戒名の各宗派ごとの違い!つけ方の基本ルールを解説

  • 投稿日:2019/06/18
  • 更新日:2021/12/03
戒名の各宗派ごとの違い!つけ方の基本ルールを解説

お墓や位牌などを見ると漢字が何文字も彫ってありますが、これが戒名です。

戒名と言うと、最近よく聞く話としては知らない間に高額なお布施を取られたということでしょう。
これは寺院側にも問題がありますが、戒名というものの構成や宗派ごとの違いを遺族が知っていれば事前に防げるトラブルでもあります。

そこでここでは、戒名とはいったいどういうものなのか、そして仏教の宗派ごとに戒名はどのように違うのか、という点について解説して行きます。

戒名とは何か

まず最初に戒名とは何なのかについて解説しましょう。
戒名とは何を指すのでしょうか。

戒名の意味は?

そもそも戒名は出家して仏の弟子になった時につけてもらう、あの世で通用する名前のことで、どのような人の場合でも基本は二文字です。
つまり本来はどのような身分の人でも、あるいはお布施を多く納めた人でも、あの世では平等だということです。
この名前が狭い意味での戒名です。
戒名は、菩提寺の住職からつけてもらうものですが、菩提寺がない場合は葬儀で読経をしてくれる僧侶に頼んでつけてもらいます。

これに対して広い意味で、かつ今一般的に言われている戒名とは、狭い意味の戒名に院号、道号、位号などを加えて、全体で7文字から11文字と言った長い漢字の羅列になったものです。
これはつける文字などによって、ランクの高低があり平等ということではありません。

戒名の構成とそれぞれの意味は?

では広い意味での戒名とはどのような構成になっているのでしょか。

AAを院号、BBを道号、CCを狭い意味での戒名とした場合、広い意味での戒名は下記のいずれかのように付けます。

・成人男性場合
BBCC信士
BBCC居士
AA院BBCC居士
AA院殿BBCC大居士 など

・成人女性の場合
BBCC信女
BBCC大姉
AA院BBCC大姉
AA院殿
BBCC清大姉 など

では院号、道号、位号とはどのようなものなのでしょうか。

院号

院号または院殿号は、生前にお寺に多額の寄付をしたなど貢献度が大きかった場合につける、戒名の1番上に置く文字です。
そもそもは院とは、後鳥羽院、後白河院などと出家した天皇につけるように、非常に高貴な人について称したものです。

道号

道号は、二文字の狭い意味での戒名の上につけられるもう1つの名前で、俗名で言えば号とか字(あざな)にあたるものです。
道号はそもそも中国で用いられた尊称で、仏教の修業をして悟りに至った人につけた特別な呼称です。
それが日本に伝わって、二文字の狭い意味での戒名の上につけられるようになりました。
道号は本人の人柄や性格、仕事、趣味などを元にしてつけられます
有名な一休禅師の「一休」も実は道号です。

位号

位号は広い意味での戒名の1番下につける文字で、その戒名のまさにランクを表します。
ランク別に位号を挙げると以下のようなものになります。

・信士、信女
一般的な人がつける、最も下のランクの位号です。と言っても、戒名としては立派なものです。

・清信士、清信女
信士、信女と同じ意味ですが、「清」の文字が入ることでランクが1段高くなります。

・居士
もともとは「長者」の意味で、信仰心があって仏教の発展に尽くした人につける位号です。
位号の中では最もランクの高いものです。女性の場合は大姉とつけます。

以上が基本的によく見る位号ですが、それ以外にも以下のようなものがあります。

・童子、童女
子供につける位号です。亡くなった年齢によって、4、5歳から15歳は童子、童女、3歳から7歳は幼子、幼女、2歳から3歳までは孩児(がいし)とつけます。。

・禅定門
出家した人につける
位号です。
もとは禅定門士、禅定門尼であり、その略称です。
この上に「大」の字をつけると1段上のランクになります。

・庵主
「あんじゅ」と読み、通常、家の主という意味ですが、位号として用いる場合は、比較的小規模のお寺の住職のことを指します。
院号をつけるほど高位ではなくても、それなりに仏教に貢献したという場合に庵主とつけます。
最近ではこの位号は減ってきています。

・上座、尼上座
最近使われなくなった位号で「じょうざ」「にじょうざ」と読みます。
これはランク的には信士と居士の間になりますが、用いられるエリアが限定されています。
また用いた時代も江戸時代に多く、今ではほどんど使われません。

このほか白木の仮位牌の時に書く広い意味での戒名には、冠字、上文字、置字、梵字などをつけます。
たとえば、戒名の上に「空」「妙法」「法名」などの冠字をつけたり、「新円寂」「新帰元」「遷化」などの上文字をつけたりします。
置字は広い意味での戒名の下「霊位」「位」とつける文字です。
梵字はインドのサンスクリット語の文字で、それぞれの宗派の本尊をあらわしています。

れらはすべて広い意味の戒名でなく、本位牌にした場合には除外します。

戒名の位を上げる意味

広い意味での戒名は以上で解説したように、まず院号がつくかどうかでランクの高低が生じます。
さらに位号が信士から居士になることによって、何ランクかに分かれます。

現実的な話になりますが、ランクの高い戒名を付けた場合は、そのお礼として寺院に納めるお布施も高額になります。
具体的には浄土宗の場合のお布施の相場は、以下の通りです。

・信士、信女:30~40万円
・居士、大姉: 50~60万円
・院+信士、院+信女:70万円~
・院+居士、院+大姉:100万円~

なぜここまでお布施を納めてランクの高い戒名にする意味があるのでしょうか。

先ほど書いたように、人間はあの世に行ったら平等です。
高いランクの戒名をつけたからと言ってあの世で優遇されるわけではありません。
しかし供養する遺族にとっては、故人が立派な人だったということを示すような葬儀を行い、立派なお墓を作りたいというのは心情でしょう。

