お墓の供花、造花を使っても問題ない?

お墓の供花、造花を使っても問題ない?

お墓参りでお供えする花を供花(くげ、きょうか)といいます。

最近、お墓の供花に造花を見かけることが多くなりました。

一方で、供花は生花でなければならないと考える方もいて、造花をお供えして叱られたというような例もあるようです。

お墓の供花のマナーについて考えてみましょう。

お花は大切な供え物

仏教では、「香」「花」「灯明」「水」「飲食(おんじき)」の五つを「五供(ごくう)」といい、供え物の基本とします。

五種の供え物は仏道の修行を表していますが、花は大自然の厳しい試練に耐えて花を咲かせることから、苦しいことにも耐え忍ぶ忍辱行を表すといわれます。また、生花が枯れていく姿が仏教の「諸行無常」の教えを表しているという考え方もあるようです。

いずれにしても、仏教においてお花は大切な供え物とされてきました。

造花のメリット

美しいお花も数日たつと萎れてしまいます。お墓参りの当日はよくても、強い日差しや風雨にさらされて枯れてしまうのです。

枯れた供花は、墓地を管理しているお寺の方や霊園の管理者が適宜取り除くのが一般的です。しかし、花立てに枯れたお花が残っている姿は、かえって虚しく寂しい感じがするものです。

花が枯れる前に取り換えるというのが理想でしょうが、実際にはなかなか難しいものです。

そこで増えてきたのが造花の供花です。生花と見間違うように美しく、水がなくても大丈夫なので、いつお墓に行っても寂しい感じがしません。特にお墓が遠くにあって、しょっちゅうお墓参りをすることができない方には非常に便利です。

地域性もあるようで、例えば九州地方では造花を利用する方が多いそうです。お彼岸でも気温が高く、生花だと1日で枯れてしまうという事情があるということです。

また、最近はお墓参り用のプリザーブドフラワーも注目されています。

プリザーブドフラワーとは生花に特殊な加工を施して長期保存できるようにしたもので、生花のような瑞々しさを残したまま、水やりをしなくても枯れることがありません。直射日光や水分に弱いという欠点がありましたが、特殊なコーティングを施すことにより、屋外でもお供えできるようになりました。

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生花にこだわる意見も根強い

一方で、お墓のお花は生花でなければならないと考える方もいらっしゃいます。

諸行無常という教えを表すものだから生花であることに意味があるという考え方があります。また、造花をお供えするのは手抜きのように思えるということもあるようです。

お墓に造花を供えていると、親族から叱られたというようなケースもありますから注意が必要です。トラブルを避けるためには、事前に本家や親戚の方の意見を聞いておいたほうがよいでしょう。

とはいえ、近年では管理上の問題から墓前に生花を供えることを制限したり、持ち帰りを推奨するお寺や霊園が増えています。特に花立ての水が腐りやすい夏場については、造花の供花を推奨しているところもあるようです。

造花の供花に対する考え方は変わりつつあるといえるでしょう。

造花を供花にする際のマナー

供花として造花を使う場合も、基本的な供花のルールにのっとって準備します。

供花は一対、つまり同じものを2束準備します。本数は奇数がよいとされ、3本、5本、7本が一般的です。花の色は明るい色を使うのが一般的ですが、3本の場合は「白・黄・紫」、5本の場合は「白・赤・黄・紫・ピンク」の組み合わせがよいとされます。

使う花が決まっているわけではありませんが、棘のある花(バラやアザミなど)、毒のある花(ヒガンバナなど)、香りの強い花は避けたほうがよいでしょう。

とはいえ、一番大切なのはお供えする人の気持ちです。本来、ルールやマナーも故人に対する気持ちを表すためのもの。亡くなった方が生前好きだった花があれば、それをお供えするのが一番の供養になるのではないでしょうか。

造花を供花とすることも、ただ手間が省けるからというような動機からではなく、ご先祖様や故人に寂しい思いをさせないよう、喜んでいただけるようにという気持ちから考えることが大切でしょう。