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お墓の移動・引越しをするには?改葬の手続きと注意点

改葬の手続き1

「先祖代々のお墓があるが、遠くてお参りに行けない」

こういった状況などから、お墓を今の住まいの近くに移動することがあります。
他にも「親族の墓が複数の場所にあり、1つにまとめたい」「跡継ぎがなくなった墓の遺骨を、親戚の所に入れたい」など、理由は様々のようです。

お墓を今ある所から他の所に移して供養することを、「改葬」と言います。

下のグラフはここ20年くらいの改葬件数の推移です。

改葬推移のグラフ

出典:厚生労働省「衛生行政報告例」(各年次)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001031469

改葬の件数は、2016年では9,7317件で、20年前の1997年の6,7270件に比べ約3万件の増加しています。

地方の過疎化や、跡継ぎの不在お墓の増加により、今後も改葬の件数は増えていくと予想されます。

これからの時代、お墓の引越しは他人ごとではなくなってくるかもしれません。

それでは、実際にお墓を移転するには何をすればいいのでしょうか?
ここでは、改葬の手順や必要な手続き、注意点をご紹介します。

(改葬にかかる費用については、改葬(お墓の引っ越し)に必要な費用は?をご参照ください。)

目次
1.改葬の流れ
1-1.改葬に必要な書類
1-2.新しい墓地・墓石を決める
1-3.既存のお墓がある場所での手続き
1-3-1.「改葬許可申請書」を入手する
1-3-2.既存墓地の管理者に承諾をもらう
1-3-3.役所で改葬許可申請をする
1-3-4.既存のお墓での法要、解体・撤去
1-3-5.新しい墓地での法要、納骨
2.改葬の際のマナー
2-1.閉眼法要、開眼法要のお布施
2-2.改葬に立ち会う場合の服装
2-3.法要後の会食
2-4.改葬の挨拶
3.トラブルを避けるための注意点
3-1.親族との話し合い
3-2.お寺からの離檀
3-3.石材店選び
4.墓石を移動する際の注意点
4-1.運搬費用
4-2.破損の可能性がある
4-3.受け入れ先が限定される
5.引っ越し先のお墓の選び方
5-1.アクセスがいい
5-2.価格をおさえたい
6.まとめ

1.改葬の流れ

改葬の手続き

大まかな流れとしては、「新しい墓地を探す」「現在の墓地や役所で手続きをする」「新しい墓地で受け入れの手続きをする」という風になります。

1-1.改葬に必要な書類

必要な書類を下表にまとめました。

発行元 必要書類
新しい墓地 墓地使用許可証(永代使用許可証)
受け入れ証明書
現在の墓地 埋葬(埋蔵)証明書
市区町村の役所 改葬許可申請書
死亡者の戸籍(除籍)謄本
既存墓地の使用者 承諾書(既存墓地の使用者と改葬許可の申請者が異なる場合)

 

それでは、細かな手順を以下で見ていきましょう。

1-2.新しい墓地・墓石を決める

お墓の引っ越しを決めたら、まず初めに新しい墓地や霊園を探しておきましょう。

新たな受け入れ先を決めたら、管理者から「墓地使用許可証」をもらい、「受け入れ証明書」を発行してもらいます。

お墓の選び方については、後述します(5. 引っ越し先のお墓の選び方)。

この時、新しい墓石についても相談して決めておきましょう。

1-3.既存のお墓がある場所での手続き

1-3-1.「改葬許可申請書」を入手する

現在お墓がある地域の市区町村の役所から、「改葬許可申請書」をもらいます。

各役所のHPからダウンロードできることも多いので、確認してみましょう。

1-3-2.既存墓地の管理者に承諾をもらう

新しい墓地が準備できたら、既存の墓地の管理者に改葬の相談をします。

改葬の承諾を得たら、「埋葬証明書」を発行してもらいます。

市区町村にもよりますが、墓地管理者欄の署名捺印で代用することもできます。

なお、既存のお墓が寺院墓地にある場合、離檀などについて話し合いが必要になる場合もあるので、「埋葬(埋蔵)証明書」を発行してもらうまでに何日もかかるというケースもあるようです。

