戒名のお布施の相場は?ランクごとの戒名料と渡し方

  • 投稿日:2019/06/19
  • 更新日:2019/06/19
戒名のお布施の相場は?ランクごとの戒名料と渡し方

人が亡くなった時につける名前が戒名ですが、これにはその宗派によってつけ方も、使う文字も異なり、さらに使う文字によってランクがあります。

現実的な話としてどのランクの戒名を寺院によって授けてもらうかによって、そのお礼としてのお布施の額が異なります。知らないで高いランクの戒名を授けてもらってしまった場合、寺院から示されたお布施の額があまりに高くて驚いてしまう、ということも十分にあるのです。

そこでここでは、そもそも戒名とはどのようなものなのかという話と、最も気になる戒名のランクによるお布施の金額について解説します。

戒名とは何か

そもそも戒名とは何なのでしょうか。

戒名とは仏教上の名前

位牌の表面や、墓石の横面に記載される戒名とは仏の弟子になったことを示す名前で、狭い意味では二文字で表されます。
この狭い意味での、本来の戒名はどんな身分の人でも二文字であり、仏の世界では平等ということを示しています。
したがってランクはありません。

つまり戒名は本来は出家して仏門に入り、守らなければならない戒律を守った時に初めてつけられる名前なのです。
しかし現在では故人が亡くなったあとに仏弟子として成仏できるようにつけるということが一般的です。

戒名を授けてもらうのは菩提寺がある場合はその寺院の住職にお願いします。
菩提寺がない場合は、葬儀で読経をしてくれる僧侶に授けてもらいます。

上で書いたように狭い意味での戒名は二文字ですが、広い意味でありかつ現在一般的に認識されている戒名は二文字に院号、道号、位号などが加わって、7文字から12文字になっている長いものを指します。

また戒名は浄土真宗では法名日蓮宗では法号ともいいます。
浄土真宗の場合はどのような人でも、つまり戒律を守らない人でも阿弥陀如来が無条件に成仏させてくれるので、戒名ではなく法名なのです。
また日蓮宗では戒名と呼んでも問題ありませんが、しかし日蓮宗自体、授戒をあまり行なっていないので、法号と呼ぶこともあります。

また戒名に対して生前に名乗っている名前を俗名と言います。

戒名の構成

では戒名を構成している文言について解説しましょう。
この構成の中でどのような文言を使うかによって戒名のランクが決まります。

・院号/院殿号
まず院号、院殿号は生前に寺院に寄進するなど貢献の大きかった人、あるいは社会的な地位が高かった人の場合に戒名の1番上につけます。
したがって院号がついていない戒名もありますし、逆に院号がついている戒名はランクが高いということになります。

・道号
道号は二文字の狭い意味での戒名の上につけるもう1つの名前で、俗名で言えば号とか字(あざな)に当たります。
そもそも道号は古い中国で使われた尊称のことで、仏教の修業をしっかりした特別な人にだけつけていました。
これが中国から日本に伝わって、二文字の戒名の上につけられるようになったのです。

・位号
位号は、戒名の最後に付けます。
性別や年齢、地位により異なり、仏教徒としてのランクを表します。
詳しくは後述します。

・白木位牌の時だけ付ける文字
冠字、上文字、置字、梵字という文字がつく場合があります。
これは白木の位牌に書く場合に、広い意味での戒名のほかにつけるものです。
内容は宗派によって異なりますが、まず冠字は戒名の上に「空」「妙法」「法名」とつけるものです。
さらに上文字は「新円寂」「新帰元」「遷化」などです。
置字は戒名の下につける「霊位」「位」などです。以上はすべて広い意味でも狭い意味でも戒名ではありません。
したがって白木の位牌には記載しますが、本位牌を作るときは、冠字、上文字、置字、梵字などはどれも除きます。
ただし真言宗だけは、戒名の上の梵字と下の「位」だけは本位牌でも記載し、故人が大日如来の弟子となったことを示します。

