親の墓は誰が買う?お墓購入の費用負担について解説します

家にお墓が無い場合、親の納骨先は誰が準備するのでしょうか。
この記事では、お墓は誰が購入するのかと、その場合の費用について解説します。
目次
親の墓は誰が買う?
お墓を購入する人には、お墓に入る親本人や、その遺族などが考えられます。
また、費用を支払う人は名義上1人になりますが、兄弟や親族同士で費用分担をしても構いません。
親が存命のうちに墓を準備をする場合
まず、親が存命であれば本人がお墓を買うことも十分に考えられます。
ただし、親が買った墓には長男も入ることが多いので、この点で費用負担を頼まれることがあります。
原則親の墓には入らない次男や娘よりも費用を負担する可能性は高いと言えます。
親がすでに亡くなっている場合
親がすでに亡くなっている場合は、その供養をする人がお墓を用意することになります。
親を含む、その家の祭祀を担う人を「祭祀承継者」と言います。
遺骨の処分はその祭祀承継者にしか決定できません。
祭祀承継者は、故人の指定によって決められます。指定が無ければ慣習に従い、それも分からなければ家庭裁判所が決めます。
したがって、故人が次男を祭祀承継者にする可能性もあるように、必ずしも長男が祭祀承継者になるわけではありません。
このことは、民法で以下のように定められています。
民法 第897条
1.系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。
ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2.前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。
お墓の管理費は誰が払う?
お墓の管理費の最終的な支払いは、墓地の名義人、つまり祭祀承継者がします。
支払いの費用に関して兄弟や親族に工面してもらうことは問題ありません。
ただし、管理費は年間5千~2万円程度の負担なので、一般的には祭祀承継者がそのまま負担することが多いようです。
もし管理費の負担を分担するのであれば、将来的にお墓に入る人同士で分担するのが妥当でしょう。
あるいは、管理費は全額払うので、定期的なお参りなどのお世話を他の人にお願いするということも考えられます。
お墓の費用相場
まずお墓を購入するにはいくら必要か、お墓を管理する費用はどうか、というお墓にまつわるお金の話です。
親のお墓を買う費用はどれくらい?
場所を選べば、100万円以下で建てることもできます。
親を永代供養する場合の費用はどれくらい?
永代供養墓の費用相場は、5~200万円程度です。
永代供養とは墓地を管理するお寺が永代にわたり故人を供養してくれることを言います。
跡継ぎがいない人や、自分や夫婦だけのお墓を持ちたい人も利用できます。
近くの永代供養墓を探してみる >>
永代供養墓の種類別の費用相場は、以下の通りです。
合葬墓・合祀墓

樹木葬

納骨堂
集合個別墓

個別の納骨室が集合しているお墓です。
親の墓を守る費用はどれくらい?
お墓を建てると、多くの場合で年間管理費がかかります。
お墓の年間管理費は、5千~2万円程度が相場です。
なお、一部のお墓では年間管理費がかからないことがあります。
この他、寺院墓地、特に墓石のお墓を建てる場合は、檀家になって都度のお布施などを納めなければならないこともあります。
お墓の費用負担はどのように分担する?
お墓の費用負担について解説します。
お墓の購入費用を分担するポイント
お墓の費用負担のを分担する際のポイントは、誰がそのお墓に入るかということです。
例えば、子供がいない叔父や叔母、独身の次男や娘などが親と同じ墓に入るのであれば、費用負担を求めても良いでしょう。
一方、親の墓に入る予定のない兄弟に費用負担を求めるとしても、将来的に墓を使用する人よりは負担を軽くするのが順当です。
それぞれの経済状況なども考えながら、話し合ってみましょう。
親を永代供養にするときの費用負担は
親の墓を永代供養墓にする場合は、子どもがそのお墓に入らないこともよくあります。この場合、お墓を使用するかどうかによって費用負担に傾斜をつけることはできません。
れぞれの経済状況を鑑みて、話し合いで決めていくしかないでしょう。
折り合いがつかなければお墓の値段を抑えていくということもできます。
例えば合祀墓だと5万円程度のところもあるので、検討しましょう。
費用負担をしないことはできる?
それでは、費用負担をしたくない場合はどうすればいいのでしょうか。
祭祀承継者でない場合
自分が祭祀承継者でなければ、親の供養をする義務がないため、お墓の費用負担の義務もありません。
家族や親戚関係での揉め事を避けるために、費用負担できない理由は丁寧に説明しましょう。
また、一般墓ではなく、永代供養などの安いお墓を提案するのも一つです。
ただし、将来的に自分もそのお墓に入りたければ、費用負担はした方が無難です。
お墓に誰を埋葬するかは、祭祀承継者、つまり、そのお墓の名義人になった人が決められます。
後に、名義人が費用負担をしなかった親族の埋葬を拒否することもあり得るので、注意しましょう。
祭祀承継者の場合
自分が祭祀承継者であれば、遺骨を何らかの形で供養しなければなりません。
これは、遺骨の処分は祭祀承継者しか決定できないためです。
自分が祭祀承継者になったもののお墓の費用負担をしたくない場合はどうすればいいのでしょうか。
兄弟や親族に相談するのも一つですが、うまくまとまらなければお墓を買わないことも検討しましょう。
最終的には話し合いで決めましょう
これまでに色々書いてきましたが、結局お墓の費用負担は、家族や親族の話し合いで決めるしかありません。
法律を出したところで、考えが違う親族がいれば折り合いがつかないこともあるかもしれません。
意図に沿わないことを言われても反発せず、一度相手の意見を肯定し、こちらの事情なども説明しながら、話を進めていきましょう。
お墓を買うお金がない時の対処法
お金がないけど親の遺骨を何とか供養しなければならないときの、考えられる対応を紹介します。
メモリアルローンを利用する
お墓の費用の援助を親類に頼めない時は、メモリアルローンを利用する方法があります。
メモリアルローンは、お墓の購入費用や葬祭費用などに使途を限定したローンで、「建墓ローン」などとも呼ばれます。銀行などの金融機関や信販会社で行っていることがあります。
メモリアルローンは、保証人不要、年収150万円以上などを条件に掲げる場合が多く、一般的なローンに比べて審査が通りやすいと言えます。
お墓を建てないで供養する
お墓を立てずに、費用を抑えて遺骨を供養するという方法もあります。
費用を抑えて供養するに方法には、以下のようなものがあります。
- 合葬墓(合祀墓)に埋葬する
- 散骨する
- 送骨サービスを利用する
- 手元供養する
合葬墓(合祀墓)に埋葬する

