お墓の灯篭はどんな種類がある?灯篭の意味や費用も紹介

お墓の灯篭はどんな種類がある?灯篭の意味や費用も紹介

お墓に灯篭を設置する風習がある地域の方、お墓の景観を良くするためなどデザイン面で灯篭を設置しようと考えている方の中には、

「お墓の灯篭にはどんな意味があるの?」

「お墓の灯篭っていくらくらいするの?」

「お墓に置く灯篭はどんなものがあるの?」

など、このような疑問があるのではないでしょうか。

お墓に設置する灯篭は、小さなものから大きなものまで、さまざまな種類があって数万円から百万円を超える高価なものまであります。

近年ではお墓の景観を良くするというデザイン面から灯篭の設置を考える方が多いのですが、お墓にある灯篭の意味や構造、灯篭の種類や相場などについて知らない方は少なくありません。

そこで今回は、灯篭の意味や構造、種類や相場はもちろんのこと、灯篭が壊れたときの修理や処分のことまで、灯篭について詳しくみていきます。

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お墓の灯篭にはどんな意味があるの?

お墓の灯篭は墓前灯篭といって、お墓に眠る人を灯火で供養するという意味以外に、故人があの世で道に迷わないようにする道灯り、暗闇を明るく照らすことで邪気を払うことにもなります。

お墓に設置する灯篭は、一対もしくは右側に一基設置するのが一般的になっています。

また、昔は照明器具がなく、街灯もなかったので、灯篭はお墓参りに来た人が道に迷わないように道しるべ的な役割にもなっていました。

しかし、近年ではどのような場所でも電気があり、照明器具も普及しているので、灯篭が本来持っている役割は薄れていて、どちらかといえばお墓の景観をよくしたり、お墓を華やかにするなど、デザイン面で重視されるようになっています。

石灯篭の構造

灯篭の構造は、上から玉(たま)もしくは宝珠(ほうじゅ)、笠(かさ)、火袋(ひぶくろ)、受(うけ)、柱(はしら)、地輪(じりん)という6つの部材で構成されています。

6つの部材はそれぞれ別々の石から造られていて、現地にはそれぞれの部材をバラバラの状態で持ち込んで、一つずつ部材を積み重ねて設置していきます。
ここからは、それぞれ6つの部材について、上から順番にみていきます。

玉(たま)もしくは宝珠(ほうじゅ)

玉もしくは宝珠は灯篭の頂上に飾られているもので、玉のように丸い形をしたものや玉ねぎのような形をしている部分になります。

笠(かさ)

笠は火袋の上にあって、屋根の役目を持っていて、四角、六角、八角、円形など、さまざまな形があります。

火袋(ひぶくろ)

火袋は、灯火が入る部分になっていて、明かりを灯す場合は、この部分に火や電気で明かりを灯すことになります。
ただ、お墓の景観の向上やデザイン目的の場合は、火袋に明かりを灯すことはありません。

受(うけ)

受は、火袋をのせる台の役目があって、一番下の部材である地輪と対になっていることが多く、側面に装飾が刻まれていることがあります。

柱(はしら)

柱は、受を支える役目があって、円柱や角柱、2本・3本の足状のものもあります。

地輪(じりん)

地輪は灯篭の基礎の部分で、柱を立てるための受座になり、受と対になっていることが多く、側面に装飾が刻まれていることがあります。
また、灯篭を支える柱が2本・3本の足状の場合は、地輪がありません。

灯篭の種類

灯篭は大きくわけて、以下の4種類があります。

・春日灯篭(かすがとうろう)
・雪見灯篭(ゆきみとうろう)
・置灯篭(おきとうろう)
・墓前灯篭(ぼぜんとうろう)

ここからは、それぞれの灯篭の特徴についてみていきます。

春日灯篭

灯篭のイメージ2
春日灯篭は、お寺などの園路沿いに設置されていることが多いので、見たことがある人が多いと思います。

特徴は柱が長く火袋が高い位置にあることで、形も大きく存在感がある灯篭になります。

雪見灯篭

灯篭のイメージ3
雪見灯篭は、受と柱がないので高さが低い灯篭になるので、水面を照らすために使われことが多く、笠の部分が大きいのが特徴になります。

足は3本のものが主流で、笠が丸い丸雪見と笠が六角形の六角雪見があります。

また、水面を照らすために使われる灯篭には、岬にある灯台のような岬灯篭と呼ばれるものもあります。

置灯篭

灯篭のイメージ4置灯篭には、柱がないので平らな石の上に置くのが特徴で、形はさまざまあって、庭園などに飾られていることが多いです。

また、庭園に置かれる灯篭には、柱の上の部分がぷっくりと膨らんだ形の織部灯篭と呼ばれるものもあります。

墓前灯篭

灯篭のイメージ5
墓前灯篭は、お墓に一対もしくは右側に一基設置するのが一般的で、お墓に眠る人を灯火で供養するという意味とお墓参りに来た人が迷わないように道しるべ的な役割もあります。

仏式では丸型、神式では角型が使われることが多いのですが、特に決まりはないので、デザイン性が高くオシャレな灯篭を設置することもできます。
また、墓前灯篭を造る場合は、灯篭の大きさをお墓のサイズに合わせて造ることが多く、ロウソクが立てれるようになっていて、火が消えないように扉がついている場合もあります。

