お盆のお墓参りはいつ行く?お参りの時期と持ち物を解説

日本人のうち99%は仏教徒だという統計があります。
その中のどれだけが「積極的な」仏教徒かはわかりませんが、しかし多くの人はお盆やお彼岸などの法要の時期には、本当に仏教を信じているいないにかかわらず、お墓参りをするでしょう。
とは言え、お盆のお墓参りの意味が分かっていないので、その気持ちがどうも真剣になれないという人もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、お盆のお墓参りの意味、そしていつ行くべきなのかなどのお盆の基礎知識について解説していきます。
目次
2019年のお盆はいつ?
2019年のお盆は、新暦の場合、8月13日(火)がお盆の入り、8月14日(水)がお盆の 中日、8月16日(金)がお盆明けとなります。
旧暦の場合は、7月13日(土)がお盆の入りで、7月14日(日)が 中日、そして7月16日(火)がお盆明けとなります。
お盆とは
そもそもお盆とはどのような行事なのでしょうか。
お盆の意味
お盆とは、亡くなった人があの世からこの世に戻ってくる期間を指します。
この世では、故人の霊魂をもてなすためにいろいろな行事を行います。
お盆というと8月15日前後の夏休みのことを思いう出す人も多いかもしれませんが、このお盆休みは本来、商家などで働いている従業員を故郷に帰らせ、お盆の法要に参加させるために一斉に休暇を与えたことが起源なのです。
お盆とはいつの期間を指す?
お盆がいつの期間を指すのか、という点については大きくいって、2つの考えがあります。
1つの7月15日前後のいわゆる「旧暦」のお盆で、もう1つが8月15日前後のいわゆる「新暦」のお盆です。
新暦とは現在生活で使われている太陽の動きを基本にした太陽暦のことです。
旧暦とは太陽ではなく月の満ち欠けを基本にして定めた暦で、明治時代の初期まではこれが正式なものでした。
明治時代の初期に政府によって太陰暦から太陽暦に変わった時に、多くの地域ではそれに従って、お盆などの法要の時期も変更させましたが、
しかし一方で8月15日前後というと農業をする上では最も忙しい時期なのでお盆の法要には手が回らないため、昔の通り太陰暦に従って7月15日前後にお盆を行う地域が残ったのです。主には東京などの関東エリアで、旧暦にお盆を行います。
新盆・初盆とは?
故人の四十九日法要の後の初めてのお盆を「新盆」または「初盆」と言い、盛大に法要を営みます。
もしも四十九よりも前にお盆が来た場合は、翌年が新盆です。
この時には僧侶を自宅に呼んで読経をあげてもらうほか、知人友人を呼んで法要を行い、そのあとで会食を催します。
お盆にはどういう風習がある?
お盆は地方などによって風習が異なります。
一般的なお盆の風習は13日に迎え火を焚いて故人の霊魂を迎え、14日から15日までもてなし、16日の送り火を焚いて故人の霊魂をあの世に送り出す、というものです。
この14日から15日までを盆中と言って、3度の食事は現世の人間と同じごちそうを故人の霊に供えます。
さらに刻んだなすやlきゅうり、洗った米をハスの葉やサトイモの葉に盛って供える「水の子」という風習もあります。
多くのエリアではお盆の入りの日には玄関先で迎え火を焚き、お盆明けの火には送り火を焚きます。
さらに故人の霊魂を送る際に、その霊魂を舟形の台車に乗せて街中を練り歩く精霊流しや、舟にロウソクを灯して川に流す灯篭流しなどを行う地域もあります。
また故人の霊魂を慰めるために、この時期に盆踊りを行います。
お盆の発祥は?
お盆の語源は、仏教の生まれたインドの言葉であるサンスクリット語の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」です。
「うらぼん」とは「逆さ吊りの苦しみ」の意味です。
なぜ故人の霊魂を迎えるお盆と逆さ吊りという恐ろしい刑罰がつながるかというと、以下のような言い伝えがあるからです。
釈迦の弟子の目連(もくれん)という人には神通力が備わっていて、あの世のことを見通すことができました。
そして目連はその力によって、亡くなった自分の母親が地獄で逆さ吊りの刑を受けていると知ります。
何とか母を助けたいと師匠である釈迦に相談したところ、「7月15日に高僧を招いて供養すればその苦しみから救える」と答えられました。
そこで目連がその通り実行したところ、母親は逆さ吊りの刑が許されて、無事に極楽へ行くことができたということです。
このことから、7月15日または8月15日に故人の霊魂を法要すれば、故人が極楽に往生できるとされたのです。
お盆の歴史
日本で最初のお盆の法要は、記録に残る限り606年に推古天皇が行ったものです。
その後お盆は長らく、天皇、貴族、武士が行う法要でした。
しかし江戸時代になって、ロウソクが大量生産され、庶民でも手に入るようになると、ロウソクが必須アイテムだったお盆の法要も庶民が行えるようになったのです。
なぜお盆にお墓参りをする?いつ行く?