1-3-3.役所で改葬許可申請をする

改葬許可申請書に書類に必要事項を記入し、役所に提出します。この時、以下の書類も添付します。

・新しい墓地の「受け入れ証明書」
・既存墓地の「埋葬(埋蔵)証明書」

申請が通ると、「葬許可証明書」が交付されます。

1-3-4.既存のお墓での法要、解体・撤去

現在使用しているお墓の遺骨を取り出す前に、閉眼法要という儀式をします。

今の墓石から仏様の魂を抜き、墓石をもとの石に戻す意味や、仏様が今の墓石とお別れをするという意味があります。

御霊抜きの法要、閉魂法要、性根抜きと呼ばれることもあります。

担当の石材店、既存の墓地の管理者と、閉眼法要と解体の日程を決めましょう。なお、お墓の解体・搬出は、基本的には既存のお墓を立てた石材店が請け負います。

ただし、既存の墓地が公営であれば、基本的に担当の石材店というものはありません。
近年、改葬費用の見積もりができるサイトも登場してきているので、利用してみるのもいいかもしれません。

1-3-5.新しい墓地での法要、納骨

新しい墓地の管理者と石材店に、法要と納骨の日時を相談します。

指定の日時に取り出したお骨を新しいお墓に納骨しますが、この際、納骨法要も同時に行います。

また、新しい墓石の開眼法要が済んでいなければ、こちらもあわせて行います。

開眼法要には、新しいお墓に魂を入れる意味があります。

これでお墓のお引っ越しが完了です。

改葬の流れ

2.改葬の際のマナー

改葬の際のマナー

2-1.閉眼法要、開眼法要のお布施

お布施の金額についてお坊さんに尋ねると「お気持ちで」と言われることが多いかと思いますが、相場は3万~5万程度と言われています。

ですが、墓地によってかなり異なる場合もあるので、地元の石材店に相場を確認しておくと良いでしょう。

また、閉眼法要の際、寺院墓地からの改葬で離檀料を請求されていない場合は、今までのお礼も込めて、あわせて10~20万程度を目安に包みましょう。

お布施は、奉書紙に包むか、白封筒に入れ、「お布施」または「御礼」などと表書きします。

寺院境内墓地外で、お坊さんにお墓まで来てもらう場合は、さらに「御車代」を1万円別に包みます。

また、法要後の会食に僧侶が参加しない場合は、「御膳料」として別に1万円程度包みます。

2-2.改葬に立ち会う場合の服装

男性の場合はダークスーツに黒や紺などの地味な色合いのネクタイを着用します。
女性の場合も、地味な色合いの服を着ます。喪服の必要はありません。

2-3.法要後の会食

開眼法要が済んだら、そのあとに会食の場を設けます。霊園の管理者に会食の場やプランがあるかなどを確認しておきましょう。
また、引き出物も用意します。高価なものでなくてかまいませんが、誰にでも喜んでもらえそうなものを選びましょう。

改葬の挨拶

引越しが一通り完了したら、親族や関係者に挨拶状を書きます。
特に決まった書き方はありませんが、時候の挨拶から始め、改葬を行った旨と新しい墓地の所在地を書き、最後に一言添えます。

挨拶が遅れてしまわないよう、事前に準備しておくことをお勧めします。

3.トラブルを避けるための注意点

トラブルを避けるために

3-1.親族との話し合い

法律上、改葬する本人がお墓の使用権利者であれば、親族の同意は必要ありません。

しかし、「お墓を移動すると良くないことが起こる」と考える親族に改葬を反対されたり、元のお墓に入っていた骨壺をそれぞれどこに引越すかということでもめたりすることも多いようです。