以上の構成要素を組み合わせて広い意味での戒名は決まります。

具体的にはAAを院号、BBを道号、CCを狭い意味での二文字の戒名だとした場合、男性の戒名はBBCC信士、BBCC居士、AA院BBCC居士、AA院殿BBCC大居士となり、女性の場合は、BBCC信女、BBCC大姉、AA院BBCC大姉、AA院殿BBCC清大姉となります。

戒名には位がある

また戒名の位、つまりランクは上で説明したように院号をつけるかどうかに左右されますが、戒名の1番下につけられる位号に使う文字によってもランクが分かれます。

位号とは戒名の下につける尊称のことで、性別や年齢、地位により異なり、仏教徒としてのランクを表します。

ランクの高い順に言うと、「大居士、清大姉」→「居士、大姉」→「禅定門、禅定尼」→「清信士、清信女」→「信士、信女」です。
また子供の場合は年齢によって「童子、童女」「孩子、孩女」「嬰子、嬰女」とつけます。

この位号は誰でもどのようなものでもつけられますが、高いランクのものほどそれを授けてくれるお布施が高額になります。
逆に、身も蓋もない言い方をすると、お布施をたくさん納めれば誰でも高いランクの位号をつけることが可能なのです。

しかし、一般的には先祖と同じお墓に埋葬される場合は先祖よりランクの高い戒名はつけないこと暗黙のルールです。
ただし新たにお墓を建てる場合は、このルールは適用されません。また夫婦で同じお墓に入る場合は2人の戒名のランクをそろえます。

戒名のお布施の相場

ではいよいよ最も気になる、戒名のランクによってお布施の相場がどうなるか、ということの解説です。

お布施の相場は

ランクが高い戒名ほどお布施の相場が高くなるのはどの宗派でも同様ですが、しかし宗派によってそもそも戒名を授けてもらうお布施の相場には高い低いがあります。
金額でお布施の相場を示すと、以下のようになります。

・浄土宗の場合
信士、信女:30~40万円/居士、大姉:50~60万円/院信士、院信女:70万円以上/院居士、院大姉:上限なし

・真言宗と天台宗の場合
信士、信女:30~50万円/居士、大姉:50~70万円/院信士、院信女:80万円以上/院居士、院大姉:100万円以上

・日蓮宗の場合
信士、信女という位号はつけません。つけるのはその上のランクの居士、大姉からになります。
居士、大姉:30~50万円/院信士、院信女:100万円以上

・浄土真宗の場合
浄土真宗では戒名とは言わずに「法名」と言います。
法名には位号を付けないため、どのような法名をつけても20万円からがだいたい相場です。

・臨済宗の場合
信士、信女:30~50万円/居士、大姉:50~80万円/院居士、院大姉:100万円以上

・曹洞宗の場合
信士、信女:30万円以上/居士、大姉:50~70万円/院信士、院信女、院居士、院大姉:100万円以上となります。

戒名の位を上げたかったら

故人に高いランクの戒名をつけたいと思ったら、1番簡単な方法は先ほど書いたように、戒名を授けてくれる寺院に院号と、また信士、信女ではなく、居士、大姉などの高いランクの位号を頼むことです。

さらにその中でも最上級の戒名を望むのであれば、生前に寺院に高額の寄進をしたり、改修などの費用を寄付するなど、多大な貢献をすることがよいでしょう。

生前戒名料とは

戒名は仏弟子になった証しなので、当然、戒律さえ守ることを約束すれば生前に授かるも可能で、それを生前戒名と言います。
生前戒名をつけるのは、生きている間に仏門に入ることなので、歓迎されます。
戒名の構成は、亡くなったあとにつける場合と同じです。

この生前戒名を授けてもらうお布施が生前戒名料です。
生前戒名料は亡くなった後につける戒名を授けてもらう際に納めるお布施よりも、一般的には低額になっています。だいたい相場で言えば、地域や宗派で異なりますが、5~40万程度です。

