お墓の親戚トラブルには何がある?墓じまい・承継・永代供養

お墓の親戚トラブルには何がある?墓じまい・承継・永代供養

お墓の維持管理や、あるいは誰かが亡くなってお墓に埋葬する時によくトラブルが起こります。

その場合のトラブルは寺院などの霊園管理者との間で起こるよりは、親戚間で起こることの方が圧倒的に多いのです。
では親戚間で起こるお墓に関するトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか。
そしてトラブルが起こった時にはどう対処したらよいのでしょうか。
そもそも未然にトラブルを防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか。

今回の記事では、親戚との間でのお墓トラブルの「あるある」と対策を解説します。

どうする?お墓に関する親戚間のトラブル

お墓に関するトラブルで注意しなければならないのが、墓地や寺、石材店などとのトラブルの他、親戚トラブルがあります。

現代の日本では、お墓は本家が代々引き継いで使っていきます。
お墓は埋葬される人のものかと言えばそうではなく、埋葬されている人の親戚にも関係があることです。

そのため、お墓に関して自分の家族だけで決めてしまうと、思ってもみなかった親戚からクレームをつけられることがあります。
特に本家のお墓に関することを決める場合は、一族全体に関わってくるため、注意が必要です。

トラブルは、墓じまいに関してや新しいお墓の場所、供養形態など多岐にわたります。

ではどのような場合に親戚との間でトラブルが起こるのでしょうか。

墓じまいに関する親戚トラブル

親戚とお墓でもめる内容として多いのは、墓じまいに関してです。
墓じまいのトラブルでは、寺院と並んで多いものが親戚トラブルでしょう。

親戚ともめてしまう場合の原因は、多くの場合事前の話し合いや相談が不足していたために起こります。

トラブルにならないためにも、以下のようなトラブルにならないよう、注意して墓じまいを進めましょう。

墓じまい後にクレームをつけられる

墓じまいに関する親戚トラブルで多いものは、墓じまいをした後に親戚からクレームをつけられるというケースです。
その原因は、お墓の所有者が親戚に相談せずに、お墓を撤去してしまったということがほとんどです。
特に本家の墓を撤去する場合は、関係する親戚が多くなるので注意が必要です。

クレームの内容としては、「本家の墓をどこにやった」「長男なのにお墓の世話もしないで」などが挙げられます。

そこに納骨される予定のない親戚でも、普段からお参りに来ていることもあります。
また、お墓のお世話を普段全くしていないにもかかわらず、いざ撤去となると途端にクレームをつけてくる親戚もいます。

後でクレームをつけられるなら、多少手間でも先に相談して、了承を得てから墓じまいをしましょう。

費用負担の揉め事

墓じまいの了承を得ている場合でも、実施した後の費用負担で揉めるケースです。

墓石の解体・撤去費用は、1㎡あたり10万円と言われています。
この他、取り出した遺骨を新たな場所に移さなければなりません。
新たにお墓を建てる場合は150-300万円程度、永代供養墓にしても、30-100万円程度かかります。
この他、寺院にあるお墓を撤去する場合は、檀家をやめる際に払う「離檀料」というお布施が必要になります。
地域や寺格、付き合いの長さにもよりますが、離檀料の相場は、数万円~20万円程です。

このように、墓じまいをするには何かと費用がかさみます。
親戚に金銭の援助を乞う場合は、必ず先に相談をしておきましょう。

改葬先に関するトラブル

墓じまいの後、遺骨の全部あるいは一部をほかのお墓に改葬する場合にもトラブルは起こりがちです。
特に、仮にその遺骨が自分の両親のものであって、自分の家に近いお墓に改葬しようという場合でも、その遺骨はほかの親戚にとっては兄弟であることも多いでしょう。
そのような場合に、すでに埋葬され、自分も時折はお墓参りをしている遺骨を移してしまう、ということに関して難色を示されるのです。

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親のお墓の承継・跡継ぎに関するトラブル

また祭祀継承者が亡くなって、お墓の管理者を誰かに承継させなければならなくなった場合にもトラブルは起こります。

祭祀継承者がまだ子供の場合

特に以前の祭祀継承者が若くして亡くなった場合、次の承継者がそのまだ年若い子供になる、というケースによくトラブルは起こります。

祭祀継承者は民法で「慣習に従うか故人の指名で決める」とされているので、法律上は祭祀継承の最も慣習的な方法である、長男または長女に譲るということに何ら問題はありません。
しかしお墓の継承者となると、お墓のメンテナンスのほかに、お墓に埋葬されている先祖の供養の段取りを主体的に行うなどいろいろな役割があり、年若い継承者では覚束ない、不安である、という場合もあるでしょう。そのよう時に、長男や長女が祭祀継承者になることに関して横やりを入れて来る親戚が現れるのです。

