親の墓は誰が買う?お墓購入の費用負担について解説します

  • 投稿日:2019/07/19
  • 更新日:2021/11/18
親の墓は誰が買う?お墓購入の費用負担について解説します

現在お墓を持っていない場合、あまり考えたくないかもしれませんが、現実的には親が亡くなったら、たちまちどこに埋葬するかという問題が発生します。
そうなるとお墓を買わなければなりませんが、これには相当の費用がかかります。
この費用は誰が負担しなければならないのでしょうか。
またお墓があったらあったで、その管理費用をどうするかという問題も発生するでしょう。

そこでここでは、お墓を買った場合、あるいはお墓を持っていて管理する場合、発生する費用は誰が負担するのかという点について解説して行きます。

近くのお墓を探してみる >>

お墓にまつわるお金

まずお墓を購入するにはいくら必要か、お墓を管理する費用はどうか、というお墓にまつわるお金の話です。

親のお墓を買う費用はどれくらい?

墓地に墓石を建てる一般墓の費用相場は、150-300万円程度です。

お墓を建てる金額は、主に立地や墓地の広さで変わります。
郊外で小さなお墓を建てれば底値で60万円程度に抑えられるところもありますが、数は多くありません。
費用を抑えて建てるとしても、100万円程度は見ておきましょう。

お墓の値段は「土地」「墓石・工事」の費用で決まります。

「土地」には跡継ぎがいる限り使用するための「永代使用料」を支払う必要があります。
永代使用料は都心に行くほど高く、かつアクセスなども条件でも変わります。

墓石・工事の値段はおおむね永代使用料と連動していることが多いですが、やはり使う石材の量が多いと高くなります。
また、デザインもシンプルなものより複雑なものの方が高いです。
石種の値段もピンキリで、墓石・工事費あわせて安ければ50万円程度、上を見ればキリがなく、1000万円以上することもあります。

親を永代供養した場合の費用は

永代供養墓の費用相場
合祀墓 樹木葬 納骨堂 個別式集合墓
合葬墓・合祀墓のイラスト 樹木葬のイラスト 納骨堂のイラスト 集合個別式永代供養墓のイラスト
5-30万円/1人 10-100万円/1区画 30-150万円/1区画 10-100万円/1区画

永代供養とは墓地を管理するお寺が永代にわたり故人を供養してくれることを言います。
お墓のお世話も墓地の管理者がするので、全くお墓参りに行かなくても荒れ墓になりません。

永代供養墓は、跡継ぎがいない人、自分や夫婦だけのお墓を持ちたい人などに選ばれます。

墓石を建てる一般墓に永代供養がついていることは珍しく、永代供養墓の種類としては合祀墓、樹木葬、納骨堂、個別式集合墓などがあります。
値段は形式や埋葬する人数によって異なりますが、大まかに言って相場は以下のようになります。

  • 合祀墓・永代供養塔:5-30万円/1人
  • 樹木葬:10-100万円/1区画
  • 納骨堂:30-150万円/1区画
  • 個別式集合墓:10-100万円/1区画

お近くの永代供養墓は、こちらから探すことができます。

近くの永代供養墓を探してみる >>

親の墓を守る管理費はどれくらい?

またお墓を持っている場合は、毎年管理費がかかります。
この管理費の支払いが滞ると、お墓は管理者によって更地にされ、埋葬されている遺骨は無縁仏として処分されてしまいます。
したがってお墓を持っている以上、毎年の管理費は払わなければなりません。

墓地の管理費用は、種類によって変わります。

  • 公営霊園:4千~1万円/年
  • 民営霊園:5千~1.5万円/年
  • 寺院墓地:1~2万円/年

また、寺院墓地の場合は、墓を持つ際にお寺の檀家になることがほとんどなので、都度のお布施が必要になります。
葬儀や法要の際に読経してもらうお布施はもちろんのこと、本堂の改修などがあった時に寄付を募られるということもあります。

お墓は誰が購入する?

それでは、お墓は誰が買わなければならないのでしょうか。

費用負担は長男の義務?

費用負担は必ずしも長男がするわけではありません。
また、費用を支払う人は名義上1人になりますが、兄弟や親族同士で費用分担をしても構いません。

親が存命の場合

まず、親が存命であれば本人がお墓を買うことも十分に考えられます。
ただし、親が買った墓には長男も入ることが多いので、この点で費用負担を頼まれることはあります。
原則親の墓には入らない次男、娘よりも費用負担が多めになることは大いにあり得ます。

親がすでに亡くなっている場合

親がすでに亡くなっている場合は、その供養をする人がお墓を用意することになります。
親を含む、その家の祭祀を担う人を「祭祀承継者」と言います。
遺骨の処分はその祭祀承継者にしか決定できません。

