納骨堂のお参りはどうやる?お供えやお参りの時期を解説

納骨堂のお参りはどうやる?お供えやお参りの時期を解説

納骨堂へお参りする際には、霊園やお寺などにお参りするのと同じく守らなければならないマナーがあります。
また、納骨堂だからこそ許されていることもあります。

納骨堂に遺骨を安置することも一般的になってきましたが、お参りをしたことがある人はまだまだ少ないのではないでしょうか。
納骨堂だからこそ出来ることと、出来ないことを知っておくとお参りも行きやすくなります。

この記事では、納骨堂へお参りするためのマナーにはどのようなものがあるのか、納骨堂へお参りする際のマナーについてご紹介していきます。

1.納骨堂とは何か

納骨堂とは、建物の中で遺骨を保管するお墓です。
雨が降っても傘を差さずにお参りができ、都心でも駅近で安価な場所が見つかることなどから、近年注目を浴びています。
屋内でたくさんの遺骨を保管するため、「一般のお墓が一戸建てなら、納骨堂は集合住宅」とよく比喩されます。

ロッカーや小型の仏壇など、決められたスペースに骨壺を納骨するもので、他にもさまざまなタイプがあります。

・ロッカー式
ロッカーのような棚に骨壺で遺骨を安置していきます。
2-4体程度収容できるものが主流です。
費用は30-80万円程度です。

・自動搬送式(マンション型)
屋内の参拝ブースに遺骨が運ばれてくるタイプの納骨堂です。
おおむね8体収容できます。また、承継できることもあります。
費用は80-100万円程度です。

・仏壇式
区画が2段に分かれており、上段が仏壇、下段が納骨する棚になっています。
2-12体程度収容でき、納骨堂の中では一番人数が収容できます。承継できることもあります。
費用は100-200万円です。

・位牌式
大きめの位牌の下部に小さな納骨スペースに遺骨を入れます。
1つの位牌につき1人納骨するので、個人向けの納骨堂です。
価格は10万円程度です。

・棚式
仕切りがない棚に骨壺を並べていきます。
骨壺をひとつづつ並べていくので、1人から利用できます。

2.納骨堂のお参りの方法

納骨堂は一般的な墓石を建てるお墓と形状や条件が大きく異なるため、お参りにも違いが出てきます。
納骨堂のお参りについて解説していきます。

2-1.共通編

納骨堂は屋内のお墓なので、一般的なお墓参りのように草むしりをしたり墓石に水をかけて掃除をするといったことはしません。
お墓の清掃やメンテナンスは墓地の管理者が行います。

また、屋内で参拝する都合上、原則火気厳禁です。
ろうそくや線香は供えられないので、代わりに電気香炉が置かれています。

2-2.棚式・位牌式

棚式や位牌式納骨堂の場合は遺骨を納める最小限のスペースしか確保されていないため、個別のお供えはできないと考えてください。
お参りは入り口近くや本尊前などにある共有スペースでします。
お供え用の台が設置されている場合は、そこにお花や食べ物などを置くことができます。

2-3.ロッカー式

ロッカー上の棚に遺骨が納骨されており、棚の前まで来てお参りができます。
ただし、上下左右ともに他のお家の区画と隣り合っているので、込み合った時は譲り合いながらスペースを使いましょう。

場所にもよりますが、棚の中に多少であれば食べ物などのお供えを置けることがあります。
また、おりんや浄水を置く台をセットしておくなど、区画ごとに備品を置いておける場合もあります。

2-4.自動搬送式(マンション型)

屋内に共有の参拝スペースにお墓が設置されており、リーダーにカードをかざすと遺骨が運ばれてきます。
参拝ブースはそれぞれガラスなどで区切られており、プライベートな空間でお参りできます。
ただし、込み合っている時期は参拝ブースが埋まってしまうことがあり、空くまで待つことがあります。

お花、電気香炉など基本的なお供えは常備されているので手ぶらでお参りに来ることもできます。
ほとんどの場合で墓前にお供えスペースがあり、好きにお供え物を置けます。
ただし、お墓は他の参拝者と共有するので、持参したものは全て持ち帰らなければなりません。

