無宗教の人のお墓はどう選ぶ?お墓の種類やお墓を持たない方法
どの宗教も信仰していないので、宗教色のないお墓を持ちたい方はどのようにすればいいでしょうか。
この記事では、無宗教のお墓について解説します。
目次
無宗教とは
無宗教とは、信仰を持たない、あるいは特定の宗教を信仰しない立場を言います。
2013年度に統計数理研究所が20歳以上の日本人に実施した調査によると、72%が「信仰とか信心とか」を「もっていない、信じていない、関心がない」と回答しました。
参考:中村 隆・土屋 隆裕・前田 忠彦 2015 「国民性の研究 第13次全国調査−2013年全国調査−」 統計数理研究所 調査研究リポート No.116.
このことから、約7割の日本人は、無宗教を自認していることが推察されます。
無宗教の人がお墓を選ぶポイント
無宗教の人は、どのようにお墓を選べばいいでしょうか。
「宗教不問」または「宗旨宗派不問」の墓地を探そう
墓地は、使用できる宗教を制限することがあります。
特にお寺が管理する「寺院墓地」は宗教活動の一環として経営されるので、一般的には、同じ宗教の人のみがお墓を使用できます。
特定の宗教に縛られたくない場合は、「宗教不問」または「宗旨宗派不問」としている墓地を探してみましょう。
民営霊園は宗教色が薄い傾向にある
多くの場合で宗教不問、あるいは宗旨宗派不問としているので、無宗教の人は民営霊園から探すと希望のお墓を見つけやすいでしょう。民営霊園を探す >>
宗教団体と関わりたくなければ公営墓地や共同墓地を探そう
民営霊園に比べてサービスや設備は簡素ですが、宗教団体と一切かかわりたくない場合は、自治体が運営する「公営霊園」や、地域の墓地管理委員会が運営する「共同墓地」から探しましょう。
公営霊園・共同墓地を探す
「規格墓所」に注意
規格墓所とは、決まった寸法でお墓を建てる区画をいいます。
例えば、和型の規格墓所では和型墓石しか建てることができませんが、和型のお墓は仏舎利塔を原型にすると言われており、宗教的であるとも言えます。
したがって、できるだけ宗教色を排除したい場合は、洋型の規格墓所か、自由設計ができる「自由墓所」がある霊園を探しましょう。
特に断りが無い場合は、設計の制限について、墓地の管理者に確認します。
無宗教のお墓の墓石デザイン
無宗教のお墓を建てるなら、墓石はどのようなデザインが良いでしょうか。
お墓は自由にデザインして良い
購入した区画の制限内であれば、お墓はどのようにデザインしても構いません。
宗教的な決まりに囚われる必要はないので、どんなお墓を建てたいか考えてみましょう。
墓石の形は洋型かデザイン墓石がおすすめ
一方、和型墓石は仏舎利塔を原型としていると言われているので、どちらかと言えば宗教にゆかりがある形態です。加えて、和型墓石の場合は「心」や「愛」などの一文字を刻むと上下に余白ができてバランスが悪いので、彫刻の幅も狭くなってしまいます。
彫刻は自由な言葉やイラストを刻んで良い
最近では、「やすらかに」「来てくれてありがとう」「愛」などの、自由な言葉を刻むお墓が増えています。
絵柄やイラストも多彩で、花などのスタンダードな彫刻の他、海や故人の似顔絵など、個性的なお墓も見られます。
無宗教の納骨のやり方
納骨をするには、どのようにすればいいでしょうか。
まずは墓地管理者に報告
納骨をするにあたっては、まずは管理事務所などの墓地管理者に相談します。
墓地管理者は、墓地に誰が埋葬されているかを管理する義務があるので、これは宗教の有無に関わらず必須のステップです。
墓地の納骨のルールが無いか確認する
墓地によっては、納骨にあたって、必ず特定の寺院に法要を依頼する、あるいは特定の石材店に納骨を依頼する、などの決まりが設けられていることがあります。
管理事務所などの管理者に確認し、決まりがあれば、それに従います。
納骨のルールが煩わしい方は、墓地を契約する前に確認しておきましょう。
自分で納骨できそうならそのまま納める
納骨室の入口の石材が目地どめされておらず、かつ軽そうであれば、自分で納骨しても良いでしょう。
墓地管理者の許可をもらって、そのまま納骨してください。
ただし、石材を動かすので、隣のお墓にぶつけて傷つけたり、落として割ることが無いよう、十分に注意しましょう。
不安な方は、石材店に依頼した方が確実です。
自分で納骨できなさそうなら石材店に依頼する
自分で納骨することが厳しければ、石材店に納骨を依頼します。
特に、重たい石材を動かす必要がある場合は、ケガやお墓を傷つけることを避けるためにも、石材店に依頼しましょう。
民営霊園の場合は、依頼できる石材店が決まっています。
お墓を建てた石材店か、分からなければ管理事務所に相談して手配してもらいます。
公営墓地や共同墓地の場合は、近くの石材店を探して依頼します。
墓地での工事実績がある業者なら安心でしょう。
納骨の時に儀式はしなくてもいい?