先祖代々のお墓を移すわけですから、親族とは必ず事前にしっかり話し合い、お骨を移す先などの合意を得ておきましょう。

3-2.お寺からの離檀

お寺とのトラブルになる一番の原因は「離檀料」の金額です。

離檀料とは、今までお墓をお世話してくれた感謝の気持ちを込めて渡す、お布施のことです。
「埋葬(埋蔵)証明書」を発行してもらう際に、払う必要があります。

離檀料の相場は3~15万円程度と言われています。

ですが、中には数百万などの法外な金額を請求するお寺があり、これがトラブルの原因となっています。

もし法外な金額を請求された場合でも、できるだけ穏便に話を進めましょう。

離檀料は義務ではなくお気持ち代であるということを念頭に、話し合ってください。

さらに話し合いでどうしても全く折り合いがつかなかった場合は、まずは行政機関に相談します。改葬許可をもらえる場合もあります。

もしこれでもうまくいかなければ裁判を起こすことになります。
しかし、裁判を起こすにも費用がかかりますので、できるだけ話し合いで解決するようにしましょう。

3-3.石材店選び

お墓の解体や設置は石材店が請け負いますが、その際、近隣の墓地を破損させてしまうということがあります。
また、悪質な業者ですと、古い墓石を不法投棄するケースもあるようです。

墓地や霊園には付き合いのある石材店があることがほとんどなので、そこに頼むのが無難と言えます。
その霊園に詳しい石材店なら、工事でのトラブルは起こしづらくなります。

4.墓石を移動する際の注意点

墓石の移動

「今使っている墓石を再利用した方が、費用も抑えられるのでは?」と考える方も多いかもしれません。

ですが、実際はそうではありません。

実は様々な要因から、墓石をそのまま使うのはハードルが高いことだと言えます。
以下の点を検討して、遺骨の引っ越しだけでなく、墓石も一緒に移動するかは慎重に考えましょう。

4-1.運搬費用

遠くの地方から現在の住まいの近くにお墓を移動する場合、その運搬距離が長かればその分費用もかかります。

近くでない限りは、新しい墓石を買った方が費用を抑えられることがほとんどです。

4-2.破損の可能性がある

墓石をそのまま引き継ぐ場合、新しい墓地で依頼する石材店に実際に古い墓石を見てもらい、そのまま使用できるかを判断してもらうことになります。

しかし、墓石が古くてもろくなっている場合、解体・設置・運搬中にひびが入ってしまう可能性があり、このリスクは考慮に入れておく必要があります。

4-3.受け入れ先が限定される

受け入れ先は、古い墓石のサイズを測り、それに合う広さの墓地を選びます。
しかし、古い墓石の使用を禁止している墓地も多く、あらかじめ確認が必要になります。

5.引っ越し先のお墓の選び方

お墓を探す

それでは、お墓はどんなところに引越しをするのがいいのでしょうか。
もちろんそれぞれの事情や条件により異なるのですが、参考までにお墓の選び方を紹介します。

5-1.アクセスがいい

せっかくお墓を移しても、アクセスが悪くなかなかお参りに行きづらいところでは、また引越し、となってしまいかねません。
今後ずっとお墓のお世話をすることを考えて、無理なくお参りに行ける立地を選びましょう。

5-2.価格をおさえたい

お墓の引越しには解体、運搬、建墓と、予想以上にお金がかかるものです。

(改葬にかかる費用については、改葬(お墓の引っ越し)に必要な費用は?をご参照ください。)

先祖代々の墓ではなくなってしまいますが、以下のようなお墓ですと価格を抑えられることがあります。
今後のお墓の世話に自信がない…という方もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。

・樹木葬…墓石を立てず、樹木の下にお骨を埋葬するお墓
・納骨堂…お骨を建物内に安置するお墓
・永代供養塔…寺院や霊園の管理者が管理してくれるお墓です。通常有期限で、期限後は合祀されることが多いです。

6.まとめ

お墓の移動は、新しい墓地・現在の墓地・役所で必要書類をもらい、手続きをすればできます。

ですが、手続きをするより先に親族の合意を得ておくことが肝要です。
不要なトラブルを避けるため、親族や知人の理解を得たうえで、霊園選びや手続きを進めます。
その際のマナーなども押さえておきましょう。

今後また数十年以上に渡って管理していくお墓ですから、新しいお墓の受け入れ先はじっくりと考えたいものです。

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