お墓の雑草対策!雑草の種類と効果的な対策法5選

お墓の雑草対策!雑草の種類と効果的な対策法5選

「墓地に行くと我が家のお墓だけに雑草が生えていて、恥ずかしい・・・」

「お墓参りの度に草むしりをするのがつらくて・・・」

お墓をいつもキレイにしていたいけど、遠方に住んでいる、日々の生活が忙しいなど、なかなかお墓の草むしりまで気がまわらないのではないでしょうか。

雑草は5月~7月にかけて急成長すると言われていて、お盆のお墓参りでする草むしりはとても大変です。
また、お盆に草むしりしたからといって秋のお彼岸は大丈夫かというと、そうでもありません。
雑草は根張りが強く、放っておくと景観が悪くなり、害虫が発生するなど、周辺のお墓にも悪影響を及ぼすことにもなってしまいます。

今回は、雑草の種類、手軽にできる雑草対策からしっかり確実に雑草の成長を止める雑草対策まで、それぞれの雑草対策のメリット、デメリットなど、お墓の雑草対策について解説していきます。

なお、墓石のリフォーム全般については、『お墓のリフォーム』の記事をご覧ください。

お墓の周辺に生える雑草の種類

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お墓の周りに生える雑草を放っておくと、景観が悪くなるだけではなく、害虫の発生など周りのお墓にも悪影響を及ぼしかねません。
草むしりをしても根張りが強い雑草は繰り返し生えてこようとします。

お墓の周りに生える雑草には難防除雑草と呼ばれる雑草や繁殖力が旺盛な雑草まで、さまざま種類の雑草が生えています。
雑草の種類はスギナ、ドクダミなど地下茎を伸ばす働きの強い難防除雑草と呼ばれている雑草が含まれています。
この他、カヤ、セイタカアワダチソウなどの多年生の雑草もあります。
多年生雑草は、地上部は一旦枯れてしまうのですが、地下部が生き残るので翌年再生するので、一度除草したと思ってもまた生えてきます。

スギナ

スギナは全国に生息している雑草で、難防除雑草と呼ばれています。

春先に出てくるツクシから風で胞子を飛ばして広がり、土より上の部分だけを取り除いただけでは雑草対策の効果はなく、折れ残った茎から容易に再生します。

茎のところどころに養分を蓄えているので除去するのが難しい雑草になります。

カヤ

カヤには、チガヤやススキなどの種類があり、ススキは茎が直立していて丈夫な節があり、葉が鋭い鉤(かぎ)のように曲がった形になっています。
皮膚に触れるとチクチクするので、草むしりをする際は注意が必要です。

また、チガヤは5~6月ころに葉が出てきて白い絹毛を持った穂を出します。

セイタカアワダチソウ

セイタカアワダチソウは、キク科アキノキリンソウ属の多年草で、茎は太く、細長く楕円形の葉をつけ、10~11月にかけて黄色い頭花をつけます。

かつては都市周辺でも見られたのですが、近年は減少していて、都市から離れた地方で特に関東より以西に多く分布しています。

ドクダミ

ドクダミは白くて小さい可憐な花が咲き、葉はお茶として利用できるので、一見すると難防除雑草とは思わないかもしれません。

しかし、ドクダミは取ったときに独特の臭いを発し、ドクダミばかりを取っていると気分が悪くなることがあります。

また、ドクダミはスギナに比べてポキポキ折れたりしないので、土を掘り起こすと根を取り除きやすいのですが、かけらが残っているとそこからまた再生できる強い生命力を持つ雑草です。

雑草が成長する時期

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雑草は5月から7月にかけて急速に成長していきます。

この時期の雑草は根張りが強くなっているので、手では簡単に抜けなくなってしまい、土の中に残った根からまた成長しようとします。

雑草対策を考えているのなら、雑草が急速に成長する前にしておくことが重要で、冬場など雑草が成長しにくい時期に雑草をキレイに取り除き、雑草対策をしておくとより効果が期待できます。

お墓の雑草対策でやってはいけない方法

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お墓の周辺に生えた雑草対策の中で塩をまくという対策方法があります。