そのような気持ちの延長で、故人を称える意味でのランクの高い戒名をつける意味があるのです。

宗派ごとの戒名

では仏教の宗派別の戒名はどのようなものか見て行きましょう。

天台宗、真言宗

天台宗、真言宗は頭に梵字を1文字つけ、その下に9文字で構成されます。
以下のような構成になります。

◎(梵字)+〇〇院(院号)+◇◇(道号)+△△(戒名)+信士(位号)

曹洞宗、浄土宗

曹洞宗、浄土宗も天台宗などと同様に、梵字1文字+基本の9文字で構成されます。
以下のような構成になります。

◎(梵字)+〇〇院(院号)+◇◇(道号)+△△(戒名)+信士(位号)

さらに浄土宗は戒名の上に誉(誉号)がつく場合もあります。
また曹洞宗は、単に道号+戒名の4文字か、狭い意味での戒名の2文字だけをお墓や位牌に彫る場合もあります。

黄檗宗

黄檗宗の戒名の構成は9文字が基本です。
以下のように構成されます。

〇〇院(院号)+◇◇(道号)+△△(戒名)+信女(位号)

臨済宗

臨済宗の戒名の構成は9文字が基本です。
以下のように構成されます。

〇〇院(院号)+◇◇(道号)+△△(戒名)+居士(院号)

特別な例としては院号ではなく院号に準じた尊称である「軒号」「庵号」「斎号」などをつける場合もあります。

浄土真宗

浄土真宗の戒名は、6~7文字で構成されます。

〇〇院(院号)+釋+△△(法名)

位号はありません。
女性の場合は「釋」が「釋尼」になります。

なぜ浄土真宗の場合だけ、ほかの宗派と大きく異なる戒名になるかというと、その教義に由来しています。
ほかの宗派の場合は亡くなった後に、故人は49日間で仏になる準備をして、その後に成仏します。

したがって、仏の弟子として修業するという意味で戒名をつけます。
しかし浄土真宗の場合は、亡くなったらすぐに阿弥陀如来があの世に連れて行ってくれて成仏できるので、仏の弟子になって修行する必要がありません。

したがって、修行した人がつける名前である9文字から12文字の戒名はつけないのです。このため浄土真宗では戒名と呼ばず、法名と言います。

日蓮宗

日蓮宗の戒名の構成は9文字で構成されます。
構成は以下のようになります。

〇〇院(院号)+◇◇(道号)+日△(日号)+大姉(位号)

日号がいわゆる狭い意味での戒名で、上に必ず日蓮宗の開祖を表す「日」の文字を入れます。
さらに男性の場合は道号に「法」の文字を使い、女性の場合は「妙」の文字をつけます。

日蓮正宗は7文字が基本

ここまでの宗派の戒名の基本は浄土真宗を除いて9文字でしたが、日蓮正宗の場合は、7文字が基本です。
構成は以下のようになります。

〇〇院(院号)+法△(法号)+居士(位号)

狭い意味での戒名である法号の1文字目は日蓮宗と同じように男性には「法」、女性には「妙」をつけます。

神道やクリスチャンでも戒名を付ける?

以上はすべて仏教の話でしたが、少し観点を変えて、神道の信者やキリスト教の信者の場合でも、戒名というものはつけるのかという点について解説しましょう。

神道では諡をつける

神道には戒名というものはありません。神道では、亡くなって神様の弟子になるという考え方がないので、修行をした結果であることを証明するような名前は付けないのです。
ただし、やはり神道の場合でも、人は亡くなると神の住む世界に行き、霊魂となるので、生前とは異なった名前をつけます。それが諡で「おくりな」と読みます。

諡の構成は以下のように付けます。

故人の名前+諡名+命(尊号)

クリスチャンは洗礼名を付ける

クリスチャンの場合も、やはり神の弟子になったという意味で洗礼名をつけます。
ただしキリスト教の場合は、亡くなった後に洗礼をするということはないので、死後に洗礼名をつけるということもほぼありません。

基本は、生きている時に受洗をして洗礼名をつけてもらいます。

洗礼名の構成は自分の好きな守護聖人や天使を選び、その下に俗名の下の名をつけます。

宗派が違う僧侶に戒名を付けてもらってもいい?

仮に自分の家が曹洞宗で、菩提寺がある場合は曹洞宗の僧侶に戒名をつけてもらうことになります。
しかし菩提寺がなく、たまたま葬儀に来てくれた僧侶が浄土宗だった場合、宗派の違う僧侶に戒名をつけてもらっても良いのでしょうか。

この場合、曹洞宗の戒名のつけ方のルールに沿っていれば基本的には問題はありません。
どの戒名も基本は同じ仏教ですから、宗教観や目的は同じなのでそれほど気にする必要はないのです。

ただし寺院が経営しているお墓、納骨堂の場合は、宗派が違う僧侶がつけた戒名を持つ人の埋葬を断る場合もなくはありませんから、つけてもらう場合は、どこに埋葬するかを確認し、そこが寺院の経営なら墓地管理者に確認した方が無難です。
宗派に関係なく埋葬できる民営霊園や公営霊園の場合は、そのような心配は必要ありません。

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まとめ

戒名の基本と宗派ごとの違いについておわかりいただけたでしょうか。
以上の解説をよく理解し、どの文字を使った場合に戒名が高いランクになるかを理解しておけば、知らない間に高位の戒名をつけられ、高いお布施を要求されるというトラブルは避けられるはずです。

ですから戒名をつけてもらう際にはしっかり確認しましょう。

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