祭祀承継者は、故人の指定によって決められます。指定が無ければ慣習に従い、それも分からなければ家庭裁判所が決めます。
したがって、必ずしも長男が祭祀承継者になるわけではありません。

このことは、民法で以下のように定められています。

民法 第897条
1.系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。
ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2.前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

お墓の購入費用を分担するには

お墓の費用負担の義務については法律で定めるところではないので、兄弟や親族の話し合いで分担して構いません。

この時ポイントになってくるのは、誰がそのお墓に入るかということになります。
例えば、叔父に子供がおらず、いずれは同じ墓に入れてほしいということであれば、叔父にも費用負担を求めても良いでしょう。
また、その家の次男や娘も独身であれば親と同じ墓に入るので、やはり費用負担をしてもらうのは妥当と言えます。

もし親の墓に入る予定のない兄弟に費用負担を求めるとしても、将来的に墓を使用する人よりは負担を軽くするのが順当です。

親を永代供養にするときの費用負担は

永代供養墓は代々引き継がないものが多いので、親の墓でも子供は入らないということは良くあります。
親以外に将来お墓を使う予定の人がいなければ、条件としては遺族全員同じ条件ということになります。

永代供養の費用負担はそれぞれの経済状況を鑑みて、話し合いで決めていくしかありません。
折り合いがつかなければお墓の値段を抑えていくということもできます。
例えば合祀墓だと5万円程度のところもあるので、検討しましょう。

近くの永代供養墓を探してみる >>

 

費用分担をしたくない場合は?

それでは、費用負担をしたくない場合はどうすればいいのでしょうか。

祭祀承継者でない場合

自分が祭祀承継者でなければ、親の供養をする義務はありません。
家族関係や親戚関係を完全に無視するのであれば、費用負担を拒否することもできます。
ですが、通常親戚周りで揉めたくはないでしょう。
一般墓ではなく、永代供養などの安いお墓を提案するのも一つです。
また、経済状況が厳しいなどの事情があれば、そのあたりを丁寧に説明します。

ただし、将来的に自分もそのお墓に入る予定があれば、費用負担はしておいた方が無難です。
なぜなら、お墓に誰を埋葬するかは、お墓の持ち主、つまり祭祀承継者が決定できるためです。
祭祀承継者が費用負担をしなかった親族の埋葬を拒否することもあり得るので、注意しましょう。

祭祀承継者の場合

自分が祭祀承継者であれば、遺骨を何らかの形で供養しなければなりません。
これは、遺骨の処分は祭祀承継者しか決定できないためです。

自分が祭祀承継者になったもののお墓の費用負担をしたくない場合はどうすればいいのでしょうか。
兄弟や親族に相談するのも一つですが、うまくまとまらなければお墓を買わない方向で考えるしかありません。

散骨する

散骨のイラスト
散骨は全て自分でやれば無料でできます。
ただし、遺骨を直径2mm以下の粉末状にする(粉骨)、散骨していい場所を選ぶなどハードルがかなり高いので、あまりお勧めしません。
粉骨から散骨まですべてを業者に委託すれば3万円でできますので、検討しましょう。

送骨サービスを利用する

送骨のイラスト
送骨サービスとは、お寺に遺骨を郵送して合祀墓に入れてもらえるサービスです。
全てのお寺が受け付けているわけではないので送骨先は限定されますが、5-10万円程度で受け付けてくれます。
場所を選ばなければ底値で1万円なので、お墓を買うよりもはるかに費用を抑えられます。

手元供養する

自宅供養のイラスト
シンプルに遺骨を埋葬しない方法です。骨壺を家に置いておくだけなので費用は掛かりません。
納骨の期限を定める法律はないので、ずっと置いておいても構いません。
しかし、自分が亡くなった時にやはり骨壺も何らかの形で処理しなければなります。
問題の先送りになるので、心情的な理由が無ければあまりお勧めしません。

最終的には話し合いで決めましょう

これまでに色々書いてきましたが、結局は家族や親族の話し合いで決めるしかありません。
「お墓は全額長男が出すのが当たり前、永代供養はもってのほか」のような主張の人が親族にいると、どんなに法律を根拠に主張したところで揉め事は避けて通れないでしょう。

意図に合わないことを言われてもムキにならないようにしましょう。
なぜ全額の費用負担ができないのか、なぜ永代供養にするのか、など事情を丁寧に説明して、納得してもらうこと以外にできることはありません。

最終的な判断は、祭祀承継者が下します。

近くの墓地・霊園を探してみる >>

お墓の管理費は誰が払う?

お墓の管理費の最終的な支払いは、墓地の名義人つまり祭祀承継者がします。
支払いの費用に関して兄弟や親族に工面してもらうことは問題ありません。

ただし、管理費は年間5,000~1万円程度の負担なので、一般的には祭祀承継者がそのまま負担することが多いようです。

もし管理費の負担を分担するのであれば、将来的にお墓に入る人同士で分担するのが妥当でしょう。
あるいは、管理費は全額払うので、定期的なお参りなどのお世話を他の人にお願いするということも考えられます。

お墓を買うお金がない時はどうする?

