納骨堂と永代供養の違いを分かりやすく解説します!

跡継ぎのいないお墓について調べていると、「納骨堂」や「永代供養」などの言葉が出てきます。それぞれ、どういう違いがあるのでしょうか。
この記事では、「納骨堂」と「永代供養」の違いについて解説します。
目次
納骨堂と永代供養の違い
そもそも、「納骨堂」と「永代供養」では、比べる土俵が違います。
納骨堂:
お墓の形式の1つ。一般的に、屋内に遺骨を安置するお墓のこと。
永代供養:
お墓の管理形態の1つ。お墓の承継者がいなくなった後も、お寺などの墓地の管理者が、遺骨の供養を続けてくれること。
「納骨堂」と「永代供養」の2つを比べることは、「チューリップ」と「赤」を比べるようなものなのです。
赤いチューリップもありますし、赤くないチューリップもあります。また、チューリップ以外でも、赤いものはあります。
同様に、永代供養が付いている納骨堂もありますし、永代供養が付いていない納骨堂もあります。
また、納骨堂以外でも、永代供養が付いているお墓はあります。
納骨堂と合祀墓の違い
合祀墓(ごうしぼ)に遺骨を埋葬することを、「永代供養にする」と言う方もいるので、納骨堂と合祀墓の違いも紹介します。
屋内に納骨する。一定期間、または年間管理費を支払い続ける限りは個別区画で安置され、それ以降は合祀される。
- 初期費用相場:10~200万円
- 年間管理費相場:0~2万円
大きなお墓の1つの納骨室に、複数の契約者が埋葬される。一度納骨したら遺骨を取り出すことはできない。
ほとんどの場合で遺骨は他の人と混ざる。
- 初期費用相場:3~30万円
- 年間管理費相場:0~5千円
納骨堂で永代供養をしてもらう場合の費用
納骨堂で永代供養をしてもらう場合の費用相場は、おおむね以下の通りです。
納骨堂で永代供養にする費用相場
- 1人用納骨堂:10万円~50万円
- 家族用納骨堂:100万円~120万円
- 年間管理費:0円~2万円
この金額はお墓を建立した場合の費用相場である150万~300万円と比較しても安くなります。
永代供養とは何か
永代供養とは、墓地の管理者に遺骨を供養し続けてもらえるシステムです。
永代供養について、詳しく解説していきます。
跡継ぎがいなくてもお墓を持てる
永代供養の最大の長所は、跡継ぎの心配をしなくていい点です。
これまでのお墓は、跡継ぎがいないまま放置されるといわゆる「荒れ墓」になりますが、永代供養墓は、お寺などの墓地管理者が、親族に代わってお墓の供養を続けてくれます。
永代供養の具体的な内容は、お盆やお彼岸の合同法要などでの読経です。
場所によっては、回忌法要の年や命日にお経をあげてくれるところもあります。
個別での安置期間に注意
永代供養のお墓には、多くの場合個別安置の期間が定められています。
期間を過ぎると、遺骨は合祀墓に移動される点に注意しましょう。
なお、数は多くありませんが、「永代管理墓」などと言う名前で、将来にわたって個別で供養してくれるお墓を用意している霊園もあります。
永代供養と永代使用の違い
永代供養と似ている言葉に「永代使用」があります。
それぞれ、以下のような違いがあります。
永代使用:
将来にわたって(墓地を)使用すること。墓地の使用権を取得するための費用を「永代使用料」と言い、特に墓石を建てるお墓を買うときによく使われる。
永代供養:
永代にわたって供養を続けること。永代供養をしてもらうための費用を「永代供養料」と言う。
永代供養墓の種類
永代供養をする場合、選べるお墓にはいろいろな種類があります。
合祀墓
墓地内に設けられる場合が多く、屋外にある場合は「永代供養塔」という名称を使うこともあります。
納骨堂など屋内の施設に設けられる場合は、地下あるいは半地下に遺骨を埋葬する納骨室を設け、その上に仏像などの像や供養塔などを建てる形なども見られます。
納骨堂
納骨堂とは、屋内に収骨スペースを設け、そこに遺骨を安置していくものです。
ロッカー式のものがメジャーですが、仏壇型や、自動搬送式(マンション型)など、種類は多様です。
樹木葬
必ずしも、遺骨を土に還すものだけでないことに注意しましょう。
墓地の許可を得た山林に埋葬する「里山型」と、都市部に公園のような墓地を整備する「公園型」があります。
公園型のものでは特に、小さな墓石のプレートなどを置くことが一般的です。
参考:樹木葬とは?費用と購入の流れを解説!メリット・デメリット4選
その他の永代供養墓