お盆にお墓参りをする理由は、地域や宗派によってさまざまに考えられています。
その理由によって、お墓参りに行くタイミングも変わります。
ここではお盆にお墓参りをする意味と行く日にちについて解説しますが、旧盆の地域は8月をそのまま7月と読み替えてください。
お墓に故人の霊魂を迎えに行く
故人の霊魂はお墓を依り代にこの世に戻ってくるので、お墓までお迎えに行くという考え方です。
この場合は、盆の入りの8月13日にお参りに行きます。
また、故人をあの世に送るため、8月16日に2回目のお参りに行く場合もあります。
故人をお迎えするお墓をきれいにしておく
お盆に故人がお墓を通してこの世に来るのに先んじて、お墓をきれいにしておくという考え方です。
実際は、お盆時期にお参りに来る人が増えるため、その人たちを迎えるという意味もあるようです。
この場合は、お盆に入る8月12日までにお参りに行って掃除を済ませておきます。
また、盆の入りの故人のお迎えに合わせて、合計2回、お参りに行くこともあります。
故人が留守の間お墓を守る仏様に挨拶に行く
「留守参り」という風習ですが、故人を家に迎えている間、お墓を守ってくれている仏様に挨拶に行くというものです。
この場合は、中日の8月14日、15日のいずれかにお参りします。
お盆期間はお墓参りをしない家もある
故人の霊は仏壇のお位牌を依り代にこの世に帰ってくるので、お墓には行かないという考え方です。
故人を家にお迎えしているので、お盆の期間はなるべく家にいて、外出を控えるという意味合いです。
結局お墓参りはいつ行けばいい?
結論から言えば、お墓参りはいつ行っても構いません。
しいて言えば、育った家や地域の慣習に従うのがしっくりと来るでしょう。
お盆のお墓参りの考え方には諸説あり、行くタイミングも地方や宗派、家によって異なります。
もし実家や出身の地域では特に決まりが無かったという場合は、自分にフィットする考え方に沿ったタイミングで行けばいいのではないでしょうか。
お盆が故人のことを思うための機会として捉えるならいつお参りに行っても良いですし、仏壇の前で手を合わせるだけでも構いません。
お盆のお墓参りのマナー
お盆にお墓参りをする時にはどのようなマナーがあるのでしょうか。
お盆のお墓参りの持ち物
まずお盆にお墓参りをする際には以下を持っていきます。
必要な持ち物
お墓参りをするために必要な持ち物は以下の通りです。
・数珠
お墓に手を合わせる際には、その手に数珠を巻くことが大人としてのマナーです。
・線香
線香の煙は故人の霊魂にとってごちそうになります。
・花
花にはいろいろな意味がありますが、その1つは花は枯れていくものなので、人間の生命が永遠ではないという仏教の教えを象徴しているということです。
・水
故人が通常住んでいるあの世は決して快適な場所ではなく、故人はそこでのどの渇きを感じています。
お水はそののどの渇きを潤すために供えます。
・ロウソク
お墓は先ほど書いたように、この世とあの世の境界にあって、あの世から故人が降りてきたときの窓口に当たります。
あの世からその窓口が良く分かるように、目印としてロウソクの明かりをともすのです。
・故人が好きだったもの
これは故人の好きだった食べ物や、たばこ、お酒などです。
お布施は必要?
特に新盆、初盆の時には僧侶に頼んでお墓の前で読経をあげてもらうことになります。
その時には僧侶にお布施を包む必要があります。
お布施の相場は寺格や地域にもよりますが、おおむね5,000円~20,000円程度です。
さらにお墓が寺院内ではなく。霊園などにあってそこまで僧侶に来てもらった場合は、お車代として5,000円程度を別に包みます。
服装はどうしたらいい?
お盆のお墓参りの服装は、特に決まりはありません。
ですから普段着で行って大丈夫です。ただし普段着と言っても、Tシャツにジーンズなどの服装はふさわしくありません。
基本は地味な色合いシャツとズボンです。女性の場合は、やはり地味目のワンピースなどにしましょう。
ただし法要をなどを大々的に行う場合は、普段着ではふさわしくない場合もありますし、地域によっては喪服を着ていくのが当然、という場合もあります。
ですから不安な場合は、親戚などに確認した方が無難です。
お盆のお墓参りのお供え
お盆の墓前へのお供えは、通常のお墓参りの時と同様で構いません。
仏式の場合は花、線香、ロウソク、水、食べ物が基本のお供えです。
故人が好きだったものや、季節の食べ物などをお供えするのが良いでしょう。
お参りが終わったらお供えは下げて、食べ物はお下がりとしていただきます。
また遺族ではなく親戚や知人がお盆のお墓参りに招かれた際には、遺族に対してお供えを持っていくのが一般的です。
その時に持っていくものとしては、遺族で分けてもらえる個包装のクッキーやせんべいなどのお菓子が最適です。
あるいは日持ちのする果物、飲料や缶詰の詰め合わせなどでもよいでしょう。
お供えにはのしをかける必要があります。
購入した際にそのお店で、お盆用ののしをかけてもらいましょう。
のしの表書きは「御供」とします。
なお、仏壇には盆飾りをします。
盆提灯を灯し、きゅうりの馬、ナスの牛、水の子、夏の野菜、そうめん、ほおずきなどをお供えする「精霊棚」を飾ります。
お盆特有のお供えをするのが正式なので、留意しましょう。
まとめ
お盆は故人やご先祖の霊をお迎えする行事です。
霊魂をお迎えする意味でお墓参りは盆の入りの13日に行く地域が多いようですが、考え方によっていつ行くかは異なります。
言ってしまえばいつ行ってもいいので、都合がいい時に行きましょう。
しいて言えば生まれの地域の慣習に従うのがしっくりくるかもしれません。
お墓参りのお供えは通常のお参りと同様です。
故人の好きだったものの他、夏の食べ物も一緒に供えるのもおすすめです。
お盆は故人を思い出すいい機会です。
今一度ご先祖様や故人とのつながりを確認しましょう。
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