洋型墓石が大人気!形や彫刻などのデザインと費用を解説

お墓と言うとどのようなものを思い浮かべますか。多くの人は縦長の墓石ではないでしょうか。
少し昔まではそのような「和型」の墓石を建てることが一般的でした。しかし最近はお墓も多様化して、「洋型」の墓石を建てる人の増えているのです。
今回の記事では、洋型墓石とはどういうものかを、デザイン、その墓石に彫る文字、そして費用について詳しく解説していきます。
目次
洋型墓石とは?
洋型の墓石は、和型の墓石が縦長の墓石のものであるのに対して、横長のものを指します。
和型の墓石の場合、そこに彫る文字などはだいたい決まっていますが、洋型の墓石の場合は、文字に決まりはありません。
文字どころか、墓石の形も横型をベースに、たとえば上部を波型にするなどかなり形も自由なのです。
ですから、洋型墓石は従来のお墓ではなく、自分らしい特徴のあるお墓を建てたい人におすすめのお墓です。
洋型墓石はどこで建てられる?
洋型墓石は、民営霊園で多く見られます。
特に、「ガーデニング調」「洋風」などをコンセプトに掲げている所では、ほとんどの場所で洋型墓石を建てることができるでしょう。
洋型墓石を建てたい方は、まずは民営霊園を見てみるとイメージを持ちやすいでしょう。
一方、お寺の境内にある昔ながらの寺院墓地では、洋型用の区画を用意していないことも多くあります。
公営霊園の場合は、芝墓地や自由墓所、洋型の規格墓所などがある所では、洋型のお墓を建てることができます。
洋型墓石を建てる費用
洋型墓石を建てるにはどのくらい費用がかかるのでしょうか。
洋型の墓石は、その形が自由である分、石の種類や彫刻内容、加工の仕方によってかなり価格が上下します。
傾向としてはあらゆる点でこだわればこだわるほど費用はアップしていきます。
したがって、洋型の墓石はシンプルな形のものであれば50万円以内で作れますが、凝った形や材質のものの場合は数百万円かかる場合もあります。
洋型のお墓を購入する費用は墓石の分だけではありません。
そのほかに墓地の使用料である永代使用料、年間で払う管理費、墓石を建てる工事費などがかかってきます。
それらを合わせると、予算としては100万~250万円と考えておいたほうが良いでしょう。
外柵が無くても違和感がないため、どちらかと言えば和型墓石よりも費用抑えられます。
洋型墓石の種類
では洋型の墓石にはそのデザインによってどのような種類があるのでしょうか。
ストレート型
ストレート型はさらに3つに分かれます。
1つ目は洋一段ストレート型です。これは墓石の本体である竿石がほぼ垂直になっているものです。
また洋一段ストレート型の一段とは、下台の上に直接竿石が積まれているものを指します。
2つ目が洋二段ストレート型です。
これは洋一段ストレート型の形状の竿石に中台という石を挟み、二段になっているものを指します。
また中台の上に竿石を重ねる場合でもその方法にはいろいろとあります。
1つは水垂加工というものです。垂直加工とは竿石の台の部分を斜めに加工し、なだらかに仕上げたものを指します。
水垂加工をすることで、水はけが改善し、墓石の雨水などが残りにくくなって、水分による汚れやシミなどが防げ、墓石全体の耐久性が増します。
もう1つは亀腹加工というものです。これは竿石の台の部分を亀のお腹のように丸みの帯びた曲線で加工したものです。
墓石の角が丸くなっているので、水はけが良くなってやはり耐久性がアップすると同時に、墓石の角が割れることも防いでくれます。
以上が主な洋型墓石の加工方法ですが、それ以外にも切り出し加工など、仕上がりの見た目がより美しくなって、汚れがつくきにくくなり、耐久性もアップするような加工方法もあります。
オルガン型
オルガン型とは、その名の通り楽器のオルガンのように竿石の墓石の上段部分に角度をつけて加工されたデザインの洋型墓石を指します。
オルガン型は洋型墓石のデザインの中でも、スタンダードなデザインだと言えます。
またオルガン型にも竿石が土台の上に直接乗った一段型や、間に台となる石を挟んだ二段型などがあります。
またオルガン型は竿石の正面が斜め上になっているため、お墓参りの方の竿石の正面と向き合うことができ、その点で非常に人気になっています。
プレート型
プレート型とは、竿石の一番目立つ文字を入れる部分が完全に上を向ているタイプのものです。
中台や上台を設置することもありますが、芝生などにプレート部分を直接設置することもあります。
洋型の墓石の大きさ
洋型墓石も幅でサイズの表記は和型の墓石のサイズの表記とは異なります。
和型の墓石の場合は竿石の横幅を1寸、2寸というサイズで表します。これに対して和型の墓石の場合は「18号」と言ったような表記でその大きさを表します。
実は「号」という単位も、竿石の横幅を表す数字です。
そして「号」とは「寸」のことなので、18号という洋型墓石は竿石の横幅が18寸=約54.5cmだということです。
