戒名とは?戒名の意味・構成・必要性・お布施について

  • 投稿日:2019/06/19
  • 更新日:2021/12/03
戒名とは?戒名の意味・構成・必要性・お布施について

戒名と一口に言っても、改めてそのつける理由やつけ方のルールを質問されると答えることができない人がほとんどでしょう。
しかし戒名を寺院がくれるものをそのまま受け取った場合、その意味が分からないだけはなく、本来払わなくてもよいような高額のお布施を納めることになってしまう場合も考えられるのです。

ですから大人の基礎知識として戒名の意味や宗派によるつけ方の違い、あるいは戒名のつけ方によるお布施の費用の相場は知っておいて損はありません。
ここではそのような戒名のあれこれについて解説します。

戒名とは何か

そもそも戒名とは何を指すのでしょうか。

戒名とは?

戒名の本当の意味は、世俗の立場を捨てて仏の弟子になった時に、世俗の名前ではなく弟子としての名前を付けたりことです。ですから本来は出家して仏門に入り、僧侶としての戒律を受け入れた人に与えられる名前です。

ここから派生して、人が亡くなった時には、仏の弟子として成仏できるように、僧侶と同様の戒名をつけることが一般的になりました。

戒名は通常二文字で表されます。
これは身分の上下などで左右されるものではなく、誰でも亡くなってしまえば平等だということを示しています。
そこに院号、道号、位号などが加わって、長い名前になったものを、一般的には広い意味での戒名と称しています。

さらに戒名は自分の家の菩提寺の住職から授けてもらいます。
菩提寺のない人は葬儀で読経をあげてくれる僧侶に授けてもらいます。

また宗派によって戒名の呼び方は変わります。
たとえば浄土真宗では法名、日蓮宗では法号と称します。

なぜこのような名前になるかと言うと、その宗派の教義によるからです。
一般的な宗派の場合は、僧侶が守るべき戒律を授けられるので戒名といいますが、浄土真宗では戒を授けませんので、法名と呼びます。
日蓮宗の場合は、授戒は行う場合と行わない場合があるので。戒名と呼んでも良いのですが、一般的には法号と呼んでいます。

戒名の構成

では戒名の構成を解説して行きましょう。

戒名はどういう構成になっている?

まず男性の場合は、最後が「~信士」「~居士」となっているもの、さらに院号がついて「~院~居士」「~院殿~大居士」などの構成が一般的です。
これが女性になると「~信女」「~大姉」「~院~大姉」「~院殿~清大姉」などとなります。

このように戒名は院号(いんごう)、道号(どうごう)、戒名、位号(いごう)の4つで構成されています。
何を指すのかと言うと以下の通りです。たとえば「清明院浄心明照居士」であれば、

・清明院←院号
・浄心←道号
・明照←戒名
・居士←位号

です。

 

・院号・院殿号
院号、院殿号とは生前に寺院の改修のために費用を投じたり、社会的に身分の高い人だった場合につけます。
そもそも院号は、退位した天皇が住む宮殿を表していました。
たとえば有名な「嵯峨院」や「後白河院」などがそれです。
つまり1つのお寺を創始したというほど、仏教に深く帰依したということなのです。
したがって院号は誰にでもつけるものではありません。

・道号
道号は二文字の戒名の上につけられるもう一つの名前です。
道号とは本来中国で用いられた尊称で、仏教を極めた人に対する呼び名です。
今では道号はその本人の人柄や性格、仕事、趣味などによって、それを象徴するような文言でつけられます。

例えば、トンチで有名な一休禅師の「一休」は、実は道号です。
これが真面目な人であれば「誠岳」、優しい人であれば「優雲」など、禁止されている文字以外であれば幅広く付けられます。

・狭い意味での戒名
戒名は先ほど書いたように、一般的には二文字です。
最も一般的なつけかたは、自分の名前から1文字、そして尊敬する人から1文字とってつける方法です。
また帰依する仏や経典からとる方法もあります。
たとえば阿弥陀如来を信仰していたら「慈」、大日如来であれば「照」などです。
また帰依している宗派が真言宗なら「真」、浄土宗なら「浄」などの場合もあります。

・白木位牌に刻む文字
白木の位牌に刻む文字には戒名の他に、冠字や上文字、置字、梵字などをつける場合もあります。
宗派によってつけない場合も多いのですが、冠字は戒名の上にある「空」「妙法」「法名」などです。
上文字は「新円寂」「新帰元」「遷化」などです。さらに置字は戒名の下にある「霊位」「位」などです。インドのサンスクリット語が発祥である梵字は宗派の本尊を意味します。

これらはいずれも広い意味での戒名ではありません。
さらに木の位牌にこれらの文字が刻まれている場合でも、本位牌を作るときは除きます。

釈、禅定門、庵主とは?戒名につける文字の意味

広い意味での戒名につける文字には独特のものがあります。

・釋、釈
たとえば「釋」あるいは「釈」は浄土真宗などで戒名の頭に付けます。
釈とは釈迦のことで、この文字をつけることで故人が釈迦の弟子であるということを示します。
男性の場合は男性の場合は「釋○○」、女性の場合は釋の後に尼の1文字が付け「釋尼○○」です。
有名な歌人の釈迢空、俗名折口信夫はこの例です。

また宗派によって戒名に入れる文字は変わります。
たとえば日蓮宗では「日」「法」「妙」など、浄土宗では「誉」、真言宗では漢字ではなく「梵字」で大日如来や釈迦如来を表す1文字を入れます。