このような場合は、まず家庭裁判所に特別代理人選任申立の手続きを行いましょう。特別代理人とは祭祀継承した子供が成人するまでの間、その継承者の代理としてお墓を監視する人のことです。この場合、子供が成人した時には祭祀継承権を譲り渡すということを、裁判所の立ち合いで決めることになりますから、祭祀継承権が親戚に行ったままになってしまうという事態を防げます。

あるいは遺言で前もって子供の後見人を指名しておくことも可能です。法的に正しい形式で書かれた遺言であれば家庭裁判所の決定よりも優先されるので、この方法が1番強力です。
法的に正しい遺言は素人ではなかなか作成できませんから、弁護士事務所などに相談しましょう。

結婚などで他家の人間になった人が継承する場合

近年では少子化が進み、子供が娘1人で、なおかつその娘が他家に嫁いでいるという場合もよくあります。
祭祀継承者である両親が亡くなってしまい、ほかに祭祀継承をする適当な人間がいない時には、実家のお墓を誰が継承するかという問題が発生します。

法的には他家に嫁いでいても祭祀継承をすることは可能なので、姓が違う状態でも祭祀継承者になれます。
しかし、娘が自分がそのお墓に入らないにも関わらず祭祀継承者になるということについて、違和感を持つ親戚もいるでしょう。

そのような時に、本当に他家に嫁いだ娘が祭祀継承者になっても良いのかというクレームが発生するのです。

血縁者以外の継承を認めていない霊園もある

現在新たに設立されている霊園の場合そのようなことはありませんが、古くから続く寺院などの霊園の場合、使用規定で祭祀継承を血縁者以外に認めていない場合もあります。

法的には遺言や生前の指定があれば、血縁者以外でも祭祀継承者になることは可能です。しかし霊園側でそれを認めていない場合、では誰を祭祀継承者にするかということで、親戚間で意見が食い違い、トラブルに発展するケースもよくあります。

永代供養に関するお墓問題

あるお墓に自分の両親や祖父母の遺骨が埋葬されていて、その供養が難しいからと言って永代供養することを考える場合にも親戚間でのトラブルが起こります。
永代供養される人が親戚間で重要な立場の人だった場合、その人が自分たちの家のお墓に埋葬されないということを問題視するというケースです。

やはりトラブルが起こる原因の多くは事前に親戚に相談しておかなかったことに求められます。

特に、合祀墓に埋葬する場合は要注意です。
遺骨は、一度合祀墓に埋葬すると他の遺骨と混ざるため、取り出すことができません。
クレームをつけられても取り返しがつかないのです。

本家の墓や親の遺骨を永代供養墓に移す場合は、注意しましょう。

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新しくお墓を契約するときのトラブル

また新しくお墓を購入する場合にも親戚間でのトラブルが起こり得ます。
自分の家の供養方法、埋葬方法のことなので、親戚が口を挟む余地はないように思っていても、意外な部分で親戚の気に障り、クレームをつけて来るのです。

それは具体的には以下のような場合です。

新しい供養方法による親族とのトラブル

故人を供養する方法で一般的なものは、墓地や霊園に墓石を建て、そこに遺骨を埋葬する方法です。しかし最近は死生観が変わってきたこともあり、また墓石を建てるために支払う費用にそれだけの価値を認めないという人も増えて来て、散骨や樹木葬などの新しい供養方法を選択する場合も多くなっています。

親戚が従来の死生観、価値観を持っている場合、墓石を建てて供養することが当然だと考えています。
にもかかわらず、遺骨をお墓に埋葬しない樹木葬などの方法をとってしまうと、親戚は自分の持っている常識や倫理観に反していることが行われていると感じるため、非常に強く反発するのです

したがって樹木葬や散骨など新しい埋葬方法を実施する場合は、埋葬方法や供養の方法をよく確認し、親戚を事前に十分に話し合うことがが必要です。

お墓が遠くて行くことができない

お墓を新たに購入した場合によく起こるトラブルが、お墓がある親戚の家から遠くなって、お参りをするのが大変になったという場合です。
事前にお墓を建てることに関して了承していて、お墓の立地に関しても確認している場合でも、その場所が自分がお参りをするには遠すぎると感じるのは、実際にお参りをする段階になってからです。

ですから最初は了承していても、お墓を建てて故人を埋葬してしまった後に、クレームが発生するのです。

まとめ

親戚間のお墓に関するトラブルの主なものは以上のようなケースですが、どの場合でも事前にしっかりと話し合っておけば避けられることが多いです。
ですから自分の家のお墓だからと言って安易に考えず、特にお墓に関することの場合は、事前に十分に親戚の意見を聞き、こちらの意図をわかってもらうようにしましょう。

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