永代供養のトラブルを解説!未然に防ぐポイントと対策

永代供養のトラブルを解説!未然に防ぐポイントと対策

少子高齢化、核家族化などによって、お墓参りに行けない、お墓まいりをしてくれる人がいないなどの理由で、永代供養を考える人は少なくありません。

近年、永代供養を考える人、実際に永代供養をした人などは、年々増えているのですが、増加に伴いさまざまなトラブルが起こっています。

永代供養といっても、合祀や個別などの納骨方法、屋内や屋外などの永代供養墓など、さまざまな供養の方法があります。
永代供養のトラブルもさまざまな供養の方法により、金銭を含む契約に関するトラブル、親族とのトラブル、改葬、墓じまいのトラブルなど多様になります。

今回の記事では、永代供養墓の種類、永代供養墓の相場、永代供養墓のメリットデメリット、永代供養墓のトラブルについてみていきます。

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永代供養墓とは

永代供養墓とは、墓地の管理者がお墓のお世話や供養をしてくれるお墓です。
親族や身内が墓守をしなくていいので、跡継ぎがいない人や子どもに迷惑を掛けたくない人、個人墓が欲しい人などに選ばれます。

永代供養と言っても、遺骨を個別で安置する期間は有限であることがほとんどです。
期限は、13回忌までや、50年間など、期限は墓地によって異なります。
個別安置期間後は、遺骨は合祀墓に移されて供養されます。

永代供養する場所も屋内に保管するのか、屋外で保管するのかなど、予算や故人(家族)の意向に合わせた選択をすることができます。

永代供養墓の種類

永代供養墓と一口に言っても、種類は多様です。
永代供養墓といった場合には、墓石を建てるお墓ではなく、納骨堂樹木葬合祀のお墓などを指すことが多いです。

ここでは、永代供養墓の種類について簡単に紹介します。

納骨堂(屋内型永代供養墓)

納骨堂とは、建物内部の専用スペースに遺骨を安置するタイプのお墓です。
従来は一時預かりのために利用されていましたが、近年では永代供養墓として使用されます。
個別安置期間を過ぎるか、跡継ぎがいなくなった時点で遺骨は合祀墓に移されます。

納骨堂の中でもさらに種類が分かれており、以下のようなものがあります。

・ロッカー式
ロッカー式は、ロッカーのように区切られたスペースに遺骨を個別に納骨するタイプになります。
ロッカー式の特徴は、個別に納骨して供養できることと、少ないスペースで納骨できるので、比較的費用を抑えることができることです。

・仏壇式
仏壇式は、上下2層の構造になっていて、下の層に遺骨を納骨して、上の層は仏壇が設置されているタイプになります。

・機械式(マンション型)
機械式納骨堂は、バックヤードに遺骨を管理しており、参拝者が来た時だけその家の遺骨を厨子に収納して墓前に出すタイプの納骨堂です。
参拝ブースや受付に専用のカードを運ぶと機械が遺骨を運んでくるため、機械式と呼ばれます。
機械式納骨堂は東京都心を中心に急増しており、納骨堂の中では一番新しいタイプです。

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樹木葬

樹木葬は、墓石を建てずに樹木を植えて、その下に納骨するタイプのお墓です。
土に直接遺骨を埋葬して自然に還すタイプと、石室を設けて骨壺で納骨するタイプがあります。

骨壺で納骨するタイプは個別の安置期間が定められている場合が多く、最後の納骨から13年、契約時から50年など、期限は墓地によって異なります。
なお、遺骨は行政の許可を受けた「墓地」にしか埋葬できないため、庭先の木の下や裏山に埋めることは違法になります。
樹木葬を検討する場合は、樹木葬を扱っている墓地を探しましょう。

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合祀墓・永代供養塔

他の遺骨と一緒くたにして埋葬するタイプのお墓です。
大きなお墓に設けられた納骨室に遺骨を入れていくイメージです。
費用を最も抑えられる永代供養墓で、相場は30万円程度、場所によっては5万円から受け付けています。

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個別集合型

屋外に巨大な墓石の棚のようなものを作り、ロッカーのようになっている区画に骨壺で遺骨を収蔵していくタイプです。
一定期間は個別安置で供養されるため、すぐに合祀にしたくない人にはお勧めです。
他の永代供養墓同様、個別安置期間に期限がある場合が多く、期間後は合祀にて供養されます。

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永代供養墓の相場

ここまで、さまざまな永代供養墓についてみてきましたが、それぞれのタイプにかかる費用の相場は以下になります。

●納骨堂
ロッカー式…40-80万円
仏壇式…100-200万円
機械式(マンション型)…80-100万円

●樹木葬
合祀…5-30万円
骨壺安置タイプ…20-80万円

●合祀墓・永代供養塔…5-30万円

永代供養のメリットデメリット

永代供養には、一般的なお墓にはないメリットもありますが、お墓にはないデメリットもあります。

●メリット
・墓石のお墓を建てるより費用が抑えられる
・遺族や親族に代わって供養をしてくれる
・管理費を一括前納すれば以降の維持費がかからない

●デメリット
・ほとんどの場合最終的には合祀になる
・合祀墓に納骨されると取り出すことができない
・親族の理解が得られにくい

永代供養で起こるトラブル

少子高齢化、核家族化により、近年増加している永代供養ですが、金銭を含む契約に関するトラブル、親族とのトラブル、改葬、墓じまいのトラブルなど、多様なトラブルが発生しています。

