浄土真宗でも永代供養はできる?納骨堂や樹木葬の費用も解説

  • 投稿日:2019/10/10
  • 更新日:2021/11/30
浄土真宗でも永代供養はできる?納骨堂や樹木葬の費用も解説

浄土真宗の永代供養墓というのを聞いたことはあるでしょうか。

浄土真宗は本来供養を必要としない宗派なので、永代供養墓は本来ありません。
ですが、永代供養墓のように跡継ぎ不要のお墓を持っているお寺はあります。

今回は、浄土真宗と永代供養について解説します。

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浄土真宗の教義と供養

浄土真宗は、鎌倉時代初期の僧、親鸞聖人(しんらんしょうにん)が始めた宗派です。
ここでは、浄土真宗の教義と供養について解説します。

浄土真宗の特徴

浄土真宗の最たる特徴は「他力本願」の思想です。
他力本願とは、阿弥陀仏の力によって救ってもらうという考え方です。

浄土真宗の開祖・親鸞の言葉を記した「歎異抄」には、次のように記載されています。

「善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」

これは、「善人でさえ幸せになれるのだから、悪人であればなおさらである」という意味になります。
悪人こそ幸せになれるという主張は不可解に感じますが、これこそが浄土真宗の教えの根幹です。

ここでいう善人とは、自分の力で幸せになろうとしている人です。
対して、悪人とは、自分の力では幸せになれないことを自覚している人のことです。
善人は、自分の力で物事を何とかできると思っているので、阿弥陀仏に一大事を任せることができません。
悪人は、自分の無力や戒律を守れない弱さを自覚し、阿弥陀様に救ってくれるようお願いする人です。

もっと言えば、人間は誰しも悪を全く侵さないで生きることはできません。
その点でいえば、私たちはみな悪人なのです。
自分は悪人なので自力では極楽往生することはできず、阿弥陀様に一身をお任せするのが、浄土真宗の考え方です。
具体的に言えば、浄土真宗の教えでは、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えること以外、厳しい戒律はありません。

対して、他の宗派は「自力本願」の教えがあります。
厳しい修行を重ねて悟りを開くことで、成仏できるという考え方です。
浄土真宗は、この点で他の宗派と大きく異なります。

追善供養は必要ない

浄土真宗は阿弥陀仏の力によって極楽往生できるという考え方なので、追善供養(ついぜんくよう)は本来必要ありません。
追善供養とは、故人の成仏を祈って家族や僧侶がお経を読んで、功徳を積むことを指します。

浄土真宗以外の宗派では、故人は亡くなった後7日ごとに閻魔大王をはじめとする十王の裁きを受け、四十九日目に次に転生する世界が決められます。
なので、この間は遺族が法要を営み追善供養をすることで、「自分たちの善を故人に分けるので、故人が浄土に行けるようにしてください」とお祈りします。

対して、浄土真宗では、死者は亡くなった後すぐに、阿弥陀様の力によって浄土に赴きます。
家族や僧侶の追善供養に関係なく極楽往生できます。

したがって、本来浄土真宗では追善供養は必要ありません。

浄土真宗のお経は生きている人のためのもの

浄土真宗のお経は死者の供養のために読むものではなく、生きている自分のために読むものです。

お経は、お釈迦様の教えを記したものです。
浄土真宗では、お釈迦さまから頂いた言葉を声に出したり聞いたりすることで、お釈迦さまから説法を聞かせて頂いていると考えます。
浄土真宗でもお経が読まれる場合もありますが、それは死者の縁により生きている人が集まって、念仏により仏への敬意やありがたさを再認識するためのものです。

この考え方は「枕経」にもあらわれていました。
浄土真宗以外の宗派では、死者の枕元に僧侶が座って、死者の供養を目的にお経を読み上げます。
ただ、浄土真宗の場合だと死者の枕元に僧侶が座るのではなく、仏教に向かって座り死者を浄土へ導いてくださった阿弥陀仏へ感謝をあらわすためにお経を唱えます。

