京都西寿寺ご住職に愛猫との出会いや樹木葬について伺いました【インタビュー】

京都西寿寺ご住職に愛猫との出会いや樹木葬について伺いました【インタビュー】

インタビュー:西寿寺ご住職 村井定心さん

西寿寺は、京都市右京区鳴滝泉谷町にある浄土宗のお寺です。
34代目住職である村井定心さん(以下、村井さん)は、ご自身で桜散骨や庭園葬などの新しい形式の自然葬を作り上げてこられました。
また、リモート法要やプロジェクションマッピング法要といった現代の技術を生かした新しい取り組みも精力的に行っていらっしゃいます。

今回ZOOMでのインタビューに応じてくださいました。(2021年12月取材)

西寿寺34代目住職 村井定心さん

村井さんにとってペットとは

―京都市内でも数少ない、ペットと一緒に眠れるお墓を取り扱っていらっしゃいますが、仏教においてペットはどのような扱いになるのでしょうか?

村井さん:

仏教的に言えば六道輪廻において、ペットちゃんは畜生かもしれません。
でも経典には、どこにもペットちゃんと一緒に埋葬されてはいけないという風には書かれてないんですよね、どこにも。
六道輪廻はわかってますけれど、ペットと一緒のお墓に入っちゃいけないということは経典には書かれていないので別に問題ないです。

私は法学部の卒業でございますので、法律的にいえばペットちゃんっていうのは、私の所有物、私のものなんです。
ものはものでも生命を持ったもっとも尊いもっとも大切なものなんですよ。

私がよくはっきりみなさんに申し上げるのは、私の最愛のみーちゃん(村井さんが飼われている猫)は、猫の姿をしているけれども私の娘なんですよと、だから娘と母親が一緒のお墓入るのになんら問題はないんです。
私はそういう考え方なんですよね。

いろんな考えがあっていいんです

村井さん:

みなさんそれぞれ色んなお考えがあるので、私はこういう考えで、そして私のそういう考えに共感を持ってくださる方に来ていただければいいだけのことです。

だって人にはそれぞれ価値観がありますから、価値観の違う方にそれを押し付けることの方がよろしくない。

法哲学を学んだときに、だいぶ昔の話ですけれど、法の正義とはなにかっていう、これは試験問題のテーマだったんですけれども、法の正義とはなにかいうことをずっと解いていくと、絶対正義というのはこの世に存在していないということに行き着くんですね。

それこそ経典に、阿弥陀経という経典の中に、極楽浄土には、青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光、つまり、青い花には青い光があり、白い花には白い光があり、赤い花には赤い光があり…。
つまり、それぞれ様々であるというふうに説かれているんですよね。
だからいろんな考えがあっていいんです。

みーちゃんとの出会い

―みーちゃんとはどのような経緯で出会われたんですか?

村井さん:

みーちゃんは先代が私によこしてくださった運命の子なんです。
と申しますのは、先代の住職が13年前に亡くなられて、私はグリーフ(悲嘆)からくる喪失感でもうなかなか立ち直れず苦しみました。
ですから、グリーフケアの大学の先生についてお勉強させていただいたり、うちのお寺でもグリーフケアの講演会開かせていただいたり、それを繰り返していたんですけれど。

4年くらい経ったときに、11月ごろだったと思いますわ、ふっと気が付いたら、縁の下から可愛らしい、子猫ではもうないんですよ、八か月か九か月かわからないですけれど、かわいらしい三毛ちゃんが姿を現したんですよね。

それで私の姿を見るなり、ピーンと尻尾を立てて、ピリピリピリピリピリ、って嬉しいって、あの、後で私育猫書をいろいろ読ませていただいて、猫ちゃんってうれしいと尻尾をあげてピリピリピリって振るんだそうですね。
そしてくるくるくるっと二回転か三回転して、私の膝に乗ってきたんですよ。
そしたら、「あっ!」と思ったんですよね。この子を表に出すなんでできないと思いました。

それから、最初は三毛猫ちゃんだから三毛ちゃんって呼んでたんですよね。
でもそう呼んでも全然反応しなかったんですよ。

一週間か二週間して、なんかの拍子にみーちゃんって呼んだんですよ。
そしたら「にゃあ」って鳴いたんですよ。
それで「あっ!この子みーちゃんなんだ!」って思ったんですよね。

それからみーちゃんになったんですけど、もう今はねぇ、あの子は一番うちのお寺でえらい人です(笑)。
あの子がいない人生っていうのは私にとってはない。

先代が猫の姿になって帰ってきてくれた

―初対面で膝に乗るってすごいですね!

