浄土真宗のお墓はどう建てる?お墓の特徴とお参りの仕方

  • 投稿日:2019/06/19
  • 更新日:2022/03/21
浄土真宗のお墓はどう建てる?お墓の特徴とお参りの仕方

日本には代表的な宗派が13宗派存在しており、最も信徒の多い宗派が浄土真宗です。
この記事では、浄土真宗のお墓の特徴などを解説します。

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浄土真宗とは

浄土真宗とは、平安時代の後期に浄土宗の開祖法然(ほうねん)から教えを受けた親鸞(しんらん)が創始した仏教です。
浄土真宗の中でも宗派が複数存在しており、主に浄土真宗本願寺派と真宗大谷派に分かれています。

ここでは、浄土真宗の教義の内容を解説します。

浄土真宗は他力本願の仏教

浄土真宗は、他力本願の仏教であるといわれています。

浄土真宗における他力本願とは、「阿弥陀如来を頼って極楽浄土に行く」という考え方です。
阿弥陀如来とは、浄土真宗などで信仰対象とされている仏です。

弟子の唯円房が親鸞の教えをまとめたものとされている歎異抄には「善人なをもて往生す、いわんや悪人をや」とあります。
この言葉を訳すと、「善人でさえ極楽浄土に行けるのだから、悪人であればなおさらである」という意味になります。

歎異抄における善人とは、「自力で極楽浄土にいけると思っている人物」です。
対して悪人「自分は極楽浄土に行ける身ではないと自覚している人物」をいいます。

「自分の力では極楽浄土に行けないため、阿弥陀様に祈りを捧げて一身をお任せしよう」というのが、浄土真宗の考え方です。

浄土真宗は、自力で極楽浄土に行こうとする他の宗派とは異なり、「南無阿弥陀仏」を唱えるだけで極楽浄土に行けるとされています。
学問のない庶民や、寺院に寄進して徳を積むことができない人でも極楽に行けるため、多くの人に信仰されました。

浄土真宗のお墓の特徴

浄土真宗は、お墓に対する考え方が他の宗派と異なる部分があります。
浄土真宗のお墓には、主に以下の8つの特徴があります。

    1.お墓には魂が宿らないとされている
    2.霊標を法名碑と呼ぶ
    3.お墓を建てたときは建碑法要を行う
    4.浄土真宗のお墓は水鉢がいらない
    5.卒塔婆は立てない
    6.五輪塔は建てないことが多い
    7.墓相にはこだわらない
    8.喉仏を大谷本廟や真宗本廟などに分骨する

ここでは、浄土真宗のお墓の特徴について個別に解説します。

1.お墓には魂が宿らないとされている

ほとんどの仏教では、お墓は魂が宿る場所とされています。
しかし、浄土真宗では、故人の魂はお墓に宿らないといわれています。

魂がお墓に宿らない理由は、浄土真宗において人は死後すぐに成仏し極楽浄土へ旅立つとされているからです。

浄土真宗のお墓は故人の供養のためではなく、お参りを通して故人やご先祖様への感謝の気持ちを思い出したり、命の儚さや阿弥陀様の慈悲に気づくための場所として建てられます。

2.霊標を法名碑と呼ぶ

一般的に、お墓の隣にある戒名が刻まれた石碑は「霊標」と呼ばれています。
浄土真宗において、霊魂はないものとして扱われているため、霊標のことを「法名碑」といいます。

また、浄土真宗には戒律がないため、戒名が与えられることはありません。
戒名がないため、代わりに浄土真宗の仏弟子の証である法名を刻みます。

3.お墓を建てたときは建碑法要を行う

浄土真宗では、開眼供養のかわりに建碑法要をします。
建碑法要とは、お墓を仏教の教えと縁を結ぶ場所にすることを、阿弥陀様に伝えるために行う法要です。

開眼供養とは、お墓に魂を入れるための儀式です。
浄土真宗では、お墓に魂は宿っていないとされているため、開眼供養は行いません。

4.浄土真宗のお墓は水鉢がいらない

浄土真宗のお墓には、水鉢がありません。

他の宗派において、故人に水を供えるのは霊魂に水を与えるためだとされています。
浄土真宗では、極楽浄土はきれいな水が潤沢にあるとされているため、水を供える必要はありません。