また生前に戒名を授けてもらえれば、自分の意に沿ったものにできるというメリットもあります。

お布施の包み方とのし袋、封筒の表書き

戒名を授けてもらう際のお布施は当然、お札を裸で渡すようなことは大変失礼に当たります。
ですからお布施はのし袋に入れて渡しましょう。

のし袋は5本か7本の紫銀の水引がついたものを選びます。
そこにハスの花の印刷がされているものであればベストです。
地域によって黄白の水引にする場合もあります。

そして表書きは「御戒名料」と書きます。
文字は薄墨ではなく。濃いインクにします。

戒名料のトラブル対策

戒名料はどのような場合でもかなり高額で、冒頭に書いたようにそのルールを知らないと、いつの間にか高いランクの戒名を授けられて高額のお布施を納めなければならなくなった、などのトラブルに見舞われます。
そのようなトラブルを防ぐためには以下のような対策を講じましょう。

まず1番良いのは、生前に戒名料の確認を寺院や葬儀社に確認しておくことです。
もしもそれができないまま亡くなってしまった場合は、戒名をお願いする際にそのお布施の相場を確認しましょう。
また戒名料は、戒名をつける費用だけではなく、葬儀での読経料も含めて請求されることも多いので、その点の確認も必要です。

最近は戒名料を明確にしている寺院や葬儀社も増えているので、もしも菩提寺に戒名をつけてもらわなくても大乗にであればそのようなところを選ぶこともおすすめです。

戒名だけもらうことはできる?戒名のみの相場は?

上で書いたように、通常の戒名料は葬儀の読経料と込みになっています。
これを分けて、戒名だけをつけてもらう、ということも可能です。その際の戒名料の相場は、これも寺院などで差が出ますが、大まかに言って居士、大姉で5万円から、院居士、院大姉で15万円から、というところでしょう。

ただし、菩提寺がある場合は、自分の寺院でつけていない戒名を認めてくれないこともあり得ます。
そうなると、葬儀もお墓への埋葬もできません。

ですから戒名だけをほかの寺院などでつけてもらう際には、それが可能かどうかを菩提寺に事前に確認しましょう。

戒名は絶対必要?

そもそも戒名は絶対に必要なものなのでしょうか。

戒名をつける理由は?

最初の方でも触れましたが、戒名は仏弟子になったことの証しとしてつける名前です。
人間が亡くなった後に極楽で成仏するためには、仏の加護が必要なので、戒名をつける必要があるのです。

戒名はなくてもいい?

ですから自分は無宗教であり、死後の成仏などは信じない、したがって仏弟子にもなる必要はないと自分の意思がはっきりしている場合は、戒名はつけなくても良いのです。

ただし、お墓が寺院墓地にある場合は埋葬する上で戒名が必須の場合も多いので、戒名がなくても大丈夫かを事前に墓地管理者に確認しましょう。
宗教的な制限がない公営墓地、民営墓地の場合はその心配は不要です。

葬儀や法要は頼まず戒名だけもらうことはできる?

先ほど書いたように、寺院に葬儀や法要抜きで、戒名だけを授けてもらうことも、寺院によっては可能です。
ただし菩提寺との関係があるので、事前に確認しましょう。

戒名を自分でつけてもいい?

戒名を授けることができる権限は認定制などではありません。
ですから自分で好きな言葉を選んで戒名をつけても何ら問題はありません。

しかし、先ほどから書いているように、墓地によっては自分の寺院でつけたのではない戒名の故人の埋葬は拒否する場合もあるので注意しましょう。

まとめ

戒名は仏教上、極楽に成仏するためには大切なものですが、しかし現世においては宗教ビジネスに利用されている観があることも実態です。
ですからどのような戒名をつけてほしいのかということと、その戒名料とのバランスをよく考えて、賢く、納得できる形でお布施を納めるようにしましょう。