気持ちとしては費用を負担したいが、財政的な事情で負担ができない、という場合はどうしたらよいのでしょうか。

メモリアルローンを利用する

誰か1人がお墓の取得費用を負担する場合で、その費用が捻出できない時には、メモリアルローンを利用する方法があります。
メモリアルローンとは別名を「建墓ローン」とも言い、お墓の購入費用や法事の費用に使途を限定して、金融機関や信販会社などからお金を借りる方法です。

メモリアルローンの特徴は、保証人が不要だという点と、借入上限額が最高で1000万円と非常に高額である点です。
お墓の購入費用は先ほど書いたように150万~300万円ですから、メモリアルローンを借りればその費用は十分に用意できるでしょう。
また住宅ローンのように保証人を用意する必要がないので、ほかに身寄りがない人でも借りることが可能です。

ただしメモリアルローンは実施している金融機関が限られているので、利用する場合はその金融機関を探すところから始めなければなりません。

永代供養にする

お墓を購入する費用は150万~300万円ですが、永代供養にすればその費用は最高でも50万~80万円程度に抑えることができます。
加えて毎年の管理費用も、あるいは法要の費用も必要ありませんから、トータルの費用負担はかなり安く抑えることができるでしょう。

近くの永代供養墓を探してみる >>

散骨する

そもそもお墓を持たずに埋葬だけ行うという方法もあります。それは散骨です。

散骨とは遺骨をパウダー状にして海や山など自然の中に撒く埋葬方法です。
種類としては、海の沖合に撒く海洋散骨、山の中に撒く山林鎖骨などのほか、カプセルに遺骨を入れて気球やロケットで成層圏まで上げ、そこで空中に放出する宇宙散骨などがあります。

散骨は自分で行うことも可能です。具体的には、自宅で遺骨を袋などに入れてハンマーでパウダー状にし、海へ持参して撒けば、費用はほぼ0円で済みます。
ただし遺骨は外から見て遺骨だとわからないレベルの粒上にする必要があるので、ハンマーで砕くにしても手作業であればかなり大変です。
また市区町村の指導で、海であれば漁業に影響を与えない場所、山であれば近隣の住宅に迷惑をかけない場所に撒かなければなりません。
そのような場所はなかなか一般人では見つけられないでしょう。

そういう労力をさけたい場合は、やはり専門の散骨業者に委託したほうが良いでしょう。
散骨業者であれば、遺骨をパウダー状にする専用の機械を持っていますし、遺骨を撒く場所も確保しています。
費用は、どのような方法で散骨するかにもよりますが、安い方法で3万円程度、高くても10万円程度で実施できます。

墓じまいは誰がする?

墓石解体のイラスト

あるいはお墓を維持していく費用や労力を避けるために、お墓を撤去してしまうという方法もあります。
これを墓じまいと言います。

墓じまいをするには、まず埋葬されている遺骨を永代供養や合祀にするといった対応が必要です。
その上で墓石を撤去し、墓域を更地にして管理者に返さなければなりません。

この墓じまいをする権限を持っているのは、祭祀継承者だけです。
ただしそれは誰に決断する権限があるかということだけなので、費用負担はお墓の取得と同様に血縁者の中で分担することが可能です。

墓じまいに必要な費用は、まず墓石の処分費用として、墓域1平方メートルあたり10万円程度です。
さらに更地にする費用としてやはり墓域1平方メートルあたり10万円程度必要です。また永代供養に関しては先ほど書いたように、方法によって数万~数十万円かかります。合祀墓と言って、ほかの人の遺骨と一緒に埋葬する場合は数万円です。

さらに寺院墓地の場合は、原則としてその寺院の檀家になっていますから、その檀家をやめる必要があります。
この時、地域やお寺にもよりますが、寺院に離檀料として3~20万円を支払うのが一般的です。

墓じまいについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
参考:墓じまいとは何?費用・料金とお墓を処分する手続き・方法・流れ

まとめ

お墓の購入にしても維持にしても相応の費用がかかります。
祭祀継承者に誰がなるかは法律で決められていますが、しかし費用負担については規定がありません。
ですから必要に応じて、兄弟姉妹や親せきで費用を分担することが可能です。
ただし同時に誰にも費用負担の義務はありませんから、関係者でよく話し合って決めましょう。

墓地や霊園をお探しですか?

お墓さがしでは、全国の墓地や霊園をご案内しています。
ご希望のエリアや条件に絞ってお探しできるので、ご自分の条件にあるお墓にはどんなものがあるか、一度チェックしてみましょう。

近くの墓地・霊園を探してみる >>