卒塔婆・塔婆とは?意味や書かれている文字まで徹底解説

  • 投稿日:2019/06/14
  • 更新日:2021/05/27
卒塔婆・塔婆とは?意味や書かれている文字まで徹底解説

卒塔婆という言葉は知らないけれど、卒塔婆を見たことがあるという人は少なくありません。

卒塔婆は墓石の周りに立てられている木の板のことで、お墓を建ててから初めて節目の法要を迎える人にとっては、卒塔婆を立てて追善供養を行い、故人の冥福を祈ることをおすすめします。

とはいえ、卒塔婆について詳しく知っている人はそう多くはいらっしゃいません。

実は、卒塔婆の起源は古く、日本古来からある風習が長年に渡って受け継がれてきて、現代まで残っている風習の一つになります。

そこで、今回は、卒塔婆とは何なのか、卒塔婆の目的、卒塔婆の種類、卒塔婆に書かれている文字、卒塔婆を立てる時期、下げる時期、卒塔婆を処分する方法など、卒塔婆のことについて詳しくみていきます。

卒塔婆とは何か

卒塔婆(そとば)とは、故人やご先祖様を供養するために、墓石の後ろ側に立てられている1~2mほどの細長い板のことです。
卒塔婆は、もともと仏塔という意味で、昔インドで使われていたサンスクリット語という言語であるストゥーパが語源とされています。

仏塔を意味するストゥーバは、お釈迦様の遺骨を納められた塔のことで、五重塔の由来とされていています。
五重塔を基にして、その後、五輪塔が作られて、五輪塔を簡略化したものが卒塔婆といわれています。

また、五輪塔の五輪は、仏教での宇宙を構成する5つの要素(空、風、火、水、地)を表していて、仏教では人間もこの5つの要素によって生かされていると教えられています。

卒塔婆の目的

仏教では、卒塔婆を立てることは善行(ぜんこう)とされていて、卒塔婆を立てることは、善を積むことになり、生きている人の善行は、故人やご先祖様の善行にもなり、故人やご先祖様の冥福につながると考えられています。
ですので、卒塔婆を立てる目的は、故人やご先祖様の冥福につながる追善供養を行うということになります。

追善供養は生きている人が亡くなった人に対して行う供養のことで、命日に法事や法要を行うこと、お盆やお彼岸に卒塔婆を立ててお墓参りをすることは、故人やご先祖様の冥福を祈る追善供養になります。

卒塔婆に書かれている文字

細長く板状の卒塔婆には、さまざまな文字が書かれていて、大まかには6つの項目について書かれています。

書かれている6つの項目は以下になります。

・戒名
戒名は別名、法名とも呼ばれ、亡くなった故人が仏の弟子になったという意味で、僧侶に授けていただく名前になります。

・没年月日
没年月日は、いわゆる命日のことで、故人が亡くなった日のことです。

・経文
経文(きょうもん)は、仏教の教えを記した書物である経典に書かれている文章やお経のことになります。

・梵字
梵字(ぼんじ)は、インドで使われているブラーフミー系文字の漢訳名といわれていて、
インドから経典が中国に渡り、6世紀ごろ日本に仏教が伝来したのちは、
神秘化され魔除けとして使われていた文字になります。

・施主名
卒塔婆の作成を依頼した人の名前になります。

・供養年月日
お墓に卒塔婆を立てた年月日になります。

これら6つの項目のうち、戒名、没年月日、経文、施主名、供養年月日の5項目は卒塔婆の表面に書かれ、梵字は卒塔婆の裏面に書かれることが多いようです。

木製の卒塔婆に文字を書く時には、墨を使っての手書きが一般的でしたが、最近では、墨を使った手書きに代わり、プリント印刷をすることが増えてきているようです。

卒塔婆の数え方

卒塔婆の数え方は、一般的に〇〇基と数えますが、地域の風習やその土地の慣習で、大きい卒塔婆は〇〇基と数え、小さな卒塔婆は〇〇本と数えることもあります。

浄土真宗では卒塔婆を用いない?

浄土真宗では、お墓に卒塔婆を立てて、追善供養を行うことはありません。
浄土真宗には他力本願や他力念仏という教えがあって、人は亡くなった後、すぐに極楽浄土に往生すると考えられているので、卒塔婆を立てて故人が往生するように願う追善供養を行うことはありません。

卒塔婆の種類

卒塔婆は、墓石の後ろ側に立てられている1~2mの細長い板とご説明しましたが、地域やその土地の風習などにより、形が違えば、呼び方も違うことがあります。

卒塔婆は大きくわけて、板塔婆(いたとうば)、角塔婆(かくとうば)、経木塔婆・水塔婆(きょうきとうば・みずとうば)、七本塔婆(ななほんとうば)、梢付き塔婆・生木塔婆(うれつきとうば・なまきとうば)の5種類に分けることができます。