散骨する

送骨サービスを利用する

手元供養する

詳しく >>
親の墓がいらない…墓じまいは誰がする?
墓じまいとは、今あるお墓を撤去することを言います。
原則墓じまいは、祭祀継承者、つまり、現在のお墓の名義人が行います。
ただし、お墓の名義人の承諾書があれば、他の人が代行することもできます。
お墓を買うことと同様に、墓じまいの費用負担も家族や親族に相談しても良いでしょう。
墓所の広さや立地にもよりますが、墓じまいの費用相場は、おおむね20~30万円程度です。
これとは別に、お墓に入っていた遺骨を供養する費用も掛かります。
墓じまいについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
https://ohaka-sagashi.net/news/hakajimai/
まとめ
今回の記事のポイントをおさらいします。
- 親の墓は、本人またはそのお墓に入る人が負担する場合が多い
- 費用負担を分担する場合は、通常お墓に入る人たちが中心に負担する
- 親がすでに亡くなっている場合は、「祭祀承継者」にお墓を決める権利がある
- 「祭祀承継者」は故人の指定によって決めることができるので、必ずしも長男とは限らない
- 費用負担の決まりはないので、結局は親族で相談して決めるしかない
墓地・霊園をお探しですか?
お墓さがしでは、全国にある樹木葬、納骨堂、永代供養墓、墓石のお墓を建てられる霊園などを掲載しています。
ご希望のエリアや条件に合ったところがないか、こちらからぜひ一度ご覧ください。
親の墓は誰が買う?お墓購入の費用負担について解説しますに関する記事
-
永代供養とは?費用や種類・選び方・仕組みをわかりやすく解説
こちらの記事では、「永代供養」について調べ始めたという方向けに、永代供養付きのお墓の種類や費用相場、選び方などについて分かりや…
2025年2月6日
-
【写真付き】お墓の種類を解説!墓地・霊園の特徴とメリット・デメリット
現在のお墓には、様々な種類があります。お墓を建ててしまってから「そんなお墓もあったなんて!」と後悔しないよう、事前にお墓の種類…
2025年2月7日
-
先祖代々のお墓には誰が入れるの?娘や次男の場合は
自分はどこのお墓に入るのか?次男や娘の立場にある人は、一度は考えたことはあるのではないでしょうか。今回の記事では、先祖代々の…
2025年2月6日
親のお墓に関するよくある質問
-
親の遺骨があるのですが、お墓がありません。どうずればいいのでしょうか?
新しく一般墓や永代供養墓のお墓を購入するか、散骨などお墓を持たない方法で供養しましょう。
-
親がお墓はいらないと言っているのですが、将来的に遺骨はどうすればいいのでしょうか?
お墓を持たない供養の方法には、散骨があります。墓石を建てないという意味では、合祀墓や樹木葬なども検討していいかもしれません。