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墓じまいにまつわるトラブル対策!弁護士の見解も紹介

コラム墓じまいトラブルの画像1

「墓じまいをしたいが、親戚やお寺とのもめ事が不安・・・」

先祖代々のお墓が無縁墓にならないように始めた墓じまい。
しかし親族やお寺の反対にあってうまく進まず、最悪の場合は墓じまいを断念せざる得なくなるケースもあります。

墓じまいを穏便に進めるためには、丁寧な話し合いや調査が必要になってきます。
方々でトラブルになり「こんなはずじゃなかった!」と後悔する前に、事前の対策には何が必要なのでしょうか。

今回のテーマは、墓じまいで起こりがちなトラブルと対策です。
「あさがお法律事務所」代表弁護士、岡田晃朝弁護士のご意見も交えながら、紹介していきます。

 

岡田弁護士●取材協力

岡田 晃朝 弁護士
あさがお法律事務所代表弁護士。
民事・家事事件に注力し、相続関係事案と会社関係事案、借金問題を中心に取り扱っている。
代表を務める事務所では、依頼者の一人一人に首尾一貫して自らが案件に対応する。

あさがお法律事務所:http://asagao-law.com/

 

目次
1.親族とのトラブル
1-1.先祖に対する考えや費用面から反対される
1-2.【対策】事前に話し合う
1-3.決定権は誰にある?
2.お寺とのトラブル
2-1.法外なお布施を要求される
2-2.【対策】前もって墓じまいの意思を伝えておく
2-3.離檀料の支払い義務
3.石材店とのトラブル
3-1.高額な解体費用を請求される
3-2.墓石の処分が悪質
3-3.【対策】相場や石材店について調査する
4.墓じまいの前に考えておきたいこと
5.まとめ

1.親族とのトラブル

墓じまいで1つハードルとなってくるのは、親族の反対です。

先祖代々のお墓というものは親族全体に関わるので、個人の意思だけで墓じまいを進めればトラブルになるのは至極当然のことと言えます。
ましてや、反対されるのを嫌って何の相談もなしに墓じまいをしようものなら、「お参りに来たらお墓がなくなっていた!どういうことだ!」ともめ事になることは必至でしょう。

墓じまいというと必ず反対する人は現れるものですが、親族であれば何かと今後も付き合いはいるもの。
墓じまいがきっかけで仲が険悪になってしまうということがないよう、親族には事前にきちんと相談しておきましょう。

1-1.先祖に対する考えや費用面から反対される

墓じまいはなぜ反対されるのでしょうか。
主だった理由には以下のようなものがあります。

・先祖代々大切にしてきたお墓をなくしてしまうのはさみしい。
・お参りできる場所がなくなってしまうと、どのように故人を偲べばいいか分からない。
・長男やその嫁なら墓の面倒を見続けるのが当然。
・今までお世話になってきたお寺に失礼ではないか。
・解体料金や離檀料などの費用が不安。
・先祖に失礼。祟りがある。

・・・などなど、様々な意見があります。
まずは意固地に意見を主張するのではなく、反対意見にも耳を傾けましょう。
相手方の意見にも一度同調すると、こちらの意見も聞き入れてもらいやすくなるでしょう。

1-2.【対策】事前に話し合う

話し合いの最終目標は、反対する親戚に合意してもらうことになります。
反対する人に意見を変えてもらわなければならないので、丁寧に、根気よく説得を続けましょう。

特に、やむなく墓じまいをせざるを得ない理由を誠意をもって伝えます。

さらに、反対される理由によっては下記のようなことを言ってもいいでしょう。

・無縁墓になってしまってお墓を哀れな姿にしてしまう方がご先祖様に失礼
・お寺はこちらから話して納得してもらう
・祟りは悪行に対して起こるものであり、きちんと誠意をもって供養すれば大丈夫

お金については「こちら側がすべて負担する」と言えればいいのですが、そうもいかない場合はまた話し合いが必要になります。

どうしても反対される場合は、墓じまいの代替案を求めましょう。
もしかしたらお墓の継承者を名乗り出てくれる人が現れるかもしれません。

1-3.決定権は誰にある?

親族と話し合うといっても、最終的に墓じまいは誰が決めることなのでしょうか。

岡田弁護士のご意見を伺いました。

墓じまいの決定については、祭祀承継者が権利者となります。
以下の通り、遺産の移転とは別に、お墓や仏具などを受け継ぐ人を決めることになります。

民法第897条
1.系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。
ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2. 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める

民法第897条第1項は、「墳墓」の承継は、前条の規定(財産の相続について定められた896条)ではなく、慣習で決まるとしております。
ただ、亡くなった方が、特定の人に引き継がせると指示していれば、その指示に従うことになるのが、「ただし」以下の規定です。

民法第897条第2項は、慣習が明らかでない時は、墳墓等の承継を家庭裁判所が決めることを定めています。

つまり、墓じまいの決定権は祭祀承継者になりますが、それは多くの場合慣習で決まるようです。
ただし、亡くなった祭祀承継者が後任を指定していることもあります。

祭祀承継者が誰なのかで状況は変わってきます。
権利者が自分でない場合、承諾がなければトラブル以前にそもそも墓じまいができません。

祭祀承継者が誰なのかは念頭に置いて話を進めましょう。

2.お寺とのトラブル

墓じまいをするには、現在の墓地管理者から「埋葬証明書」を発行してもらわなければなりません。
この書類は役所に届出(改葬許可申請書)を出す際に必要になります。

したがって、墓じまいをするには墓地管理者の承諾が必要になります。

民営の霊園ではスムーズに手続きされることがほとんどですが、
寺院墓地の場合は、「離檀」についてトラブルになることがあります。

お寺には檀家という制度があります。
檀家とは墓地の世話や法要をしてもらう代わりに、お布施などで経済的に寺院を支える家のことを言います。
この檀家をやめることが「離檀」です。

ここでは離檀の際のトラブルについて解説します。

2-1.法外なお布施を要求される

慣例として、離檀する際はこれまでお世話になったお礼としてお布施を包みます。
このお布施が、いわゆる「離檀料」と呼ばれるものです。

法外な金額の離檀料を要求され、トラブルに発展するケースがあります。
中には数百万円の離檀料を提示され、払えなければ離檀は認めないという事例すらあるようです。

2-2.【対策】前もって墓じまいの意思を伝えておく

離檀料のトラブルに巻き込まれないためにはどうすればいいのでしょうか?

