分骨証明書はどこで発行してもらう?分骨の手続きと費用

  • 投稿日:2019/06/18
  • 更新日:2019/06/18
分骨証明書はどこで発行してもらう?分骨の手続きと費用

近年、葬儀のスタイルが多様化しているのと同様、納骨のスタイルも多様化しています。

その内の一つとしてあるのが、今回ご紹介する「分骨」です。

この記事では、分骨の意味をはじめ、必要な書類、また、その書類の発行方法などについてご紹介していきます。

分骨とは

分骨とは、亡くなった方の遺骨を2箇所以上の別々の場所に納骨し供養することを言います。

日本では、古くから、分骨を高野山や本願寺など宗派の本山に納骨するという習慣がありました。

近年では、田舎のお墓になかなか参拝できないため、近くの納骨堂などに分骨するという方や、ご両親の遺骨を兄弟姉妹で分けてそれぞれが供養するという方、あるいは、故人の希望で遺骨の一部を散骨される方、分骨を手元に置いて手元供養する方など、生活様式の変化によって分骨を希望する方が増えています。

分骨は良くないことなのか

分骨はよくない、縁起が悪いなどと言われることがあります。

それは、日本においては、遺骨は1箇所に納めることが一般的とされてきたからです。

これは、遺骨に魂が宿っているという考えや、仏教の教えである輪廻転生からきていると考えられています。
分骨することで、故人の魂や体が引き裂かれ魂が迷子になったり、故人の魂が、輪廻転生で新しい肉体を得て生まれ変わる時に五体満足にならないという理由です。

しかし、これは迷信です。
実際には、故人が亡くなってから四十九日経った後の遺骨に魂は残っていません。四十九日を境に、この世に残っていた故人の魂は次の世に旅立つからです。
そのため、故人が分割されてしまうことはありませんし、魂が迷子になったりすることもありません。
また、生まれ変わる時に五体満足にならないということも、もちろんありません。

分骨は残された人の心の支えとなるもので、実は昔からあるものなのです。

実際に、お寺にお祀りされている仏舎利には、お釈迦様の遺骨が分骨という形で納められているのです。

分骨に関係する法律は

分骨に関する法律には、どのようなものがあるのでしょう。

現在、遺骨の埋葬は、「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」に沿って行われています。

その中で、分骨に関して記載されているのは第5条です。

第5条には、次のように記載されています。

第5条 墓地等の管理者は、他の墓地等に焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者の請求があったときは、その焼骨の埋蔵又は収蔵の事実を証する書類を、これに交付しなければならない。
2 焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者は、墓地等の管理者に、前項に規定する書類を提出しなければならない。
3 前2項の規定は、火葬場の管理者について準用する。この場合において、第1項中「他の墓地等」とあるのは「墓地等」と、「埋蔵又は収蔵」とあるのは「火葬」と読み替えるものとする。

参考:厚生労働省 墓地、埋葬等に関する法律施行細則

この、墓地、埋葬等に関する法律施行規則の第5条を要約すると、

・分骨を希望する者があれば、火葬場あるいは遺骨が納められた墓地の管理者は、その遺骨が分骨されたものであることを証明する証明書を発行しなければならない。
・また、分骨を受け入れる側も証明書が無ければ受け入れてはならない。

ということになります。

分骨は遺族間での話し合いが大切

遺骨の管理や処分に関する最終決定権を持っているのは、原則一人です。
この権利者とは、「祭祀承継者」です。

祭祀承継者とは、祭祀財産を承継した人のことを言います。
祭祀財産とは墳墓、祭具、系譜など家の祭祀に関わるものであり、遺骨もこれに入ると考えられます。

最終的に分骨するかどうかは祭祀承継者が決めることができますが、独断で進めてしまうと分骨を嫌がる親戚から後にクレームを受けるなどのトラブルになることがあります。
また、せっかく分骨しても、受け入れ先のお墓の所有者が許可しないと、遺骨を入れてもらえません。

分骨は、故人や受け入れ先のお墓の関係者全体の合意の上で進めましょう。

なお、祭祀承継者に関しては、民法で以下のように決められています。

(祭祀に関する権利の承継)

第897条
系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

参考;wikibooks 民法第897条

これによると、祭祀承継者は故人が指定した人になるので、必ずしも長男である必要はありません。
故人の指定が無ければ慣習に従い、それも分からなければ家庭裁判所に決めてもらいます。

ですが、故人の指定がない時は、実質遺族の話し合いで祭祀承継者を決めるのが一般的です。

分骨証明書とは

分骨するときに発行されるのが分骨証明書と言われるものです。

「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」に記載されている「書類」というのが、この分骨証明書になります。
分骨証明書には、一般的に故人の名前や性別、死亡年月日などが記されています。
分骨証明書は、分骨する時ではなく、分骨をどこかに納める時に必要になります。

分骨を納骨せずに、手元供養をする場合には注意が必要です。
手元に遺骨がある間は分骨証明書は必要ありませんが、後日、何らかの理由によって遺骨をどこかへ納めなければならなくなった時には分骨証明書が必要になるからです。