村井さん:

26年お手伝いに来てくださっている女性がいるんですけど、その人が「これ、前の庵主さんが戻ってきはったんと違いますか」って言われるんですよね。
どうしてかっていうと、みーちゃんってはじめは猫被ってましたけど、だんだん本性を現し出したら、前の庵主さんとそっくりなんですよね。
わがままで、自分勝手で、好き勝手やって、それでいてめちゃくちゃ可愛らしい。
前の3つだけだったら許せない人だったけど、すごく心が純粋で、師匠を可愛らしいと言ったら失礼ですれども、本当に可愛らしい方だったんですよね。

だから、前の庵主さんとそっくりだから前の庵主さんが戻ってきはったんだわって言われたんで、「そやなぁ、前の大庵主さんが、私が寂しがって泣いてたから戻ってきてくれはったんや」ってそう思ったら余計愛しくて堪らなくなって。
もうみーちゃんにはとにかく長生きしてほしいけれど、私が死んだりボケたりするまでに、ちゃんとお墓に入れれたらいいと思うんです。

天空墓 ティアラを購入する方の傾向

―話が変わるんですが、お墓を生前の内に購入される方が多いんですか?

村井さん:

みなさんね、特にティアラはご主人亡くされた方が大半なんですよ。
奥さんはティアラを気に入られても、ご主人は普通のお墓がいいんですね。
普通のお墓でもペットちゃんと入れるゾーンがあるんですけど、そうするとそっちへ行くんですね。必ず。

―村井さんはティアラや樹木葬の方がお好きですか?

村井さん:もちろんです。それが好きでね、ティアラは私が設計したんですよね、最初っから。
クリスタルの墓を作りたいっていうことで作り上げているので思い入れが強いですよね。
まぁ好き好きなんでね、しょうがないですね。男の人は石の墓が好きですわ。

庭園葬や樹木葬を作り上げた経緯

―樹木葬についてお伺いしたいです

村井さん:

うちも山抱えてますから、日本で最初に樹木葬を始めた岩手県の祥雲寺さんのような里山型樹木葬をやりたかったんですよ。
ところが、京都は絶対に墓地の許可が下りないんですよ。
だから自分のところの墓域の中でしか樹木葬ができなかったんですが、運のいいことにうちは墓地がすごく広かったんです。500坪あったから。

庭園葬っていう、ひとつの庭園を作って色んな木を植えて、その周りに穴を掘って納骨させていただいて、納骨のあとにリュウノヒゲを植えさせていただいて、永代供養をさせていただく、そういうのをまず最初に始めたんです。
それがもう来年で20年目になりますねぇ。

最初は区画をきれいにするために私自らの手でかまとすきとくわを持ってそこを耕したんですよ。
そして、庭園の中に、一年中どこかに何かが咲いているように計画して木を植えていったんです。

そこは結局使用権を設定せず、永代供養のみで非常にお安かったので、評判は良かったんですね。
ところが問題が起こったのは、隣空けといてくれとか、言われるんですよ。
使用権を設定しないってことは隣はその方の使用する権利はないんですよ、空けとくのはいいんですけど、確約って取れないじゃないですか、人の気持ちは変わりますから。
50代とか50代後半でも再婚される方は多いんですよね。再婚されたら入りませんよね。

それでファミリー型、家族型とか花壇型とか使用権が設定された墓地を作り上げていったんです。

だから私は樹木葬が好きなんです

―樹木葬がお好きな理由を教えてください

村井さん:

樹木葬を気に入った最大の理由は、樹木葬って最高のグリーフケアになるからです。
っていうのは、結局お土に還られて木を育てるわけですよね、その木そのものがその方なんですよ。
そしたら、毎年ね、花になって戻ってこられるわけですよ。
桜でしたら、毎年四月になったら、桜になって戻ってこられる。
モクレンだったら白いモクレンの花になって戻ってこられる。
樹木葬は最高のグリーフケアだと思うんです。だから樹木葬が好きなんですね、私。

―墓石だったらずっと同じままですよね。なんの変化もないのは寂しいことかもしれません。

村井さん:

そうですそうです。
来年また会えるなぁって思ったら、思っただけで心が強くなれるような気がするんですよね。

だから私は樹木葬が好きなんです。樹木葬だけじゃなくて桜散骨もそうですけど。
その木が生きている限りは必ず帰ってきてくれるんですよね。

お話を伺った感想

村井さんは非常にパワフルで、竹を割ったような性格の方だと感じました。
みーちゃんのお話になると優しい表情をされて、本当に楽しそうにお話をされていました。

また、お話を伺う中で、樹木葬をはじめとした自然葬の良さを再発見しました。
花が咲く木を墓標とした樹木葬であれば、来年また花が咲くのを楽しみにできるというのは本当に素敵なことだと思います。

西寿寺さんのお墓は、墓域から京都市内を一望できる最高のロケーションや、お求めやすくバリエーションが豊富な区画から人気があります。
東京からはるばるお求めになる方もいらっしゃるそうです。

都市部の樹木葬は、霊園の一画で人工的に自然を再現した規模の小さなものが多く、西寿寺さんのような木を墓標にして眠れるものは多くありません。
ペットと一緒に眠れる樹木葬や、桜の木の下で眠れるお墓をお求めなら、京都市までご検討の範囲を広げてみてはいかがでしょうか。

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執筆者情報

お墓ディレクター

馬淵

経歴

石材店勤務を経験後、現在はお墓さがしのライターとして、皆様のお墓に対する不安や疑問を解消できるコンテンツ作りを心掛けています。

保有資格

お墓ディレクター(認定番号 21-200042-00)