ただし、お墓の清掃のために水をかけることはあります。

5.卒塔婆は立てない

浄土真宗は追善供養を行うことがないため、卒塔婆は立てません。

追善供養とは、故人がより良い世界に生まれ変わることを祈るために行う供養です。
追善供養をするときは、徳を積むために卒塔婆という木の板を立てます。

浄土真宗においては、故人の魂は死後すぐに極楽浄土へ行くとされています。
追善供養を行う必要がないので、卒塔婆を建てることはありません。

6.五輪塔は建てないことが多い

浄土真宗では、五輪塔を立てないのが一般的です。
浄土真宗では、故人は極楽浄土にいるとされているので、供養のために五輪塔を建てることはありません。

ただし、地域の慣習によっては、浄土真宗であっても五輪塔を建てることもあります。

7. 墓相にはこだわらない

墓相とは、お墓の向きや形から吉凶を決める占いです。
浄土真宗では、どのような祀り方でも阿弥陀様が成仏させてくれるので、墓相を気にする必要はありません。

8.喉仏を大谷本廟や真宗本廟などに分骨する

浄土真宗には、喉仏を本山や各地にあるお寺に分骨するという習わしがあります。

本願寺派が分骨するときは、大谷本廟にある祖壇などに骨を納めます。
真宗大谷派が分骨するときは、総本山である真宗本廟か、親鸞の墓所である大谷祖廟などに納骨します。

浄土真宗でのお墓参りと法要の作法

浄土真宗には、お墓参りと法要の作法が他の宗派と異なる部分があります。

お墓参りの作法

お寺の境内にお墓がある場合は、門を通る時に本堂と本尊へ合掌礼拝をします。
浄土真宗の教えにおいて、合掌するときは念珠(数珠)を持って礼拝するのが良いとされています。

墓所についたら、お墓に向かって一礼しましょう。
一礼をした後は、墓石や周囲を清掃し花や線香をお供えします。

なお、浄土真宗のお墓には、水を供える必要はありません。
墓石をきれいに洗うときのみ、お墓に水をかけましょう。

お供え物をした後は、念珠(数珠)を持ってお墓に手を合わせ、「南無阿弥陀仏」と唱えます。
南無阿弥陀仏の発音は、宗派によって異なります。
自分が浄土真宗本願寺派の場合は「なもあみだぶつ」、真宗大谷派の場合は「なむあみだぶつ」と唱えましょう。

また、お墓参りの作法は、お寺や地域によって異なる場合があります。
お墓参りするお寺の規則がわからない場合は、住職に確認しましょう。

法要の作法

浄土真宗の法要に参加するときは、香典に「御仏前」「御香典」と表書きしましょう。
他の宗派では、49日前であれば「御霊前」と書く場合もあります。
浄土真宗の教えでは、故人の霊魂が現世に留まらないとされているため、御霊前と書くことはありません。

また、焼香をするときは、額にお香を押しいただくことはしません。
お香を香炉にくべる回数は、浄土真宗内の宗派によって異なります。
たとえば、本願寺派の場合、焼香時は1回だけお香をくべますが、大谷派の場合は2回行います。

浄土真宗のお墓のデザイン

浄土真宗の場合、どのようなデザインのお墓を建てればよいのでしょうか。

お墓の形に決まりはない

浄土真宗には、決められたお墓の形がありません。
和型墓石ではなく、洋型墓石やデザイン墓石を建てても問題ないでしょう。

ただし、お墓を建てる墓地や霊園によっては、決められた形のお墓しか建てられないことがあります。
好きな形のお墓を建てたい場合は、墓地・霊園の規則を確認しておきましょう。

