お墓を建て替える場合の処方箋!流れと費用を徹底解説!
リフォームや引っ越しなどでお墓を建て替えたいことがあります。 しかしそれは人生においてそう何度も経験することではありませんから、ほとんど人にとっては初体験のことのはずです。 ですから建て替える場合は、予算はいくら必要なのか、どういう流れで行えばよいのか、などの点について戸惑うことも多いでしょう。そこでここでは、お墓を建て替える場合の費用とその流れについて徹底解説します。 目次 1.お墓の建て替えにふさわしい時期は? 1-1.建て替える時期は年忌法要などに合わせる 1-2.お墓の不具合を発見したら建て替え時期 1-3.生前にお墓を建て替えるメリット 2.建て替えはどこに頼む? 3.建て替えの流れ 3-1.役所への届け出が必要な場合も 3-2.お寺、霊園への相談 3-3.現地調査、設計、見積もり、契約 3-4.文字彫刻打ち合わせ 3-5.閉眼供養(魂抜き) 3-6.施工、引き渡し 3-7.開眼供養(魂入れ) 4.建て替えの費用 4-1.閉眼供養、開眼供養のお布施の相場は 4-2.お布施はお金はのし袋で渡すべき? 4-3.建て替え工事費用の相場は? 4-4.墓石の自体の購入と工事費用は? 4-4-1.墓石代 4-4-2.外柵石材費 4-4-3.外枠工事費 4-4-4.撒き砂利(那智石の場合) 4-4-5.墓誌 4-4-6.その他の費用 5.親族がお墓を建替えた場合のお祝い 5-1.生前にお墓の建て替えをするのはお祝いごと 5-2.お祝い金の相場 5-3.故人の埋葬のための建て替えの場合は不祝儀で 6.まとめ

1.お墓の建て替えにふさわしい時期は?

まずお墓はどのような場合に建て替えることになるのでしょうか。あるいは建立の時期はどのように選べばよいのでしょうか。

1-1.建て替える時期は年忌法要などに合わせる

お墓を建て替えるべき時期は実は決まったルールがあるわけではありません。 しかし建て替えにふさわしいタイミングというものは存在します。 それが一周忌、三回忌、七回忌といった年忌法要や、お盆、お彼岸、故人の命日などの法事のタイミングで、それに合わせて建て直すことがほとんどです。 その理由は、お墓を建て直す際には、古い墓石から魂抜きの法要を行う必要がありますので、僧侶に依頼しなければなりません。 その一方で年忌法要や法事の際にも僧侶に読経を依頼します。 その両方の依頼を1度に済ませてしまうために、年忌法要や法事とお墓の建て替えを一緒に行ってしまうのです。

1-2.お墓の不具合を発見したら建て替え時期

また頑丈に作られている墓石でも、外にあって雨風に当たっていればいずれは劣化や風化していきます。 そうなると、墓石に傷が入ったり、目地の部分にシミやカビが発生してしまいます。 これは見た目にも悪いですし、墓相を気にする人にとっては縁起も悪いことです。 したがって、そのような瑕疵が目立つようになった段階でお墓を建て直すということもよくあります。 あるいは、墓参をする人が高齢化してきた為、墓地区画への入り口をスロープにしたり、あるいは手すりをつけたりなどのバリアフリーのリフォームが必要になる場合もあります。 その工事の際に、一緒に墓石も立て替えてしまう、ということもよくあるケースです。

1-3.生前にお墓を建て替えるメリット

また自分の代でお墓を建て替えることにはメリットもあります。そのメリットとは以下のような点です。

・墓石を自分の希望の形や色、石材にしてお墓を建て替えることができる ・法事などを迎えた時に墓石が傷んでいてあわてて修繕する必要がない ・お墓を相続した家族に負担をかけなくて済む

2.建て替えはどこに頼む?

