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お墓の向きはどうすればいい?吉相のお墓を建てるには

お墓のイメージ1

吉相墓という言葉をご存知でしょうか。

日本では、陰陽道や言い伝えなどをもとに、お墓の吉凶を占う考え方があります。
お墓の吉凶には墓相が大きく関ります。
墓相の中でも重要なのお墓を東西南北のどの方向に向けて建てるかということです。

今回の記事では、陰陽道や江戸中期以降世間や寺院で広まった言い伝えを元に、吉相墓を建てるためのお墓の向きについて解説します。

お墓の吉凶を決める要素

それではまず、お墓の吉凶を決める要素について解説します。

墓相の重要なものは方位

一般的にお墓には墓相があるとされています。
それは人間に「人相」、手に「手相」があるのと同じです。

「墓相」は、お墓の建っている環境、お墓の建っている土地の地相、墓石、墓域内の建立の場所などによって成り立ち、良い墓相のお墓にすれば、子孫繁栄が実現し、幸運がもたらされると言います。

その「墓相」の中でもお墓の向きには重要な意味があります。
例えば江戸時代からの言い伝えでは以下のように示されています。

・北西向きのお墓:自宅が火事になる
・西南向きのお墓:家族に精神を病んだり自殺してしまったりする人が出る
・北東向きのお墓:家族の中に急死する人が出たり、夫婦が離婚してしまったりする

お墓の吉相とは

それでは、そのような不幸なことが起こらないようなお墓の墓相、すなわち吉相にはどのようなことがあるのでしょうか。
吉相のあるお墓にするには以下のような要素はあります。

墓石に戒名を彫る

現在の一般的なお墓の表面には埋葬されている人の戒名ではなく、「何々家之墓」というような文字を彫りますが、これは凶相ではないものの、吉相でもありません。

吉相墓にするには墓石の表面に埋葬されている人の戒名を彫り入れることです。仮に表は「何々家之墓」にするとしても、裏には埋葬されている人の戒名を彫りましょう。

夫婦だけの夫婦墓にする

一般的なお墓は先祖代々を1つのお墓に埋葬する一族墓ですが、これも凶相ではないものの吉相でもありません。
吉相のお墓は、夫婦は夫婦だけで埋葬する夫婦墓です。

親の墓を子が建てたお墓

親が亡くなった時にその子供が建てたお墓は基本的に吉相です。
なぜなら親のためにお墓を建てることは非常に親孝行になることなので、その善い行いが、建てた人に対しても報いるからです。
ただし、子供であれば誰でもよいのではなく、吉相墓になるのは、その祭祀継承者が建てたお墓だけです。

しゃがんだ時に目の前の墓石の中心が来る高さになっている

吉相墓は基本的に高さが低い墓石です。
具体的にはお墓の前に行ってしゃがんだ時に、顔の前に墓石の中心が来るお墓です。

代々のお墓の大きさが同じ

「何々家之墓」ではなく、代々を夫婦墓にしたり、納骨室が満杯になったから別の墓石を建てる場合もあるでしょう。
その際には、先祖の墓石と同じ大きさの墓石にすることが吉相墓のポイントです。

古い先祖が五輪塔に改葬されている

古いお墓の場合は何代も前の先祖が同じ納骨室に埋葬されているかもしれません。
しかし何代も前の先祖がいつまでも同じ納骨室に埋葬されているお墓は吉相墓とは言えません。

吉相墓にするには、古い先祖の遺骨は墓域内に別に先祖供養の五輪塔を建て、その下に遺骨を改葬することです。
その際には五輪塔に戒名を彫り入れましょう。

逆位者は小さい墓石に別に埋葬する

親よりも先に亡くなること、長子よりも先に亡くなることを逆位と言います。
家に逆位で亡くなった人が出た場合は、一族墓に埋葬しないで、別の小さな墓石を墓域内に建ててその下に埋葬することが一族墓を吉相墓にするポイントです。
また離婚して戻ってきた人や未婚で亡くなった人の場合も同様です。

建てる場所は、本来のお墓に対して向かって右手前です。

墓域にも吉相がある

またお墓自体ではなく、お墓の建っている墓域にも吉相があります。

墓域には木を植えない

墓域に樹木が植わっているお墓は凶相です。
樹木葬など特別な場合を除いて、墓域内には木を植えないことが重要です。

花立は低い位置にする

墓石自体が低いことは吉相ですが、だからと言ってその前に花を供えた場合に、お墓が隠れてしまうのでは凶相になります。
ですから低い墓石にすると同時に花立の位置も低くして、花を供えた場合に、墓石の前の面が隠れないようにしましょう。