またこれとは別に、これまでの一般墓に永代供養を付けた「永代供養付き墓所」と呼ばれるお墓もあります。
納骨堂とは何か
屋内の専用スペースに遺骨を納めていくお墓が納骨堂です。
ここでは、納骨堂について詳しく解説していきます。
納骨堂の定義
「納骨堂」とは、遺骨を納める建築物や施設のことです。
「墓地、埋葬等に関する法律」では、納骨堂は「他人の委託を受け焼骨を収蔵するために納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設」と定義されています。
納骨堂の種類
納骨堂にはいろいろな種類があります。
棚式
ロッカー式
基本的には扉があり、コンパクトながらも家族専用のスペースを持つことができます。
仏壇式
仏壇と同じ形状なので、焼香具、花立て、ロウソク立てを置くことができます。
自動搬送式(マンション型)
カードを受付機はリーダーにかざすと、遺骨を収蔵した厨子が運ばれてきます。
位牌式
原則1人用で、比較的安価に利用できます。
納骨堂のメリット
納骨堂には以下のメリットがあります。
管理の手間がかからない
納骨堂の管理や清掃は、そこの管理者が行います。
水をかけて掃除をしたり、草むしりをしたりする必要はありません。
天候に関わらずお参りできる
屋内でお参りができるので、季節や天候を問わずに快適にお参りできます。
空調や冷暖房が整っている所も多くあります。
墓石を建てるより費用がかからない
従来のような墓石のお墓を建てるには、総額で150万~300万円程度かかります。
一方、納骨堂は墓石を建てない分、費用を抑えることができます。
ロッカー式であれば50万円前後、マンション型であれば100万円弱で購入できます。
棚式や位牌式になると、中には10万程度で購入できるものもあります。
比較的交通アクセスが良い
納骨堂は街中のお寺に造られることが多く、郊外の霊園などと比較すると、公共交通機関でアクセスしやすい立地にあります。
特に都心を中心に増えている自動搬送式納骨堂は、その多くが駅から徒歩数分圏内にあります。
宗教・宗派の制限が少ない
一般的に、お寺のお墓はそのお寺の宗派の人しか使用できませんが、納骨堂の場合は、お寺が管理している場合も、在来仏教であれば宗派を問わない、あるいは、宗教を全く問わない所も少なくありません。
家族代々利用できる
仏壇式や自動搬送式の納骨堂であれば、多くの場合で家族代々承継することができます。
代々承継できる屋内墓苑をご希望の方も、検討しても良いでしょう。
納骨堂のデメリット
一方納骨堂には以下のようなデメリットがあります。
自由にお墓参りができない場合がある
納骨堂の場合は開館時間が決まっているので、早朝や夜のお参りができないことがあります。
また、納骨堂の種類によっては、共同の参拝所でのお墓参りになるので、通常のお墓のように故人に線香や花を手向けることもできません。
いずれは合祀になる
多くの納骨堂では、個別安置期間の終了後や跡継ぎがいなくなった後、遺骨は合祀墓に埋葬されます。
一度合祀にすると、遺骨は二度と取り出すことができません。
納骨堂をお考えの方へ
お墓さがしでは全国のお墓を紹介しています。
納骨堂をお探しの方は、是非こちらからお近くの納骨堂を探してみてください。
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納骨堂と永代供養に関するよくある質問
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納骨堂とは何ですか?
屋内に遺骨を収蔵する施設です。多くの場合で承継者がいなくても使用できます。
-
永代供養とは何ですか?
お寺などの墓地管理者が、将来にわたって故人の今日をしてくれることです。永代供養が付いているお墓を、永代供養墓と言います。
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納骨堂の費用はどれくらいですか?
10~200万円程度が相場です。費用は、納骨堂の形式や収容人数などによって変動します。
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費用を抑えて永代供養をしたいのですが?
不特定多数の方の遺骨を一つの納骨室に埋葬して供養する「合祀墓」だと、最も安い所で3万円程度から供養してもらえます。