永代供養墓とは何か

永代供養墓とは、墓地を経営または管理するお寺が、存続する限り故人の供養を続けてくれるお墓です。

具体的には、お盆やお彼岸の合同法要の際にお経をあげることをもって供養とするところが多いようです。

永代供養墓には、樹木葬や納骨堂、合祀墓、あるいは屋外の集合墓のようなものがあります。
いずれもお墓のお世話を含めて墓地の管理者やお寺がしてくれるので、跡継ぎが不要です。

「永代供養墓=跡継ぎ不要のお墓」と認識されることも多く、僧侶が読経しない公営霊園の樹木葬や合祀などについても永代供養墓という人もいます。

浄土真宗と永代供養墓

それでは、浄土真宗と永代供養墓について解説します。

浄土真宗の永代供養墓は厳密にはない

浄土真宗では供養を必要としないので、厳密に言えば永代供養墓もありません。
故人は亡くなった瞬間に浄土に赴いているので、それ以上私たちが故人にするべきことが無いのは先述の通りです。

言い換えれば、「浄土真宗では故人の供養のために定期的に読経してくれるお墓は無い」となります。

浄土真宗の跡継ぎ不要の墓はある

ただし、浄土真宗でも跡継ぎ不要のお墓はあります。

例えば、合祀墓や樹木葬、納骨堂を浄土真宗のお寺が経営している場合があります。
これらのお墓も、他宗派の永代供養墓と同様、お墓のお世話はお寺がしてくれるため跡継ぎは不要です。
浄土真宗のお寺がこれらのお墓を「永代供養墓」として販売していることも珍しくありません。
浄土真宗のお寺に「永代供養墓を探しているのですが」といってもまず怒られないでしょう。

なので、実際には浄土真宗で跡継ぎ不要のお墓を探している方は、「永代供養墓」というワードで検索しても希望のお墓を調べることができます。

永代経とは?永代供養との違いは?

永代供養と似た言葉で、永代経(法要)というものがあります。

永代経とは永代読経のことで、お釈迦様の教えが末永く続くよう、永代にわたりお経が読まれることです。
対して、永代経法要は、永代経のために営まれる法要です。

永代供養での読経は故人の冥福を祈るものであるのに対し、永代経は仏の教えを伝え続けるために行われるものです。

浄土真宗の跡継ぎ不要のお墓と費用

浄土真宗にかかわらず、少子化や核家族化で跡継ぎ不要のお墓を検討する人も増えています。
ここでは、浄土真宗の跡継ぎ不要のお墓と費用について詳しくご紹介します。

本山納骨

本山納骨とは、各仏教宗派の本山がある場所に遺骨を埋葬する方法です。
寺格などにもよりますが、費用相場は3万円~5万円と安くなっているため、お墓に費用をかけたくない人に向いています。

本山納骨は昔からある納骨方法ですが、特に西日本では各宗派の本山に遺骨を分骨して納める習慣がありました。

最近では、墓じまいする人や、お墓の引越しをする人が本山納骨を使用しています。
宗派関係なくで納骨できるお寺もあるため、昔と比較してニーズは高まっています。

最近はお墓の管理が難しかったり、費用がかかることが経済的に難しかったりする人も、本山納骨を一つの選択肢として選んでいるようです。

合祀墓

合葬墓・合祀墓のイラスト
合祀墓は、血縁関係なく複数人の遺骨を一つにまとめたお墓を指します。
費用相場は5~30万円/1人程度です。お墓に埋葬する方法としては最安の供養形式です。

合祀墓は管理者がお墓を管理してくれるため、自分で管理する必要がありません。
また、一人のお墓ではないため、常にだれかが手を合わせてくれているというのもメリットです。
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納骨堂

