしきたりを知ることで、より真摯な気持ちで仏様やご先祖様に向き合えるかもしれません。
一度、実践されてみてはいかがでしょうか?