遺骨がいらない場合はどうする?処分しなければならないときの対処法

故人に思い入れや愛情があれば遺骨は大事なものですが、一方でそういった感情が無ければ、扱いに困ってしまうことも現実にはあります。
今回の記事では、どうしていいか分からない遺骨の対処について解説します。
※納骨全般については、『納骨はいつ行う?』をご覧ください。
目次
遺骨がいらないケース
遺骨がいらないというと不謹慎に感じる方もいるかもしれませんが、次のようなケースにあたると、遺骨の扱いに困ることもあるものです。
- 墓じまいをしようとしたら知らない遺骨が入っていた
- 納骨するお墓も安置する場所もない
- 故人に思い入れがない
- 分骨して手元供養にした残りの遺骨を供養したい
墓じまいをしようとしたら知らない遺骨が入っていた
墓じまいとは、今あるお墓を撤去することです。
墓じまいをするには遺骨を他所に引っ越す必要がありますが、先祖代々のお墓には、顔も知らないような方のかなり古い遺骨が納められていることがあります。
遺骨の引っ越し先のお墓に入りきらない場合は、顔を知っている方の遺骨だけ個別で供養して、自分が知らない方の遺骨は他で安く供養したいと考える方もいます。
納骨するお墓も安置する場所もない
金銭や跡継ぎの問題、あるいは個人の趣向によって、お墓を持たない、あるいは持ちたくない場合があります。
納骨せずに手元に安置することもできますが、住宅事情などでそれも難しいと遺骨の置き所に困ってしまいます。
故人に思い入れがない
突然警察から電話がかかってきて、遠縁の親戚が亡くなったので引き取り手になってほしいと言われることがあります。
会ったこともない親戚であれば、自宅に置いておくのも、自分のお墓に入れるのも抵抗があるかもしれません。
また、故人とは付き合いがあっても、様々な事情で遺骨の面倒を見るほどの思い入れがないこともあります。
分骨して手元供養にした残りの遺骨を供養したい
遺骨の一部を加工したり粉骨したりして、手元で供養するケースも増えています。
一般的に、手元供養では全ての遺骨を加工できることは少なく、加工されなかった分の遺骨が残ります。
お墓を持つ予定がなければ、残った遺骨をどうするかも考えなければなりません。
遺骨をゴミとして処分すると違法になる
遺骨を捨てると、刑法190条に違反します。
刑法190条では以下のように定められています。
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。
2018年には、「改葬」の仕事を受け合っていた業者が、マンションのゴミ集積所に遺骨や骨壺を遺棄したとして、逮捕されました。
参考:ゴミ集積所に遺骨捨てた疑い 「改葬」請負人の男を逮捕:朝日新聞デジタル
遺骨を公共の場に放置したり捨てたりしても違法
遺骨を公共の場に放置しておくことも、刑法190条に違反します。
2017年には、JR東京駅のコインロッカーに妻の遺骨を放置した男性が逮捕されました。
参考:コインロッカーに遺骨放置で逮捕、「死体遺棄」になる理由 NEWSポストセブン
いらない遺骨を安い値段で供養する方法
お金をできるだけかけないで遺骨を供養するには、以下のような方法が考えられます。
いずれも、3万円/1人程度から供養できます。
いらない遺骨を安い値段で供養する方法
- 散骨する
- 合祀のお墓に入れる
- 送骨サービスを利用する
散骨する:3万円/1人~

遺骨の粉砕から散骨までの全てを業者に委託すれば、3万円/1人程度から業者を探すことができます。
物理的には全てを自分で行うこともできますが、遺骨の粉砕作業や散骨場所の選定などは素人では困難なので、業者の利用をお勧めします。
散骨について詳しく >>
合葬墓(合祀墓)に入れる:3万円/1人~

合葬墓は、安い所で3万円/1人程度から探すことができます。
近くの合祀墓を探す >>
送骨サービスを利用する:3万円/1人~

遺骨を残したくないときは火葬場で引き取ってくれる?
遺骨の引き取りについては、各自治体の条例などによります。
遺骨の一部しか骨壺に納めない「部分収骨」が主流の関西では、全て火葬場で引き取ってくれる場合もあるようです。
逆に、遺骨のすべてを骨壺に納める関東の火葬場では原則引き取ってもらえません。
ペットの遺骨は人と扱いが違う?
ペットの遺骨は、人間の遺骨と扱いが区別されます。
人間の遺骨は、「墓地、埋葬等に関する法律」で、墓地として都道府県知事に許可を受けた区域でなければ埋葬できませんが、ペットの遺骨であれば、庭などの自分の私有地に埋葬しても違法にはなりません。
また、多くの自治体では、亡くなったペットの引き取りも行っています。
遺骨アクセサリーの処分は自治体に相談
近年では、遺骨を加工したペンダントなどのアクセサリーや、宝石などの手元供養品が販売されています。
遺骨を加工した手元供養品が遺骨にあたるかのどうかの判断ですが、厚生労働省は、「平成28年度厚労科研費研究に伴う『墓地の経営・管理に関するFAQ』」内で、以下のように回答しています。
遺骨を利用したダイヤモンドは、法律上の「焼骨」に該当するのか教えてください。(一般参加者より)
-原則的として、厚労省は「やはり『焼骨である』」という見解を示しております(平成24年7月24日健衛発0724第1号)。
しかし、ダイヤモンドとなった時点で融通性が飛躍的に高まることとなりますので、祭祀財産ではなく、相続財産と見做される可能性も出てくるかとも考えられます。この祭祀財産か相続財産であるのかについては、議論とされる処であります。参考:「平成28年度厚労科研費研究に伴う『墓地の経営・管理に関するFAQ』」Q5[遺骨を利用したダイヤモンドについて]に関する質問
したがって、遺骨加工品については、基本的には処分も遺骨と同様に扱うとする可能性もあります。
ただし、遺骨の加工品については法整備が進んでいないため、その対応もあいまいな所があります。処分に迷ったら、一度お住まいの役所などに相談してみましょう。
まとめ
古い遺骨や、思い入れのない遺骨、いらない遺骨は処分に困る場合があることも現実です。
そのよう遺骨を託された場合には、以上の情報を参考に適切な方法で処分しましょう。
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経歴
2018年より、お墓マガジンのコラムを執筆しています。適切な情報をお届けできるよう努めて参ります。