納骨堂のイラスト
納骨堂は、屋内の専用スペースに遺骨を安置するタイプのお墓です。
形式や人数にもよりますが、費用相場は40~100万円/1区画 程度です。

納骨堂と言っても種類は様々で、ロッカーのような棚に骨壺を納めるロッカー式、仏壇を供えた棚の下段に骨壺を安置する仏壇式などがあります。
最近では東京都心を中心に自動搬送式(マンション型)の納骨堂が急増しています。
自動搬送式納骨堂とは、参拝フロアに設けられた参拝室に、遺骨を収納した厨子が機械に運ばれてくるタイプの納骨堂です。
カード1枚で遺骨を呼び出せるので、カード式などとも呼ばれます。

夫婦など少人数で使うならロッカー式、大人数や代々引き継いで使用したい場合は仏壇式や自動搬送式がおすすめです。

いずれも、一定期間が過ぎるか、管理料が滞って数年すると合祀墓に移動されます。

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樹木葬

樹木葬のイラスト
樹木葬は、墓石を立てずに樹木の下、あるいは周りに遺骨を埋葬するお墓です。
形式や人数にもよりますが、費用相場は10~80万円/1区画 程度です。

樹木葬には遺骨が土に還るタイプと、石室に骨壺で納めるタイプがあるので注意が必要です。
前者は一人または少人数ごとに埋葬していくことが多く、故人やご夫婦向けです。
後者は都心に多く、3~4人納骨できるものもあります。ただし、一定期間後は合祀墓に移される点に留意しましょう。

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浄土真宗の跡継ぎ不要の墓に入るには門徒にならなきゃダメ?

浄土真宗の跡継ぎ不要の墓に入るには門徒にならなくても問題ありません。
浄土真宗、あるいは他宗派においても同様ですが、永代供養墓・跡継ぎ不要のお墓は比較的宗教不問で受け入れてくれる傾向にあります。
浄土真宗の跡継ぎ不要のお墓を使うからと言って必ず門徒になるということはありません。

もし宗教にこだわらない場合は、民営霊園の永代供養墓を検討してもいいでしょう。
民営霊園の方が、宗教の縛りは緩くなります。

浄土真宗のお墓がいらない場合はどうする?

浄土真宗は、お墓に魂は宿らないという考え方から、お墓がなくても信仰できる宗派といわれています。
お墓を持たない方法には、散骨があります。
また、遺骨を骨壺やアクセサリーに入れて、手元で保管するという方法があります。

散骨

散骨のイラスト
散骨とは、遺骨をパウダー状にしたものを、海や山などに撒く埋葬方法です。
近年では、ロケットに遺骨を載せて宇宙空間に打ち上げる宇宙葬も注目されています。

散骨は、漁業を行っている海域、他者が所有している土地、近隣住民に迷惑がかかる土地ではできません。
また、遺骨を粉砕しなければならないため、個人で行うのは簡単ではありません。

そのため、散骨業者を介して散骨することが多いです。
業者に散骨を依頼した場合の費用相場は、散骨の種類やプランによって異なります。
海洋散骨、山林散骨、宇宙葬の場合で、それぞれ下記のようになります。

【海洋散骨】

  • 1家族が単独で船を利用:20~30万円程度
  • 複数の遺族合同で散骨:10万円前後
  • すべてを業者に委託:5万円前後

【山林散骨】

  • 遺族が指定の場所で散骨:10万円前後
  • 業者に全て委託:5万円前後

【宇宙散骨】

  • 業者に全て委託(大気圏で消滅する):30万円前後
  • 業者に全て委託(宇宙空間まで打ち上げる):50~150万円
  • 業者に全て委託(月面まで打ち上げる):275~815万円

遺骨を手元で保管する

自宅供養のイラスト
一般的に、自宅で遺骨の全部を保管することを自宅供養、遺骨の一部を保管することを手元供養といいます。
浄土真宗では、故人は死後すぐに成仏するため、供養は必要とされていません。