実際、塩をまくことで土の塩分濃度を上がり、植物が水分を吸収できなくなり枯れてしまいますが、同時に「塩害」を引き起こしてしまいます。

塩害が起きてしまう原因は、まかれた塩の塩分は土壌の中では分解されずにいつまでも残ってしまうということです。

まかれた塩は雑草だけではなく全ての植物に影響を与えてしまい、塩をまいた土地では、以後植物や作物を育てることが難しい土壌になってしまうのです。

さらに、まかれた塩が土壌に大量に残ってしまうと、墓石やコンクリートにも影響が出てしまいます。

土壌に染み込んだ塩分は墓石の基礎コンクリート、コンクリート強度を上げるための鉄筋などを錆びさせ、墓石の表面の光沢を削り落とすなど大切なお墓に悪影響を及ぼします。

雑草を枯らすという目的では非常に効果が期待できるのですが、墓石や周辺に及ぼす影響を考えると塩をまくという方法はデメリットが大きくなるので、行わないようにしてください。

お墓の雑草 効果的な対策法5選

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お墓の雑草対策で一番安くて、確実な方法は定期的な草むしりですが・・・

「忙しくて定期的にお墓に行けない」

「遠く離れたところに住んでいるので、年に1、2回しかお墓に行けない」

などの理由で、定期的にお墓の草むしりができない方が多いのではないでしょうか。

ここからは、簡単にできるお墓の雑草対策からしっかり確実にできる対策方法まで、厳選した5つの方法を解説していきます。

除草剤をお墓にまく

除草剤とは、雑草を枯らす効果がある農薬のことで、大きく2種類にわけられます。

枯らす植物を選ばない、全ての植物を枯らす非選択性除草剤と雑草の種類により効果が違う選択性除草剤の2種類があります。

次に除草剤のタイプですが、速攻性があり効果が1~2ヶ月持続する液体タイプと効果が6ヶ月くらい持続する粒状のタイプがあります。

それぞれの特徴は、液体タイプは除草剤がかかった部分だけを枯らすということで、粒状タイプは土の上にまくことで徐々染み込んでいき、雑草の成長を抑えることです。

除草剤を使う方法は、手で草むしりをするよりは楽にはなりますが、効果の期間により年に数回行う必要があります。

また、除草剤にもよりますが、中には毒性が強いものもあり、周辺の草木や墓石に影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。

霊園、墓地などの取り決めで除草剤を禁止していることもあるので、除草剤を使う前には管理事務所などで確認してから使用するようにしてください。

お墓に玉砂利を敷く

玉砂利を墓石の周りに敷くと雑草が生えにくくなります。

玉砂利とは、小さくて丸い石のことで、加工方法、採取した地域によって形や大きさに違いがあり、色も白色、黒色、グレー、青色、茶色系とさまざまな種類があります。

玉砂利は形が丸いので、びっしり敷きつめたつもりでも、石と石の間にすきまができてしまいます。

雑草はそんなすきまからでも生えてこようとしますので、ある程度厚めに玉砂利を敷きつめる必要があります。

玉砂利を敷きつめてから、その上を人が踏むことで土の中に埋もれていくので、何回かにわけて敷きつめていくことで玉砂利の厚みがでてきて、雑草も生えにくくなります。

玉砂利を敷きつめるメリットは、雑草対策になることと、お墓の景観が良くなることで、デメリットは雑草の成長を完全に防ぐことができないことと、長年敷きつめた玉砂利は砕けることです。

お墓に防草シートを敷く

防草シートは光を遮断するシートのことで雑草の生育を抑える効果があり、空気や水は通すので水たまりができず、墓石や基礎に悪影響を及ぼすこともありません。

防草シートを敷くときには、雑草をキレイに駆除をしておき、すきまなくびっしり敷きつめることが重要です。

防草シートのメリットは、施工が簡単ということで、デメリットは景観が悪くなるということです。

景観が悪くなるというデメリットは、敷きつめた防草シートの上に玉砂利を敷きつめることで解消でき、さらに敷きつめた玉砂利が紫外線による防草シートの劣化を防いでくれ、防草シートの押さえ代わりにもなります。

