お墓の情報発信マガジン

お墓に関する知識・ニュースなどを発信

遺骨は仏壇で供養してもいい?法律や宗教の観点から解説

仏壇で遺骨を管理するイメージ1

故人が亡くなってしまった寂しさや、お墓がなかなか見つからないといった理由で、遺骨をずっと仏壇に置いてあるということは珍しくありません。

しかし、遺骨をずっとお墓に入れないでおくというのも、なんとなく落ち着かないこともあります。
遺骨は仏壇で供養し続けても問題ないのでしょうか。

1. 遺骨を仏壇で供養してもいい?

遺骨をお墓に入れないで自宅で供養しておくことは、問題ないのでしょうか。
仏壇で供養することの是非について解説します。

1-1.法律的の問題

遺骨を自宅の仏壇で供養することは基本的に問題ありません。
遺骨やお墓については「墓地、埋葬等に関する法律」(墓埋法)という法律によって定められています。
ですが、この法律では遺骨を埋葬する期限などは設けられていません。他の法律でも同様です。

したがって、遺骨を自宅に置いておくことは、法律的には問題がありません。

なお、自宅の敷地に「埋葬」するのは、違法になります。
墓埋法では、焼骨の埋蔵は、行政の許可を受けた墓地に限るとしています。
特殊な事情を除いて、自宅の敷地は墓地としての経営許可を受けていないので、ここに遺骨を埋めると違法になります。

ですので、自宅で供養する場合や仏壇で供養する場合には、その遺骨の取り扱いには充分注意する必要はあります。

1-2.宗教の問題

仏教の観点から言っても、遺骨を納める期限の取り決めはありません。

ただし、本来仏壇は信仰の中心である「ご本尊」を祀る施設です。
仏壇は、家にある小さなお寺のようなものなのです。
なので、遺影や遺骨を仏壇に祀るのは、もともとの仏壇の意義からするとあまり適切とは言えません。
故人については、位牌を仏壇に置くことで祀られるのが適切です。

ですが、最近は遺骨や遺影を飾ることを前提としたインテリア風の仏壇も多く販売されています。
宗教的な意義にこだわりがなければ、仏壇に遺骨を飾っていても問題ないでしょう。

2.仏壇で供養する場合の注意点

法律的には、その取り扱いをしっかり守っていれば安全です。
しかし、自宅の仏壇に安置する時にはいくつかの注意点があります。
以下がその注意点です。

・置き場所
・置き方
・時期による違い

置き場所は基本的に仏教では決まった置き方があります。
このやり方に倣うべきですが、最近ではなかなか遺骨を置く場所がないとされています。

また、置き方にも注意点が必要です。
遺骨が自宅にあるというのは昨今でもなかなか日常には溶け込まない姿となっています。そこで工夫が必要です。

さらに、仏式のお葬式では四十九日という概念があります。
この四十九日の前後でも置き方は変化してきますので、注意が必要でしょう。

それらの注意点について、各項を設け説明していきましょう。
ご自身の環境と照らし併せて参考にしてみてください。

2-1.自宅での遺骨の置き方

古来より、日本では仏式のお葬式にならい遺骨を初めとした仏具を、仏間と呼ばれる居室に安置していました。
しかしながら、最近ではこの仏間を設ける居宅というのが少なくなっています。
マンションや、アパートを初めとして洋式の家ではわざわざ仏間を設けていない家が多いのです。

もし、自宅に仏壇がある、仏間がある場合には遺骨はそこに安置するようにしますが昨今では難しい一面もあるでしょう。
そのため、自宅で保管する場合にはその置き場所が必要になってきます。
多くの場合、その時に候補に挙がるのは仏壇です。

ですが、先述の通り仏壇の中に遺骨を置いておくのは、宗教的にはあまり適しません。
その為、仏壇の隣に台を設けて安置したり、本棚などに保管するようです。
仏間の押し入れなども保管先として選ばれますが、遺骨は湿気に弱くまれにカビることがあるので、通気性が悪い所の保管は避けましょう。

2-2.遺骨を安置する台は必要?

遺骨を安置する場合、基本的には仏間が好ましく、仏壇内にはよろしくないという条件がわかりました。
しかし、その一方で、ただそのまま置いておくというのも心ないように思えます。

基本的には遺骨の保管には仏間であるほうがよい、仏壇内は良くないということ以外には目立った作法のようなものはありません。

ただし、地べたにそのまま置くのが心ないというひとは、手元供養といってさまざまに遺骨を加工したり、粉骨しより小さな骨壺に収めることで供養しているケースもあります。

この場合、専用のキットや台の様なものが手元供養業者から販売されており、その台に乗せて供養します。

このときしっかりとした仏壇ではなく、ミニ仏壇と呼ばれるものがあります。
仏壇では遺骨を供養出来ませんが、ミニ仏壇や台を設けてお墓のように供養することは出来るので、もし自宅で遺骨を保管したいひとは試してみるとよいでしょう。

2-3.遺骨を収納できる仏壇について

また、ミニ仏壇以外にも遺骨を安置するための仏壇があります。
これはしっかりとした仏壇ですが、普通の仏壇の下段部にスペースを設けてそこに遺骨を収納することが出来るタイプの物です。