灯篭の費用の相場

灯篭の費用は、石の産地や材質、大きさデザイン性などによってさまざまですが、中国産の小さな灯篭なら1万円くらいから、国産の石を使って伝統工芸士が造った百万円くらいのものまで、相場はピンキリになります。

現在では、インターネットでも灯篭を購入することもできますが、設置は自分でしなければいけないというデメリットがあります。

小さくて軽く置くだけで設置できるものは自分でもできるでしょうが、大きくて重たいものは運ぶのに吊り上げる重機などの機械が必要になるので、石材店で購入することをおすすめします。

灯篭を設置するのに必要な墓地の広さ

灯篭を設置するのに必要な墓地の広さは、設置する灯篭の大きさにもよりますが、柱が長く火袋が高い位置にある春日灯篭を設置しようとすると、2.7m×2.7m(7.29㎡=2.2坪)くらいは必要になってきます。

墓地や霊園などで設定されている区画は、1㎡から2㎡が一般的だと言われていますが、地域によって差はあります。

土地が少ない地域は価格も高く、区画の面積も小さい傾向があります。

全国的には、東日本の区画面積の平均は約1.6㎡、西日本の区画面積の平均は約2㎡くらいですが、近年ではコンパクトなお墓が好まれる傾向にあるので、0.6㎡から1.5㎡程度の区画面積に人気が集まっているようです。

本来であればお墓に灯篭を設置するのがいいのですが、区画面積の大きさの問題や費用面からも灯篭を設置しているお墓は少なくなっています。

お墓に灯篭が置けないとき

お墓の区画面積の大きさなどで、お墓に灯篭が置けないことはよくあります。

仏教においても神道においても、お供えに必要なものの一つに燈明、あるいは燈燭が挙げられます。
燈明、燈燭は、火をお供えするものです。
したがって、必ずしも灯篭を設置する必要はなく、ロウソクで火をお供えしても構いません。

もし灯篭にこだわりたいけど置く場所がないといった場合は、灯篭型のロウソク立てを置いてみてはいかがでしょうか。

灯篭型のろうそく立ては、ステンレス製から御影石で制作したものまであり、風よけの風防までついているので、上蓋を外せばろうそくや線香に点火することができます。

大きさもさまざまあり、コンパクトなサイズのものですと、高さが380mm、重量が4.3㎏、幅が100mm程度の円筒形のものから、灯篭の高さが670mm、笠の直径が250mmで総重量が約34㎏の本格的なものまであります。

灯篭型のろうそく立ては、素材や大きさなどによって費用は変わりますが、1本で7,000円から40,000円までと幅広く、対にする場合はこの費用の2倍の金額がかかることになります。

また、灯篭型のろうそく立ては、インターネットなどでもさまざまな大きさや素材のものが販売されているので、お墓の区画面積に合った大きさのものをみつけることができます。

お墓の灯篭が壊れたときの修理

お墓に設置した灯篭が台風や地震などで壊れてしまうことがあります。

ご先祖様の遺骨を納めているお墓に設置している灯篭が壊れたときは、そのままにしないで壊れた灯篭の修理をする必要があります。

灯篭の一部が欠けたなど、壊れた部分が少しの場合は、ホームセンターなどで販売されているコーキング剤を使うと自分で修理することもできます。

壊れた部分が欠けたなど少しの場合だと修理をすることができるのですが、壊れた部分が大きい場合は修理に費用をかけるよりも、新しいものと交換をしたほうが費用を抑えることができる場合もあります。
壊れた箇所を携帯電話などで写真を撮影して、石材店などに相談するようにしてください。

灯篭の処分

灯篭が壊れてしまった、置くスペースがなくなったなどの理由で、灯篭を処分しなければならないことがあります。

処分したい灯篭が大きな場合は、設置している場所で部材ごとに分解して、吊り上げる機械などを使って搬出、処分という流れになるので、かかる費用が高額になることがあります。

処分を依頼するのは石材店もしくは解体業者になりますが、依頼する業者を決める目安になるので、見積もりは必ず複数の業者からとるようにしてください。

そのときに注意してほしいのは、極端に費用が安い業者です。
灯篭の主要な部材は石材になるので、処分する場合は産業廃棄物として処分する必要があります。
極端に費用が安い業者が全てとは言い切れませんが、中には、産業廃棄物として処分せずに、不法投棄をして費用を安くしていることが考えられる業者もいます。

また、処分したい灯篭が小さい場合は、お墓から持ち帰ることは可能になるので、そのまま石材店や解体業者に持ち込んで処分を依頼する、もしくは不用品回収をしている業者に相談してみるのもいいです。

まとめ

ここまで、灯篭の意味や構造、種類や相場はもちろんのこと、灯篭が壊れたときの修理や処分のことまで、灯篭について詳しくみてきました。

お墓に灯篭を設置することは、常にお墓に灯火があることになるので、故人があの世で道に迷わないようにする道灯り、暗闇を明るく照らすことで邪気を払うことにもなります。

春日灯篭のような本格的な灯篭を設置する場合は、それなりにお墓のスペースが必要になってきますが、設置スペースに問題がある場合はコンパクトな灯篭や灯篭型のろうそく立てもあり、費用の面でも比較的安く抑えることができます。

お墓に灯篭を設置することで、灯火がある最善な供養ができて、同時にお墓の景観を良くすることにもつながるので、お墓に灯篭を設置することを検討されてみてはいかがでしょうか。

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