ここからは、トラブルの内容別にみていきます。

納骨堂のトラブル

納骨堂は、屋内に遺骨を安置するお墓です。
納骨堂を購入して起こるトラブルは以下のようなものになります。。

・個別安置期間が過ぎると合祀になるとは思っていなかった
・お参りの時にお供えをすることができなかった
・申込時にお金を支払っているのに、管理費、使用料などの名目で別途、お金を請求される
・お寺に永代供養として頼んだのに、その後納骨堂の建て替え費用を請求される

樹木葬のトラブル

樹木葬は、シンボルとなる木の下に遺骨を納骨するタイプです。
トラブルとして考えられるのは以下のようなものが考えられます。

・土に直接埋葬すると遺骨を取り出せないが、埋葬した後に親族から遺骨を返してほしいと言われた
・最初に登録した人しか納骨できないため、追加で他の人を納骨できなかった
・線香などのお供えができなかった
・冬場に墓地を訪れてみたら、思ったより景色が閑散としていた
・墓標代わりの樹木や植物に手入れを自分でしなければならなかった

合祀墓・永代供養塔のトラブル

合祀墓は大きなお墓に他の遺骨と一緒くたに埋葬するお墓です。
合祀墓・永代供養塔のトラブルは以下のようなものがあります。

・遺骨を埋葬した後に他の親族から遺骨を返して欲しいと言われた
・生前で申し込んだが納骨してくれる人がおらず希望のお墓に入れなかった

永代供養のトラブルを避けるための注意点

永代供養のタイプごとにトラブルをみてきましたが、ここからは、トラブルを避けるための注意点についてみていきます。

契約(金銭)トラブル

多種ある永代供養には、利用する前に必ず契約があります。
契約の時に、きちんと詳細について説明を受けることは当然ですが、わからないことはその場で確認するようにしてください。

また、インターネットを使って事前に情報を収集することも大切で、業者の言いなりにならないように、永代供養に必要な知識を身につけるようにしてください。

納骨堂などに納骨する屋内型の永代供養墓は、納骨堂の建物の建て替えや改装についても確認しましょう。
後々に追加の費用の有無などを契約書に明記してもらうなどの対策を取るようにしてください。

改葬、墓じまいトラブル

改葬、墓じまいトラブルは、寺院墓地などで発生している場合があります。

トラブルの原因は、檀家という制度で、改葬や墓じまいをするときに離檀料を請求されたり、寺院の改修などの名目で檀家に費用の負担を求めることがあります。

寺院墓地で契約しようと考えている場合は、契約の時に、きちんと詳細について説明を受けることは当然ですが、わからないことはその場で確認すること、そして離檀についても寺院側と納得いくまで話し合いをして、そこで決まったことは必ず契約書にも明記してもらうようにしてください。

個別安置期間のトラブル

永代供養のトラブルで最も多いのが、一定期間後に合祀にされるという問題です。

永代というのは言葉だけで、実際には納骨堂などは三十三回忌など、一定期間を経過すると他の遺骨と一緒に供養されてしまいます。

納骨堂などで永代供養を考えているときは、個人として供養される期間の確認を必ずするようにしてください。

親族トラブル

お墓はその権利を承継した人だけのものではないので、永代供養墓に移すための改葬や墓じまいなどは、家族や親族とよく話し合って決めるようにしてください。
従来の形とは異なる永代供養墓は、親戚の中でも抵抗のある人がいるかもしれません。
また、相談することで、遺骨を引き取ってくれる親族が現れることもあります。

独断で永代供養墓に移したことで、後々になってから反対され、思わぬトラブルに巻き込まれることもあるので注意が必要です。

お供えができないトラブル

永代供養墓の場合、十分なお供えのスペースを確保していないものが多いです。
納骨堂や樹木葬の場合は火気厳禁なので、ロウソクやお線香のお供えはできません。
また、個別でのお供えができず、大きな供物台のようなところにしかお供えできなこともあります。
購入後もお参りを続けたい方は、何をお供えできるのかを確認しておきましょう。

まとめ

ここまで、永代供養墓の種類、永代供養墓の相場、永代供養墓のメリットデメリット、永代供養墓のトラブルについてみてきました。

永代供養は、お墓を建てるより費用を抑えることができたり、遺族や親族に代わって供養をしてくれ、管理料も一括前納すれば基本的には以後の維持費がかからないなどのメリットがあります。

一方で、後になって遺骨を取り出すことができない、家族や親族の理解が得られにくいというデメリットもあり、それらがトラブルの原因にもなっています。

永代供養墓を考えたときには、この記事で紹介しましたトラブルが起こることもあるので慎重に決めるようにしてください。

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