ではお墓の建て替えを考えた時にどこに頼めばよいのでしょうか。 まず依頼する業者は石材店になります。 ただし、電話帳やネットを見て石材店に依頼する前に、墓地のある寺院や霊園が専属の石材店を契約していて、その業者しか工事ができない場合もあります。 ですからお墓の建て替えを思い立ったら、まず寺院や霊園に相談してみましょう。 そして寺院や霊園で専属の石材店がなく、自由に業者を選んでよい、という場合にも必ず複数の業者に見積もりを依頼して、費用や内容を比較する「相見積もり」を取りましょう。

3.建て替えの流れ

では建て替えはどのような流れで行えばよいのでしょうか。

3-1.役所への届け出が必要な場合も

まず注意点としては、今ある墓地区画の中でお墓を建て直すのであれば不要ですが、場所を移して建て替える場合には、市役所や区役所への書類上の届け出が必要になるということです。 具体的に必要な書類は、主に「埋葬証明書」「受け入れ証明書」「改葬許可申請書」の3通です。 これを移転先の市役所や区役所に提出する必要があります。

3-2.お寺、霊園への相談

改葬許可申請書の署名捺印、埋葬証明書は今お墓がある墓地の管理者が対応します。 受入れ証明書は、引越し先の墓地の管理者が発行します。 なので、墓地を移動してのお墓を建て替える場合にはまず寺院、霊園に相談することが必要です。 また、墓地内での建て替えで書類が不要な場合でも、お墓に工事を入れること自体、寺院や霊園の許可が必要ですから、話があと先にならないように、必ず事前に寺院や霊園に相談するようにしましょう。

3-3.現地調査、設計、見積もり、契約

そのうえで、寺院、霊園からのお墓建て替えの承認が得られたら、石材店に依頼することになります。 この依頼とは、すなわち工事の見積もりを依頼するということになるので、依頼内容としては、現地調査、新規の墓石と墓地区画の設計、見積もり、そして契約書類の作成までのすべてになります。 最近は墓石のデザインや墓地区画のデザインをCADなどを使った3D画像で見せてくれる石材店も増えています。 この段階で、親身になってこちらの話を聞いてくれる石材店を選びましょう。

3-4.文字彫刻打ち合わせ

石材店が決定し、建て替える墓石の種類も決まったら、その墓石に彫刻する文字や家紋について打ち合わせをする必要があります。 これは簡単に彫り直しが利くものではありませんから、文書できちんと確認しましょう。

3-5.閉眼供養(魂抜き)

そして工事に入る前には、その墓所に眠っている祖先の霊魂にいったん外へ出て、寺院で待機してもらう必要があります。 その法要を閉眼供養といい、別名「魂抜き」とも言います。 地域や宗派によっては「御性根抜き」とも呼ばれます。 また浄土真宗では閉眼供養を行いませんから、遷仏法要という法要を代わりに行います。 この際には、実際にお墓の石室であるカロートから骨壺も取り出します。 その骨壺は寺院で預かってもらうか、場合によっては石材店で預かってもらうことになります。

3-6.施工、引き渡し

この法要を終えたら工事に入ります。ここは石材店任せになります。 そして完成した段階で、引き渡しとなります。

3-7.開眼供養(魂入れ)

墓所が整ったら再度寺院に依頼して、開眼供養を行い、霊魂にまたお墓に戻ってもらったのち、納骨を行います。 納骨自体は石材店に任せましょう。ちなみにこの開眼供養は新しく仏壇などを購入した際にも行う必要がある法要です。

4.建て替えの費用

ではこのお墓の建て替えにはどの程度の費用がかかるのでしょうか。

4-1.閉眼供養、開眼供養のお布施の相場は

まず必要なのは、閉眼供養と開眼供養のお布施です。 これは宗派、地域、寺格、寺院によって全く異なりますので、依頼する段階で単刀直入に寺院に確認するのがよいでしょう。 ただし相場としてはそれぞれの法要で3~10万円のお布施ですので、これよりも破格に高い場合は、寺院に質問したり、同じような建て替えを最近行った親戚から情報を入手したほうがよいでしょう。 また法要時にはお布施のほかにも必要な費用があります。 1つは「御車代」です。 これは僧侶の出張費で、1回5千円~1万円が相場です。 2つ目は「御膳料」です。 通常であれば、法要後に会食を行いますが、その会食を行わない場合、行っても僧侶が出席しない場合に差し上げる金額です。 こちらも5千円~1万円程度が相場です。

4-2.お布施はお金はのし袋で渡すべき?

この閉眼供養、開眼法要のうちの開眼供養だけは、弔事ではなく慶事ですので、紅白の水引が入ったのし袋でお布施をお渡しします。 ただし閉眼法要は慶事ではありませんから、黄白の水引が入ったものにします。 そして表書きは「お布施」とし、内袋には施主の氏名と住所、そしてお布施の金額を明記しましょう。

4-3.建て替え工事費用の相場は?