墓石には「南無阿弥陀仏」か「倶会一処」と彫る

浄土真宗のお墓を建てる場合は、墓石の正面に「南無阿弥陀仏」「倶会一処」と彫るのが一般的です。

南無阿弥陀仏は、阿弥陀如来に祈りを捧げる時に唱える念仏です。
倶会一処とは「たとえこの世で離れても、極楽浄土で再会しよう」という意味の言葉です。

浄土真宗のお墓を建てられる場所

浄土真宗の方は、どこにお墓を建てれば良いのでしょうか。

浄土真宗の寺院墓地

寺院墓地とは、お寺の境内に設けられている墓地です。

寺院墓地は、住職が墓地を管理しているため、安心して利用できます。
また、葬儀や法要を住職に依頼にできるというメリットがあります。

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民営霊園

民営霊園とは、宗教法人などが主体となり、公益事業のために造られた霊園です。

ほとんどの場合は宗教・宗派の指定がないため、多くの方が利用できます。
民営霊園は、設備が充実していることが多いといった特徴があります。
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公営霊園

公営霊園とは、各地域の自治体が運営している霊園です。

運営主体が自治体であるため、宗教・宗派の指定はありません。
公営霊園は、民営霊園や寺院墓地と比較すると、管理費が安いという特徴があります。
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浄土真宗の墓じまい

浄土真宗のお墓を墓じまいするときは、どのような流れで行えば良いのでしょうか。

墓じまいの方法は他の宗派とほとんど同じ

浄土真宗の墓じまいの方法は、他の宗派と大きな違いがありません。
一般的な墓じまいと同じ流れだと思って問題ないでしょう。

ただし、浄土真宗では、閉眼法要のかわりに遷仏法要を行うという特徴があります。

閉眼法要とは、お墓から魂を抜くための儀式です。
浄土真宗では、お墓に魂が宿らないとされているため、閉眼法要は行いません。
代わりに、ご本尊に感謝を伝えるための儀式である遷仏法要を行います。

墓じまいの流れ

墓じまいは、主に以下の流れで進めます。

1.親族と墓地管理者に相談する
2.遺骨の改葬先を決める
3.石材店に見積もりをだしてもらい、解体工事を依頼する
4.改葬許可証などを準備する
5.遷仏法要を行い墓石を解体する

浄土真宗に限らず、寺院墓地にあるお墓を墓じまいする場合は、石材店が指定されていることがあります。
石材店の指定がない場合は、自分で探す必要があります。

また、墓じまいについて詳しく知りたい方は、下記もご参照ください。

墓じまいに関する記事はこちら >>

まとめ

浄土真宗のお墓に関して、以下の内容を紹介してきました。

  • 浄土真宗とは、「南無阿弥陀仏」を唱えることで、誰でも極楽浄土へ行けるとされている仏教です。
  • 浄土真宗では、故人は死後すぐに極楽浄土へ行くといわれているため、お墓に魂は宿らないとされています。
  • 浄土真宗のお墓を建てるときは、墓石の正面に「南無阿弥陀仏」「倶会一処」と彫るのが一般的です。
  • 浄土真宗のお墓は、「浄土真宗の寺院墓地」「民営霊園」「公営霊園」で建てられます。

現在、浄土真宗の信徒は、1000万人以上いるといわれています。
浄土真宗のお墓を探している方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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浄土真宗のお墓に関するよくある質問

  • Q

    浄土真宗とは?

    A

    浄土真宗とは、平安時代の後期に親鸞(しんらん)が創始した仏教です。 浄土真宗では、「南無阿弥陀仏」を唱えることで、誰でも極楽浄土へ行けるとされています。

  • Q

    浄土真宗のお墓の特徴は?

    A

    浄土真宗のお墓には、卒塔婆や水鉢を作らないという特徴があります。 浄土真宗では、人は亡くなるとすぐに成仏し、満ち足りた世界である極楽浄土へ旅立つとされています。 したがってお墓に魂は宿らず、水鉢や追善供養も必要ありません。

  • Q

    浄土真宗のお墓参りの作法は?

    A

    お墓参りの方法は、他の宗派と大きな違いはありません。ただし、お墓に水をかけるのは供養のためではなく清掃のためにかけるなど、細かな違いがあります。