2-5.仏壇式

構造は仏壇と同様なので、お花や食べ物など、好きにお供えを置くことができます。
また、1家族に対して1仏壇なので、おりんなどの備品を置いておくこともできます。
ただし、食べ物やお花など腐ったり枯れてしまうようなものは持ち帰ります。
他の家の区画と隣り合っているためプライベートな空間が確保されているとは言い難いですが、ロッカー式などに比べると一区画が広いので比較的ゆったりとお参りできます。

3.服装のマナー

納骨堂のお参りへの服装は、特に決まりごとはありません。
しかし、なるべく清潔感のある服装を心がけて納骨堂へ向かうことを心がけてください。
3-1.避けた方が良い服装
納骨堂のお参りの際に、決まりごとはないと言いましたが、できるだけ避ける服装はあります。
それは肌の露出が多い服装と華美な服装です。
様々な方がお参りに来る場ですので、清潔感のある服装を心がけていれば問題ありません。
3-2.足元にも気をつけて
納骨堂にお参りする時には、靴を脱いでお参りするところが多くあります。
清潔感のある服装を心がけていても、足元は気を抜きがちです。
靴を脱いだ時のことも想定し足元にも気をつける必要があります。
脱ぎ履きに時間がかかる靴は避け、履きやすい靴を履いていきましょう。

4.お参りの時期

お参りの時期はお盆、お彼岸、命日など一般的なお墓と変わりません。
加えて、納骨堂は駅近などの便利な立地にあることも多いので、毎朝お参りに通う人もいます。

お参りの時間帯は、一般の霊園や墓地なら24時間開放しているところもありますが、納骨堂は開園時間が決まっています。
納骨堂にお参りする際は、開園時間内に行くようにしましょう。

4-1.お盆などの混雑時期

お盆やお正月などは、納骨堂もお参りで混むことがあります。
基本的に一般墓よりもお参りスペースにゆとりがないため、場所が空くまで順番待ちをすることもあり得ます。

混む時間帯がわかっている場合は混まない時間帯に訪れればいいのですが、いつ混むのかわかりません。
時期的に混むことがわかっている場合は、混む時間帯を事前に納骨堂に確認しておくと良いでしょう。

5.納骨やお盆の合同法要などの際のお布施

一般の墓地や霊園と同様、僧侶を呼んで読経する際や、合同法要に参列する際はお布施を用意します。
ただし、僧侶などを呼ばずにただお参りするだけならお布施は不要です。
ここでは納骨堂でのお布施のマナーについてご紹介します。

5-1.納骨式のお布施の相場

お布施は、あくまでも謝礼ですので、これといった料金設定や定価などはありません。
そのため、お布施となると見当もつかないという人のほうが多いでしょう。
少なかったら失礼にあたるのではないか、多すぎてもその後の法事法要のたびにどうしたらよいのかと心配になってしまいます。
そこで、実際に世間のお布施の相場はどれくらいなのかをご紹介しましょう。
納骨式のみ行った場合は、2万円~5万円、四十九日などの法要と合わせた場合は、5万円~10万円が相場です。
もちろん、地域や宗派によっても違いはありますので、どうしても決められない場合は、思い切って聞いてみても良いでしょう。

5-2.回忌法要などの個別の法要

納骨堂には法要施設を併設しているところが多く、法要も納骨堂内でできます。
納骨堂を管理するお寺の住職にお経を上げてもらうこともできるので、お願いしても良いでしょう。

お布施の相場は3~5万円です。

5-3.合同法要のお布施の相場

お盆やお彼岸などの際に納骨堂内の法要施設で合同法要を行うことがあります。
参加する場合は、お布施として3千~1万円を用意します。

6.遺骨を預かってもらっている最中のお参りについて

納骨堂は永代供養だけではありません。供養の方法に迷っている場合など、一時預かりということもお願いできます。
一時預かりの場合は埋葬や納骨はせず、納骨堂内の専用スペースに「遺骨を預かってもらう」形になり、預ける期間が短く設定されているところがほどんどです。
遺骨を一時預かりにしている間でも、年忌法要や何かあった場合にはお参りをしすることはできるのでしょうか。
一時預かりの場合、寺院や民営霊園の場合はお参りすることができますが、公営の霊園では難しいでしょう。
公営の場合は、ご遺骨への直接参拝はできず、共用の祭壇での間接参拝となることが多いです。

7.まとめ

以上、納骨堂の簡単なご紹介とお参りのルールやマナーについてご紹介してきました。
納骨堂のお参りも、ルールやマナーをしっかり守ってお参りしたいものですね。