20号になると、20寸=約60cmです。
このことを知っておけば、だいたいの洋型墓石の大きさはイメージできるでしょう。
なぜこのように和型墓石と洋型墓石でサイズを表記する単位が異なっているのかという理由は不明です。
また墓式のサイズ自体、そのお墓を建てるエリアによって、標準的なものが異なります。
たとえば東日本の場合は、和型の墓石でいえば9寸、つまり横幅が29.7cmのものが一般的なサイズです。
これが西日本になると、8寸、すなわち26.4cmと一回り小さくなります。墓石のサイズはそれが大きな地域の場合でもだいたい1尺、すなわち約33cmが最大です。
では何を基準に自分の家の墓石のサイズを決めればよいのかというと、最も確実な方法は自分の家の墓域の広さを基準に考えることです。
また周囲に建っている墓石を調べるのも良いでしょう。
あまりにサイズが違う場合は変に目立ってしまうので、周囲に建っている墓石のサイズを実際に計ってみて、そのサイズをベースに考えましょう。
たとえばほとんどの墓石が8寸であれば、それを横型にした場合、どの程度の大きさが適当かを考えることがおすすめです。
もちろん洋型墓石はサイズだけではなく、上で書いたようにデザインも自由な墓石なので、自分の美意識や価値観で墓石のサイズを選んでも全く問題はありません。
洋型のお墓が増えている理由
最近はその信仰している宗派や、自分の家の宗教とは関係なく横型墓石を選ぶ人が増えています。その理由には以下のことが考えられます。
自分の思いを墓石に反映しやすい
1つは自分のお墓に対する思いや、死後の世界の対する考え方、あるいは自分の人生に対する価値観が、日本人の死生観の多様化に合わせて、やはり同じように多様化していることが理由です。
洋型墓石であれば、そのような多様な価値観を反映したお墓を建てることができるからです。
芝生墓地が増えている
また最近は先ほど触れた、墓石の周囲の地面を芝生で覆った芝生墓地が増えていることも理由として挙げられるでしょう。
芝生墓地は、アメリカなどの墓地によくあるものなので、そこに和型の墓石を設置したのでは、周囲の雰囲気にあまりにミスマッチになります。
また芝生墓地は一般的に墓域を柵で区切らないので、縦型の和型墓石の場合は非常に目立ってしまいます。
その点洋風墓石であれば、芝生墓地のイメージにも合い、また背が低いので変に目立たず、周囲の雰囲気にフィットすることができるのです。
シンプルなお墓のデザインが増えてきている
また日本人の価値観は、死生観だけではなく、美意識の点でも変化して来ていて、自分のお墓もおしゃれにしたいという考えが増えています。
そういう美意識を持っている場合、和型墓石はオーソドックスで安心できるデザインではあるものの、現代のシンプル趣向にはマッチしません。
その点、洋型墓石はスタイリッシュであり、さらに形そのものも画一できてなく、色々と工夫できるので、美意識を満足させることができるのです。
洋型墓石に彫刻する文字
洋型墓石が人気の理由は、和型墓石のように「○○家之墓」というような従来型で定型的な文字を彫らなくてもよいということも挙げられます。
つまり洋型墓石であれば「○○家之墓」ではなく、自分や故人が好きな言葉や、埋葬される人を象徴するような言葉を彫ることが可能なのです。
その中でもよく見かけるのは、「愛、心、絆、悠、祈、想」などの漢字一文字を彫った洋型墓石です。
また「永遠、感謝、希望、飛翔、清心」などの漢字二文字も多いです。
もちろん四文字熟語やさらには英語の文章、あるいは日本語で故人の好きだった言葉などを彫っても良いでしょう。
たとえば「ありがとう」などの言葉は良く選ばれます。
さらに文字だけではさびしいという場合は絵も彫刻することもあります。
ですから洋型墓石の場合は、従来型の先入観にとらわれず、自由な発想で文字を選ぶことができるのです。
洋型墓石のメリット・デメリット
洋型墓石にはどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
洋型墓石のメリット
メリットには以下のようなものが挙げられます。
・宗教的な制限がなく、自由なデザインで作ることができる
・墓石を建てる墓域が狭くても見栄えがするので、建立費用が安く済む
・区画が狭くても違和感なく建てられる
洋型墓石のデメリット
これに対してデメリットには以下のようなことがあります。
・石材店によって用意していない形がある
・洋型墓石を許可しない墓地もある
・区画が広いと寂しい印象になる
まとめ
最近人気の洋型墓石についてお分かりいただけたでしょうか。
洋型墓石は建立する人や故人の価値観をより反映できる墓石です。
そういう意味では今後も洋型墓石は増えていくでしょう。ですからお墓を建てる際には、墓石を洋型にすることも検討してはいかがでしょうか。
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