・庵主
「庵主」とは江戸時代などで院号の代わりに使われていたもので、「あんじゅ」と読みます。
庵主は一般的には家の主という意味ですが、戒名で使う場合は、小規模のお寺を庵と呼ぶので、「~院」などをつけるほどではないが院号をつけたい場合に使った文字です。
しかし最近はこの文字を使うことはほとんどありません。

・禅定門
「禅定門」という文字は位号の1つです。
これは仏門に入って剃髪した人のことです。
したがって生前に出家した人の場合に「禅定門士」「禅定門尼」などとつけ、省略して「禅定門」ともつけるのです。

・一般的な位号
そのほか「居士」は五つの戒律を守る人に与える位号です。
「清信士」「清信女」は信士と同じ意味ですが、信士よりも高位になります。

「大居士」「大姉」は戒名の最高位の位号です。
著名人の中には柳田国男、佐藤春夫、川端康成なども大居士です。

また、4、5歳から15歳の場合は「童子」「童女」、3歳から7歳の場合は「幼子」「幼女」、2歳から3歳までの場合は「孩児(がいし)」という位号になります。

戒名に文字数の制限はある?

広い意味での戒名は宗派によって、そのつけ方が異なり、したがって全体の文字数も変わってきます。

・天台宗、真言宗、曹洞宗、浄土宗:10-11文字
【構成】◎(梵字)+〇〇院(院号)+◇◇(道号)+△△(戒名)+信士(位号)

・黄檗宗:9文字
【構成】〇〇院(院号)+◇◇(道号)+△△(戒名)+信女(位号)

・臨済宗:9文字
【構成】〇〇院(院号)+◇◇(道号)+△△(戒名)+居士(院号)

・浄土真宗:6-7文字
【構成】〇〇院(院号)+釋+△△(法名)
※位号は付けない

・日蓮宗:9文字
【構成】〇〇院(院号)+◇◇(道号)+日△(日号)+大姉(位号)

・日蓮正宗:7文字
【構成】〇〇院(院号)+法△(法号)+居士(位号)

院号なしでも成立する?

院号は仏教に深く帰依したり、寺院に貢献したり、社会で身分が高かった人などにつけるものなので、つけない場合も多々あります。
したがって院号はつけなくても問題ありません。

ただし、先祖代々院号を授かってきた家の場合は、その子孫も院号を授った方が良いという考え方もあります。

戒名事典というものはある?

戒名は自分でつけることも可能です。
その際に参考になるのは以下のような事典でしょう。

・「職業性格別戒名字典」 青山社編集部
・「俗名対応 法名戒名字典」 藤井正雄著 四季社

またネット上にも戒名によく使われる文字を集めたサイトがあります。
参考:禅叢林Net

戒名をつける費用とその意味

寺院に戒名をつけてもらった場合、その戒名に使う文字によって納めるお布施の相場が変わってきます。

戒名の相場は?

一般的な戒名の場合は、葬儀で読経してもらうことと合わせて、10~30万円のお布施を納めることが一般的です。
読経なしで戒名だけの場合は3~5万円が相場です。

位を上げるとお布施も上がる?

しかし二文字の戒名だけではなく、そこに院号、道号、位号などつけると戒名の「位」は上がりますが、その分お布施の額も上がります。
戒名だけで100万円以上になることさえあります。

宗派によっても異なりますが、たとえば浄土宗の場合は、信士、信女で30~40万円、居士、大姉で50~60万円、院信士、院信女で 70万円~、院居士、院大姉で100万円~が相場になります。

戒名はいらない?つける必要性と意味は?

このように戒名をつけるにはかなりのお布施が必要です。
そうなると本当に戒名をつけなければならないのか、という根本的な疑問が生じるでしょう。
その点についてはどうなのでしょうか。

戒名は生前もしくは亡くなったに仏門に入ったことを証明する名前です。
したがって別に仏教の教義を信じていないし、仏を信仰してもいないという人の場合は、戒名をつけてもらう必要は本質的にはないのです。

その代わりに戒名を自分でつける、という人も出てきています。
広い意味の戒名は、自分の好きな二文字や自分を表すのにふさわしいと思う二文字に「霊位」や「位」という文字をつければ、それで戒名と同じ扱いになるのです。

また戒名自体をつけずに生きていた時の俗名のまま埋葬される人も増えて来ています。
古くは、有名な文豪の森鷗外のお墓には本名である「森林太郎之墓」とだけ彫ってあります。
これは鷗外が生前に「余は林太郎個人として死ぬことを欲す」と遺言していたためにつけられたものです。

しかし戒名をつけない場合のデメリットもあるので、その点も踏まえた上で、選択をしましょう。

まず挙げられるデメリットは、親戚などに対して世間体が悪いということです。
さらには、すでに寺院の経営している墓地があってそこに埋葬される場合、戒名がないと拒否される場合もあります。
ですからもしも戒名をつけたくない場合は、事前にその寺院の僧侶に相談しておいたほうが良いでしょう。

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まとめ

ずいぶん戒名に詳しくなったのではないでしょうか。
戒名にはその文字の選択に深い意味と背景があり、さらに現実的にはどのような戒名にするかによって納めるお布施が変わってきます。
ですから賢く戒名をつけるためには、以上の解説をよく読んで対応するようにしましょう。

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