ここからは、卒塔婆ごとにそれぞれの特徴についてみていきます。

板塔婆

板塔婆は、冒頭でご説明しました細長い板の形状になり、一般的にお墓の後ろに立てる塔婆になります。

長さは、60cmから180cmの細長い板状で、厚みは1cm程度になります。

一般的には、卒塔婆といえば、この板塔婆のことを示します。

角塔婆

角塔婆は、四角い柱型の形状をした塔婆になり、墓石が出来上がるまで、墓石の代わりに墓標として角塔婆を立てることがあります。

墓標の代わりに立てられる角塔婆は、もともとは五輪塔の代用として使われていたので、先端は少し尖った形になっています。

角塔婆には、仏教において宇宙を構成する5つの要素(空、風、火、水、地)の文字が上から順番に書かれていて、その下に故人の戒名が書かれています。

長さは、120cmから210cmくらいで、太さは10cm角くらいになります。

また、角塔婆はお寺のお堂が完成したときに行う記念式典にあたる落慶法要のときに立てられることもあります。

経木塔婆・水塔婆

経木は、スギやヒノキなどの材木を薄く削ったもので、弁当の折箱や菓子箱など食品の簡易包装容器として使われています。

経木塔婆は、板塔婆をより薄くより小さくした塔婆になり、材木を薄く削るというところから、経木という言葉が使われているようです。

経木塔婆は、薄くて小さいことから水に浮かべたり、川に流したりして供養されることがあり、そこから水塔婆とも呼ばれることがあります。

水塔婆・経木塔婆の大きさは、長さが27cmから36cmくらいになり、厚みは1mm程度になります。

七本塔婆

七本塔婆とは、長さが30cmから40cmくらいの板塔婆が使われ、初七日から忌明けの四十九日までの七日ごとに7回行われる法要のときに使われる、七本の塔婆のことになります。

七本塔婆は、1本づつ7本を立てるタイプや7本の塔婆を扇状に1つにまとめたものがあり、地域によっては1本づつ立てるところやはじめに7本を立てて七日ごとに1本づつ裏返しにしたり、七日ごとに1本づつお焚き上げをする地域もあります。

梢付塔婆・生木塔婆

梢付塔婆は、生木に枝などがついた状態で立てる塔婆のことで、生木を使うことから生木塔婆とも呼ばれます。

梢付塔婆の生木は、古くから神聖な木とされてきた杉を使うことが多く、杉塔婆とも呼ばれることがあります。

また、杉以外にも松や柳の生木も使われることもあります。

梢付塔婆は、三十三回忌や五十五回忌などの弔い上げ法要のときにだけ立てられる塔婆になり、生木の種類や枝付かどうかなど、地域によって変わることがあるので、事前にお寺や地域の風習などを確認するようにしてください。

塔婆立ての種類

ここまで塔婆の種類についてみてきましたが、塔婆はもともと地面に直接突き刺す方法で立てられていました。

しかし近年では、地面に直接突き刺すことは少なくなってきていて、複数の塔婆が立てれるようになっていたり、強風でも塔婆が倒れない構造の塔婆立てを使うことが多くなっています。

また、塔婆立てには、耐久性が高いステンレス製墓石と同じ種類の石などを使った塔婆立てを使うこともあります。

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卒塔婆の期限

卒塔婆は、故人やご先祖様の冥福を祈る追善供養になり、卒塔婆を立てる時期は、一般的には命日や年忌法要のタイミングになりますが、地域の風習や墓地などの慣習でお彼岸の時期やお墓参りのタイミングで立てるというところもあります。

では、逆に卒塔婆を下げる時期はというと、いついつまでお墓に立てておくという明確な期限は特にありません。

ですので、卒塔婆が朽ちて古くなってきたときが下げるタイミングになり、寺院でお焚き上げしてもらったり、墓地や墓苑の管理事務所に卒塔婆の処分をお願いするようにしましょう。

ただ、お彼岸の時期やお墓参りのタイミングで立てる風習がある地域などでは、新しい卒塔婆を立てるスペースが無くなっていくので、定期的に下げていくようにしてください。

卒塔婆を処分する方法

木製の卒塔婆を立てたままにしておくと、雨風で経年劣化していき、最後は朽ちてしまいます。
また、命日や法事法要のタイミングごとに卒塔婆を立てていくと、やがて卒塔婆を立てるスペースがなくなり、新しい卒塔婆が立てられなくなってしまいます。

ですので、卒塔婆は古くなった順番から処分をする必要があります。
卒塔婆を処分する方法は、墓地や霊園だと古くなった卒塔婆を集める場所があり、墓地や霊園の管理者がまとめて処分してくれるところもあります。
なお、寺院墓地だと古くなった卒塔婆を寺院でお焚き上げをして処分をしてくれるところもあります。

まとめ

ここまで、卒塔婆とは何なのか、卒塔婆の目的、卒塔婆の種類、卒塔婆に書かれている文字、卒塔婆を立てる時期、下げる時期、卒塔婆を処分する方法など、卒塔婆のことについてみてきました。

一般的に卒塔婆は、板塔婆が使われることが多いのですが、この塔婆で供養しなさいという決まりは特にありません。

ですので、寺院の慣習や地域の風習などに対応している塔婆を立てて供養するようにしてください。

卒塔婆を立てることは、善を積むことになり、生きている人の善行は、故人やご先祖様の善行にもなり、故人やご先祖様を供養する気持ちの表れにもなります。

お墓参りごとに卒塔婆を立てることが難しいこともあると思いますが、故人の年忌法要のタイミングでもいいので、卒塔婆を立てて故人の冥福を祈るようにしてみてはいかがでしょうか。