お寺からすると、檀家の減少は切実な問題です。
最初から「墓じまいします」と言われると、態度が硬化してしまう場合があります。

まずはお寺には相談という形で話をしましょう。
その際、お詫び、感謝、墓じまいの理由を誠意をもって伝えます。

下記のような内容が考えられます
・お詫び・・・日頃お参りに行けず、お墓の手入れがおろそかになっていることを謝る。

・感謝・・・これまで長い間お墓のお世話をしてもらった感謝を伝える。

・墓じまいの理由・・・立地や後継ぎの問題から十分な供養が難しく、状況を改善したいということを伝える。

多くの場合、しっかりと丁寧に説明すればトラブルは防ぐことができます。
お寺にはできるだけ前もって墓じまいの意思を伝えておきましょう。

2-3.離檀料の支払い義務

もし高額な離檀料を請求されてしまった場合、支払う必要はあるのでしょうか。

法律の観点ではどう扱われるのか、岡田弁護士にご意見を伺いました。

離檀料の法律上の根拠はあいまいなものです。
法外な金額の主張がされた場合、まずは交渉での解決を図るべきですが、交渉が出来ない場合は、裁判所での調停や訴訟も検討することでしょう。
裁判で金銭を請求する以上は、請求の権利があることや金額の根拠を請求者が示さなければなりませんが、これは実際には相当に難しいのではないかと思われます。

法律の観点からすると、離檀料の支払い義務を証明するのはかなり難しいようです。
ですから、もし仮に離檀料の支払いで訴訟になったとしても、慌てることはありません。

もし法外な離檀料を請求されたとしても安易に支払う必要はありません。
お布施とはお気持ち代であるということを念頭に、できるだけ穏便に話を進めましょう。

どうしてもうまくいかない場合は、役所に相談することで改葬許可の手続きを進めてくれる場合もあります。
それでもうまくいかない場合は、弁護士などに相談してみましょう。

3.石材店とのトラブル

ほとんどの場合、現在使っているお墓の土地は管理者から借入している契約になっています。
したがって、墓じまいをしたら土地は元の状態に戻して返却します。
つまり、更地にして返却するということです。

お墓の解体・撤去と土地を更地に戻す工事は石材店が請け負います。
ここでは、墓じまいで必ず関わり合いになる業者とのトラブルを紹介します。

3-1.高額な解体費用を請求される

工事費用がどれくらいかかるか正直分からない・・・
そんなことを思っていたら予想以上の金額になってしまった!という意見が散見されます。
中にはお墓を建てるのに100万円かかったが、解体にも100万円かかったという事例もありました。

公営墓地でなければ、各墓地に出入りできる石材店は決められています(指定石材店制度)。
特に出入りできる指定石材店が1社しかいない場合は注意しましょう。

事前に見積もりをとっておき、高額だと感じたらすぐに承諾せずに調査しましょう。

3-2.墓石の処分が悪質

墓じまいで処分された墓石はその後どうなるのでしょうか。

通常は破砕処理されることが多いようです。
破砕された墓石は下層路盤材や砕石としたリサイクルされます。

しかし、大量の墓石を破砕するには手間とお金がかかります。
こういった理由で、悪質な業者が墓石を不法投棄するという問題が各地で起こっています。
悪質な処分をされないためにも墓石の処分の方法まで確認しましょう。

3-3.【対策】相場や石材店について調査する

悪質な業者を使わないには、どうすればいいのでしょうか。

まずは、墓石工事費用の相場をつかんでおきましょう。
条件などにもよりますが、1㎡につき10万円が相場と言われています。
金額に疑問を感じたら、すぐに承諾せずに調査しましょう。

高額な費用を提示された時の対応を岡田弁護士に伺いました。

その工事の請負についての見積もりをとり適切な業者に依頼すれば、良いかと思います。

やはり、各社の見積もりを取って適切な業者を見極めることが肝要のようです。
また、石材店と付き合いがある墓地の管理者に聞いて、石材店の情報をつかんでおくこともできます。

4.墓じまいの前に考えておきたいこと

墓じまいをした後、遺骨は合祀や散骨にしてしまうことが多いようです。
一度合祀や散骨にしてしまうと、その後二度とお骨を取り戻すことはできません。

合祀墓ならその前で手を合わせて供養することもできますが、散骨にすると手を合わせる場所すらなくなってしまします。

実際、お墓をなくしてしまって侘しいと感じる方は少なくありません。
お墓参りは故人のためだけでなく、残された私たちの心を慰める意味もあります。

お墓をなくす前に、供養の形に悔いは残らないか、よく考えておきましょう。

5.まとめ

墓じまいには親族、お寺、石材店と、色々な立場の人々が関わってきます。
自分だけの意思で物事を進めていくのではなく、関係者と丁寧に話し合い、合意を取り付けていきましょう。

また、お金のトラブルに関しては相場を調べておくことも肝要です。
高額な費用を提示されてもすぐには応じず、弁護士などのプロに相談してみましょう。

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