お墓の建て替えの主となる費用の工事費用の相場はどうなのでしょうか。 費用はお墓の区画面積、工事内容、墓石の種類、設置する付属物、周辺環境の工事の難易度によって変わります。 お墓さがしでは墓じまいのサービスも行っていますので、ぜひご参照ください。 墓じまいサービスバナー

4-4.墓石の自体の購入と工事費用は?

以上は「工事」の「作業費」ですがこのほかに墓石の購入費用もかかります。

4-4-1.墓石代

まず墓石の価格の相場は、一般的には70万円~200万円とみておきましょう。 さらにこれがデザイン墓石だったりするとデザイン料がかかりますし、高級墓石の場合はその分上乗せになります。 あくまでこれは通常サイズの和型墓石の場合です。 さらにこの墓石本体の費用に加えて、墓石を設置したり墓地区画を整備したりする費用が以下の通りかかります。

4-4-2.外柵石材費

・2㎡ 15万円 ・3㎡ 25万円 ・4㎡ 35万円

4-4-3.外柵工事費

・2㎡ 10万円 ・3㎡ 14万円 ・4㎡ 16万円

4-4-4.撒き砂利(那智石の場合)

1㎡1万円が相場で墓地区画の広さによって撒く量が変わるので費用も変わります。 また那智石をもっと高額な五色石などにしても費用は変わります。

4-4-5.墓誌

墓石の隣に、故人の名前を彫る墓誌を一緒に建てた場合の費用です。

・外国の石材を使用 3~10万円 ・国内の石材を使用 8~25万円

4-4-6.その他の費用

・文字彫刻費 4万円(墓石への文字の彫刻費) ・卒塔婆立て 1~5万円 ・物置台 4~6万円 ・地蔵菩薩像 2~15万円 ・墓前灯篭 3~5万円

5.親族がお墓を建替えた場合のお祝い

以上は自分の代で自分の一族のお墓を建て替えた場合の費用です。 これに対して自分ではなく、親族がその一族のお墓を建て替えた場合、それは慶事なので基本的にはお祝い金を出すことになります。

5-1.生前にお墓の建て替えをするのはお祝いごと

なぜお墓を建て替えることが慶事、つまりおめでたいお祝い事になるのかというと、以下のような考え方があるからです。 お墓は亡くなってから入るところなので不幸ごとと関連しているようですが、生前にお墓を建てることは「寿陵(じゅりょう)」と言って、長寿を招く縁起のよい出来事だとされているのです。 また新しいお墓になるということは、墓相もよくなるのでそれも縁起がよいと言われる理由です。 ですからかつてはお墓を建てたり、建て替えたりした場合、親戚一同を招き、法要と会食を行うことが一般的でした。 しかしそれは現代おいては大仰なので行わず、その代わりに親族からお祝い金を渡す風習が残っているのです。

5-2.お祝い金の相場

ではお祝い金の相場はどのように考えたらよいのでしょうか。 この金額には明確なルールはありませんが、家族であれば3~10万円、親戚であれば2~3万円、友人であれば1万円と考えておけばよいでしょう。 また香典とは違ってお祝い金なので、入れるお札は古いものではなく、新しい綺麗なものを入れるのが一般的です。 そして渡す場合は赤白の水引がついた祝儀袋に入れ、表書きは「建碑御祝」「建立祝」と書き入れます。

5-3.故人の埋葬のための建て替えの場合は不祝儀で

ただしこのお墓の建て替えのタイミングが、年忌法要や法事ではなく、身内に不幸があり、亡くなった故人を納骨する為にお墓を建てるというタイミングの場合、これは慶事ではなく弔事になります。 したがって同じお金を渡すのでも、それは香典になりますから、袋は祝儀袋ではなく黒白、白銀、白黄などの水引がついた不祝儀袋にし、表書きには「御仏前」と記します

6.まとめ

お墓の建て替えの費用と流れの全貌がお分かりいただけたでしょうか。 お墓は単なる設備ではなく、霊魂が眠る宗教施設ですから、その建て替えは自宅にウッドデッキを敷く工事をするような簡単なことではありません。 ですから以上の段取りと準備をしっかり理解し、不備なくお墓を建て替えが行えるようにしましょう。