この仏壇のメリットは、仏壇に祀る形ではなく、仏壇に遺骨を安置できるという点です。
現代ではまだ遺骨をそのまま自宅に置いておくということに抵抗のある人も多いでしょう。
「自宅に置いてあるとどうしても目だってしまう」というときにこの仏壇があれば目立つことなく安置する事が出来ます。

しかし、自宅での遺骨の安置や、仏壇内での遺骨安置の考え方はしっかりと檀家さんや家族、地域の風習を加味して決めるようにした方がよいでしょう。

3.遺骨はカビに注意

遺骨を自宅安置する際に最も気を付けなければならないのが、カビです。
遺骨を自宅で保管する場合には、湿気などに気を付ける必要があります。

3-1.遺骨は湿気に弱い

自宅の仏壇で供養する、と決めた場合に注意しなければならないのは置き場所です。
遺骨は湿気や、温度の変化に弱い性質を持っています。
ですので、仏壇を設けるときや、遺骨を安置するときは以下の様な条件に気を付ける必要があるでしょう。

・湿気の無いところ
・日当たりが良すぎないところ
・風通しのよいところ

カビは高温多湿や栄養条件などが揃うと、基本的にはどんな場所にも繁殖できる能力を持っています。
遺骨もその例に漏れません。
ですので、なるべく湿気のない、風通しの良い、日当たりの良すぎない場所という条件の場所を探すようにしましょう。

基本的には仏間がそのような場所を選んで設計されている筈ですが、仏間のない場合は寝室などで遺骨を安置することが多いようです。

3-2.真空パックでの保存

最近では、遺骨の自宅での供養や、安置方法が段々と認知されるようになり、保管方法も増えてきました。
そのひとつが真空パックでの保存です。
この真空パックの保存は、文字通り、遺骨を真空パックで保存するこつです。

この真空パックで保存する理由はカビの特質にあります。
カビは基本的に栄養と水分と酸素を必要としています。
遺骨を真空パックに包む事によって、その酸素との設置を少なくし、カビが繁殖出来ない環境を作ることが出来るのです。

また、湿気対策にもなります。
骨壺や、箱は密閉しているように見えても微弱な隙間があり、酸素も湿気も入ってしまう可能性がゼロではありません。

ですので、なるべくしっかりとした環境で保管をしたいときにはこの真空パックでの保存も有効な手段の一つです。

3-3.粉骨しての保存

また、この真空パックで保存するときに遺骨を粉骨してから真空パックに包むという方法もあります。
この遺骨を粉骨することにはいくつかのメリットがあります。

・粉骨し、殺菌することが出来る
・密閉したときに限りなく真空に近く出来る

粉骨する過程で遺骨の洗浄や、殺菌をしてくれる業者があります。その上で密閉するのでカビの生えるリスクを格段に上げることができるのです。

また、遺骨をそのまま密閉するのと、粉骨してから密閉するのとではその密閉度にも差が出ます。
より細かい粉骨の方が密閉度が強まります。

ただ中には粉骨したり密閉することに、自らの親戚に後ろめたい想いがあるかと思います。

しかし、粉骨することは基本的に問題ないとされています。
遺骨と言うのは、すでに故人が旅立った後の部屋の様なもので、故人の匂いを残しても故人そのものではないと解釈されています。

4.四十九日後の遺骨の管理について

遺骨は四十九日までは後飾り祭壇に祭られます。
では、その後はどうするのでしょうか。

4-1.四十九日の間は後飾り祭壇に安置する

四十九日までは、遺骨を祀る後飾り祭壇が自宅に設置されます。

これは仏教における四十九日の概念に倣って行われるものです。
故人が四十九日の間は1週間ごとに七回の試練を受けている期間とされています。
この段階では遺骨は勿論、位牌も仏壇にいれることが出来ないとされています。その為、仮の安置場所といて設けられるのが後飾り祭壇です。

後飾り階段は通常2段から3段で形成され以下の様に飾りや安置をされます。

・遺影:上段の左側
・白木位牌:2段なら上段の真ん中、3段なら中央の真ん中
・遺骨:上段の右側
・お供え物:2段なら下段の空いている場所、3段なら下段か中段
・香炉:下段
・燭台:香炉の両脇
・線香:香炉の両脇

4-2.四十九日の後はどうするのが普通か

通常であれば、四十九日法要に合わせて納骨されることが多いでしょう。
ですが、お墓の準備ができていなかったり、もう少し故人と一緒にいたいという気持ちで、納骨しない場合もあります。

四十九日を過ぎても納骨しない場合は、後飾り祭壇をそのまま仏壇の代わりとして使うケースもあるようです。
本来であれば後飾り祭壇は四十九日で片づけますが、風習が気にならなければそのまま使っても問題ないでしょう。

5.まとめ

今回は遺骨を自宅の仏壇で供養することの是非について紹介をしてきました。今一度そのポイントについてまとめていきましょう。

・遺骨を自宅に保管することは法律では問題はない
・遺骨を自宅で供養することは問題ないが、仏壇に上げるのは宗教的にはグレーとされる
・遺骨を自宅で保管する場合は保管場所と方法に注意
・遺骨を自宅で保管するときは家族と相談し納得のいく形で行う

以上が今回のポイントでした。時代によって、その価値観はさまざまに変化しています。是非最適な方法で供養できるとよいですね。