分骨証明書は、当面必要ないという場合でも、後々のことを考え取得しておき、大切に保管しておくようにしましょう。

分骨証明書はどこでもらう

では、分骨証明書はどこでもらえるのでしょう。

ここでは、分骨証明書をどこでもらえるのかご紹介します。

火葬時点で分骨する場合

墓地、埋葬等に関する法律施行規則の第5条3項に、「火葬場の管理者について準用する」との記載があります。

つまりこれは、「遺骨を分骨し、他のどこかへ納めたいという申し出があったときには、火葬の事実を証明する書類を、火葬場の管理者が発行しなさい」ということを規定しています。

火葬場で分骨するときに発行されるのは「火葬証明書(分骨用)」という証明書になります。

この火葬証明書(分骨用)を発行してもらう場合は、直接火葬場に申し出ても良いのですが、事前に葬儀会社に相談しておくと発行もスムーズに行われるでしょう。

一度納骨した遺骨を分骨する場合

既にお墓に埋葬してあるご遺骨を分骨する場合は、墓地の管理者に分骨の意思を連絡し、分骨証明書を発行してもららわなければなりません。

このことは、墓地、埋葬等に関する法律施行規則の第5条に規定されています。

また、お墓からご遺骨を取り出す際には、墓地の管理者の立ち合いが必要になり、その立ち合いのもとに分骨証明書が発行されるようになります。

分骨証明書を紛失した場合

しばらく遺骨を手元に置いて手元供養を行い、その後、お墓に納骨するという時には分骨証明書が必要になります。
しかし、長年手元供養をしている間に、分骨証明書を紛失してしまうということも考えられます。

では、分骨証明書を紛失してしまった場合、どうしたら良いのでしょうか。

実は、分骨証明書は再発行をしてもらうことができます。
遺骨を分骨した場合は、分骨したお墓の管理者は、各自治体に分骨したことを届け出ることになっています。
そのため、分骨前のお墓がある自治体で分骨証明書の再発行手続きを行えば、再発行してもらえるのです。

故人の氏名、亡くなった日、火葬日がわかれば、何年経っていても、各自治体で比較的スムーズに再発行してもらえます。
ただし、亡くなった日や火葬日がわからないと再発行手続きに時間がかかることもあります。

特に、亡くなった日がはっきりわからない場合は再発行が困難になる場合がありますので、亡くなった日や火葬日は、必ず控えておくようにしましょう。

分骨証明書にはいくらかかる

分骨した遺骨をお墓に納める時に必要になる分骨証明書が必要なことはご理解いただけたと思います。

では、その分骨証明書を発行するには、どの程度の費用がかかるのでしょう。

火葬場で発行する場合

火葬場では、火葬証明書(分骨用)が発行されます。

この、火葬証明書(分骨用)は、自治体にもよりますが1通数百円程度で発行してもらえます。

また、分骨を希望する人が複数人いる時には、その人数分を発行してもらいましょう。

納骨後に発行する場合

納骨後に発行される分骨証明書は、お寺やお墓の管理事務所など、お墓を管理しているところに発行をお願いします。

発行にかかる費用は、火葬証明書(分骨用)と同様、1通数百円程度です。
ただし、骨壷を取り出すためには、墓石を動かす必要があります。
その時は、石材店に墓石を動かしてもらうよう依頼することになります。
地域にもよりますが、石材店への費用は、2万円から3万円が必要と考えておきましょう。

また、骨壷を取り出す前には閉眼供養が、分骨した後に骨壷を元に戻した後には開眼供養が必要になります。
その時には、お布施も必要になります。お布施の相場は1~3万円と考えておきましょう。

こんな時も証明書は必要?

すでにご紹介したとおり、墓地、埋葬等に関する法律施行規則では、分骨した遺骨を納める時には、分骨証明書が必要であると規定されていますが、分骨した遺骨を納める場所については特に明記されていません。

分骨前のお墓以外のお墓に遺骨を納める場合は、分骨証明書が必要なことは理解できますが、では、分骨前のお墓に遺骨を戻す時には、分骨証明書は必要なのでしょうか。

一度分骨したお骨をお墓に戻すときは証明書が必要か

一部では、分骨前のお墓に遺骨を戻す時は、分骨証明書がなくても、その遺骨が事件性のないものであることが証明できれば遺骨を納めることができるとも言われています。
しかし、厳密には、分骨前のお墓に分骨した遺骨を戻す場合であっても、分骨証明書がなければ納めることができないと思ってください。

特に、公営霊園などの場合は管理が厳しいため、分骨証明書がないと遺骨を元のお墓に戻すことはできないと考えてください。

分骨証明書がいらない場合がある

墓地、埋葬等に関する法律施行規則では、「ほかの墓所などに分骨を納めると申請があった人には、書類を発行しなさい」、また、「ほかの墓所に骨を納めるときは書類を提出しなさい」と規定されています。

また、お墓から遺骨を取り出す、分骨するという行為については、法律上の規制はありません。

では、分骨を手元供養したり、散骨する時には、分骨証明書は必要なのでしょうか。

結論としては、手元供養する時や散骨する時には、分骨証明書は要らないということになります。

まとめ

以上、分骨証明書に関することについてご紹介してきました。

分骨証明書は、後々のことも考え、仏壇の中など、わかりやすいところに保管しておきたいものです。

この記事が、分骨をお考えの方、あるいは分骨にお困りの方の参考になれば幸いです。

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