しかし、故人を偲ぶために遺骨を手元に保管するのは宗教的に特に問題はありません。
遺骨を手元で保管することで、故人を身近に感じることができ、それが心の支えになると感じる方もいらっしゃるでしょう。

ただし、遺骨を管理できなくなった後のことは考えておかなければいけません。
いつかはお墓に埋葬する、もしくは散骨する必要があります。

浄土真宗の墓じまいをするには

墓じまいとは、お墓を撤去し、墓地を更地にして管理者に返還することを言います。
浄土真宗の家墓を墓じまいする方法について解説します。
墓じまいの方法は、他宗派とほとんど変わりません。

1.親戚・親族に相談する

まずは不要なトラブルを避けるため、お墓に関係する親戚や親族に相談します。
場合によってはお墓を引き継いでくれる親族が現れるかもしれません。

また、普段はお墓に口を出してこなかった親戚が、墓じまいとなった途端に異を唱えることもあります。
特に本家の墓を撤去するときは注意しましょう。自分が思っている以上に、本家を大切にしている親戚がいるかもしれません。

親戚や親族に相談しないまま墓じまいをしてしまうと、後日お参りに来た親族からもめてしまします。
前もって相談しておきましょう。

2.遺骨の引っ越し先(改葬先)を決める

墓じまいした後、遺骨をどうするかを決めます。
お墓を撤去した後をスムーズに進めるために、先に決めておきましょう。

改葬先としては、近くの一般墓、永代供養墓・跡継ぎ不要の墓、散骨などが考えられます。

3.お墓の管理者に相談する

まずは、お墓の管理者に相談します。
寺墓地ならご住職、民営霊園なら管理事務所、公営霊園なら管理事務所または役所に行きます。

お墓がお寺にある場合、墓じまいをするということは檀家をやめるということに直結しますので、特に丁寧にごあいさつします。
その際には、これまでお世話になった感謝、いたしかたなく墓じまいすることになった経緯を説明してください。
最初から「離檀」という言葉は出してはいけません。

4.改葬許可を取得する

遺骨を移動する際は、お墓のある自治体の役所に行って「改葬許可証」を交付してもらう必要があります。

まずは役所のホームページまたは窓口で「改葬許可申請書」をもらいます。
改葬許可申請書に必要事項を記入し、現在の墓地管理者に署名・捺印をもらい、役所に提出すると「改葬許可証」が交付されます。
改葬許可証が交付された時点で、遺骨の移動ができるようになります。

自治体によっては、墓地管理者の代わりに別途「埋蔵証明書」が必要になったり、遺骨の引っ越し先の墓地から「受入証明書」を発行してもらう必要があるところもあります。

5.遷仏法要をする

お墓を解体する前に、僧侶に読経してもらいます。
これを「遷仏法要」と言います。お墓の霊験をなくし、ただの墓石に戻すプロセスです。
他宗派では「魂抜きの法要」をしますが、浄土真宗では霊魂の概念が無いため、この言い方はしません。

6.墓石の解体工事・墓地の返還

石材店に頼んで、墓石の解体工事をします。
墓地は更地にして墓地の管理者に返還します。

お墓が民営霊園にある場合は指定業者がいるので、お墓を立ててくれた石材店かに依頼するか、管理事務所に石材店を手配してもらいます。
お寺でも指定業者がいればそこに依頼します。いなければ自分で近くの石材店に依頼しましょう。

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まとめ

浄土真宗と永代供養墓について解説しました。

浄土真宗には「永代供養」の考えが無いのですが、実際に探すときは「永代供養墓」などのワードで探しても問題ありません。
浄土真宗のお寺でも「永代供養墓」として跡継ぎ不要のお墓を管理していることも多々あります。

お墓を探すときはあまり考えすぎる必要はありませんので、立地や価格帯、形式から希望に合うお墓を探しましょう。

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