できれば花立は墓石とば別の場所に設置し、花立の中の水が腐ってもその影響が墓石に及ばないようにしましょう。

柵と入口を設置する

地方の広い霊園に行くと、墓域も広いためその墓域の周囲に柵を作っていない場合がありますが、これは凶相です。
吉相の墓は、どのように墓域が広くても周囲は柵で囲い、さらに柵には墓域への入口を設けているものです。

また逆に都心の狭い墓域で分譲されている霊園の場合は、隣の墓域との境の柵が、共通の1つのものであることも多いですが、これも吉相とは言えません。
隣の墓域と近くても、こちらはこちらで柵を設け、共通にしないことが重要です。

遺骨は骨壺から出して埋葬する

現在の一般的なお墓は、墓石の下にコンクリートで周囲を囲った納骨室を設け、そこに骨壺に入ったままの遺骨を埋葬する方法ですが、これは吉相ではありません。

吉相のお墓は、納骨室を設置しないか、しても下は土をむき出しにし、さらに納骨は骨壺から遺骨を取り出して地面の上に直接置き、遺骨が時間とともに自然に還っていくようにしてあるものです。

土の上にの墓石を建てる

納骨室の地面を土にするでのはなく、納骨室自体を設けないお墓も吉相です。
その理由は、お墓が大地の豊潤な気を受けられるからです。

霊園の吉相を決める要素

さらにお墓のある霊園にも吉相があります。

午前中の太陽が当たる

朝日から正午までの午前中の太陽の光が当たる霊園は吉相です。

頭上を高圧線が通っていない

生きている人間にとっても高圧線の下に住むことには弊害があるという説があります。
お墓も同様に頭上に高圧線が通っているものは凶相です。
ですから、頭上には遮る物がなく、青空が見えるような霊園にしましょう。

東、南東、南が低い地形

霊園の勾配が、東側、南東側、南側に向かって低くなっているものが吉相です。

よく整備されている霊園

霊園の中には墓域以外の場所をそのままにして整備していないところもありますが、これは吉相とは言えません。

吉相の霊園は墓域以外のエリアもしっかり整備し、通路なども小石やコンクリートなどできちんと歩きやすく工事してあるところです。さらに霊園内には水道が設けてあり、抜いた草を捨てる場所も用意されているところがベストです。

地盤の固い霊園

沼地や湿地を埋め立てて造られた霊園は吉相ではありません。吉相の霊園は地盤が固い岩肌の土地を開削して造られたところです。
それによってその霊園は大地の恩恵を強く受けることができるのです。

吉相墓を建てるなら方位はどうする?

さてこの記事のテーマである、お墓の向きをどうしたら吉相にできるかという点について解説しましょう。

吉相墓は東向き、南東向き、南向き

お墓に吉相をもたらすためには、お墓の正面を東向き、南東向き、南向きにすることです。

特に霊魂を祀るにはお墓の正面の方向が重要です。神社の本殿も「天子南面す」という考えで南に向いています。
あるいは日の出の方角である東向きです。

向きによる日当たりの違いはどう考える?

しかしお墓を縁起の良い方角に向けて吉相にした場合でも、周囲にある建物などの影響で、そうするとお墓の正面に日が当たらなくなってしまうこともあり得ます。このような場合はどう考えたらよいのでしょうか。

そもそもお墓の吉相が南向き、南東向き、東向きだとされている大きな理由は、それが最も日当たりがよく、じめじめと墓域がいつまでの湿っていないということからです。

したがって、南に向けることによって日当たりがかえって悪くなるようであれば、それは吉相とは言えません。
その場合は、日の当たる方向にお墓の正面を向けたほうが良いでしょう。

また吉相、凶相の問題ではありませんが、日当たりのよい向きにあるお墓に参る時には、日当たりが良いメリットがある反面、お参りする人が日射病になりやすいなどのデメリットがあります。

せっかくお墓参りをして体調を崩していたのでは、何の意味もありませんから、日当たりのよいお墓に参る際には、暑さ対策や水分補給をしっかりしましょう。

お墓の向きと浄土真宗などの仏教の教えは関係があるか?

浄土真宗は西方浄土に成仏することを目的とする宗派なので、お墓は西向きが良いのでしょうか?

実を言うと、浄土真宗ではお釈迦様が吉凶などの迷信などに惑わされてはいけないと言ったことに基づき、墓相や吉相墓の考えはありません。
むしろ、墓相などを気にしてしまうことが教義に反することになるようです。

まとめ

お墓の吉相にこだわりすぎて、日常生活のすべてに影響を与えることは必ずしも好ましいことではありません。
しかし家族が健康であったり、家業が繁栄したりするためには、それを妨げる障害物をできるだけ取り除き、環境を整えたいという気持ちもまたあるでしょう。

そういう場合に、お墓の吉相の考えをベースにしたお墓の向きについて注意を気にしてみてもいいかもしれません。