墓地に規定が無ければ、納骨の儀式はしなくても構いません。
納骨などに際して親戚などを集めるかどうかも、喪主と遺族の意向次第です。
仏教では「納骨法要」、神道では「埋葬祭」などを行いますが、いずれも宗教行為です。信仰がなければする必要はありません。
ただし、親戚との兼ね合いで、何らかの儀式をしなければ非難される、などの事情があれば、考える必要があります。
墓石を建てない無宗教のお墓
「宗教不問」あるいは「宗旨宗派不問」で利用できる可能性がある、墓石を建てないお墓を紹介します。
樹木葬
樹木葬を探す >>
納骨堂
納骨堂を探す >>
合葬墓
合葬墓を探す >>
「永代供養墓」に注意
ここで紹介したお墓のほとんどは、「永代供養墓」として販売されています。
永代供養墓とは、お寺などの墓地管理者が故人の供養をしてくれるお墓です。
跡継ぎがいなくても使用できることから、近年人気が高まっています。
「永代供養」の具体的な内容としては、年に1~数回の合同法要での読経が挙げられます。
なお、「供養」や「法要」、「読経」は、仏教の概念です。つまり、「永代供養墓」に納骨すると、仏教に則った宗教行為が行われることになります。
特にお経が読まれることが気にならない方は、「永代供養墓」を探すことで、墓石を建てないお墓を探すことができます。
逆に、絶対に読経などの宗教行為をしてほしくない方は、自治体が運営する「公営墓地」で、上記のような墓石を建てないお墓を探す必要があります。
無宗教でお墓がいらないときは
無宗教の人が、お墓を持たずに遺骨を弔う方法を紹介します。
散骨する
海洋散骨の資料請求 >>
遺骨でアクセサリーやオブジェなどを作る
手元供養品の資料請求 >>
無宗教の葬式はどうなる
無宗教でお葬式をする場合は、内容は自由に決めることができます。
実際には、仏式のお葬式から、仏教の要素を含む部分を、他に差し替えた形にすることが多いようです。
例えば、読経を黙とうに、焼香を献花に差し替えたりします。
他、故人の好きだった音楽を演奏したり、スライドショーで故人の生い立ちを紹介することもあります。
ただし、自由度が高い分、何も決めなければ何もしないお葬式になってしまいます。
葬儀社では無宗教のお葬式に慣れていない会社も多いので、丸投げも難しいでしょう。
また、お墓がお寺にある場合、葬儀をお寺に頼まなかったことで、お墓に入れてもらえないこともあります。
新しい形式に慣れない親戚から、反発もあるかもしれません。
無宗教のお葬式をしたい場合は、お寺や親戚づきあいのことも考えながら、内容を決めておきましょう。
まとめ
- 無宗教のお墓を希望する人は「宗教不問」または「宗旨宗派不問」の墓地を探すと良い
- 民営霊園は宗教色が薄い傾向にあり、探しやすい
- 宗教法人が関わらない墓地を希望する場合は公営墓地か共同墓地から探す
- お墓の形は洋型やデザイン墓石がおすすめ
- 墓石を建てない、またはお墓をもたない弔い方もある
無宗教で利用できるお墓をお探しですか?
お墓さがしでは、全国の霊園や墓地をご紹介しています。
無宗教で利用できるお墓もご紹介しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。
経歴
2018年より、お墓マガジンのコラムを執筆しています。適切な情報をお届けできるよう努めて参ります。