お墓に固まる土を使う

墓石の周りに固まる土を敷きつめることで雑草の生育を止めることができます。

固まる土とは、水をかけるだけでコンクリートのように固まる特殊な土のことで、見た目が土なのでコンクリートに比べるとお墓との相性はいいです。

水をかけるだけで固まるので、施工は簡単に思えるかもしれませんが、固まる土を敷く前には、地面の転圧が必要で、固まる土の表面には雨水が流れるように微妙に勾配をつける必要もあり、一般の方が施工するには少し難易度はあがります。

固まる土のメリットは、見た目が土なのでお墓との相性がいいということで、デメリットは数年で強度がなくなり、ひび割れが起こることと、日陰だと黒いコケが生えやすくなるということです。

コンクリートで雑草からお墓を守る

雑草対策で一番確実で効果があるのがコンクリートです。

コンクリートを墓石の周りを固めることで雑草の生育を止めることができますが、施工する前には墓地、霊園管理者の許可を得る必要があります。

また、コンクリートの施工は一般の方には難しいので、業者に依頼する必要があるので費用も高くなり、撤去をするときにも費用がかかります。

お墓の周りをコンクリートで固めるメリットは、確実に雑草の生育を止められることで、デメリットは施工にかかる費用が高くなることと、施工前には管理者の許可を得る必要があること、撤去をするときにも費用がかかるということです。

雑草対策の選び方と注意点

雑草対策は簡単にできる方法からしっかり確実にできる方法までさまざまあります。

雑草対策の効果は、
草むしり(手作業) < 除草剤 < 玉砂利 < 防草シート < 固まる土 < コンクリート

雑草対策にかかる費用は、
草むしり(手作業) < 防草シート < 除草剤 < 玉砂利 < 固まる土 < コンクリート

になります。

それぞれにメリット、デメリットはありますが、費用と効果を考えると、「防草シート+玉砂利」がおすすめです。
品質の良いシートを使うと数年から10年くらいは雑草対策の効果が期待でき、一般の方でも施工ができるところも良いです。

また、墓地、霊園では除草剤やコンクリートでの雑草対策を禁止しているところもあります。

雑草対策を選ぶときの注意点としては、どこまでの雑草対策をしていいのかを墓地、霊園の管理者または管理事務所にて事前に確認しておくことです。

業者に雑草対策を依頼する

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「コンクリート」の雑草対策は、費用はかかるけれど防草効果が高く、雑草の生えないお墓にすることができます。
コンクリートの雑草対策は、一般の方が自分で施工をするには少し敷居が高い雑草対策になり、お寺や墓地、霊園によってはコンクリート工事をする業者(石材店・工務店)が指定されている場合があります。

コンクリート工事は、コンクリートを敷く部分の土をすきとり、残土処分、基礎砕石転圧、必要であればメッシュ鉄筋の配筋、コンクリート打設、コンクリート仕上げという流れで進んでいきます。

工事にかかる日数はコンクリートを敷く面積、お墓の周辺状況などにより、違いはありますが、3~4日くらいを目安に考えておくといいです。

コンクリート工事の費用の相場は、8万から20万円くらいになり、コンクリートを敷く面積やコンクリートの厚みなどにより費用が変わるので、コンクリート工事を考えている方は、業者から必ず見積もりをとるようにしてください。

まとめ

ここまで、雑草の種類、手軽にできる雑草対策からしっかり確実に雑草の成長を止める雑草対策まで、それぞれの雑草対策のメリット、デメリットなど、お墓の雑草対策について解説してきました。

お墓参りには、草むしりがつきものだと思っている方がいるかもしれませんが、お盆の草むしりはとても大変で、ゆっくりお参りをすることもできません。

1年に数回しかお墓参りに行けないとはいえ、出来ることならいつもきれいにしておきたいというお気持ちはあると思いますので、ここまで解説してきましたことを参考に最適な方法で雑草対策をしていただき、ゆっくりとお墓参りをしてください。